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141.  トランスフォーマー/リベンジ 《ネタバレ》 
単純な戦闘ロボット映画。ドンパチシーンは最初は迫力があるが、すぐに飽きる。ロボットのどっちが勝とうが、すぐに興味がなくなる。破壊シーンも空母が轟沈されるシーンを除いては、見るべきものがない。肝心なのは人間ドラマの部分だろう。地球滅亡の危機のはずなのに、おちゃらけやエロシーンの連続では、感情移入しろというのが無理というもの。観終わって「ああ、地球の危機が救われてよかった」とホットした人がいるだろうか?そもそもロボット型生命体が主人公という点を除いて、オリジナリティがない。全てが予想調和的な内容。いまさらピラミッドが舞台なんて噴飯もの。前半部のくだらないジョークは能天気ぶりを見せられたのでは、後半の戦闘シーンで手に汗を握れるわけがない。お笑い部分ははぶいて、「ターミネーター」のようなシリアスものにすべきだ。単なるおバカ映画で終わっている。 ■敵ロボットが強敵すぎる。宇宙衛星に寄生できたり、電波ジャックができ、空も飛べるし、海にも潜れる、虫型偵察ロボットもあるし、合体して巨大になるし、人間にも化けれる。これだけできれば米軍の軍事情報網を破壊するのは簡単だろうし、大統領を暗殺するのも容易だ。何でもかんでもできるというのはダメなのだ。秀でた部分があり、弱点があることで魅力が出る。ロボットのここが弱点というところがないので、戦闘が単調になっている。 ■ロボットの歴史が判明するシーンはよかった。物語に厚みを増している。古参兵ロボットはキャラが立っていた。自らを犠牲にするシーンでは感情が動いた。この路線で作ってもらいたかった。
[DVD(吹替)] 5点(2010-02-28 13:01:28)(良:1票)
142.  2012(2009) 《ネタバレ》 
ディザスター映画としては最高の出来。都市や大地の破壊を描くCGパートは迫力満点で、見る価値あり。だが人間ドラマは厚みがない。 ■そもそも余計なものが多い。マヤの予言とか、マヤの集団自殺とか、ダイアナ妃のトンネルとか、子供の名前がノアとか。どんどんB級になってゆく。都市が破壊されているのに電話がつながりすぎ。 ■人類愛パートは大統領とエイドリアン。ぱっとしないですね。大統領は残っても何の役にも立たないし、津波が来る15分前に乗客を乗せる決断にも疑問あり。■民衆の反乱もしょぼい。軍人などに反乱させれば盛り上がったのに。そうすれば正義の味方が登場する余地があった。 ■家族愛パートは作家とロシア富豪家族。離婚家族が再結束するワンパターン。作家と富豪、ゴードン医師と富豪の妻が知り合いなど、ご都合主義が目立つ。飛行場で飛行機に乗れないときに、大型ジェット機が見つかって、使用人がたまたま運転できたりとかはその最たるもの。 ■クライマックスは作家が命をはって障害物を除去する場面ですが、これは自分の播いたタネなので感情移入できず。ドアが閉まらないとエンジンがかからないってどういうシステム?無理やり感が強い。 ■ノアの箱船を最初は宇宙船にみせかけていたが、実際には津波に耐える船でしかなく、落胆でした。あんなのなら空母や豪華客船を改造すればできますし、潜水艦を使えばもっと安心です。それに中国奥地の高山の洞窟で船を使って、どうやって出港するのか?津波を待つ?ばかばかしい。港で作って早めに出港させとけばいいんです。人や物資はあとで運べばいいでしょう。遊覧していて、いざとなったら水中に潜るというシステムでもいいでしょう。あんなものなら各国で沢山作れますよ。 ■乗車券を売って富豪からお金を集めてましたが、これはおかしい。47国の国際協力事業なのでお金は潤沢にあるはず。刷ればいんですから。それに募集なんかしてたら秘密がすぐバレます。秘密を知った博士を暗殺していることと矛盾します。一方で遺伝子で選ばれた人の様子が描かれていないのはどうしたことか? ■冒頭の雨の中、少年が船で遊んでいる場面、あれは映画の後半を示唆するものとして印象的でした。 ■ぶっとんだDJオヤジ最高!個性があり、映画に活力を与えている。 
