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 > 目隠シスト さん
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プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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141.  王妃の館 《ネタバレ》 
メインストリームは、悪徳旅行会社が企画したダブルブッキングツアーに伴うドタバタコメディ。一方サブストリームは、ツアー参加者の一人である作家先生が劇中執筆した時代小説。2つの『物語』が交互に提供される仕立てです。異なる次元の潮流が見事に絡み合って奇跡と感動のエンディングを迎える・・・のかと思いきや、全然そんなことなくて。元アパレル詐欺師とかキーパーソンぽい雰囲気なんですけどねえ。結局旅行会社は悪だくみ発覚後、逆ギレ&内輪揉めしてお客ほったらかし。されど被害者の方は成り行きで大先生の傑作を出版前に読めて大感激。だから詐欺を許しちゃうって何なんですか。そりゃアンラッキーの直後に大ラッキーがあればアンラッキーなんて吹き飛ぶでしょうけど、それをトラブル解決のギミックに使うのは筋悪じゃありませんか。それより何より肝心の旅行会社が謝っていないのが気になります。別に正義感ぶる気はありません。旅行会社を許すのは構わないでしょう。根っからの悪人でなさそうですし、お客もツアー自体は楽しめた訳ですから。でも騙したことは誠心誠意謝らないと先に進めません。ツアー代金を返却すれば済む話ではありません。大切なことをすっ飛ばして、まあみんな大変なんだから許してやろうよと言われても、正直「知らんがな」と思います。やはり浅田次郎氏の原作映画とは肌が合わないようです。 キャスティングは豪華ですし、それ以上に海外ロケのクオリティが非常に高く、大名普請な映画ですが、だから面白いとならないのが映画の面白いところです。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-08-18 21:53:24)
142.  私はいったい、何と闘っているのか 《ネタバレ》 
つぶやきシロー流哀愁と自虐のヒューマンコメディ。主人公のメンタリティに共感し、真摯に仕事や家族と向き合う姿に好感を覚えました。ただ、春男を単なる「不器用で不遇な弱者」と捉えるのは間違っていると考えます。それは彼が失脚するに至った「内引き事件」を見れば分かります。彼は同僚の不正を見逃しました。これは仲間を守りたいという信念による判断。もちろん擁護などできません。万引き犯は警察行きか、最低限商品を買い取らせるのが当たり前。「仲間だから見逃す」は筋が通りません。しかし懲罰を受けてもなお、春男は自分の行為を悔いていません。彼は「自分の正義」を持っているということ。しかも彼自身の中で、社会一般のルールより上位なのです。腰の低さに惑わされてはいけません。春男は「強い人」です。また部下の言うように「優しい人」でもあるのでしょう。この気質は夫婦の馴れ初めからも窺い知れます。ただ、この傾向が過ぎると政治犯とかテロリストに行き着くため褒める気はありませんし、彼の優しさは結果的に同僚を救っていません。今回の選択は関係者全員が損をした悪手でした。もっとも、人生において最善手のみを指し続けることなど出来ません。間違って当たり前。でもどうせ間違うなら、正しいと信じて選択したいもの。そういう意味で「自分の正義」を持つのは悪いことではないと思うのです。あくまで自己責任の範囲で、という注釈が付きますけども。春男はきっと自分の事が大好きだと思います。本人に聞いたら絶対否定するでしょうが。というわけでタイトルの問いかけに対するアンサーは「みんなの正義と私の正義」であると考えます。
[DVD(邦画)] 7点(2022-08-18 20:52:33)
143.  福福荘の福ちゃん 《ネタバレ》 
