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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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141.  ワルキューレ 《ネタバレ》 
ノルマンディー上陸作戦の一月後、敗戦濃厚で、時期は熟していた。あれだけの人数が揃っているので、ヒットラー暗殺だけなら比較的容易に達成できたはず。しかし目的がクーデターであり、短時間による政府と軍の完全掌握を目指していたので、ヒムラーやゲッペルスなども同時に暗殺などと余計なことを考えて何度か機会を逃している。実行犯の大佐が新政府の要職に予定されていたため、爆発物セット後、すぐに逃げ出したが、これが最大の失敗。何をおいても、総統の生死を確認すべきだった。確認がないままクーデターを実行するのはお粗末。大佐は障害者なので、ボディチェックはほとんど受けなかった。いざとなれば総統もろとも自爆する覚悟があれば成功しただろう。カリスマ総統を倒しておけば後をヒムラーが後を継ごうが倒すのは容易である。二段構えの周到さがほしい。暗殺が失敗することは既知だが、サスペンス、緊迫感は十分伝わってきた。そこは評価できる。だが大佐の人間性の描き方が希薄だ。反ナチ思想を持つ経緯を描くべき。戦争の悲惨さも伝わらない。最後は家族の安否を心配するだけの弱い男になってしまっている。彼の兄も連座して処刑されたが描かれていない。夫人と五人の子供はどうやって生き延びたのか?他に関係者6~700人が粛清され、ロンメル元帥も自殺。これらの人の死に大佐たちは責任があるだろう。「計画は失敗したが、彼らの目的は戦争をやめることであり、命をかけた彼らは英雄である」という単純な考えはできないだろう。後半、総統が姿を見せないのは、サスペンスを重視した脚本構成の所為だが、史実を描きたいのなら、総統側の様子も見せるべきた。一方だけを描いても真実は伝わらない。総統のカリスマ性も対等に描くべきだろう。「史上最大の作戦」のように敵味方、両側を描けば、より見ごたえのある映画になった。大佐の人間ドラマをより深めれば「シンドラーのリスト」のような深みが出た。「暗殺=テロ」なので、現代人にとって彼らの行動を無条件に賛美することはできない。歴史の正当な評価は時代と共に変わる。そんなことを考えされられた。
[DVD(字幕)] 6点(2010-05-09 23:17:34)(良:2票)
142.  1リットルの涙 《ネタバレ》 
単に「難病もの」といってしまっては身も蓋もない。原因も不明で治療方もない難病と戦った少女の魂の日記が原作。そこには五体満足で当たり前に生活する人々には想像もできないような苦悩、葛藤があったはずです。少女が短命で終わったのは既知なので、興味本位的な観賞はできない。不幸といってこれほどの不幸もないだろう。思春期真っただ中の14歳で罹患。志望校に入学できても、高校一年生で養護学校に転校しなければならないほどの重症に。一生懸命勉強したのに大学進学も断念。「保健士の母のような人の役に立つ職業につきたい」という夢も潰えた。リハビリの先生との淡い恋もはかなく散った。「なぜ病気がわたしを選んだのか」「なぜ私にだけ不幸がふりかかるのか」、主人公の亜也は何度も自分の運命を呪ったのに違いありません。しかし絶望はしなかった。彼女が生きるあかしとして綴った日記を残してくれたおかげて、我々は彼女のことや、病気のこと、家族や友達、先生たちのことを知ることができる。ありがたいことです。さて映画の出来ですが、これは不出来です。こういった映画では、登場人物の感情の揺れをいかに表現するかが出来の善し悪しに関わってきます。演技も大切ですが、タメ、アップ、涙、音楽などの演出効果も重要です。つまり「ここぞ」という場面での「感動を与える演出」が必要なのですが、この作品ではそれが欠けています。脚本は悪くなく、母親の献身的な態度、心やさしくてくれた友達、尊敬する女医との交情、親切で情に熱いパン屋のおばさんなど、泣かせどころはたくさんありました。命をふりしぼるようなセリフひとつひとつに対応する演出方があったはずです。あまりにも淡々と流れていなかったでしょうか。監督の力量が問われるところですね。というわけで、残念ながら、いまひとつ感情移入できませんでした。難病の少女を演じきった女優さんには拍手です。
