141. 普通じゃない
ユーモアの質といいますかタイプといったらよいのかしら、私の好みです。ハイレベルなキャスティングの冗談みたいなお遊び的映画というのはワクワクします。私としてはユアン・マクレガーのダメ男ぶりを堪能しました。一番笑ったのはやはり電話ボックスのシーンですね。あれでいっぺんにユアンが愛しくなりました。ラストの粘土人形?のアニメーションも楽しい。こういうオマケ付きもうれしいです。 つけたし・・・ユアンとキャメロンの糸引きキスもよかった。最近舌をからませてるとわかるバクバクキスが少なくなったような気がしてたのでこのキスシーンには感動しました。 7点(2004-03-18 08:57:41) |
142. ステート・オブ・グレース
《ネタバレ》 ストーリーよりもキャストの妙に尽きる。オープニングのペンとタトゥーロのシーンが腑に落ちず、ペンの背景もはっきりせず、ドウナッテルノ?と思いきや、中盤あたり唐突に登場するタトゥーロに全ての謎は解けました。だってペンとタトゥーロの二人が出てくりゃ犯罪者しか浮かばないもの。ペンの警官役を見るのは「カラーズ」以来だ。素性が明らかになってから私の頭の中には香港映画「友は風の彼方に」「男たちの挽歌」が常によぎることに。期待どおりやってくれました。スローモーションでの撃ちまくりの銃撃戦。一瞬だけどペンは二挺銃も見せてくれた。バグパイプの音色と銃声が交互に響き、目の離せないシーンでした。惜しむらくはロビン・ライトの人物像ね。せっかくのキレイドコロなのにギャアギャアわめかせるだけでは勿体無いというものです。クールなんだけど、ちょっとトゲトゲしいし、ストレートヘアはいいのだけどいちいち髪かき上げるしぐさが邪魔でした。ゲイリー・オールドマンのキレ具合は怖いを通り越して、もう笑うしかなかったです。個性的な俳優がいっぱい出てくるのがなによりうれしい。そのうちカメオでクリス・ペンが出てきやしないかとちょこっと期待しました。この作品はまったく予備知識なしで観るほうがより面白い。 7点(2004-03-15 08:48:16) |
143. ミッション:インポッシブル
《ネタバレ》 私はやっぱりブライアン・デ・パルマの映像、雰囲気が好きなんだなあ、と確認した作品です。トム・クルーズって本当に器用な人ね。童顔でスパイらしくないんだけどね。でもなんだかんだといっても「まあ、いいんじゃないの」と思わせてしまうところが偉いです。エミリオ・エステベスとクリスティン・スコット・トーマスをもう少し丁寧な扱いにしてほしかったデス。バネッサ・レッドグレイヴ の悪役ボスというのがかなりうれしい。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2004-02-26 09:06:12) |
144. ジェニファー8(エイト)
セピア調の映像が大変美しいです。風景もすばらしい。盲目の少女を演じたウマ・サーマンがよかったわね。ナイーヴな感じが彼女にぴったりでした。アンディ・ガルシアがもうほんとにセクシー。 連続殺人事件の犯人を追い詰めていくその経緯はよいのですが、ラスト、なんでああなっちゃうの?ここはガルシアがケリをつけてくれなきゃあねえ。ウマの入浴シーン、残念ながらあれは吹き替え、ボディ・ダブルってやつです。 あの施設の分厚いメガネの人がマルコヴィッチに見えたのは私だけでしょうか? [CS・衛星(字幕)] 7点(2004-02-22 13:38:22) |
145. インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
ブラッド・ピットに負けてなるものかと減量してヴァンパイアに扮したトム・クルーズ。私は好意的に受け取りました。しかしトムは自分を演出するのが上手いですね。まともに二枚目をやっているブラピより執念深いトムのほうが魅力的でしたよ。トムのヴァンパイア役はどのようなものかと言われたけど、あたしゃスティーヴン・レイのおっさんヴァンパイアのほうがどうかと思いました。それでここが肝心なのだけどクリスチャン・スレーターも闇のお仲間に入ったのかしらね。ちゃんと確認できなかった。 7点(2004-02-02 11:55:43) |
146. ニキータ