本作を評する上で避けて通れない、というより本作の価値を決める最重要要素と言っていいのが「森三中大島の是非」であると考えます。芸人が俳優をする時点でトリッキーなのに、女が男役とはこれ如何に。例えば性転換した元女性役とかなら分かりますが違いますよね。となると何で大島さんなのかと。これって企画段階で出される「こんなん面白いんじゃね」的なネタをノリで実行したのではないかと勘ぐりました。しかし観終えて、何となくキャスティングの意図が分かった気がします。それは「リアリティの排除」。これは劇中の人間凧エピソードや、これでもかと云わんばかりの棒演技からも伝わってきます。中年童貞の生々しさ(えぐ味)を取り去る事でハートウォーミングかつファンタジーなラブコメを成立させたのではないでしょうか。実際福ちゃんがTKO木下とかクロちゃんだったら、ハッピーエンドを手放しで祝えなかったでしょう。性欲の匂いがゼロだからスッキリ、サッパリな風味になったと考えます。反面コクや旨味には欠けるのでドラマとしては物足りないかもしれません。この辺は好みの問題もありましょうが、私はこんなアプローチもありだと思いました。なおコメディとしても悪くありません。思いの外シュールで沢山笑いました。それにしても荒川良々の奥さんが黒川芽以で、大島がモテモテとか、この地域はデブ坊主にとっての楽園ですか。すぐに引っ越すので場所を教えてくださいな。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-08-14 01:27:08)
144.  コンフィデンスマンJP 英雄編 《ネタバレ》 
どんでん返しがあると分かっているサスペンス。様式的に無理がある気がしますが、コロンボや古畑だって犯人が分かっているミステリー。変則なれど案外シリーズ向きの素材なのかもしれません。毎回高品質の脚本を用意するのは本当に凄いと思いますし、今回も手堅く楽しめました。なお、本シリーズは過去作のゲストが継続して登場するのが素晴らしい。キャラクターは作品の宝です。大切に扱うからファンも作品に愛着を感じるのだと思います。その最たる例がスタアとジェシー。2人はコンフィデンスマンJPの世界で生き続けてくれることでしょう。
[DVD(邦画)] 8点(2022-08-08 14:45:45)
145.  牛首村 《ネタバレ》 
呼び名のみで実体のない都市伝説「牛の首」にどんな肉付けをするか?決まり事など一切無いフリーな課題に対して、ほぼ模範解答と言っていい状況設定を考えたと思います。畜生腹、口減らし、七つまでは神のうち。牛の首を被る意味。なるほど、なるほど。あの被り物は大ヒットアニメ『鬼滅の刃』の猪之助にも影響を受けているのでしょうか。いずれにしても『恐怖の村』シリーズの中では一番設定に「整合性」がある気がします。ただし、だから映画として出来が良いとならないのがホラーの難しいところ。かつて存在した忌むべき風習が現代の私たちにどんな厄災をもたらすのか。肝となる「呪い」のメカニズムについての訴求が弱く、全編緩めのファンタジー処理でお茶を濁したのは如何なものでしょう。「今度はあなたが助けてあげる番」は情に訴えかける良い台詞ですが、ハッピーエンドが確定してしまうためホラーではNGと考えます。折角上手い設定を考えたのですから、メインのストーリーでもう少し頑張って欲しいと感じます。ちなみに、ザ・たっち、マナカナ、ダイタク、おすぎとピーコなどキャスティングでもっと楽しめたと思うのですが悪ふざけが過ぎますかね。
[ブルーレイ(邦画)] 5点(2022-08-07 23:52:38)
146.  さがす 《ネタバレ》 
胸糞な展開やエグい描写で心を搔き乱す映画を私はあまり評価しません。エンターテイメント上のテクニックを感じないから。吊り橋効果を利用した興奮や感動に興味はありません。そういう意味で、私は園子温監督作品を好みませんし(いつも引き合いに出してすみません)、本作もそんな映画の類かと思われました。しかし観終えて予想は見事に裏切られました。刺激的な要素は物語を紡ぐ一要素でしかなく、本作の本質はミステリーであり、そして何より親子愛を描いた濃厚なヒューマンドラマでありました。おそらくラストは近年の邦画史に残る名シーンと思われます。父と娘が卓球でラリーをしながら言葉を交わすのは僅か5分ほど。