[DVD(邦画)] 6点(2010-05-07 19:01:41)
143.  つみきのいえ 《ネタバレ》 
町全体が海に沈んでおり、海面がどんどん上昇しているようです。船で物資が届けられるので、人間社会は崩壊してなさそう。おじいさんは家族との思い出を大切にしながら余生を送りたいので、あの家を敢えて離れないのですね。というか町全体に愛着があるようです。子供時代から住んでいるふるさとだから。そして愛する妻との恋愛の思い出もある。幼馴染というところが泣かせますね。生涯一度の恋を貫いた理想的な人生だったのですが、老後は悲劇的です。それにしてもまあ、奇妙な生活ぶりで、悪くいえば偏執的傾向のあるご老人ですね。これは言い過ぎでしょうか。長年の孤独がご老人をそうさせたと解釈しましょう。■海面が上昇するに従って、上階に改築を重ねていったのでしょうか?であれば床下にドアがある奇妙な構造の説明がつきますが。しかし階下には家族の思い出が詰まっています。海面上昇に遭いながらも、何十年かは一緒に住んでいたのかもしれません。家族が水禍で亡くなってしまったと考えれば、老人の気持ちもさらに理解できようというものです。ご老人はあの家で死を迎えるつもりですね。心は家族との思い出に水没しながら。思い出にふけること以外に何の楽しみもないご老体を見るのはつらいです。最後は前向きに生きる姿を見たかったのは無いものねだりでしょうか。希望がないアニメに思えてしかたありません。■地球温暖化へのメッセージが込められいるという意見があります。たぶんそうでしょう。町全体が徐々に海底に沈むことは歴史上稀有なことですから。老人は人類を恨んでいるのかもしれません。それでさらに孤独が増した考えれば、よけい同情しますよ。■「汚れなき子供」向けのアニメを「汚れある大人」が鑑賞すればこんな感想が出てきます。ああ、わが心の中の汚れの海面も上昇しているようです。子供のときに観たかった。
[DVD(邦画)] 6点(2010-03-04 12:16:17)
144.  カールじいさんの空飛ぶ家 《ネタバレ》 
導入部は秀逸。冒険家マンツにあこがれる少年と少女が出会い、気球での冒険を夢見る。二人は成長し、結婚。二人で家をリフォームする。壁も椅子も郵便受けも思い出がつまっている。赤子を望んだが、授かることができず、妻は消沈。妻を励ますため夫は冒険を計画するが、頓挫、やがて老境に達し、妻は亡くなってしまう。老人は妻との夢を果たすため、風船の家で冒険に出かける。ここでは「家」がキーワード。少女は、アジトを幻の滝の近くにおくのが夢だった。大人になってからもそれを壁に描いた。だから老人は家が壊されるのに耐えられず、どうしても家を滝にまで運びたかったのだ。だがここからは失速。よくしゃべるデブキャラ少年はかわいげがない。犬が機械を通してとはいえ、しゃべったり、料理をしたり、戦闘機に乗って銃を撃ったりは無理がある。マンツは二人のあこがれだったのに、悪人だったのでは設定が台無しであり、エリーの夢を壊してしまっている。悪人はマンツの成功を横取りしようとする連中などに設定すればよかっただろう。超高齢者が敵では楽しめないし、彼の狂気も理解しがたい。幻の滝への冒険のはずが、幻の鳥の奪い合いとなり、殺し合いとなる展開にはついていけない。戦いも老人らしくソフトで知恵を利用したものにすべきだった。サブストーリーは老人と少年が理解しあうこと。老人にとって家がすべてだったのに、少年を救うために家を手放す。「たかが家だ」の言葉は重い。このあたりの表現はうまい。ただ老人は風船売りだったのに、子供嫌いの偏屈キャラになっているのはどうしたことか。少年は両親が離婚して、心に傷を抱えている。それをまぎらわずためにボーイスカウトの勲章集めに精を出す。少年が鳥に対して特別に感情移入するのは、鳥が子育てしているからだろう。自分の家族とだぶらせているのだ。このあたりはうまく表現できていない。少年が無邪気すぎるのだ。無口で不良っぽいキャラにすればすっきりしただろう。最後に二人は理解しあい、無事帰還し、疑似家族になるのだが、さほどハッピーエンドとも思えない。彼らの幸せが小じんまりとしすぎているから、カタルシスを得ることができない。二人は、冒険家として有名になったくらいにしてほしかった。実際に幻の動物の化石がたくさんあるマンツの飛行船を探し出してきたのだから。老人は妻の思い出よりも大切なものを見つけ出すことができたのだろうか?
