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コメント数 1207
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年齢 58歳
自己紹介 短くって、切れ味のいいレビューには「良」投票してしまいます。

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141.  ある脅迫 《ネタバレ》 
□まあまあな短編。■西村晃の中池は、枯れた感じは良かったが、うらぶれた感じがなく、最後の逆転のカタルシスが弱い。浜村淳の方が中池役に適任だったのでは。□最後の信越本線での3段オチでは、せっかく逆転した中池だが、滝田と一緒の穴に落ちていくのね。最後の中池の表情はいい。■短い映画なのに、滝田と中池の妹との不倫関係は必要だったか?男対男を突き詰めば良かったのに。【追記】原作(27p)読みました。原作では、中池は「のろまらしい」人物として描かれている。熊木も中池の妹も登場しない。中池と次長は幼なじみという設定はない。ラストは逆転した中池が勝ち誇り、次長は今後脅迫されて暮らすはめになることが暗示される。警察に逮捕されない。
[DVD(邦画)] 6点(2022-06-27 20:16:25)
142.  美しすぎる議員 《ネタバレ》 
「美しすぎる○○」というのは、安いマスコミが使う業界用語で、通常我々の生きる現場(シャバ)では使われない言葉だと思ってました。しかし、本作の最初のころ、「美しすぎる議員」という言葉を同僚議員やらが主人公に語りかけるシーンがあり、それがなんか嘘くさいんだすよ。そしてこの作品は、この絶妙な嘘くささが通奏低音として流れ続ける、コメディかサスペンスか、つまりエンタメ系だと解釈していたのですが。なんと見終わってみれば、アイドルだった経歴をもつ初当選議員の奮闘を描くいたって真面目な社会派ドラマでした。でもなあ。ときどきアレっていう心が騒ぐ展開(女性カップルが実家に会いに行くシーン、シングルマザーが取材を受け入れるシーンなど)もあるんだけど、全体に嘘くさいんだよああ。なんかちぐはぐ。コメディのつもりが、ドラマに仕上がっちゃった印象。
[DVD(邦画)] 3点(2022-06-23 17:09:34)
143.  ドロステのはてで僕ら 《ネタバレ》 
過去テレビと未来テレビを合わせ鏡にすると、画面の奥にドロステ効果で、うんと先の未来を見ることができるという理論(というか屁理屈)を、ワタシ、ホントはあんまりピンときていませんが、そうだよねと思わせる威勢の良さ。おそらく未来永劫コンプライアンス的に大丈夫なように作ってあるし、つまり全世界で通用しそうな本作。ただ期待していた爆発力にはいたらなかったみたい。面白いんだけど、お行儀が良すぎる。頭のいい人が上手に作ったんだなあという感じがしてなあ。ラーメンズのコント(大好きですが)みたいなんですよ。また、舞台的お約束のなかで演じられれば気にしないだろう、テレビへの給電用のケーブルのことやシンバルの防弾性能が、映画だと気になってしまいました。などと、我ながら貧乏くさい文句をつけちゃいましたが、それは10点じゃない理由。もちろん、むちゃくちゃ面白かったです。
[インターネット(邦画)] 9点(2022-06-23 17:07:15)
144.  サマーフィルムにのって 《ネタバレ》 
潔くない創作者は好きではないので、完成した映画のラストシーンを土壇場でストップしたハダシ監督については、確かにとんでもないヤツって、実は今も思っているんですけど、本当に彼女は切実なんですよ。好きな感じのコメディ映画が、むき出しに変調する。諸々過剰で、バランスを崩している。最後の殺陣に至っては、赤裸々にもほどがあるって、うっとうしいと思ってしまうクズなオレなんだけど、目の玉が熱くなってくる。こんな楽しい高校生活がワタシにもあれば良かったのにとも、でもやっぱりしんどかったよね、この頃って思い直したり。とにかく、胸掻きむしられる映画です。この監督は、しばらく追ってみたい。【追記】監督が、伊藤万理華を見つけたから撮り始めた映画じゃないか。逸材。【追記2】ワタシ、最後のはうっとおしいとも書きましたが、殺陣シーンのクオリティの高さがこの映画の背骨です。