[映画館(字幕)] 7点(2010-02-26 11:32:01)(良:1票)
143.  カールじいさんの空飛ぶ家 《ネタバレ》 
導入部は秀逸。冒険家マンツにあこがれる少年と少女が出会い、気球での冒険を夢見る。二人は成長し、結婚。二人で家をリフォームする。壁も椅子も郵便受けも思い出がつまっている。赤子を望んだが、授かることができず、妻は消沈。妻を励ますため夫は冒険を計画するが、頓挫、やがて老境に達し、妻は亡くなってしまう。老人は妻との夢を果たすため、風船の家で冒険に出かける。ここでは「家」がキーワード。少女は、アジトを幻の滝の近くにおくのが夢だった。大人になってからもそれを壁に描いた。だから老人は家が壊されるのに耐えられず、どうしても家を滝にまで運びたかったのだ。だがここからは失速。よくしゃべるデブキャラ少年はかわいげがない。犬が機械を通してとはいえ、しゃべったり、料理をしたり、戦闘機に乗って銃を撃ったりは無理がある。マンツは二人のあこがれだったのに、悪人だったのでは設定が台無しであり、エリーの夢を壊してしまっている。悪人はマンツの成功を横取りしようとする連中などに設定すればよかっただろう。超高齢者が敵では楽しめないし、彼の狂気も理解しがたい。幻の滝への冒険のはずが、幻の鳥の奪い合いとなり、殺し合いとなる展開にはついていけない。戦いも老人らしくソフトで知恵を利用したものにすべきだった。サブストーリーは老人と少年が理解しあうこと。老人にとって家がすべてだったのに、少年を救うために家を手放す。「たかが家だ」の言葉は重い。このあたりの表現はうまい。ただ老人は風船売りだったのに、子供嫌いの偏屈キャラになっているのはどうしたことか。少年は両親が離婚して、心に傷を抱えている。それをまぎらわずためにボーイスカウトの勲章集めに精を出す。少年が鳥に対して特別に感情移入するのは、鳥が子育てしているからだろう。自分の家族とだぶらせているのだ。このあたりはうまく表現できていない。少年が無邪気すぎるのだ。無口で不良っぽいキャラにすればすっきりしただろう。最後に二人は理解しあい、無事帰還し、疑似家族になるのだが、さほどハッピーエンドとも思えない。彼らの幸せが小じんまりとしすぎているから、カタルシスを得ることができない。二人は、冒険家として有名になったくらいにしてほしかった。実際に幻の動物の化石がたくさんあるマンツの飛行船を探し出してきたのだから。老人は妻の思い出よりも大切なものを見つけ出すことができたのだろうか?
[映画館(字幕)] 6点(2010-02-24 23:34:06)(良:1票)
144.  かいじゅうたちのいるところ 《ネタバレ》 
ファンタジーとして失敗している。試写会で子供向けではないとされ、撮り直しされたがそれでもダークな作品。原作からして理屈をこねるような作品ではないはず。「あの島に行ってみたい!」ただ、そう思わせれば成功なのだが、それが弱い。夢のある怪獣ワールドに仕上がっていない。あの島は少年の心の王国。現実では自由にならないけれど、王国でなら魔法で怪獣たちを支配して一緒に遊べることができる。現実での孤独と母に叱られた傷心を想像力と冒険心で癒すのが原作。そうすることで自立、成長してゆくのだ。ところが映画では、現実のつまらない世界、人間社会のこじれた関係を大きく反映した王国になっている。楽しいだけの世界のはずが、怪獣たちは暴力、嫉妬、不仲、コミュニケーション不足でみな心の傷を持ち、王国は崩壊寸前。王様への頼みが「悲しみを追い払えるか?」怪獣たちは童心を失ってしまっている。島は砂漠化が進み、チリになってゆくという世界観にはあきれる。少年は想像の世界でも心の傷を癒すことができない。想像の翼を自由にひろげられない。こんなバカな話はないだろう。