141. お墓と離婚
《ネタバレ》 忌野清志郎を目当てで鑑賞するしか、なかなか見るきっかけの無かろう作品。 ちなみにわたしは忌野清志郎を目当てではなく、某書籍で評価が高かったので見ることにした。 未ソフト化作品のため、見る機会になかなか恵まれず苦労したが、この度めでたく神保町シアターで鑑賞にこぎつけた。 小林薫と田中好子が夫婦の役で、この二人がメインキャストなのだが、なかなか地味で渋い内容となっている。 小林薫はお墓のセールスマンをしているが、「他人の不幸で飯食いやがって」みたいな嫌味を客から言われ苦労している。 田中好子との夫婦関係は一見、良好そうなのだが、なんだか夫婦二人にしか分からない不満が蓄積してそうな雰囲気がある。 この作品、行間を読め的な分かりにくいシーンも多く、特に最後で首を絞める喧嘩をしたり、よく理解できない部分がある。 先に書いた「夫婦にしか分からないこと」だからなのかもしれないが、離婚というオチがどうも唐突だし、理由が判然としなかった。 [映画館(邦画)] 6点(2024-07-22 14:53:36) |
142. わたし達はおとな
《ネタバレ》 若さゆえの思いやりに欠けるセリフの数々、ストレート過ぎる表現で心がざわつく会話の数々、それらにやられて見ている間はずっと息苦しかった。 少なくとも、気持ちの晴れる明るい映画ではない。 付き合ってもいないのに、軽い気持ちで肉体関係をもち同棲すらしている、そうした曖昧な関係性の中にこそ火種があったのではないか? そういうライトな関係性の方が楽なのかもしれないけど、いざ妊娠したとかの問題が起きた時に、逆戻りできない危険が潜んでいる。 ラストシーンで木竜麻生がしばらく茫然とした後、何かを決意したかのように淡々と料理を作り、淡々と一人で食べ始める。 このシーンに子どもを一人で育てていこうと決意した彼女の強さみたいなものを感じた。 泣きわめく事が多く子どもだった彼女が、おとなになった瞬間。 とても印象的なエンドロールだ。 この監督、『ほつれる』もそうだったけど、決して気分の晴れる作風ではないのに、まるでヤクブツのような吸引力がある。 それはこの監督が描く圧倒的リアルさ故か。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-07-21 18:08:48) |
143. ヨーロッパ一九五一年
《ネタバレ》 思想や宗教という観点において、なかなか複雑で分かりにくさがある。 精神異常者として病院に幽閉されたことが理不尽であり、それを問題提起しているのだろうか? いまいち分からない。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-07-18 21:13:25) |
144. ぜんぶ、ボクのせい
《ネタバレ》 母親に恵まれない者同士で意気投合して、車で生活する少年とオダギリジョー。 オダギリジョーがこれまたいい味を出していて、小悪党なのに少年には優しい。 松本まりかがチョイ役過ぎたのは残念ではあるけど、ハマり役だった。 キャミの肩紐がなんともセクシーで、ありゃ悪い男が付いても仕方ない。 息子に対して愛情のようなものを見せたのに、なぜに息子と一緒に暮らせないのか。 その理由ははっきりと描かれてはいなかったが、非常に気になった。 終わらせ方はとても無難で健全。 でもそれが大いに不満。 この健全な終わらせ方こそ現代映画の欠点であり、一昔前の映画ならあのおねーちゃんと名古屋に行く終わらせ方も出来たはず。 物議を醸さないであろう、無難で健全な終わらせ方が残念でならない。 [インターネット(邦画)] 8点(2024-07-15 23:34:26)(良:1票) |
145. ザ・ロイヤル・テネンバウムズ
《ネタバレ》 映像が綺麗で音楽もノッている。 話も入り組んではいるがそこそこ楽しい。 そして何よりグウィネス・パルトロウの魅力にやられた! とにかく髪の毛が綺麗、雰囲気も独特、素敵な女優さんだ。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-07-14 22:55:06) |
146. 死体の人
《ネタバレ》 いくら色々あったとはいえ、唐田えりかが風俗嬢役でしかも売れないバンドマンと付き合っていて妊娠してるのに腹蹴られるとか、見ていて悲しい気持ちになる。 飽きずに最後まで見られたのでそこは良かったけどね。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-07-13 23:43:38) |
147. カンサス騎兵隊
《ネタバレ》 結構な大作でアクションシーンも盛り沢山。 よく分からないのが、黒人奴隷解放を叫んだジョン・ブラウンが悪役みたいな設定になっているところ。 それまでの国家体制を覆そうとしてるから、国家反逆ということで悪役設定なんだろうけど、今から見れば普通に正しいことをしている。 実はなかなかの批判精神と皮肉に満ちた映画なのかも。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-07-13 11:50:04) |
148. 三十路女はロマンチックな夢を見るか?