言葉のひとつひとつ、表情、空気と間を噛みしめ、2人の心を読み取ってください。パトカーのサイレン音に「お迎えが来たで」。いつもの軽口に重力が発生する異空間。私は父の立場に我が身を重ね、切なくて、やるせなくて、いたたまれませんでした。しかし救いはあります。我が子は何と立派なのかと。楓はまだ中学生。普通は真相を知っても金縛りでしょう。然るに彼女は父と堂々と対峙し、その非を咎めました。残酷です。無慈悲です。でも彼女は正しい。正しい子に育った娘を誇りに思わぬ親は居ません。「うちの勝ちやな」娘の勝利宣言は、まさに子が親を超えた瞬間でもありました。父が感じたのは嬉しさと寂しさか。それはこんな修羅場にあっても変わらないと思います。礼儀や躾はイマイチだけど、それを補って余りある強い魂を楓は持っています。 どの役者さんも文句なく素晴らしく、満遍なく褒めたいのですがキリが無いので一人だけ。となると、私的にはやはり佐藤二朗氏に言及したい。クセが強い独特な演技スタイルは福田雄一コメディで脚光を浴びていますが、本作のようなシリアスドラマにこれほどマッチするとは驚きでした。本当に素晴らしかったです。今まで色物系キャラクター俳優との認識でしたが、大変失礼いたしました。見方を改めます。超一流の実力派俳優で間違いありません。大拍手です。
[インターネット(邦画)] 9点(2022-08-04 14:28:44)(良:2票)
147.  ブレイブ-群青戦記- 《ネタバレ》 
例えばコレが趣味で制作した自主映画であるならば「良く出来てる」「面白いね」と笑顔で言えると思います。しかし大手配給の一般商業映画となると話は別です。感想は180度変わり「何やってんの」「恥ずかしくないの」と思います。『バックトゥザフューチャー』『漂流教室』『戦国自衛隊』を足して割ったとしか言いようがない本作。しかし、オリジナリティの点で本作を否定するつもりはありません。事実同じような体裁の『サマーフィルムにのって』は傑作認定しています。結局何が気に食わないのかというと、面白い映画からエッセンスを頂戴しているのに、オリジナルを遥かに下回る面白さしか得られていない事に不満を覚えるのです。オマージュするならオリジナルを超えてこそ。少なくともそういう意気込みや熱量がなくては、オリジナルに失礼だと思うのです。元ネタ(あえてそう言います)は本当に傑作で(漂流教室は漫画の方)、広くその魅力が周知されています。ファンも沢山います。ハードルは高いのです。生半可にイイトコロどりをしようとするのが一番いけません。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-07-24 00:58:58)
148.  ヒルコ 妖怪ハンター 《ネタバレ》 
「何が起きているか」「何故そうなったのか」「どうしたらよいのか」「そもそもヒルコって何?」正直あまり分かりません。『古事記』に由来するそうですが、イザナギ、イザナミ、アマテラス、スサノオあたりのメジャーどころならまだしも、ヒルコと言われても学の無い私のような者にはちんぷんかんぷん。もう少し噛み砕いた説明が欲しいと感じます。ただし「丁寧なら良し」でもないのが映画の面白いところ。テンポが悪くなったり、くどかったりすると逆効果だったりします。本作の魅力は「妙な勢い」と「ハイテンション」であるのは間違いなく、荒削りな脚本とマッチしており、これはこれで正解例のひとつという気がします。ずっとギャーギャー喚いているだけとも言えますが、凄まじい熱量だけは伝わってきましたから。アナログな特撮にはCGでは出せない味わいあり。ジュリーや工藤夕貴弟さんの好演もあり、不思議と満足感のある作品でした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-07-21 22:57:37)
149.  シン・ウルトラマン 《ネタバレ》 