少年には心の逃げ場が必要なのだ。唯一よかったのは、怪獣おどりで楽しく遊ぶシーンと、最後にキャロルと和解するところくらい。自分は王様だとウソをついた少年が、本当は普通の人間だと告白するのはいいが、それで状況が好転するわけではない。本来なら、そこで心と心がやっと通じあい大団円となるべきなのだ。美術もよくない。見たことのない不思議な世界が描かれていない。原作ではジャングルの木がにょきにょき生えてくる。現実の島でロケをしただけで夢や華やかさに欠ける。声も人間の声そのものでキモチワルイ。もっともっとキモカワイイ怪獣を魅力的に演出して欲しかった。原作にはないフクロウが出てくるが、何の意味もないところに失笑。映画の言いたいことは「他人の気持ちになって考えること。ありのままの自分を受け入れること」だろう。少年は少しは自分を受け入れ、母の気持ちを理解できるようになったようだ。だが王国はどうなる?放りっぱなしである。皆の心が一つになったわけではなく、一匹は腕がちぎられたままだ。観終わって、怪獣の心配しなければならないようでは、子供たちが楽しめるわけがない。少年も島に行って成長はしたものの、心に傷を負ってしまった。原作の意図がわかってないようだ。
[映画館(字幕)] 5点(2010-02-24 14:21:05)(良:1票)
145.  ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン 《ネタバレ》 
ゲームを知らないで鑑賞。正直よくわかりませんでした。売りは何度も繰り広げられる超絶高速バトルなのでしょうが、リアリティーがなく、退屈でした。マトリックスのパクリにしか見えませんよ。キーであるセイコン(聖痕?)の意味があいまいなまま終了したのが残念。雨が降ってセイコンが治った理由も、それでも治らなかった人が最後の池に入ったら治った理由も不明。地球が怒っているからセイコンという病気が蔓延したと説明してましたけど、どういうことでしょうかね。最後地球の怒りはなくなったんでしょうか。地球は癒されたんでしょうか。クラウドの腕にもあるよね。でも服で腕が見えないよね。分かりづらいよね。敵役の銀髪三人組が、いい年こいて、「母さん、母さん」と連発するので幼稚に思えました。思念体+セイコン+母さんの細胞=セフィロス復活?それがリユニオン?むずかし~ですね。手下の獣が突然現れるのも不思議です。結局はただのザコキャラなんですね。空から出現した召還獣は正直大きすぎると思いました。ほどほどにしないとリアリティがなく、怖さを感じないですよ。母さんの細胞を探すのが目的にしちゃ、おおげさすぎませんか?そうそう、最初に出た「北の大空洞」って何ですかね?銃声がしてたけど、そこで何が起こったのか?「何もなかった」と社長が言ってたけど、どーいうこと?それと少女マリンは捕まっても簡単に逃げ出せましたね。甘いですね。そもそも銀髪三人組が子供たちに何をしたかったんでしょう?エネルギーを奪いたかったんですか?なぜ子供なのか?社長の神羅カンパニー復活計画はどうなったの?中途半端に終わってませんか?あと妙に気になったのは、雨にぬれても髪の毛サラサラのままだったこと。濡髪を見たかった。
[DVD(邦画)] 5点(2010-02-22 20:53:06)
146.  ファイナルファンタジー 《ネタバレ》 
いろんな意味で単調な映画。まず色が少ない。終始暗いモノトーンが続く。服も宇宙船も飛行機も壁もなにもかも無地。顔の表情も乏しい。悲しみや必死さという感情が表現できてない。だから全く感情移入できず、暗い気分になる。鬱の人には勧められない映画だ。キャラも目新しものがない。女博士は美人だが、かわいげがない。あとはエイリアン2のパクリ。悪役将軍がひどい。効果が無いと分かっているのにクレータを攻撃を強行、亡霊をわざと基地に入れる、限界を超えてゼウス砲を使用して宇宙船自爆。ただ愚かなだけで、魅力がない。敵が強いのなら面白いが、味方が足を引っ張るのはストレスになるだけ。