[映画館(字幕)] 6点(2010-02-24 18:46:47)(良:1票)
145.  パプリカ(2006) 《ネタバレ》 
人間ドラマに注目してみた。粉川刑事は、不安神経症で悩み、サイコセラピーマシンによる治療を試みる。彼の夢は映画監督になること。友人がいて一緒に映画を作り、将来の夢を語り合った。だが友人は夭折し、彼も挫折、刑事になった。そのせいで映画が嫌いになる。犯人を取り逃がしたことと、夢を失ったことのトラウマがある。夢の中でパプリカを助ける英雄を演じたことでトラウマは消えた。犯人を捕らえ、映画も観れるようになった。これをサポートする千葉(パプリカ)、時田(天才)、所長、氷室はどうだろうか?彼らの人間ドラマはあまり描かれていない。千葉と時田が結ばれるのがオチだが、その伏線がほとんどないので唐突感がある。所長のキャラが定まらない。しっかりしているようで、しっかりしていない。いてもいなくてもいいのだ。氷室は抜け殻である。一方敵はどうか?大ボスの理事長のトラウマは何か?年老いて、歩けないだけしか描かれていない。大妄想の持ち主で、夢と現実の世界を支配しようという野望のある人物にはみえない。描きこみが足りない。アシスタントの小山内は、科学者として時田の足元に及ばないことと、好きな千葉から軽んじられていることがトラウマとなっている。それで理事長に操られるようになった。これは分かりやすい。DCミニのシステムが分かりにくいのは欠点だ。夢を他人と共有できるというのはいいが、アナフェラキシー効果で現実の中に夢が侵入してくるとか、ネットからも夢に入れるとか、複雑すぎないか?というか、やりすぎではないか?千葉とその分身であるパプリカが同時に存在するのをどう説明する?それに夢と現実の境界が曖昧になりすぎて、現在そこにある危機が認識できない。どうせ夢だろうと思うと引いてしまう。美しい夢ならしばらくの間浸っていたいと思うが、ビル街を人形やロボットがごちゃごちゃ行進するような殺伐とした夢では、早く終わってくれと願うだけ。オイディプス、人魚、孫悟空、ピノキオ、ターザン、みんな借りてきたキャラで薄っぺらい。だから映画として重みに欠ける。現実世界で、理事長と小山内はどうなったのか?粉川はどうやって犯人を逮捕したのか?千葉と時田の恋愛の成就する瞬間は?意識不明だった氷室は?多くがおいてきぼりのまま残される。これでは夢オチにも等しい内容。描き込みが凄いのは評価できる。
[DVD(邦画)] 6点(2009-11-09 07:51:33)
146.  きみがぼくを見つけた日 《ネタバレ》 
ヘンリーとクレアの恋愛物語。ヘンリーは5歳のとき、母の運転する自動車がクラッシュする寸前に瞬間移動する。初めてのタイム・トラベル(以下TT)である。母は死亡。本能が危険を感じたときにTTするのかと思ったが、関係なかった。ヘンリーの前に未来からやってきた本人が出現し、いつか理解できる時がくるからと励まし消える。TTは自分の意思に関係なく、ある日ある時ある場所に勝手に移動していまう病気のようなもの。ただ自分に重要な場面に飛ぶ傾向があるらしい。母は歌手で死ぬ前にも歌ってくれた。またヘンリーの娘も歌えばTTを管理できるようなことを言っていた。だが歌は何の伏線でもなかった。こういう無駄な部分が目立つ。ヘンリーとその胎児、娘たちにはTT能力がある。時間遺伝子を持つからだ。ではヘンリーの父はどうか?たびたび登場するが、その人物像は描かれない。ヘンリーがTTで苦しんでいるのは父が一番理解しているはず。父子の関係を濃厚に描けば、人間ドラマに厚みが増しただろう。又未来からやってきた娘のアドバイスでケンドリック博士に診断を依頼するが、結局何の役にも立たない。無駄キャラである。ロトナンバーを覚えて財を成すのも観客の反発を買うだけ。クレアは6歳でTTしてきたヘンリーと会う。同時代に二人はいるのだがクレアが18歳くらいになるまで会わない。二人は結婚するが、TTの妻としてはストレスも多い。子供ができても胎児がTTして流産。悪趣味である。夫がパイプカットしても別の夫がTTしてきて妊娠。掟破りである。TTものとしては美しくないのだ。自分の死期が迫っており、そのことを未来の娘から聞く。とすれば何とか回避できそうなものだが、期待はずれに終る。死んでも別の夫がTTして出現。何でもありである。節操がなさすぎではないか?夫婦と未来の子とが協力しあって、問題や困難に打ち勝つような展開にすべきだった。ヘンリーは常になすすべがなく、逃げ回るだけで、それでは観客は手に汗を握らないのだ。
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-28 02:22:51)(笑:1票)
147.  エスター 《ネタバレ》 