《ネタバレ》 もっと前のフィルムノワールとはまたちがっていいですね。当時のおふらんす映画はなんか小難しいようなダラダラした自分探し的な作品ばかりだったように記憶してます。そこへいいかげんにせんかい!みたいに「喝」をいれてくれたように感じました。ただし前半ね。ジャン・ユーグ・アングラードが登場する後半からつまらなくなった。頼りなげでさえない男に恋するニキータはここでは必要なかったように思う。だいたいですね、死刑執行にレストランでの最終テスト、あんな修羅場をくぐり抜け晴れて工作員となった人間がですよ、いともあっさりと一般人と恋に落ち、メソメソ泣いてばっかりて・・・ちょっと展開甘すぎです。過酷な代償とはいえプロフェッショナルに成りきれないニキータ、そこが人間らしいといえばそうなんだけど「だから女はさぁ・・・」て言われても文句言えないじゃん。 手のつけられない粗暴で荒んだジャンキー、何のためらいもなく至近距離から警官を撃ち殺したニキータ、うっかりボブの目にとまりみっちり殺し屋として教育されるも、恋愛した途端「もう人殺しはいやよ」「愛しているからこそ去る」とはいったいなんなんだ・・・極めて自己中心的です、困ったものです。私は女だから女には厳しいですわよ(笑)愛しているからこそ去るというよりも、愛しているからこそ逃がし守った男二人が美しいのだ。リュック・ベッソンはやはり男だから男の美学を描きたかったのかもしれない。それを語るためのニキータと思えばなんとなく納得。 私としてはチェッキー・カリョと任務か人間性かで葛藤する姿が見たかった。彼はニキータを女として愛していながら任務を優先するストイックでプロフェッショナルな男。これが私好みの映画の中のイイ男キャラなのです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2004-01-21 11:44:28) |
147. レインメーカー
マット・デイモン演じる、駆け出し弁護士の成長物語でもありますね。マットにぴたーっとハマってました。しどろもどろのマットだからいいのよね。これが「アメリカの正義」ばりに雄弁で胸のすくような勝訴、となったら白々しいです。裁判の成り行きとクレア・デンズが絡むほうと、どっちもキチンと描かれてました。なんといってもダニー・デビートの存在が抜群ですね。色物脇役といったらいいのかしら。あと下宿先のおばあちゃんもよかったわね。 7点(2004-01-13 00:37:47) |
148. スリー・オブ・ハーツ
話題になった作品ではないですけど、これなかなかよかったです。三角関係、それもレズビアンとエスコートサービスの色男という設定がいいわね。とにかくウィリアム・ボールドウィンがハマっている。モデル系スケコマシ顔というのかしら。ケリー・リンチもきれいね。ボールドウィンのせりふ「オードリーみたいだ」というのがいいわ。ヘプバーンとホーン、どっちのオードリーのことだろ?「シェイプ・オブ・マイ・ハート」は「レオン」で聞く前にこっちで聞きました。これは佳作ですよ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2004-01-12 23:00:29) |
149. あなたが寝てる間に・・・
いっつもフラレ役だったビル・プルマンがついに愛する女性と結ばれたということにホっと安心。ピーター・ギャラガーが兄ということですが、ぜーんぜん似てないのは意図的なものかしらん。バター、生クリームたっぷりのこってりソース顔のギャラガーとあっさりしょうゆ顔のプルマン。脇役がよかったですね。クリスマスに観たい、ハートウォーミングなお話でした。 7点(2004-01-07 08:42:55) |
150. リトルマン・テイト
けっこう好きです。子どもにとって何が一番必要なのか、幸せなのかということがさりげなく語られているように思う。子役としてその抜群の演技力と存在感、その上クールビューティ系のルックスで天才子役と世間から絶賛されていたジョディ自身の経験とか当時の想いがかなり反映されているのではないでしょうか。演出がいいですね。特にジョディの天才の息子。濡れたような目と全体にヌメっとした顔もいいし、すぐに小さくなるから大きめサイズにしました、みたいなダボッっとした中途半端な丈のズボン、素足にスニーカーというのがいい!その後姿がなんともいじらしかったです。ジョディが息子にジャンクフードばかり食べさせるちょっとだらしない母親という設定もいいですね。小品だけどあったかいものを感じました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2003-12-27 00:10:49) |