人類はとりあえず安全な場所にいるのだから、あせる必要はないはず。敵の攻撃がすさまじく、人類絶滅まで時間があまり残されていないという設定なら納得できたのだが。SFにありがちだが、説明不足の部分が多い。①隕石に乗ってやってきた亡霊が地球を侵略してゆく映像がほとんどない。だから現在の危機的状況が把握しにくい。世界観を丁寧に描くべきだった。②アキはどうして夢で亡霊の星の出来事を知るのか?亡霊が体内にいるからと思うが説明はない。また亡霊が体内に入って助かった経緯も説明不足。③亡霊はバリア基地の通路では死ぬはずなのにどうして死なかったのか?④亡霊は見えない設定だが、帯電して見えるようになり、最後は帯電してないのに見えてる。⑤亡霊に銃を撃って効果がある説明がない。⑥人が亡霊に接触すると青い姿のものが取りだされる。あれは何?⑦亡霊の星はどうして爆発したのか?戦争が原因だろうか。⑧地球のガイア(精神体)と亡霊の星のガイアが合体して、何が起こったのか?亡霊の星のガイアが浄化されたと思うが、分かりづらい。⑨8つの生命体の説明が不足。どうして8つ必要なの?ドラゴンボール?⑩最初の囮作戦が失敗した理由は?将軍の陰謀?⑪亡霊が宇宙船を襲わないのはどうして?⑫あの鳥だけどうして生きてるの?餌は何?…とまあこんな風に疑問はどんどん出てきます。この手の映画では、見終わって、「地球が助かった、ああ嬉しい」というカタルシスが得られなければ失敗でしょう。「やっと映画が終わった。ああ嬉しい」という人が多かったので、ギネスに載るほどの赤字を生んだのでしょう。悲しい映画です。
[DVD(字幕)] 4点(2010-02-22 16:37:25)
147.  ナイト ミュージアム2 《ネタバレ》 
アクションとギャグ満載の映画のはずなのに、今回はキレがない。事件の発端は、猿のデクスターが黄金の石版を盗んだことによるのだが、その場面が無いのはどういうことか。登場人物は多いが、どれも個性が弱く、印象が薄い。大ボス、カームンラーがバカそうなので、危機感がない。最大の危機である、暗黒の世界の扉が開かれてからのぐだぐだの展開にはげんなり。リンカーンがやっつけて終り。ここは主人公とそのパートナー、アメリアが活躍すべき場面だ。主人公達が活躍し、悪をやっつけることで観客はカタルシスを得られるのだ。他力本願ではだめ。アメリアは女性として魅力的だが、出演時間が多いわりに、あまり物語りに絡まない。逆に、どうでもいい話題で、物語の流れを中断させている。話題が彼女の人生に関わり、彼女を理解するのに必要なことであればいいが、そうではないので冗長に感じる。主人公と彼女の恋愛物語も成立していないと思う。苦し紛れに彼女によく似た人物を登場させるが、所詮別人だ。手下のナポレオン、イワン皇帝、アル・カポネは単なるオバカキャラ。だから、彼らに追われても緊迫感がない。前作のTレックスに追いかけられるシーンでは息を呑んだものだが、今回の大ダコはぬいぐるみに等しい。意外な展開やドタバタ劇を楽しむはずなのに、あらゆることが予定調和になってしまっている。続編の悪しき例である。設定は受け継いでも、新しい緊張感を生み出す新鮮味を出さないと退屈な作品になってしまう。ラストで主人公は会社を売って、自然博物館の再建を図り、夜警の仕事に戻るが、彼の人間性が描かれていないので感動しない。前回は子供との関係がよく描かれていたので、彼の行動には説得力があったし、感情移入できた。彼の”必死さ”に共鳴できたのが前作の成功の要因だったが、今回はそれが失われてしまった。
[映画館(吹替)] 5点(2009-11-11 16:41:01)
148.  ONE PIECE エピソードオブアラバスタ 砂漠の王女と海賊たち 《ネタバレ》 