最初にケイト(母)の死産のシーンがあるのですが、そのあと悪夢とつながっていて、どこまでが本当が分かりませんでした。それから池でマックス(聴覚障害の少女)を溺れさせたことがあるとかなんとか…、アルコール依存症の原因とか、よくわかりませんでした。死産したのが悪夢を見るようになった原因を推測します。いずれによせ母は精神が不安定でカウンセリングも受けている。それで解決策が養子をもらうというのもよく分かりません。子供が二人もいるのに、死んだ子への愛情を養子に捧げたいなんて心理があるんでしょうか?精神が不安定な母親に子育ては難しいのですが。そしてエスター登場。最初から怪しさ全開。悪魔のような子ですが、オチはあれです。子供にしては頭が良かったり、絵がうまかったり、ピアノが弾けたり、古いものが好きだったり、残虐だったり、などの謎が全てが説明できます。その点では矛盾はありません。よくいちゃつく夫婦で、しまいには台所で○○してしまいます。意味がないなあと思っていたのですが、これは伏線でした。楳図かずおの「洗礼」のような展開になります。この部分はホラー映画の中でも新しいのではないでしょうか。ただ全体を通じて怖くないです。怖がらせ方が中途半端。少女をもっと悪魔的に描かないとだめでしょう。残虐性は抑えつつ、より狡猾な手口で周囲を恐怖のどん底に落しこんでもらいたかったです。祖母はいるのに物語にはからまなかった。
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-28 01:33:54)(良:2票)
148.  猫の恩返し 《ネタバレ》 
ハルは高校生。学校を遅刻してツイてない一日。帰りに小箱をくわえた猫を救う。それが猫の王子だったために、贈り物をもらう。ねずみ、猫じゃらしなど有難くないものばかり。片思いの町田君は彼女と歩いている。落ち込んでいると、猫の国に招待される。王子の嫁になれとも。断る間もなく使者は消える。どこからか声が。「猫の事務所を訪ねなさい」訪ねると男爵猫バロン、ブタ猫ムタ、カラスのトトがいた。「猫の国はまやかし。自分の時間を生きられない者が行くところ」と警告を受ける。そこへ使者が来て、無理やり猫の国へ。猫に変身してしまい。花嫁にされそうになるが、バロンとムタが助けてくれる。危機になると白猫が脱出口を教えてくれた。迷路を抜け、塔に登るが、猫の王により、塔は半崩壊。そこに猫の王子登場。ハルではなく、白猫を嫁にすると宣言。小箱は花嫁へのプレゼントだった。白猫はハルが子供時代に助けた猫と判明。こちらの方が本当の猫の恩返し。猫の国に長く留まると帰れなくなってしまう。やっとのことで塔の上の出口に出たが、そこは現実世界の空の上。三人で墜落するが、トトが仲間のカラスと共に助けてくれた。無事に帰還。早起きし、朝食を作る毎日。町田君も気にしなくなった。成長したのだ。問題点:①猫の国が良いのか、悪いのか分からないまま進む。②危機感がない。白猫はかつて人間だったが戻れなくなったという設定なら良かった。③危機感がないので、脱出できても喜びがない。④脱出するのに他力本願。自力で苦労しながら頑張る姿がない。⑤頑張ってないので、成長もあまりみられない。⑥「自分の時間が生きられる」というテーマが見えてこない。もし宮崎駿が監督をしていたら、最後のカラスの螺旋階段を降りるシーンなどは、華やかな一大スペクトルとなり、大きな感動をもって見れたことでしょう。作画上の欠点は、キャラの表情や動きにタメや誇張がないので、のめり込めないこど。宮崎アニメのキャラがどれほど活き活きしているか、見直して勉強してほしいです。そして良い作品を作ることが、宮崎監督への恩返しでしょう。
[DVD(邦画)] 6点(2009-10-12 16:49:44)
149.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 《ネタバレ》 
TV版のリメイクですね。TV版と同じカットが多く、いくらなんでも、こりゃなぞりすぎでしょう。「エヴァ」から「ヱヴァ」へ新生されるべきなのだから。志がとても低いと思いましたよ。冒険しなさすぎです。ただCGを取り入れたことにより、映像のクオリティは格段に上がっており、そのままアニメ技術の進歩を見る思いです。使途のデザインや動きも秀逸、演出のタメやカット割のキレも光ります。これらがプラス要因です。さてエヴァの物語には3つの要素があります。1.シンジの成長物語。2.使途との戦闘。3.人類補完計画という謎の裏作戦。中でも1がはずせません。これがこの物語の最大の特徴となっているからです。「ヒーローもののアニメで少年の内面の葛藤を描く」のは画期的なことです。この部分、使途ラミエルがTV版に比較して大幅に変形したように、ダイナミックに進化して描いてもらいたいものです。主要登場人物は両親の愛情を知らずに育ちました。故に生きるのに不器用で、自分を愛せず、社会との絆を知りません。それが最後には愛や友情にめざめ、自分探しの旅が完結します(あくまで予想)。そのところを丁寧に描いてもらえると、傑作に仕上がると思います。「序」では、シンジとレイの絆が生まれましたね。父親をなじるシンジをレイが殴りました。あそこから二人の感情が動きはじめました。最後の「こんなときどんな顔をすればいいのか知らないの」「笑えばいいと思うよ」と微笑む場面はとてもよかってです。ところで、両親の愛情を知らない子供というのは、監督の生育歴・人生観に関係しているのでしょうか?ちょっと気になりますね。
[DVD(邦画)] 6点(2009-09-03 20:33:19)
150.  G.I.ジョー(2009) 《ネタバレ》 