《ネタバレ》 武田梨奈が好きなので、ひいき目な点数をつけるが、それでも5点が限界!(内容的には3点、武田梨奈ポイントで+2点、計5点) 武田梨奈の魅力は満載だが、ストーリーが無茶苦茶だ。 とにかくリアリティが無さすぎる。 公務員になったという伏線は効いてるものの、それ以外が無理矢理すぎて酷い出来。 邦画だからこんなもんでいいだろう的な甘えさえ感じる始末。 (P.S.) 酒井美紀の使い方がもったいない。 [インターネット(邦画)] 5点(2024-07-10 22:24:30) |
149. LOVE LIFE
《ネタバレ》 某サブスクであらすじをチェックしたが、子供が死ぬとは言及されておらず、内容を知らずに見てしまった。 子供が死ぬという、これ以上ない悲しいイベントに頼った映画には文句なく0点をつけさせていただく。 [インターネット(邦画)] 0点(2024-07-09 21:05:27) |
150. 炎のランナー
《ネタバレ》 イギリス映画が世界一嫌いだと確信させられた一本。 宗教くさい上に真面目が過ぎる。 話も良かろう方向へ真っ直ぐと進む。 絵に描いたような好青年たちが躍動する。 良いのはエンドロールと音楽だけで内容は完膚なきまでにつまらない。 [インターネット(字幕)] 0点(2024-07-06 23:21:32) |
151. ひとりぼっちじゃない
《ネタバレ》 不快なものが多かった。 ただつまらないだけでなく不快。 一番の不快は主演の井口理。 冴えない男の設定とはいえ、あまりにパッとしなさ過ぎる。 最後も全てを捨てて長崎に行くとか中途半端。 あとは虫がわいてるシーンとか、井口の自慰シーンとか、ボコボコボコボコとうるさくてしつこい効果音とか。 不快な演出が多すぎるぞ。 良かったのは馬場ふみかの住んでいるマンションの外観。 マンションの入り口へのアプローチは見事、色彩も緑豊かで安らぐ。 馬場ふみかも透明感があって良い。 [インターネット(邦画)] 1点(2024-07-06 09:24:47) |
152. 暴力行為
《ネタバレ》 戦争時に被害者であった元部下が、結局最後には生き残るという結末は、極めて良識的な終わらせ方と言ってよいであろう。 途中の追いつ追われつの展開や、ラストの三人三すくみのシーンなんか、緊迫感があってなかなか面白かった。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-07-03 09:07:23) |
153. コーポ・ア・コーポ
《ネタバレ》 アパートに住まう住人たちの群像劇スタイル。 内容は取るに足らないエピソードばかりなんだけど、ほっこりする内容のものが多く、まったり味合うことができた。 馬場ふみかの金髪がとにかく印象的。 スエットのズボンも良く似合っている。 大阪の街を堪能できるのもポイント高し。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-07-01 00:06:54) |
154. とらわれて夏
《ネタバレ》 ボニーとクライドのように過激な展開はなく、ゆったりゆっくりまったりと進み、そして終わった。 物足りなさや刺激の少なさは感じるものの、平和な話で疲れや虚しさを感じないのは良い点。 きっとこれ以外の結末だと社会的にマズいのでしょう。 仕方ないのかも。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-06-30 14:23:18) |
155. 神は見返りを求める