観たい人はほぼ観終えたであろうタイミングでやっと劇場鑑賞。それも私自身久々の映画館来訪で、ノーラン監督の『テネット』以来のご無沙汰ぶり。今回出張で地元を抜け出したついでに念願を叶えました(生活圏内には新作が公開される映画館はありません)。空白の約2年間の間に料金も値上がりしたようで、ちょっとした浦島太郎気分です。コロナ恨めしや。早く気軽に劇場鑑賞やライブに行ける世の中になって欲しいものです。すみません、舞い上がって前置きが長くなりました。感想に入ります。 率直に言うと想像以上に「面白くなかった」です。少なくとも『シン・ゴジラ』のようなエンタメ性は感じられず、ひたすらマニアックなオタク志向のエピソードが続きました。間口は狭く、敷居は高く。物語に起伏が無いので、ともすれば退屈してしまうかもしれません。しかし面白くないから駄目だとは思いません。少なくとも本作にはウルトラマン愛が詰まっていました。本気でウルトラマンを空想科学で検証し、現代にアップデートさせた努力に拍手を送りたいです。メフィラス星人やゼットンの新解釈とその帰結。ゾフィーではなくゾーフィの呼称。その拘りはリスペクトに値します。ただし、長澤まさみさんのケツ叩き癖など、おじさん丸出しのギャグは如何なものでしょう。センスは欠片も無く、シラケる御仁も多いに違いありません。それが分からぬ監督ではないでしょうに。あるいは監督は腹を括ったのでしょうか。おじさんの、おじさんによる、おじさんのためのウルトラマン宣言。その判断が賢明とは思いませんが、かつてウルトラマンに心を奪われたおじさんである私が、本作を否定できるはずもありません。「そんなに人間が好きになったのかウルトラマン」その台詞を聞けただけでもう何も言いますまい。見事な「大人だまし」映画でありました。
[映画館(邦画)] 9点(2022-07-08 20:59:46)(良:3票)
150.  女子高生に殺されたい 《ネタバレ》 
殺したい(わからんけどわかる)死にたい(まあわかる)自分で死ぬのは怖いから殺されたい(なんとなくわかる)。殺されることに悦びを感じる(きゅうにまったくわからない)。 殺される快楽?相当ハイブローな性癖ですが、オートアサシノフィリアなる呼び名があるそうで。勿論普通はイメージするだけでしょうが、本作の主人公はリアルに女子高生に殺されようと計画しました。しかもJKなら誰でも良かった訳ではなく、お目当ての少女が育つのをじっと待ち、JKになった彼女に近づく為に教員免許まで取得し、希望ポストの前任教師を失脚させ、その娘の担任に納まるという大掛かりな下準備を成し遂げます。足掛け9年の壮大な企み。その熱量と実行力たるや変態を通り越して感動さえ覚えるロマンシング・サガでありました。設定こそアブノーマルかつトリッキーなれど、サスペンス趣向は本格的で、ケイ田中の計画の全体像や背景が判明していくにつれ、戦慄しました。伏線やミスリードも上々でミステリーとしても見応えがありました。最後こそグダグダでしたが、そこに至る過程の用意周到ぶりは見事なもので、先生はリアルに優秀な人なのだと思います。あるいは、性癖の為になら頑張れる人だったのかな。『哀愁しんでれら』といい本作といい、もはやサイコパス役の第一人者と言っていい田中圭さん。ただのイケメン俳優ではなく、良いポジションを得たものです。圭さん以外の役者さんでは、生徒役の若手女優の皆さんが充実。見事に美女揃い。中でも柔道少女の茅島みずきさんの存在感が抜群でした。やっぱり長身美女はいいですな。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-07-08 00:55:54)
151.  プラットフォーム 《ネタバレ》 
設定だけみると典型的なソリッドシチュエーションスリラーですが、内容的には『社会の縮図』あるいは『地獄』のメタファーなのは明らかです。言い換えるなら、この世はまさに地獄ということ。辛いっすねえ。そんな地獄の中で主人公は革命を目指します。みんなが思いやりを持って痛みを分け合えば、全員が救われると。その理念は崇高ですが、意に従わぬ者は容赦なく殺しました。要するに確信犯のテロリストです。正義の御旗を掲げている分、むしろタチが悪い気がします。しかし、ろくでもない神様に従うのも癪な話。おそらくメッセージ程度では無視されて終わり。聞く耳を持った神ならば最初からもう少し世界はマシなはずですから。いろいろ考えてみましたが、世界を変える手立ては思い当たりませんでした。システムに組み込まれた時点で打つ手無し。そもそも、そんな神様を創らないように民は注意深く生きなくてはならないのでしょう。
