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141.  スーパーマン(1978)
スーパーマンと言えば誰が何と言おうと、クリストファー・リーブである。それは男はつらいよの寅さんこと車寅次郎と言えば渥美清である。というのと何だか似ているような気がします。素顔をさらけ出すヒーローに多少なりの違和感を覚えつつもそれでもスーパーマンというヒーロー像を作りだした功績は賞賛に値いするのではないでしょうか!この映画が無ければ、生まれていなかったら、昨今のアメリカンコミック系のSFアクションが沢山、作られるようなことはないだろうし、そういう意味でもこの映画の価値は高い。スーパーマンと呼ばれることを選び、最後までみんなのヒーローであり続けたクリストファー・リーブ!その道を選んだ役者としての、いや、役者というより一人の人間としての男としての生き様のかっこ良さは永遠のヒーローの名に相応しい。
[DVD(字幕)] 7点(2009-06-26 21:06:42)(良:2票)
142.  ブリキの太鼓 《ネタバレ》 
ドイツ人の父とポーランド人の母を持つオスカルが大人達の醜い所を見て大人になりたくない。そう決めて自ら成長する事を拒む。それは「早く大人になってお姉さんみたいな綺麗な人といっぱいお付きあいしたいから」と叫ぶクレヨンしんちゃんとは全くもって正反対である。しかし、そうは言うものの共通点もある。それは共にガキのくせしてませている。女好きでスケベであるという所などそっくりである。そもそも子供なんてそういうものではないだろうか?特に男にとって、まだ幼い少年にとっては女の人を見ると母親の姿とダブらせようとしたくなるものでないかとこの少年を見ていると思ったりします。ブリキを常に離さず、本当の友達はブリキだけなのかもしれないこのオスカルの何とも哀れなこと、大人なんて信用出来ないから自分は一生子供であり続けよう、そうやって大人社会を否定し、常に大人に対しては冷めた視線で見ている姿は何かに対し、怯えているようであり、その怯えという意味では初恋の相手だった少女マリアとの再会の後の場面にも現れているように思えます。二人きりで脱衣場でいる場面、裸のマリアにしがみつくオスカルの姿は自分をこのような人間へとしてしまった母親へのやるせない気持ちみたいなものが感じられる。それにしてもあの海から大量に打ち上げられたうなぎと牛?馬?どっちだ?の気持ち悪さと新しいブリキを買ってもらいに寄った店で沢山のブリキの横に置かれていた人形の不気味なまでの目付きの怖さ、更に怖いと言えば周りはどんどん歳を取って大きくなっているのに自分だけは三歳時と変わらない姿でいるなんて、想像するだけで怖いです。だって、周りは皆、大人の遊び、大人しか立ち寄れない映画館やレンタルコーナーにも堂々と入っていけのるに自分だけ一人入っていけない。そう考えるとって、すいません。何アホなこと言ってるんだろう?とにかく色んな意味で怖い映画でした。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-05-05 11:36:49)
143.  竜馬暗殺 《ネタバレ》 
まずは一言!荒々しい!この作品の感想としてはとにかくこの一言に尽きる。冒頭からして男臭くて荒々しいのである。坂本竜馬、最初の登場シーンからしてとにかく男臭くて荒々しい。後ろ姿でふんどし姿、ケツを半分出したままの坂本竜馬、ここでこの坂本竜馬という人物像、ほとんどの方が頭に描いているような美しくてかっこ良く、二枚目な坂本竜馬像を覆してしまうほどの強烈な印象を残します。よれよれの服に女に弱く、だらしのない駄目男のような竜馬、同じように中岡慎太郎もこれまた女にだらしなく駄目な男の象徴のようなものを見せます。そんな二人の駄目男演じる俳優、原田芳雄と石橋蓮司のギラギラ感、本来、時代劇とは、侍とは何かっていうものをここで見せつけます。ただ見た目だけ美しくかっこ良く何でも見せようとする現在の時代劇とは大違いである。男たるもの、それが侍であろうが、一人の男として荒々しく女に弱い生きものであるという事を解り易く描いている。仲間だろうが、敵だろうが、よれよれの服を着ていることで誰が仲間で誰が敵なのか解らないような緊張感をあのギラギラした太陽とまるで真夏のような暑苦しさ漂うモノクロの映像により見ていて本当に暑苦しく思えるほどのこの監督の演出により役者も皆、ギラギラしている。