《ネタバレ》 これは面白いヤツ。 岸井ゆきのの豹変ぶりは女性ならあり得るかも。 環境や立場が変われば豹変することは多々あるからね。 そういう生き物なんだと思って諦めるべき類もの。 最後までへこたれないムロツヨシも良かった。 そんなに簡単に心折れてはイカンという気持ちにさせてくれる。 決してへこたれずに復活を期す、そんな気持ちにさせてくれた。 嫌な目に沢山あわされても、希望を持って復活するんじゃ! 立ち上がれ! [インターネット(邦画)] 8点(2024-06-29 19:25:26) |
156. 虹を掴む男(1947)
《ネタバレ》 ポケタ、ポケタ、ポケタ、ポケタ… 白昼夢を見るたびに飛び出すこの奇妙な擬音。 なんなんだ、これは。 なんとなく生理的に受け付けない独特な雰囲気を持ったダニー・ケイ。 イケメンなのにコメディ全開なもんだから、なんだか違和感もある。 尖った鼻もなにげに気持ちが悪い。 ところどころ笑えたのだが、ダニー・ケイのアクの強さにやられた。 特に歌うシーンの芸達者ぶり、これがまた気持ちが悪い、趣味に合わない。 [インターネット(字幕)] 4点(2024-06-28 21:33:54) |
157. 窓辺にて
《ネタバレ》 なんか暗くて退屈な話だし長いなーとか思って見ていたけど、終わってみたら案外良かったというか、映画を見たという満足感はあった。 稲垣吾郎や玉城ティナに魅力は感じなかったが、話としてはそこそこ面白いんじゃないかと。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-06-26 10:16:53) |
158. リラの門
《ネタバレ》 ジュジュの憎めないロクデナシキャラが最高だ。 マリアのことを好きなのに、いつの間に恋の橋渡し役をやらされる。 モテない男あるあるだけに、気持ちがよく分かる。 ラストの銃声が聞こえるシーン。 ジュジュとバルビエが取っ組み合い、どちらが物陰から生きて出てくるかと思ったら、ジュジュだった。 ジュジュが対決に勝ったのだ。 これがこの物語の救いになっている。 これがもしバルビエに殺されて終わっていたら、ただの救いのない話になってしまうからね。 それでもなお、切ない話だよね。 好きなコが騙されていて金目当てで利用されていただなんて。 ジュジュとしてはやり切れない気分だわな。 自分が好きなコとはいえ、バルビエとどこかの遠方の地で幸せになってほしいと願っていただろうはずだから。 最後にこの映画のモノクロ画像について。 1950年代後半だけあって、シャープでとても美しい。 この時代ならではの自然なモノクロ画像にはうっとりさせられた。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-06-23 17:16:59) |
159. モロッコへの道
《ネタバレ》 二人の掛け合いは意外にも面白い。 悪い奴ら同士を喧嘩させ、主人公たちは美女を連れてニューヨークへと逃げるご機嫌な展開。 だけど最後はスタートと同じ状態に戻り、海の上で遭難。 なかなかうまい作りになっている。 ミュージカルにしては歌の部分が非常に少ないのが特徴的。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-06-21 08:55:17) |
160. この日々が凪いだら
《ネタバレ》 最後の最後まで沈鬱な気分で見ていた。 けどラストで一気に晴れた。 途中、自身の辛い過去の影響でかなり滅入ったが、そんな辛いこともありながらのあのラストだからまあオッケーかな。 人生辛いことが多いし、うまくいかないこともあるけど、最後に良いことがあればいいじゃん的な単純さはある。 でもその単純さが大事。 終わり良ければ全て良し。 明日から少しだけ踏ん張れる気がした。 あ、そうそう!書き忘れそうになったけど、羊文学の音楽はやっぱりとても素敵だった。 羊文学の音楽が確実にこの映画を一段上に引き上げている。 音楽が映画に与える影響は大きいね! [インターネット(邦画)] 7点(2024-06-17 22:36:02) |