武器や戦闘アクションシーンが好きな人向きの映画。善悪がはっきりと分かれていて、とてもわかりやすい。簡単に敵の基地がわかって、もぐりこめたりします。武器も自分で作っておいて、それをわざわざ盗むとか、チープ感満載です。そーいえば、ライバルをほめただけの理由で自分の武道の先生を殺す少年とかでてきて、完全にお子様向けの作品ですね。ナノテクを使ったユニークな武器が登場しますが、中途半端で終わります。どの場面をとっても緊張感がないんですね。CGが満載なのだが、残念ながら質は高くありません。カーチェイスはパワードスーツの人間が活躍しますから、少しは楽しめました。いまだに日本と中国の違いを理解できないハリウッドを確認するにはうってつけの作品です。あ、そうだ、最後がよくわからなかったですね。「戦いはまだ始まったばかりだ」と追い詰められた悪役がいいますが、ナンバーのついた部屋が現れ、閉じ込められます。あれは独房なのでしょうか。それにしても、あの悪人、大統領になりすまして何をしでかすことやら。知能の低いことに決まってますがね。次作は見る必要なさそうです。
[映画館(字幕)] 6点(2009-09-01 00:53:38)
151.  ノウイング 《ネタバレ》 
最初に魅力的な謎が提示される。その正体が明らかになるにつれ、人類滅亡という壮大なスケールの物語であることがわかる。最後は地球はフレアに飲み込まれ、全生物は滅亡。心優しい宇宙人がノアの箱舟的発想で、選別した人類を宇宙船で連れ去ってゆく。飛行機、地下鉄、フレアのCGは迫力があった。多方面からのカットを小気味よくスイッチし、ほどよい時間に編集されており、見るものを飽きさせません。この監督の次回作も観たいと思いました。さて、この手の映画の評価は、鑑賞後ストーリーを検証してみて、納得できるかどうかにかかっています。1.少女は予言の数値を受け取ります。最初は意味がわかりませんが、やがてその意味を知ります。それなら、彼女の正しいことは簡単に証明されるはずです。何しろ全部あたるんですから。世界中から注目されること必至です。2.宇宙人は未来を知っており、全知全能に近い存在。でも何度か子供達をさらうのに失敗していますね。わざと?4.宇宙人が予言のメッセージを送った意図は何か。テレパシー能力があるかを判断するため?未来を知ってるなら、誰を連れていくかもわかるはずですが。5.ジョンと息子、ジョンと父の関係はうまくいっていません。その関係が修復されるのがサブストーリーですが、上っ面だけの修復で、失敗しています。5.あの黒い石はどういう意味があったのか?6.ケレイブ(息子)も取り付かれたように数字を殴り書く場面がありました。あれは何の数字だったのか?未来はほとんど残ってないのです。7.女先生が、まだ数字を書いている少女の紙を、時間だといって、無理に取り上げますね。あんなことしないでしょ。8.飛行機と地下鉄の事故がありますが、あれに家族をからめればよかったですね。悲劇性が高まります。自己犠牲の要素も取り入れるべきでした。9.ルシンダは何故、ベットの裏にメッセージを書いたの?10.ルシンダはどうして娘の死ぬ日を予言できたんだろうか?娘にそれを伝えた理由は?11.ねえ、宇宙人ってフレア止められないの?12.宇宙人は何故間際になって人類を連れていくのだろう。もっと何年か前から計画的にやったほうがいいのでは?
[映画館(字幕)] 6点(2009-08-04 03:47:28)(良:2票)
152.  天使と悪魔 《ネタバレ》 
反物質を作る計画があり、それを知ったヴァチカンの偉い人、カメルレンゴはそのような神に反抗するような行為はやめさせるべきと思いましたが、教皇は支持。激怒したカメルレンゴは教皇を自然死に見せかけて毒殺、殺し屋を雇って反物質を盗み出し、さらにイルミナティの仕業にみせかけ、教皇候補の四人を誘拐、一時間ごとに殺してゆき、最後は反物質を爆発させるという計画をたてる。流れからいうと3人死んで、四人目に阻止されるなと予想していると、予想はあたった。あの殺し屋はどうやって警備が厳重な実験室に入ったのか?どうやって実験が成功したのを知ったのか?どうやって教皇候補を誘拐したのか?何故ラングトン教授を殺さずに、俺の雇い主はヴァチカン関係者などと親切に教えたのか?殺し屋を殺した実行犯は誰か?カメルレンゴは何故ヘリを操縦でき、かつパラシュートもつけていたのか?そもそもヴァチカンを爆発させても意味がないわけで、反物質をどうするつもりだったのか?教皇になるつもりだったにしては計画に無理がないか?そもそも資格がないのだから。殺し屋がたった一人というのに無理がないだろうか?ランゴトン教授はどうしてラテン語も読めないのか?これらのことが気にならなければ、楽しめる映画です。いきなり謎が次々に提示され、すばやく展開し、ぐいぐい観客を引き込む手法はたいしたものです。
[映画館(字幕)] 6点(2009-06-06 01:00:05)
153.  ドラゴン・キングダム 《ネタバレ》 