[インターネット(吹替)] 6点(2022-07-06 20:28:21)(良:1票)
152.  ドロステのはてで僕ら 《ネタバレ》 
『サマータイムマシン・ブルース』や『曲がれ!スプーン』など、壮大なSF設定(サイエンスフィクション又は少し不思議)を平凡な日常に落とし込むのが滅法得意なヨーロッパ企画・上田誠主宰の脚本作品。着想の素晴らしさや展開の巧みさは折り紙付きですが、上田作品の魅力の本質は氏の人間観(人生観)にあると考えます。人々の行動、判断は決して正しい(論理的あるいは倫理的)とは言えません。でも時に馬鹿をしてみたくなるのが人間です。それが世の理に反する行為だとしても。愚かで、滑稽で、でも愛おしい人々の姿に共感するのだと思います。二人の小気味よい蛮行に拍手しました。キムタクも、綾瀬はるかも、ガッキーも出てこないけれど、だからこそドロステの果ての僕らは、私たちでありました。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-06-25 14:19:33)
153.  パージ:エクスペリメント 《ネタバレ》 
原題はThe First Purge。シリーズ映画でよくみられるエピソードゼロ(前日譚)的性格の作品ですが、日本公開時には『エクスペリメント』なる邦題が付されました。確かに邦題の方が内容を類推し易いかもしれませんが、正直余計なお世話だったと思います。映画をご覧になれば分かるように最初に実施されたパージは、実験とは名ばかりの捏造で、それはもう酷い有り様でした。不正に対する憤りは本来アメリカ政府に向くのが筋ですが、それ以前に観客は邦題に騙されたと感じてしまうのです。そんなタイトルは付けるだけ損でしょう。配給会社が下手な邦題で足を引っ張ったパターンと考えます。もっとも、原題のままなら楽しめたかと問われると話は別で、可もなく不可もない一般的なクライムアクションでありました。本シリーズは設定にツッコんだら負けなのは承知していますが、一体何をもって実験は成功したと宣言していたのか謎であります。
[インターネット(吹替)] 5点(2022-06-23 20:23:19)
154.  ラン・ハイド・ファイト 《ネタバレ》 
フォーマットは傑作サスペンスアクション『ダイ・ハード』と同じ。学校を占拠したテロリストに女子高生が立ち向かいます。兎に角要素が盛り沢山でした。サバイバルアクションの中に精神疾患と家族愛。胸糞&鬱な犯罪動機に容赦ないバイオレンス。許される反撃の範囲は何処までか?これら全てを「エンタメ」という大きな枠に無理矢理押し込めた感じ。不快と爽快が入り交じる形容し難い感情に困惑しました。混乱している時は、わかり易い要素から整理するのが得策かと。個人的に親子愛に滅法弱い体質なので、娘の窮地を救った父の活躍に痺れました。かなりご都合主義ではあるのですが、娘のピンチに行動しない父親なんてこの世に存在しないでしょう。木の上に立って黙って見ているだけなんて出来ません。それにあのお父さんは『ミスト』のお父さんですよね。転生後に前世での無念を晴らしたように見えなくもなく。お父さん、グッジョブでした。 武装集団のリーダーは同情の余地が無いただのクズでしたが、仲間の方は少し違いました。主人公に捕まった男は、所謂陰キャ。日頃の恨みを晴らすために加担した模様です。ゾーイに説教されて後悔するあたり、性根は腐っていません。未熟な故に道を踏み外してしまったことが窺えます。刑に服して反省すれば更生が期待できるでしょうが、そんなキャラに限って無惨に殺されるのがお約束。殺人犯なので、因果応報的には妥当ではあるのですが遣りきれません。学校内での銃乱射事件は現実に起きている事件であり、結末のやり過ぎ感も含めて、エンタメだからいいじゃんで纏めるには少し重い題材でした。
[インターネット(吹替)] 7点(2022-06-23 19:24:55)
155.  よこがお 《ネタバレ》 