松田優作の右太にしても何を考えているのか解らないほどの恐ろしさを感じるし、女にしてもそうである。桃井かおりの印象があまりにも薄く思えてしまうほどの強烈な印象を残す中川梨絵という女優の演技が怖い。男達を迷わす、狂わす女の怖さ、坂本竜馬と中岡慎太郎が殺された後のラストのええじゃないか♪ええじゃないか♪と聞えてくる大勢の人の中、血のついた顔で不気味な顔して消えていくシーンにはぞっとざられる。時代劇、活劇としての迫力やテンポという意味で不満もあるが、それにしても役者達の凄みのある演技があるからここまでの作品にし上がっていると思う。最後に幕末時代を駆け足に生き抜いていった竜馬の壮絶なまでの死に様に、そして、脇役でも輝る演技を見せている松田優作の若くしての死を思うと残念でならない。日本は坂本竜馬と松田優作というこの全くもって別の二人の人物を若くして失ったことは本当に大きな痛手であると思います。
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-05-04 10:25:39)(良:1票)
144.  華麗なるヒコーキ野郎
確かにこれはタイトル通りの映画だ!空を飛ぶという事の憧れ、男のアホな一面、馬鹿な一面、色々あるけれど、この世で一番って、何だかまるで天才バカボンの歌みたいだけど、この映画はヒコーキ野郎=ヒコーキ馬鹿による男と男の対決を誰にでも解り易くタイトルに偽りなしのストーレートに描いた映画だと思います。ロバート・レッドフォードが何とも楽しそうに演じているのがあの写真の中の姿と重なって見える。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-03-30 21:56:34)
145.  トラック野郎 天下御免
おや?何だか久しぶりに見る「トラック野郎」シリーズではあるけれど、今回の桃さんはいつもに比べるとスケベさが足りない。いや、何も別にスケベな桃さんしか期待しているわけではないけれど、そんな桃さん、やはり男らしく、同じトラック仲間、同じ男としての優しさ、友情の厚さにこのシリーズ全体に言えることの一つに桃さんは確かに度スケベで女のことばかり考えては好きになった女とは上手くいかない。たまあにこれは良し、上手くいきそうだとなると自ら身を引いてしまう。そんな桃さんの姿を見ていると何だか「男はつらいよ」シリーズの寅さんを見ているような気持ちにさせられる。私はそんな桃さんが大好きだ。いつものように喧嘩もあるけれど、その喧嘩にしてもいつまでも尾を引かずにいる所も桃さんの良いところである。話としての滅茶苦茶差、全体的にまとまりも感じられないけど、このシリーズを見ているといつも桃さんとヤモメのジョナサンの二人の友達のような関係がとても良く後味もすっきりさせられる。それにしても毎度ながら思うのだが、あれだけ沢山の子供を作るジョナサン(愛川欽也)だけど、よくあれだけ遠出してるにも関わらず子供作ってる時間と体力があるもんだと感心させられる。
[DVD(邦画)] 7点(2009-03-14 21:58:00)
146.  クレージーの殴り込み清水港 《ネタバレ》 
クレージーキャッツの次郎長もの、なるほど、これって続編なんだね。で、よくぞここまで思い切ってパクッたもんだと、ここまでやってくれたらある意味、笑い飛ばすしかない。全て笑って許そうと思う。今回は何と三五郎が石松に成り済ましてというストーリーとまたあの座頭市の偽者、座頭吉の天本英世が怖い。勝新よりもある意味不気味な怖さをかもし出していて、それでまた笑えるからたまらない。ラストの五十郎との対決はあれなんて黒澤明監督へのオマージュなのか?ところで女優陣の顔ぶれ、星由里子と内藤洋子の二人が並んでるとどうしても「社長」シリーズを想像してしまいます。星由里子は私も「若大将」シリーズよりも可愛くて、性格的にもて意味です。好感が持てる。全体的に前作より楽しむことが出来た。最後に何だか観ていたらまたマキノ雅弘監督の撮った本家本元の方の「次郎長」ものが見たくなってしまった。
[DVD(邦画)] 7点(2009-03-08 18:15:43)
147.  直撃!地獄拳 《ネタバレ》 