野暮を承知でシナリオに拘ってみました。キングダムで、将軍と悟空対決。将軍が悟空を石にして、不老長寿の薬を入手。悟空は石にされる前に如意棒を中国に飛ばす。それが現代の米国の雑貨店に存在、老店主は正当な持主を探している。店が不良に襲われる。カンフー大好き少年が如意棒を持つと、キングダムに移動。ルー(ジャッキー)の話から自分が悟空を救う予言の探索者と知る。少年は帰りたい一心で悟空のいる山を目指す。将軍の兵に襲われるが、スパロウに助けられる。彼女は両親の仇として将軍を狙っている。「賞金稼ぎが山に行くのを防いでいるの」などと説明するのでわかりにくい。突如馬に乗った僧(ジェット)に如意棒を奪われる。ルーと僧対決。聞けば、僧は探索者を探しているとのこと(実は孫悟空の分身)。最初に少年に如意棒を持っている理由を質せばよかったのに。少年はカンフー修行しつつ旅を続ける。砂漠を越えて山に近づく。ここで賞金稼ぎの白髪魔女に襲われ、ルーが瀕死の重態となり、一行は寺に避難。不老不死の薬があれば助かるのを知ると、少年は単独で如意棒を将軍に渡しにゆく。思慮に欠けますな。というか悟空を救う話が、ルーを救う話に変っている。だから悟空が蘇ったときカタルシスがなかったのか。魔女は妖艶だが、将軍の厚化粧に苦笑。薬を巡り、少年と魔女対決。途中で僧と寺僧乱入。何故か、ルーを板に載せて連れてきている。ルー復活、孫悟空も復活で怒涛の決闘シーンへ。生身の人間同士ではなく、魔術使いとの対決なので緊張感に欠ける。スパロウの持つ翡翠ダーツが将軍の弱点らしいが説明不足。スパロウ死ぬが、少年が翡翠ダーツで将軍退治。どういうわけか天帝が現れ、少年を現在に帰す。強くなった少年は、不良を倒す。うーん、将軍の悪者ぶりが中途半端。将軍どうして悪くなったんだっけ?雑兵ばかりで、猛者は魔女だけ。スパロウの悲惨さが浮いている。単なる暴れん坊キャラの悟空をやめて別の正義キャラとし、中ボス四人ほど用意すればすっきりしたはず。少年が精神的に成長してゆく過程を見せるべき。ところで悟空の分身は何故僧の姿だったんだろうか? 老店主がジャッキーだったのは驚きました。
[DVD(字幕)] 6点(2009-05-04 16:34:13)(良:1票)
154.  ラブストーリー 《ネタバレ》 
二つの恋愛が描かれます。母(ジュヒ)の恋とその娘(ジヘ)の恋。二つの恋はシンクロして美しく描かれます。両者は恋人のラブレターの代筆をしますが、やがてその相手と恋人になります。雨が重要な役割を果たしていますね。ずぶ濡れになった姿が、恋の感情をストレートに表現できるからでしょう。あと雨後に虹が立つから。虹は天国への門であるとされ、死が暗示されます。蛍とネックレスも重要な要素です。が、強引に二つをリンクさせたことが失敗です。ジュヒとオジュナの恋が、その娘と息子に引き継がせる必然性がわかりません。それぞれ家庭を持っているのに、昔の恋をそんなに大切にしますか?遺灰まで持ち出してきて、悪趣味と思いました。他にも疑問が。テスは何度も倒れますが、フォローがない。テスが自殺未遂で重態のとき、見守る家族の姿がないのは不自然。遺灰を川に撒くときにオジュナの妻と息子の姿が無いのも不自然。韓国の蛍は点滅しないの。ジヘはサンミンのカードに書かれた詩とオジュナの手紙の詩が同じであることを知ったとき、サンミンがオジュナの息子とわかったのではないですか?ジヘがテコンドーの達人である設定が生かされていない。ジヘが鳩を邪険に扱う場面やオジョナとテスが遅刻してお尻を殴られる場面など余分なものが多い。ジヘとサンミンの恋は表面的なものだけで、絆が描かれていない。最大の疑問は、ジュヒはどうしてオジュナと結婚しなかったのかということです。相手が失明していても、愛を貫いて欲しかったです。オジュナの失明は二人の愛の象徴であるネックレスを取り戻すことでしたから。コミカルは小ネタはよかったです。
[DVD(字幕)] 6点(2009-04-11 03:21:00)
155.  ラスト・プレゼント 《ネタバレ》 
お笑いと死の対比が悲劇を盛り上げます。本当は善人な詐欺師コンビのからみが絶妙でした。映画に活気を与えています。このコンビで別の映画を作ればと思いました。妻の昔の友人の太った女性もいい味出してました。夫の家族との和解シーンはよかったですね。ただ、すべてにおいて大げさ、感情過多でしたね。妻ジョンヨン(イ・ヨンエ)は夫に「別れたほうがましだわ。稼ぎもなくて。私のこと愛してる」などと強い言葉でなじります。本当は応援しているのだから言い過ぎ。夫が突然病院を訪れて、医者に殴りかかる場面もありえません。まず病状を聞くでしょう。夫が大事なテレビ出演の前に、自宅の前まで来て電話するわけもありません。そしてケータイをもったままのテレビ本番で、その電話が鳴って、奥さんが病院に担ぎこまれたのを知る。急いで駆けつけると、奥さんは心臓停止で電気ショックを受け、面会謝絶状態。やっと面会できたら、平気な顔で「どうしてきたの?何でもないのよ」と帰ろうとします。かえって、こっちがショックを受けました。最後は弱りきった体で、劇場まで行き、夫のコントを聞きながら、あの世へ。夫の演技の映像にクラッシックをかぶせ、死に際にハンカチを落すというベタな演出。どうやったら劇的な効果を生むかを考えた演出が目立ち、作り物めいて薄っぺらに見えてしまう。このプロットの最大の欠点は、どうして夫がお笑いをやりたいのかという動機づけの説明がないことです。だから「あなたは人を幸せにするために人を笑わせて」という妻の言葉が心に響きません。ほかに説明不足な点もありました。二人は同じ小学校で、妻の初恋の人が夫でしたが、それを妻が知ったのはいつでしょうか?夫はどうして何も知らなかったのか。写真を見て、同じ小学校とわかるはずです。妻の病名は何でしょうか?入院しなくていいんでしょうか?亡くなった子供の説明がなく、気になります。最後のプレゼントは、夫の子供時代の写真でした。では、なぜ妻は夫に同じ学校だったことを黙っていたのか?