正面の顔に対してのよこがお。別の側面の意。本物語においては、正面が「少女連れ去り事件」であり、よこがおが「市子の復讐」と考えます。まず正面の顔、本筋の連れ去り事件の方から整理しましょう。連れ去り事件を市子の立場で捉えた場合、殆ど何もやれる事が無い事に気づきます。後悔は尽きないでしょうが、だからと言って事件を未然に防ぐことは出来なかったでしょう。事後対応についても最善とは言えないまでも悪手でもありません。彼女は常識範囲の損得勘定と倫理観をもって対応をしていたと思います。ただキーパーソンだった基子の心情を読み違えただけ。でもそれに気づけというのも酷な話。市子にとっては失ったものが多い辛い結末でしたが、事件の発端をつくった道義的責任を考えればある程度の罰は受けざるを得ず、その程度が過大だとしても甘んずるより他ないと考えます。正面の顔=連れ去り事件〜報道被害はショッキングでしたが、(主人公にとって)不可抗力な要素が大半を占めていたように思います。 一方「よこがお」=「市子の復讐」はどうでしょうか。彼女が能動的に行動しているため検証しがいがあります。市子が試みた復讐は、基子の彼氏寝取り作戦でした。メンタル的にもフィジカル的にもアラカン女性が選択できる報復手段とは思えませんが、何故か成立してしまう奇跡。豪快に空振りしたかと思いきやスッポ抜けたバットが基子に直撃するという部分まで含めてミラクルでしょう。でも残念ながら狙ったダメージではないのでカタルシスはありません。復讐の第2ステージは偶然の産物でした。まさに鴨ネギ。実に簡単に復讐相手に致命傷を与えられる大チャンス到来です。偶然であるが故に必然性を感じさせます。しかし彼女は復讐を思いとどまりました。冷静になれば当然の判断ですが、追い詰められた人間は間違うのが常。彼女はよく自制したと感心します。そんな彼女に、福本伸行先生の漫画『賭博覇王伝ゼロギャン鬼』の喜十郎さんの名言を捧げたい。『最悪さえ避ければ人は結構幸せだ』。少女連れ去り事件も、市子の自殺未遂(自殺願望)も、復讐劇さえも、全て最悪の結末だけは免れています。これは幸運なこと。やり直しが効くのですから。復讐の誘惑から逃れた市子に明るい未来が訪れますように。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2022-06-15 20:12:44)
156.  スパイラル:ソウ オールリセット 《ネタバレ》 
原題は『from book of saw』。訳すなら『ソウの聖典より』でしょうか。邦題のニュアンスとは大分違います。ただ『オールリセット』なる邦題を付けた配給会社の気持ちは分かる気がします。だって全然ソウと関係ないんですもの。一応模倣犯との体裁ですが、ジグソウの犯罪理念を受け継いでいるとは言い難いですし、サスペンス映画ソウのシリーズ作品としても最低限の脚本レベルを担保しているとは思えません。私はシリーズ途中で脱落した口なのでソウを語る資格はありませんが、もうソウの看板に頼るのは止めませんか。絶対にイチからオリジナルを創り上げた方が良い作品が出来ますって。
[インターネット(吹替)] 5点(2022-06-11 16:29:39)
157.  マリグナント 狂暴な悪夢 《ネタバレ》 
典型的なサイコホラーの様式に、グロテスクな人体破壊描写、格闘アクション、ヒューマンドラマまで盛り込んだ豪華お得仕様。こう書くと、とっ散らかった印象を受けますが然に非ず。前半こそ大いに惑わされますが、伏線回収が始まる後半は怒涛の畳み掛けで感心すること頻り。ホラーにも関わらず爽快感や感動まであるという。ただ辛いだけの激辛ではない『旨辛』な映画でありました。それにしてもガブリエルのキャラはかなり魅力的でした。ビシュアル良好、ギミック最高。個人的には、多少能力面にドーピングを施して『ジャスティスリーグ』あたりに加入して欲しいとさえ思いました(メジャー感の強いアベンジャーズより似合いそう)。ワン監督らしいアイデアとサービス精神の詰ったエンタメホラーでありました。
[ブルーレイ(吹替)] 9点(2022-06-05 20:21:00)
158.  モルグ 死霊病棟