これはまた何とアホ、マヌケ、大馬鹿野郎きりだこと!ここまで馬鹿丸出しな男達、それも馬鹿な上に強い。いや、強いのか弱いのかどっちなんだ?と言いたくなるような連中勢揃い、千葉真一のアクションの凄さもさることながら他の連中の馬鹿ぷりとここまでアホらしいギャグ、例えば中島ゆたかの恵美を車に乗せて、やろうとする時の郷治の桜のアホぶり、それを見てわいせつ物陳列罪で逮捕するとか、車の運転中に女の着物を全て奪い取り走っていく。それをかえせ~と裸で走って追いかけてくる女、千葉真一が捕まってそれを前にして金髪の外人女の着ている服を全部脱がすという全く関係のないことをしているマフィアの津川雅彦、所々で出てくる女の裸、何か意味があるのかと思えば別に意味などなく、なくても構わないのに裸、裸、監督からのこれは世の男達へのサービスなのか?とそう思えば別に苦にもならないし、むしろ、有りがたいと思って見ればそれで良し!それにしてもあれだけボコボコにされ、何度も死にかけながら何とか助かり、全てを倒し、さあ、金だと思ったら一円ももらえない千葉真一が気の毒だ!それはそうとよくこれだけの厚い、しかも、むさ苦しい感じの男を沢山、集めたものだとこの石井輝男監督って監督さんはよほど男が好きだと思えるのと、女の裸が好きなんだろうなあ!
[DVD(邦画)] 7点(2009-03-08 11:02:25)
148.  わらの犬(1971) 《ネタバレ》 
アメリカという国の日常に潜む暴力、そんなアメリカという国に嫌気を感じて、妻の田舎であるイギリスへと引っ越して来た数学者の眼には例えアメリカからイギリスへと移り渡ろうが、やはり人が住んでいる以上、しかも男と女がいる以上は何も変わりはしない。どんな国へ来ようとも男もいれば女もいるし、常に危険は付きまとうものであるということを監督のサム・ペキンパーは言いたかったのではないだろうか?確かに凄まじいほどの暴力的なシーンが多くて、これは見ていてもけして、楽しいとか面白いとか思えないし、むしろ、不快感のが多い作品である。が、しかし、ただ不快だからといってはいられない。人間である以上、また、生きものである以上は男も女も同じ生きものであり、自分の身を守ることすら出来ない妻とそんな妻のことをほったらかしたまま周りの男の誘いに乗って狩を楽しんでいる隙に二人の男に相次いで妻をレイプされてしまうアホな亭主!人間って如何にアホな生きものであり、隙だらけであるということをもこの作品を通して見せ付けられているようにも思えて怖い。平和主義である数学者ダスティン・ホフマン演じる男の凄まじいほどの変わりよう、平和主義が何なんだ?いつの時代でも常に暴力というものが付きまとうこの世の中において、平和主義だろうがなかろうがそんなものは何の役にも立たないんだよってサム・ペキンパー監督が言ってるように思える。そう考えると人間の心の中には誰しも暴力的なものを抱えたまま生きているんだということを思い知らされると同時に自分自身を守るものは自分であって他人ではない。やはり自分こそ一番の見方である。そんな作品であると見終わった後、私は思いました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-02-08 11:52:22)
149.  アデルの恋の物語 《ネタバレ》 
まあ、確かにアデルのしてることは、ストーカー行為として見られても仕方がないことかもしれない。しかし、単なるストーカー行為の嫌な女の話として見るのだけは間違ってると思います。人は誰だって自分が可愛くて仕方がない生きものであり、異性を好きになるのは当たり前の事であると思う。この映画はその人としての当たり前のことをただただ見せてるだけであると私は思います。その見せ方がただあまりにも狂気を覚えてしまうために受け入れにくかったり、感情移入出来なかったりと見た人によって感じ方が違う。それだけのことではないでしょうか?どこまでも一途な上に気がおかしくなってしまうアデルの美しさ、不幸な女を演じているイザベル・アジャニーのあまりの美しさ故にどこまでもどこまでも愛を求められ、そんな愛に応えることすら出来ない男の行動は相手が美しければ美しいほど、本当に自分で良いのだろうか?例え、現在は愛されててもいずれは彼女に嫌われてしまいやしないか?という男の何とも女から見たらアホかもしれないけど、男とはそういう生きものなのであると監督のトリュフォー自身が伝えたい。伝えたかった作品ではないかと私は思う。ピンソン中尉がアデルに対し「アデル」と呼びかけた時は既に何の反応すら示さなかったアデルの女としての悲しさ、ラストのアデルの表情にはもう、何もかも終わってるというようなものが見られる。正にアデルの恋の物語が完全に終わった瞬間と思える終わりにこの映画の伝えたいものというものを感じることが出来た気がします。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-02-01 11:21:41)