[DVD(吹替)] 6点(2009-04-10 22:41:59)
156.  300 <スリーハンドレッド> 《ネタバレ》 
2500年ほど前のスパルタを中心とするギリシア軍とペルシアの遠征軍の間で行われた「テルモピュライの戦い」とそれに続く「プラタイアの戦い」を題材にしている。真面目に史実を描いているのだなと思っていたら、途中でクリーチャーのような巨大戦士が出てきて方向転換。うーん、そういう映画だったのか。「北斗の拳」の実写版と思えばいいのです。化け物のような処刑者はインパクトありましたね。1シーンだけでは惜しいです。ゾウとサイ、弱すぎです。えっ、火薬もあったことになってる。スクリームのような仮面部隊出すなら、いっそジェーソンも出してほしかった。所詮は原作がアメコミでした。とにかく凄まじい戦闘シーンのオンパレード。ここぞというときに必ずスローになり、悲壮感のある音楽とあいまって美しい舞踏のように描かれています。(本来重兵装部隊なのですが、上半身裸でがんばってます。筋肉のCG疑惑あり)でもすぐに飽きました。そればっかりなんで。300人(史実ではテスピアイ 、テバイ軍も一緒ですが、省略です)対数万の戦いなら、孔明、義経、高杉晋作などのように知力で勝負すればいいものを肉弾戦という無謀さ。「自由」「祖国」などと叫んでも、感情移入できず。ペルシャ軍に対するリスペクトがなく、子孫のイラク人が激怒したのもわかります。新たな紛争の火種にならなければいいのですが。ただペルシャ軍の使者はそこそこかっこよかったし、軍隊のデザインなども中々のものでしたよ。美的センスは認めますが、スローの多用はくどいです。ヴァイオレンスはもっと控えめに。
[DVD(字幕)] 6点(2009-04-06 15:04:57)(良:1票)
157.  スウィングガールズ 《ネタバレ》 
全編ギャグ満載で、コメディ映画として成功していると思います。ただ芝居はうまくないですね。棒読みが多いです。ハリウッドでは子役でもおどろくほど自然な演技をするのですが、日本だと高校生でもこんなレベルなんですね。演奏をほめている方が多いですが、普通の素人のへたな演奏としか聴こえませんでした。映像を一緒に見るから音楽に乗れるんでしょうね。ただへただとしても、元々素人の高校生の演奏という設定なので問題はなく、そのほうが自然です。人に聴かせるレベルには達しています。彼女達がジャズをやるきっかけとなる「お弁当事件」ですが、ちょっと強引すぎますね。お弁当がバスに遅れる→補修の生徒が届ける→一個食う→駅を乗り越す→炎天を歩く→弁当腐る→食中毒で吹奏部休む→責任を取って応援演奏。いやいや始めたジャズが、のめり込むまでに好きになる経緯をきちんと描いていれば、もっと感動できる映画になったと思います。途中で演奏に挫折したりする「根性ものの演出」にしなかったのはコメディに徹したかったからでしょう。「応募テープ出し忘れ事件」も強引ですね。ありえないです。でもありえないことが連続するとコメディになります。テープ出し忘れる→出場不可の手紙来る→皆に言えない→電車で会場まで→電車が雪でストップ→出場辞退が出て奇跡的に出場。演奏会には小澤先先(竹中直人)を参加させたほうがよかったですね(奇跡的な方法で)。全員揃ってこそのビックバンドですから。ハーゲンダーツの大箱一気食いの荒わざには驚きましたが、その子のスカートが落ちるのをみて驚いた人が自転車ごと坂を転げ落ちるシーンがあり、すぐに起き上がって何ごとも無かったかのように自転車をこいでゆくという三段構えのギャグがよかったです。スプリンクラーを誤動作させてスーパーをくびになるギャグもよかったです。
[DVD(邦画)] 6点(2009-04-05 20:12:10)
158.  スパイダーウィックの謎 《ネタバレ》 
妖精もののファンタジー冒険映画。CGは合格点です。スプライト(花の精)はかわいいですね。このキャラが全くストーリーとは関わっていないのは残念です。逆にルシンダ叔母の顔は妖精のようでしたね(特殊メイク?)。80年前にスパイダーウィックが書いた「妖精図鑑」を巡ってのお話。この本には妖精の生態が書かれており、悪い妖精オーガ・マルガラスが入手すると全世界を支配する力を得、妖精どころか人間までも絶滅させてしまうという。ここが説明不足かつ風呂敷をひろげすぎでしょう。あくまでも妖精の世界だけの事にしておけばよかったのです。妖精王国がゴブリン族に滅ぼされるのを防ぐために子供が冒険して闘うとか。子供達は本からの知識でゴブリンと闘います。が、それはトマトケチャップと酢の爆弾と塩とグリフィン(大鳥)を呼ぶくらいなもの。