「本当に、絶対に、怖い」「心身消耗の81分」本作が配信されていた某サブスクの煽り文句ですが、さすがに誇大広告でしょう。典型的なお化け屋敷型ホラーであり「恐怖」より「びっくり」成分多めです。だからレベルが低いとは言いませんが、映像や演出面で目新しさはありません。類似作品を引き合いに出すのは品がありませんけども『呪怨』の方がまだ怖がれますし、『コンジアム』の方が出来が良いと思います。多分日本人が観て一番カルチャーショックを受けるのは、パラグアイの遺体安置所の運営ではないでしょうか。遺体が安置ではなく放置されているんですもの。拳銃の扱いも雑ですし。ハリウッドでリメイク決定だそうですが、日本で『世にも奇妙な物語』に収録するくらいが程よいお話ではないかと。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-06-01 17:45:09)
159.  ライトハウス 《ネタバレ》 
孤島の灯台守として赴任した熟年男性2人。肉体的にも精神的にもハードな仕事であるのは間違いありませんが、期間は4週間のみ。悪天候のためすぐに交代が叶わなかったとしても、精神を病み発狂するほどの状況とは思えません。ウィンズローが狂ったのは、深刻なトラウマを抱えていたからでした。外界と遮断された中で強いられる肉体労働。夜中止むことなく鳴り響くサイレン。上役の理不尽な仕打ち。ストレスフルな状況下においてアルコール摂取量が増えるに連れて、自身が犯した罪と向き合う時間も長くなったことでしょう。辛く苦しいとき人が選ぶのは「現実逃避」と相場が決まっています。セイレーンやオクトパス(クラーケンかな?)が出現し、灯台の灯りに神秘的な力を感じたとしても何ら不思議ではありません。結局は自身が犯した罪の重さに押し潰されて自滅した結末と解します。もちろん劇中2人が口走ったように「そもそもウィンズローは灯台にさえ来ていない」あるいは「トーマス・ウェイクは人形を使って呪いをかけていた」との解釈を採用するのも可能であり、そんな懐の深さが本作の魅力と言えましょう。 今や独自のホラージャンルを築いたA24。本作もブランドの信頼を裏切らぬハイクオリティ&ハイセンスな作品でしたが、一筋縄ではいかぬアク強めな作風で大衆向け映画とは言えなさそうです。人魚の生殖器とかなかなかにグロテスク。初めて見ました。
[インターネット(吹替)] 7点(2022-05-31 22:20:52)
160.  空白 《ネタバレ》 
被害者、加害者、双方ともに非が無い訳ではありません。しかし犯した罪に対する罰が余りに重過ぎました。全くバランスが取れていません。この世は因果応報ではなかったのでしょうか。その理不尽な仕打ちがやり切れなさ、やるせなさの原因と感じます。もしこの世の罪と罰の総量が同じならば、不当に罰を免れている罪人がいるとしか思えません。例えば、この事件を見世物として消費した人々。いやそんな社会の仕組みこそが罪なのかもしれません。一人ひとりの罪は微微たるものだとしても、全部集めたら途方も無い量でしょう。どんなに買っても宝くじは当ててくれないくせに、こんな厳罰だけは容赦なく課してくるなんて。あまりに酷い話。しかしこれがこの世のルールなら、私たちは従うより外に道はありません。 『一寸先は闇』は真実です。どんなに注意深く生きようとも、落とし穴を完全に回避する方法などありません。私たちに出来るのは、平時のうちから「いざ」という時の為に備えることだけ。自然災害の対処法と何ら変わりません。唐突にやって来る「絶望」と対峙した時、私たちは一体どうしたらよいのでしょうか。本件をみると、躱す術や分散させる手立て、盾を装備していた者と、真正面から受け止めた者で明暗を分けたように思えます。誰もが他人事と思わず、自分事として災に備えることを強くお勧めします。「程よく無責任であれ」「なるべく多く楽しみ(生きる意味)を用意しておこう」。これが私の非常用持ち出し袋の中身です。皆さんも是非オリジナルの非常用持ち出し袋をこしらえてください。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-05-25 00:45:32)
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