[DVD(邦画)] 8点(2022-06-19 15:11:08)(良:1票)
145.  ドンバス 《ネタバレ》 
ドンバス戦争。ウクライナ東部・ドンバス地方に住む、親ロシア派ウクライナ人対ウクライナ政府軍の戦い(ですよね?)を、13のエピソードで描く本作。大友克洋の「気分はもう戦争」を思い出し、またタチが悪いことに松本人志のコントも彷彿させるような内容。観ていて、苦い汁がこみ上げる。観終わってしばらく、胸が押されるように具合が悪かった。「胸が苦しくなる」ってこういうことだったのね。こんなに胸くそ悪いのは「ファニーゲーム」以来。トラウマ映画第1位。0点か10点かのどっちか。で、ワタシは10点。こんな世界で生き延びられるような気がしません。
[映画館(字幕)] 10点(2022-05-31 09:38:32)
146.  コレクティブ 国家の嘘 《ネタバレ》 
■鑑賞後、映画のチラシを見直した。やっぱり、ドキュメンタリー。いわゆる「実話に基づく物語」を見ているような気になってしまったのですね。だって、取材の内幕や、大臣と参謀の打ち合わせ、果てには内部告発のシーンにまで、監督のカメラが入り込んでいるのだから。■こんなものが撮れて、しかも公開できるルーマニアってどんな国なんだ。良いことなのか。悪いことなのか。■しかし、本作見てて、これからこの延長線上に、ルーマニアで何か良いことが起きる気がしない。■なんかこう、めちゃくちゃな断末魔のような映画だったんじゃないか。
[映画館(字幕)] 6点(2022-05-29 18:30:38)
147.  黒い牡牛 《ネタバレ》 
最後の闘牛のシーンのみ。ワタシ、闘牛のルールなど知らないのですが、リベロの美しいしぐさとヒタノのたたずまいを堪能したと思いました。しかし。60年以上前には、少年と牛の美しいキヅナの物語として扱われていたんのでしょうか?今見ると、非常に危険なものをねだり、そして親はそれを簡単に子に与え、たいしたしつけもせずに、管理もしない。しまいには大統領にまでダダこねる、なんだこれの展開。無垢を装い、えらく無神経だよな、お前。延命が許されたヒタノに駆け寄るレオナルドの姿をみて、ああこのクソガキが最後ひどい目にあう映画かと思ったオレは今、あんまり良くないかも知れない。
[DVD(字幕)] 3点(2022-05-23 11:52:44)
148.  テレビで会えない芸人 《ネタバレ》 
うーん、期待外れ。芸人・松元ヒロさんのステージがあったらぜひ行きたい気持ちになったし、立川談志・永六輔両氏の後継者を育てる気持ちに感激はするのだけど、しかし。繰り返される、松元ヒロさんいい人エピソードは必要なのか。親友に厚く、恩師への感謝は忘れず、困った人は見逃さない。こういうエピソードが開陳されることって、芸人・松元ヒロにとってプラスなのでしょうか?ある時期からテレビに出なくなった、あるいは出られなくなった芸人の「なぜそういうことになったのか」を、ドキュメンタリーなら描いてほしかった。風刺や政治を批判する芸を披露することで、テレビ業界の方でなにがあったのかを言及することを避けて、いい人・松元ヒロで映画を終わらせたら、やっぱり制作・鹿児島テレビ放送、踏み込めないで忖度したなってことにならないですか。えっ、鹿児島テレビさん。
[映画館(邦画)] 3点(2022-05-11 14:03:32)
149.  007/スペクター
なんか、世紀の大脱出系のマジックの長尺モノを見ていたような気分です。みている時にはハラハラしているんだけど、ふと、なんでこの外人さんはこんなことをしているんだろうと冷めてしまうこともあったりして。ストーリーもあるようですけど、まったくそれは、オマケみたいなもんでしたよね。
[インターネット(字幕)] 3点(2022-04-28 20:43:45)
150.  哀愁しんでれら 《ネタバレ》 