150.  ダイナマイトどんどん 《ネタバレ》 
野球と任侠、この何とも男の中の男臭さの漂う作り、どいつもこいつもアホでマヌケだけど、憎めない。岡本喜八監督の映画に出てくる男達はアホな奴ばかりであるが、そのアホの中にこそ人間の持っている何かがあるような気がして観ていても嫌な気持ちになどけしてならない。菅原文太のあのマヌケぶりなんてまるで「トラック野郎」の桃さんみたいです。全体的に間延びしている感じではあるが、何とも漫画的な笑い、田中邦衛とのやりとりはアホだけど、可笑しくて笑ってしまう。相手の投手に酒を飲ませ、ベロンベロンに酔わせるという暴挙ぶり、しかし、この映画、野球映画ではあるけど、野球の面白さといものはさほど伝わらない。どちらかというと完全に喜劇の形であり、またまたやくざ映画であり、何しろ出演者の顔ぶれの恐ろしさ、凄さなんて明らかに喜劇的でもあり、任侠映画である。金子信雄がユニフォームを着ているなんて想像出来ないぐらい普通じゃないところが何とも可笑しい。とにかく何から何まで滅茶苦茶であるが、作品全体にパワーと映画に対する愛情が感じられる。だからそんなに出来としては良くなくても低い点数などつけられない。みんな大暴れのどさくさに紛れていっぺんでいいからお願いと宮下順子に対して迫る菅原文太、これなどどう見てもトラック野郎の桃次郎そのままでる。キャラが被りすぎてるという意味で本来ならマイナスもそうはならない何か上手く言えない馬鹿馬鹿しさが私は好きです。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-12-11 20:43:59)(良:1票)
151.  恋愛日記 《ネタバレ》 
いや~何ともアホで間の抜けた主人公だなあ!そんなアホなこの主人公のアホぶりが同じ男として解りすぎるぐらい解ってしまうだけに余計、見ていて笑えるし、空しくもある。最初から最後まで足、足、足、印象に残るものといえば女性の美しい足、細くてすらりと伸びた足、女性の足の美しさ、こりゃ足フェチ、女性の足好きにとっては話そのものは特別面白くも何ともないけど刺激される作品です。態と事故を起こしてひと目ぼれした女に会いに行ったり、空港での別れの間際に女に対して車の中で「虚栄心なんて、捨てたいものです。空しくなるだけですから」とかそんなキザったらしい言葉を吐いてみたり、見送られるのは嫌と言われ、逆に夜の街をぼう~として歩いている時に反対側の歩道を歩く女性達の足を見ていて車に跳ねられたり、最後も病院のベットの上で看護婦さんの足を見て興奮したのかどうか?立ち上がろうとしてベットから落っこちて死んでしまうという何とも無残でアホなどこまでも足フェチぶりなこの男、見送るどころか反対に見送られていくという情けなさ、これは男のだらしなさとアホぶりを描いている。それにしてもこの男、足だけかと思ったらそうじゃないところも男のアホぶりを表していて同じ男としても情けなく世の男がみんな、こんな男ならと思うと女性から見たら男は単なるアホな生きものとしか映らないと考えたりすると複雑な気持ちになります。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-11-09 11:50:29)
152.  フェリーニの道化師<TVM> 《ネタバレ》 
フェリーニのサーカス好き、愛情のようなものが伝わってくる。サーカス好きなフェリーニ、あのピエロの劇団、一座の人達の奥に隠れている表向きとは反対な悲しさ、辛い人生、人生はけして楽しいことばかりではない。辛いこと、悲しさ、苦しみがあるからこそこうしてピエロ、つまりは道化師という形で人々を喜ばせようとすることで自分達も前向きに生きようというそういうメッセージのようなものがこの映画から伝わってきます。フェリーニにとってのサーカスとはピエロとは自分自身であるという強い思いのする作品であり、また、この映画を通してもフェリーニという監督は他の映画監督や映画へのオマージュのようなものを描いています。あのサーカスの一座が演技して見に来ている観客を楽しませようとしている場面でチャップリンの「モダン・タイムス」の中で使われている「ティティナ」を演奏し、また仲間の一人の死を思い、悲しむ場面では何と同じイタリアが映画の舞台にも使われている「ゴッドファーザー」の愛のテーマ曲を流すという正にフェリーニ監督の映画への愛というものを見ることが出来ます。