151. リバー・ランズ・スルー・イット
これはブラッド・ピットの出世作になるわけですよね。しかしレッドフォードに似てましたねえ。正直、ブラピの美しさしか憶えてないです。なんといいますか強烈なモノがなかったからかしら。とてもキレイな作品だとは思うけど、キレイにまとまり過ぎてしまって、逆に印象が薄くなってしまったような気がする。すーっと通り過ぎていってしまった作品といったらいいのかしら。気分よく観れたし、ラストは感慨に浸ることはできましたけどね。強烈なモノは、やはりブラピの存在だったのかな。 7点(2003-12-25 01:01:39) |
152. アイ・ラブ・トラブル
へーこれ評価低めなのね。ジュリアとニック・ノルティがやり合うとこは50~60年代のロマンチックコメディのようで楽しかったですよ。ソウル・ルビネック、ジェームズ・レブホーンのいかにもな悪役もよかったし、オリンピア・デュカキス、ローバート・ロジア、マーシャ・メイソンなんてすごい顔ぶれ。私としてはニック・ノルティというのが気にいらないです。あの役はあんな男くさい俳優では合わないですね。それこそリチャード・ギアがよかったんじゃないの?「プリティ・ブライド」なんて、暇つぶしにやりました、みたいなのに二人揃って出るくらいならね。 7点(2003-12-21 22:37:07) |
153. 秘密と嘘
最初はブレンダ・ブレッシン演じる母親があまりに見苦しく、イライラしましたが黒人の娘と対面するあたりから引き込まれていきました。人間は秘密をもつことでそれを隠し、守るために嘘を言うことになる。嘘も方便なんて言葉もありますが、特別な場合を除いては、やはり「秘密と嘘」というのはお互いを理解するのに障害となるものです。せめて身内、親子のあいだでは辛い、悲しいことも共有し、助け合い、励ましあいたいものです。あのぎくしゃくした一家に立ち直るきっかけをもたらしたのは真実を知りたいと行動した黒人の娘でした。でもあの身持ちの悪いお母さんには参った。「もっとしっかりせんかい!」と言いたくなりました。母と黒人の娘が待ち合わせするシーンは役者同士もお互いに誰がくるのか知らされてなかったそうですね。 7点(2003-12-18 15:27:47) |
154. 3人のエンジェル
パトリック・スウェイジ、ウェズリー・スナイプス、ジョン・レグイザモ、このどこからどう見ても男そのものの三人の女装姿が見られただけで満足です。オカマ同士のケンカは楽しい。女の所作が一番上手だったのはスナイプスだったと思う。ブラジャーのたたみかたは見習いたい。 7点(2003-12-11 00:16:49) |
155. バックドラフト
口下手で愛情表現もヘタなお兄ちゃんと軽くてデレっとニヤけた弟。いかにも長男と次男です。火災シーンとサスペンスと兄弟愛と涙、そしてこの豪華キャスト。J・T・ウォルシュはもちろん、スコット・グレンが単なる同僚で出てくるわけないから、何かあるぞと最初から期待させてくれるし、面白くないわけがない。しかしどことなくクサイのだ。例えばデ・ニーロのせりふ「火を消すには愛も必要だ」なんてのが出てくる。何のこっちゃ!初見はビデオだったかな?WOWOWだったかな?字幕翻訳したのは誰だかしらないが、この人の趣味なのか度々このようなこそばゆくなるセリフが出てくるのには閉口した。語学力のない自分が情けなくなるのがこういう時だ。しかしそれをカバーしてくれたのが今までにない試みと当時話題になった火災のシーンとカート・ラッセルの不器用だけど力強い父性を感じるスティーヴンと男の友情ですね。スティーヴンはダンナとしては奥さんがどれだけ譲れるかにかかってくる人ね。制服姿の男はほんにカッコイイものです。 7点(2003-12-10 09:49:07) |
156. レッド・オクトーバーを追え!