■子育てのやり方が次の世代にも同じように継承されるのっておそらく真実なんだろうけど、好きじゃないんだ。■子育ての問題って、その根っこは夫婦関係の問題だと思いますので。(本作でもそうでしたよね。)■おそらく、「毒親」とか「親ガチャ」とかいうある種の風潮に一石投投じているのだと思うし、そこはすごく共感しているのだが。■しかし、終幕の強烈なイメージ(小学生の〇〇し)にとらわれすぎて、無理筋を通しすぎちゃったような気がします。
[DVD(邦画)] 5点(2022-04-25 20:47:44)
151.  モーリタニアン 黒塗りの記録 《ネタバレ》 
見るべき作品だとは思うが、釈然としないところがある。■映画を通じて印象に残っているのは、①アメリカでは、諸々不都合なことはあったとしても、記録は改ざんされたりしない(一次資料である記録用覚書/MFRには事実が記されていた)。②アメリカでは不正があった場合、自らの不利益を顧みず、「できません」と言える人がいる。それらは、(たぶん)本当のことだと思うのだけれど、本作で見るほどに単純なのか?■領収書も明細書も出さない、あうんの忖度で公文書も改ざんする我が国よりましじゃんとも思えるんだけど、本当だろうか?■ラムズフェルドの”特殊尋問”は十分えげつないけど、何かを暴いたふりして、もっと重要なことを隠してないか?■なにかこう取り繕っているような感じで消化不良。どうぜならこれを題材に、マイケル・ムーアにやって欲しかった。
[DVD(字幕)] 6点(2022-04-19 20:26:58)
152.  スプリング、ハズ、カム 《ネタバレ》 
これはマズいヤツなんじゃないだろうかなあと、本サイトに登録しつつも長い間見ないでいました。■予感は的中。目の玉の熱くなるシーンが続く。必要以上に厚着をしてしまう、春の田舎者の上京あるあるでもうすでに泣きそうになります。もちろん「追い出すんです」でもう。キッパリしてるじゃないですか。「追い出すことにしたんです」ですらないのね。■やたらカメラで写真を撮るのって、ファインダー越しじゃないとうまく見ることができないからってこともあるよね。■前日の、うまくいかなかった部屋探しすらカットして、実質半日の物語にした吉野監督の勇気。ありますよ、人生でとても大切な、なんでもない半日。それだけを切り出したのはすごいと思う。■ただ、惜しいのはイベントを盛りすぎたこと。インドの結婚式に参加したのは、最後のシーンを酔った上でのこととしたかったのかもしれませんが、何かやっぱりわざとらしいんですよ。■ただ、もうすぐ別れて暮らす二人親子が淡々とそのための準備をし、しかし今日は一緒に帰る。このことだけにしてくれたら、目の玉は溶けてなくなっていたかもしれません。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-04-17 14:02:26)
153.  その男、凶暴につき 《ネタバレ》 
「孤狼の血」を経由して、どうしても見たくなって再見して気づいたことがある。こんなにも、主人公・我妻が歩いている映画だったのですね。我妻が歩くのが下手くそというか、ものすごく窮屈そうに歩くのが魅力的であり、有り様(適応できてない)を表しているかのように見えます。(何の仕事かと聞かれて)「鉄砲の通信販売」、(我妻さん早いですねといわれて)「俺がやったんだ」の、洒脱な感じが、ストーリーが進むにつれて少なくなるのが残念なんです(最後まであの感じなら、もっとかっこよかったのに)。しかし、ヒョウタンからコマもあったにせよ(途中で時間がなくて端折った演出が功を奏している)、唯一無二の作品だと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2022-04-02 19:53:39)
154.   《ネタバレ》 
情婦であることから逃れて東京からきた若い女性が、湯治場の客との交流で再生していく物語。恵美も納村も近い気持ちはあったのだろうけど、さっぱりしているところが良いです。恋愛の泡立つような気落ちの「その前」の状態が続いているようでした。ほんのり暖かい気持ち。以下余談。のんびりした映画。これが真珠湾の半年前って、戦争って考えているよりいきなり来るのかもって思いました。
[DVD(邦画)] 6点(2022-04-02 11:34:07)
155.  CUBE 一度入ったら、最後 《ネタバレ》 