サーカスと言えばピエロと言えば明るいイメージしかないけど、この映画はその明るさ以上に悲しさ、切ない部分が強く描かれている為にタイトルからは想像出来ない暗さも感じるものの、フェリーニ監督らしい映画への拘りを感じる仕上がりになっていて観客が帰った後のラストの鳴り響くトランペット、消えていく二人のピエロの姿に哀愁めいたものも感じずにはいられず、この監督らしい余韻の残し方、刹那さの残るそんな映画だと思いました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-10-26 16:47:47)
153.  影の車
野村芳太郎監督によるサスペンスものではあるが、サスペンス映画というよりはホラー映画に近い感じのする不気味さ、恐ろしさ、それは映像もさることながらあの音楽もやたら怖い。そして、何よりもあの少年の一つ一つの行動にしても本当に怖い。これは人間の追い詰められる瞬間というものを描いている。妻よりも幼馴染みであり、愛人でもある別の女とのやりとりを見ていないようで見ている子供からの二人への復讐のようなものがとにかく怖い。サスペンスものとしてはそれほどの出来じゃないと思うし、ラストもえっ?ここで終わり?てぐらいの終わり方だが、何しろ、一つ一つのシーンの怖いこと、怖いこと、完成度では明らかに「砂の器」に比べたら劣るし、その他の野村芳太郎監督作品のサスペンスものに比べても劣る。しかしながらこの監督らしい美しい映像も心に残る。最後の方の海辺のシーンは私も「砂の器」を思わずにはいられませんでした。それにしても岩下志麻のあの美しさ、ミニスカートからすらっと伸びた細い足、おまけに加藤剛とのセックスシーンで見せるあの悩ましい顔付き、喘ぎ声は忘れらなくなりそうなほど強烈な印象を残します。これを見せられたらそりゃあ、加藤剛じゃないけど、小川真由美より岩下志麻を選びたくなるのも解る気がする。
[DVD(邦画)] 7点(2008-10-10 22:26:25)
154.  サンダカン八番娼館 望郷 《ネタバレ》 
田中絹代のこの存在感と凄み、とても今の女優(果たして女優と言えるかどうかも分らんが奴ら)には出せない凄さに圧倒されられる。自分の昔、娼婦として働いていた時の話を栗原小巻演じる調査員に語る場面の演技にはこれぞ女優と言える凄まじさを見ることが出来る。また田中絹代ともう一人、高橋洋子の初々しさ、貧しくも一生懸命生きる姿、初めて本当に自分が女として一人の男を愛し、そんな男への気持ちを表す姿がこれまた何とも切ない。金はいらないから泊まってけよと誘う所のあの女としての気持ち、そこには娼婦であることをも忘れ一人の女である姿が見られる。全体的に見ると話のテンポがいまひとつな気がしてならないものの、出演者、女優陣は勿論のこと、脇役の男優の演技、存在、中でも小沢栄太郎のあの嫌らしさ、傲慢な親父ぶり、こういう役を演じてこれほどまでにハマる男は他にいるだろうか?によってなかなか見応えのある作品にはなっている。女が生きていくには男の力が必要、女が強くなる為には男を獲物として何とかしなくてはならないというような何んだか女の恐ろしさもこの作品からは感じることが出来る。女の強さと弱さ、それはあの最後の方の田中絹代の絶叫と涙、更に栗原小巻演じる調査官が自分にも子供がいるからと言って涙ながらに頭を下げる場面に現れているようにも思えてならない。いずれにしても俳優陣の素晴らしい演技無くして語ることの出来ない作品だと思います。
[DVD(邦画)] 7点(2008-09-28 22:27:41)(良:1票)
155.  遊び 《ネタバレ》 
えっ?たった一人しかコメントないの?増村映画って川島映画と並んでコメントが少ない。書かれている人の数の少なさといったらない。もっと評価されていいこの監督とこの監督の作品群の中にあって、これは増村保造監督の監督デビュー作品とのことで、後の増村映画に多く見られる危険な男達とそんな男に惹かれていく女の哀しさがここにも見られる。主演の二人、特にヒロインを演じている関根恵子の若さ、初々しさが輝る。話としては増村作品にしてはまだまだ若尾文子主演の幾つかの作品に見られるような力強さという意味では弱い気がするものの、男と女の二人の気持ち、不器用な男とそんな男を愛してしまった女の青春模様が描かれている。ラスト、お互いの愛を確かめあった二人がボートにしがみつくようにして去っていく終わりに二人の未来、幸せが待っているようなそんな余韻を残したまま終わるというこの映画、何だか川島雄三監督の「洲崎パラダイス赤信号」に通じるものがある。あちらに比べると作品全体、重苦しいし、出来としては劣る。それでもこの監督も余韻の残し方に関しては上手い。監督デビュー作から既にその後の増村映画の元になっているスタイルが感じられる作品にもなっている。それにしてもこの監督の女性像って何だろう?ていつもながら考えさせられる。