ショーン・コネリーの艦長は渋かったですね。すごい貫禄!いい男がいっぱい出てくる映画はやはりいいです。随分前に観たのですが、当時は気付かなかった俳優を、見直すたびに「あっ、この人!」と発見できるのがうれしい。最後に見つけたのは、ロシアのキレた艦長「グッド・ウィル・ハンティング」のランボー先生役ステラン・スカルスガードでした。アメリカは賢い、ロシアはアホみたいな感じがくっきりしすぎなのが少々気にはなったけど、楽しめました。サム・ニールにモンタナを見せてあげたかった。 7点(2003-12-10 00:17:26) |
157. 相続人(1998)
わ~評価低~い。90年代はサスペンスというとあれもこれもジョン・グリシャムとかなり多かったと記憶してます。この作品はグリシャム原作の作品の中では異質の出来ですね。それもそのはず監督はアルトマン。あまり信頼できそうにない女のために優先的な計らいをするブラナーに周りの人間は「いったいどうしちゃったの」みたいに冷ややかだ。子どもが危ないと必死で駆けつけるも別れた元妻は怒り、元夫に子どもを誘拐されたと通報される始末。ただひとりブラナーの良き協力者ロバート・ダウニー・Jrはあっさりあんなことになっちゃう(もっと用心しろよなあ~)これはケネス・ブラナー扮する頭脳明晰、冷静な凄腕弁護士が最初はミステリアスな女のため、後半は子を守るため、孤軍奮闘し右往左往する様に重きが置かれているのね。その強引さと、あせりまくりあっちこっち駆けずり回るブラナーは危なっかしいが、なかなか熱くて頼もしい。初めてブラナーが男前に見えた。髭はやしてる方が絶対ハンサムだ。ロバート・デュヴァルがデニス・ホッパーに見えそうになったし、かつて入れ込んだトム・ベレンジャーがあんな役なのがちょっぴり悲しくもありました。でも決してつまらない駄作だとは思わないですよ。 7点(2003-12-07 01:18:32) |
158. 交渉人(1998)
プロの交渉人同士のやりとりは緊張感がありおもしろかったし、交渉人も狙撃隊もプロフェッショナルな仕事を見せてくれるオープニングのシーンは期待感を盛り上げてくれました。この作品は脇役がいかにもという人が集められてるのよね。脇役に心躍る作品でした。俳優を見れば、なんとなく黒幕がわかるというやつです。私としてはやっぱりデヴィッド・モース。軍人、特殊部隊の隊長役をやらしたら彼の右にでる者はいないとまで思ってます。ラスト、無骨で頑固だけれど根はとっても優しい人とわかる気遣いをしてました。それまでは強行策支持派になってたけど”いい人”なんだとわかるのね。そしてJ・T・ウォルシュの遺作となってしまいました。好きだったのに、ちょっと早すぎます。名脇役でした。 7点(2003-12-05 23:19:07)(良:1票) |
159. 愛人/ラマン
《ネタバレ》 最後まで少女が華僑の男に対して冷たくそっけないのはやはり人種差別があるのですね。「中国人なんてこっちからは望まないわ、ただお金持ちだからよ」というような態度でした。けれどフランスに帰る船上でピアノの演奏を聴くうち、こらえていたものが一気にふきだし泣き崩れる、なんだかよくわからないけどとにかく無性に哀しいという気持ちというのでしょうか。 10数年ぶりに再見してみたら結構新鮮でした。今回は少女も中国人の男も最後まで名無しだったことに気が付いた。 今までお気楽に女と寝ることくらいしかすることのなかった資産家の32歳の男が初めて女を愛することと、それが受け入れられない成就できない苦しみを知り、苦悩する。早熟ではあるけれどこの男の想いを受け止めるには彼女は幼い。10数年前に観た時よりもレオン・カーファイが魅力的でした。 そしてジェーン・マーチとレオン・カーファイの演技力の差があまりにもありすぎて、ジェーン・マーチが気の毒になってしまいました、雰囲気はあるけどやっぱりヘタなんです、ジェーンちゃんが。でもその演技の差がそのまま映画の中の二人のギャップを表現できたとも言えるかも。そういえばレオン・カーファイが撮影で戸惑ったことは、ジェーン・マーチとのジェネレーション・ギャップだったとインタビューで答えていたっけ。 そのギャップを補う役割みたいなナレーションなんですが、マルグリット・デュラスの「自分大好き、自分賛美」満々みたいな内容がちょっとイヤです。デュラスは映画のデキが商業的すぎると怒ったそうですが、この物欲的な人間ばかり登場する話をどうすれば芸術作品にできるというのか・・・ジャン・ジャック・アノーは大変いい仕事をしたと私は思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2003-12-03 01:44:34)(良:1票) |
160. プレタポルテ
《ネタバレ》 パリモード界を皮肉った作品ですね。これもやはり多彩なカメオ出演がうれしい。ラストも「そうきたか!」と笑ったけど、ティム・ロビンスの袖丈とズボン丈をつめられてしまったスーツ。それを着たティムが「これはいったいなんだ」と言えば、ジュリアが「まさにプレタポルテね」と言う。いったいどこへどうやって着て行きゃいいんだ、みたいな服をショーで発表するデザイナー、それを絶賛するマスコミ、ありがたがって高額なその服を着ている金持ちたち。皮肉たっぷりでした。キム・ベイシンガーがレポーター役で出ていたけど、キムは結構ファッションオンチだと思う私はこれもなんか意味あるんじゃないかと思ってしまいました。 7点(2003-12-01 11:44:18) |