コロナ禍なので、少ないスタッフで規模小さく作れるのが「CUBE」のリメイク、ってのが作った動機じゃないのか。それならば、それで一つの試みとも言えますが。しかし。■くだらねえというより、やりやがったなという視聴後の第一感。■トラウマに手を突っ込んでメンタル痛めつけるトラップってなんだよ。■「大人はずるい」って言葉が大嫌い。手垢のついたセリフ使うなよ。間違いなくそれ言ってる子供の方がズルいはず。おそらく、今どきは錦の御旗でも掲げているつもりだ。■「リメイク」じゃなくて、日本人がやるのなら「パロディ」だよ。発言小町で相談しながら進むとかさ。相談するけど、無責任な発言するヤツが混ぜ返してまとまらないとか。三谷幸喜版のCUBEとかなら見てみたい。
[DVD(邦画)] 2点(2022-04-01 16:28:14)
156.  キネマの神様
引き受けた沢田研二は漢気があったと思う。しかし、ここは"上島竜兵"で勝負をかける手もあったのではないか。【追記220511】ああ。もう。本当に、上島さんの”ゴウ”が見たかったです。
[DVD(字幕)] 7点(2022-03-26 20:54:22)(良:2票)
157.  孤狼の血 《ネタバレ》 
昭和的なコンプライアンス意識の低さ(暴力的な取り調べ、暴力団との間合いなど)と令和的な身も蓋のなさ(暴力シーンや死体のグロさ)が融合。50過ぎの我が身としては、懐かしい話を新しいツールで書いたかのよう。ワタシ、登場は少なかったけど、中村獅童の新聞記者のヤクザっぽさがけっこういいなあと思いました。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-03-20 21:38:32)
158.  原子力戦争 Lost Love 《ネタバレ》 
うーん。俺たち、スキャンダラスなのを撮っているんだからねって、盛り上がっているだけの映画。原田芳雄の原発の守衛所突入がそのピーク。原田芳雄にしろ山口小夜子にしろ、なんでこんなにかっこつけているんだろう。Lost Loveってなんだよ。どういう理由でつけなきゃならなかったのか。あえて映画の内容を分かりにくくしてる?変な映画。
[DVD(邦画)] 2点(2022-03-16 20:47:10)
159.  その土曜日、7時58分 《ネタバレ》 
ああ、これは10点かも知れないと思った前半1時間。ワタシがこんなにも時間軸ずらしが好きなのは、極めて映画的な手法だからだろう。アンディが暴走し始めた後半は、前半の緻密な物語運びを放棄したようで少し残念でした。が、ラストシーン。タイトルにあるように、悪魔が地獄に連れていく前に、父親が引導を渡したのでしょう。ああ、我が子がこんなモンスターになってしまった。安堵をもたらす言葉をかけつつも、一撃で仕留める。今も、誰かの子でもあるし、親でもあるワタシとしては、息を呑む終幕でした。ハンクはこの先、捕まることもなく、元のところに戻ることもできず、ただ独り後悔で身を焼きながら死んでいくのだと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2022-03-10 20:46:40)
160.  テロ,ライブ 《ネタバレ》 
アナウンサーを追い詰める手口がやりすぎじゃないですか。犯人が、と言うより、監督が。放送ブースで殺人が行われたパートではいくらなんでもと思いましたが、そんなもんじゃ終わらせなかった。しかし。こんなにも、センチメンタルで救いのない終幕になるとは思いませんでした。邦画だったら、前の奥さんは助かるんだろうし、政府側にも少しは事情を説明させるでしょう。韓国映画はすごい(今更ですけど)。出てくる俳優さんのことを、映画でしか知ることがない(CMやバラエティ番組で見なくても良い)ことも、日本の観客であるワタシに有利なのかもしれません。日本に似ているけどやっぱり違う韓国の映画を、こうもあり得た我々の作り上げた物語のようにワタシは観ているような気がする。ものすごく面白かったです。
[インターネット(字幕)] 9点(2022-02-26 18:41:17)
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