[DVD(邦画)] 7点(2008-09-27 10:31:10)(良:1票)
156.  あゝ声なき友
寅さんこと渥美清の命日にあたる2012年8月4日の昨日改めて再見!以前観た時はあまり面白く感じられなかった。今回再び観てもそれほど面白いとは感じない。しかし、何だろう?俳優渥美清という人の演技を観るとこの人の演技は演技というよりもまるで渥美清そのものが映画の主人公のように思えてきてならないのである。要するに演技していても演技していないような錯覚を覚えずにはいられなくなる。この映画の渥美清演じる男には他の渥美清、寅さんで見られるような哀愁漂うものが感じられない。それだけに何か歯痒い。それは監督が山田洋次監督でないからかもしれないし、喜劇と悲劇は紙一重という言葉があるとすればこの映画には悲劇的要素はあっても喜劇的な要素なんて全くない。だって監督がシリアスな映画ばかりの今井正監督だからというのもあるであろう。「青い山脈」というユーモアの効いた青春映画も撮ってはいても今井正監督と言えばどうしてもシリアスな映画というイメージが離れない。イメージという意味では渥美清の持つイメージからは想像出来ない映画として印象に残る映画です。好きとか嫌いとか面白いとか泣けるとかいうような映画ではないけど、それでも一流の監督によって一流の俳優が一流の演技によって見応えある映画になっている。改めて渥美清がいない現在の日本映画における大きな損失を感じたまま観終わった。寅さんのようにまた見たい。何度も見ては笑い、泣き、共感出来る映画でないけど観るに値する映画としていつまでも心に残りそうなほどの映画です。もし、この脚本のまま山田洋次監督が撮っていたらどうなったかなあ?全く違う映画、良い意味での別の映画になっていたかもしれないし、いやいや、やっぱり今井正監督で良いのかもというような気持ちにもさせられる。 (2012年8月4日再見)
[DVD(邦画)] 7点(2008-09-21 11:54:41)(良:1票)
157.  ベニスに死す 《ネタバレ》 
まず最初に言っておきたいことがある。今までアメリカ映画しか見たことのない人、これからヨーロッパ映画を見ようと思っている方、そういう方にこの映画を一番最初に観る。選ぶのだけは絶対に止めた方が良い。間違いなく退屈だと思うし、二度とヨーロッパ映画なんか見るものかと思うに違いないからである。そんな映画なのに何故7点も付けているの?と思われるだろうけど、映画はただ面白いだけが映画じゃない。この映画は人間とは如何に惨酷な生きものかという問いに応えて見せている。年老いた主人公がイタリアの美しいベニスという場所で出逢った一人の美しい若者、それも同姓に対し惹かれていく。同姓が同姓に対し描くあこがれ、それは人間の本質のようなものであるという監督からの強いメッセージと取れる映画がこの映画ではないかと私は思う。美しいものに対するあこがれというものは人間なら誰しも持っているはずです。あまりにも美しいベニスの街並みと美しい若者、そして、美しい音楽、この映画は何もかも美しい。その美しさが故にけして、自分は美しくとも感じない一人の老人が美しさの中にある惨酷な少年の心というものに心を奪われたまま最後は病気で死んで行く。誰にでもある老いたくない気持ち、人を愛するということと愛されたいと思えば思うほど浮かび上がってくる惨酷さ、この映画は単なる人間の妄想だけでない人間の惨酷な部分を美しくも哀しく描いた作品で、楽しい映画でもないし、笑えるとかスカットする映画でも勿論、ない。しかし、ただ面白いだけが映画ではないということを私に教えてくれているという意味で外せない作品である。何度も繰り返し見て楽しみたい映画でもない。そして、やはりこれから初めてヨーロッパ映画を見ようと思っている方には薦めることは出来ない。色んな国の映画を観て、色んなタイプの映画を体験した上でこの映画を観る方が良いと思うし、そうでないと間違いなく二度とヨーロッパ映画は見るものかとなることでしょう!