この部分をもっと増やせばずっと面白くなったでしょう。魔法合戦のようにすればよかったのです。あるいは妖精たちと一緒になって戦う物語にするとか。フェンシングや刃物で撫で斬り、血がほとばしるのはファンタジーにそぐいません。子供は死に物狂いでルシンダ叔母に会いにいったのですが、ほとんど役に立ちませんでした。世界が滅ぶ危機ですから、知識を駆使して一緒に戦うのが筋でしょう。また、さらに苦労してスパイダーウィックにも会いに行きますが、こちらも大して役に立ちません。それどころか、本を処分するのを拒否する体たらくです。また母親がやっと事態を理解しても何の役にも立ちません。これらが物語が「さあ盛り上がるぞ」というところで失速している原因です。流れに逆らっているんですね。ホグスクィル(ブタ?)が、鴉に変身した大ボスを食べて終るのはいいでしょう。伏線が効いています。ルシンダが少女となって父親の元に行くのもいいでしょう。彼女はもう死期を知っているのでしょう。ただ、現実の世界で離婚した家の子供の苦悩を取り入れるのはやめたほうがよかったでしょう。ファンタジーの世界にのめり込めないからです。
[DVD(吹替)] 6点(2009-04-05 09:52:31)
159.  ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記 《ネタバレ》 
謎解きをメインにしてもっと丁寧に描いていればよい映画になったと思う。リンカーン暗殺者の日記の発見→日記の暗号コードを発見→キーワードDEATH発見→パリの自由の女神→双子の机→バッキンガム宮殿侵入→ホワイトハウス大統領執務室侵入→大統領誘拐→大統領の本の発見→ラシュモア山→黄金郷発見、と並べてみるとなかなかのものだ。だが、それらがぞんざいに扱われすぎている。バッキンガム宮殿のセキュリティをハッキングとか、大統領執務室にすぐに入れるとか、大統領を誘拐するとか、これらは不可能に近いことなので見せ場になるはず。観客はこういうところでアイデアに感嘆したり、手に汗を握ったりするのだ。簡単にいきすぎである。脚本家はこういうところに頭をひねるべきだろう。黄金の隠し場所が見つかってから、別映画のように冒険映画っぽくなるが、同じような映画がたくさんあるのですぐに飽きてしまう。ハラハラドキドキはぜんぜんしなかったですね。カーチェイスなどのアクションシーンも不要。敵役のミッチ(エド・ハリス)は、木片をベンたちから奪うために銃を乱射していた、人の命をなんとも思わない人物だったはずである。ところが、黄金の隠し場所に入った途端に人格が変わり、シーソーの場面では二人に手を貸した。最後はナイフを女に突きつけて、また悪者になったかと思いきや自己犠牲精神を発揮してベンを助けた。お金がすべてのタイプだった悪人が、急に名誉を重んじる人間になる。説明不足ですね。そういえば、アビーがバッキンガム宮殿に現れるのも唐突でしたね。一方で、ベン夫婦とベンの両親夫婦は仲が悪いのが元の鞘に戻るというサブ・ストーリーはよくできていて、十分楽しめました。キャラクターがよく描けていました。大統領は日記の47ページを気にしていたが、自分の日記なので自分で見れるはずである。あるいは、ベンに読んでただ共感してもらいたかったのか?次回作への伏線か?また、どうしてあんなところに日記があるのか不思議である。最後にあの木片は誰が作ったのかわからなかった。先住民が作ったのをリンカーン暗殺者たちが発見して二つに分割して、双子の机に隠したのだろうか?燃えてしまったページに暗号がかかれたいたということは、すでに黄金の隠し場所が分かっていたということではないだろうか?このあたりは、もう一度鑑賞してみないと分からないところです。
[DVD(字幕)] 6点(2009-04-02 19:41:55)(良:1票)
160.  ウォッチメン 《ネタバレ》 
映像センスは抜群です。ですが、ストーリーのほうは今ひとつです。ヒーロー狩りと壮大な陰謀の謎解きもので勝負すればよいものの、元ヒーローたちの苦悩や私生活、恋愛、SEXなどが描かれて散漫な印象をうけます。原作を忠実になぞり映像化するだけでは不十分です。焦点を絞り、原作の不用部分をカットしないと締りのない作品になるという典型です。ジョンというスーパーナチュラルな存在があるゆえに荒唐無稽と感じてしまいます。
[映画館(字幕)] 6点(2009-03-30 22:40:03)(良:1票)
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