[DVD(字幕)] 7点(2008-06-22 20:36:08)(良:2票)
158.  股旅
市川崑監督の死去というニュースを聞いてとても淋しい!そんな中で借りてきたこの時代劇は一風変わっていて新鮮である。今、観るからこそこの何とも新鮮な世界、そこは今時の時代劇とは違う味わいを感じる。いきなり冒頭のあの啖呵、信太の仁義、繰り返される言葉の応酬、まるで何だか「男はつらいよ」の車寅次郎みたいだ!市川崑監督、この映画を観る限り、山田洋次監督のファンではないだろうか?作品全体の出来としてはさほどの出来ではないと感じるし、滅茶苦茶な感じもするが、その滅茶苦茶な展開も、つまらないとは感じないし、同じ時代劇でも山田洋次監督の時代劇三部作中、世間的に最も評価の高い「たそがれ清兵衛」よりも私は市川崑監督の撮ったこっちのがずっと面白いと思います。
[DVD(邦画)] 7点(2008-02-15 21:32:01)(良:1票)
159.  哀しみのトリスターナ 《ネタバレ》 
恐いなあ!もしも、自分がドン・ロペと同じように立場でいたらと考えると、本当に恐い。ただただ自分よりもかなり若い女に惚れて、愛して病まずにいられなかっただけで罪はないと思うのに、何も出来ずに殺されてしまうドン・ロペ、可哀想でなりません。一方で女の恐さ、それをあの美しい顔つきからは想像出来ないほどの恐さを見せつけるカトリーヌ・ドヌーブの女としてのやるせなさみたいなものに何か不気味なほどの恐さというものを感じられずにはいらない。カトリーヌ・ドヌーブが口の利けないもう一人の男に窓ごしから裸を見せつけるシーンでのあの不気味なまでの顔付き、足を病気による切断を余儀なくされたカトーリーヌ・ドヌーブ演じるトリスターナが弾くピアノ「革命」に人間の運命のようなものを感じると共にピアノの下から足だけを写すそのいやらしさ、足フェチである言われる監督の足に対する拘りを感じるのと、あの不気味なまでの鐘の音、本当に恐い恐い、愛なんて無い本当に恐い女を見せつけられた思いです。
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-10-26 21:19:22)
160.  喜劇 満願旅行 《ネタバレ》 
フランキー堺を追い掛け回す団令子にフランキー堺の母親役のミヤコ喋々、いずれも相変わらず笑わせてくれるし、見ていて楽しい。お見合いすることとなったフランキー堺を邪魔しようとしする団令子と弟役の森田健作のコンビネーションの抜群さも良い。この作品はフランキー堺をはじめとする俳優達の演技を見て笑う。それがこの作品の一番正しい見方だという事を前提として、所々突っ込みたくなるシーンもあったり、特にあの山小屋のシーン、チャップリンの「黄金狂時代」のパクリは笑えるけど、やりすぎの気もする。そうそう、最後の方でほんの少ししか出てこない伴淳も良い味を出しているということを忘れるわけにはいかない。
[ビデオ(邦画)] 7点(2007-04-16 19:08:32)
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