大ボスが悪賢くて、残忍で、強いというのが魅力です。国王に化けて人民を騙し、国王軍と反乱軍を対決させる。国を乗っ取ろうとしたのですが、本当の目的はある宝物を手に入れることでしたが、それが曖昧のまま終わったのは残念。触れたものに変身できる敵がいたのですが、たいした活躍もせずに終わりました。あんな登場の仕方をしたのですから、きっと伏線だろうと期待していたのに。中ボスの女は意味なく大ボスにやられておしまい。仲間割れはいけません。ルフィたちは不死身で、どんなに危機に陥っても最後は勝つというお約束があるので、いくらアクションが激しくても安心して見ていられる。自己犠牲が売り物ですが、死には至りません。そこらへんがちょっと欠点でしょうか?時限爆弾処理で一人犠牲になりましたが、あれがルフィーの仲間だったらどう思ったでしょうか。彼らは仲間意識が強く、友情に厚く、涙もろく、感情過多です。各々自分の夢の実現をめざして航海しているのですが、全員違う夢です。これほど友情を前面に押し出したアニメは他にないのではないでしょうか?ある意味ベタベタです。マンネリに陥りやすいので、サスペンスや恋愛の要素を加えるとよいのではないでしょうか。
[DVD(邦画)] 5点(2009-11-10 05:26:02)
149.  名探偵コナン 水平線上の陰謀 《ネタバレ》 
退屈でした。倒叙形式で、最初から犯人がわかっている。殺害方法やアリバイトリックは稚拙きわまりない。テープで通話中と見せかけるとか、「過去の秘密を知っているから」と呼び出すとか、ひどすぎる。実はこれが作者が観客に仕掛けたトリックで、真犯人は別にいたというのがオチなのだが、これがまた酷い。奥さんを殺したいがために、奥さんに変装し、仮犯人に殺したふりをし、そのあと自分で殺すとか、行動が意味不明。仮犯人と会長がもみ合っているのをナイフで刺しておきながら、仮犯人はそれに気づかないとか。噴飯ものだ。自分の設計した船を沈めて喜んでいるのもどうかと思う。毛利探偵の推理ショーもぐだぐだ。それに過去の事件の犯人の船長のこともきちんと片が付いていない。盛り上げようと意味無く真犯人と毛利探偵を闘わせたり、蘭が船に閉じ込められたりと強引な演出。おこちゃま向けですな。ただかくれんぼのエピソードや貝の金メダルの小ネタがきちんと絡んでくるところは見事。人間ドラマの部分では、無駄がないです。犯人がザコで、カリスマ性がないのが欠点。次回は超絶トリックを期待します。
[DVD(邦画)] 5点(2009-11-10 02:49:21)
150.  ボルト 《ネタバレ》 
自分がスーパードックで、悪をやってくるヒーローだと信じ込まされている俳優犬ボルトの話。彼が物心ついてから初めて外に出て、主人を探して戻ってくるまでのロードムービー成長物語。冒頭のアクションシーンは必見。だが以後のアクションにキレが無いのは残念。せめてラストシーンで”魅せて”ほしかった。成長物語の方だが、ボルトが普通の犬であると認識するまでは楽しめる。長時間記憶できない”メメント鳩”や悪者猫ミトンズ、ボルトを信じるハムスターのライノとのやりとりは笑いがつまっている。認識してからはトーンが変わる。悪者猫が先生役となる。この転換は素晴らしい。ミトンズは世間擦れしており、飼い主に捨てられたトラウマがあり、ボルトを見捨てられなかったりと、キャラの深みが備わっている。ミトンズといることで、ボルトの無垢さが際立つ。ライノは道化役。精神年齢はボルトより幼い。常にボルトを信じ、励ます。この小動物がそこそこの活躍を見せるのも見所だ。全てを知ってしまったボルト。ミトンズは楽園の地を見つけ出し、三人で一緒に住もうと提案する。だが飼い主のペニーを忘れられないボルトは一人で撮影所を訪れる。そこで見た衝撃の事実。俳優犬新ボルトとペニーとの仲むつまじい姿。失意のどん底に落とされる。その後火災が発生し、ボルトがペニーを救助するのだが、これは演出過多ではないだろうか?また助け方も地味すぎた。これはボルトが普通の犬であることを強調したためだが、盛り上がりに欠け、感動のラストシーンにはならない恨みがある。笑えるし、ところどころ感動できる。良質の映画であが、名作になりえてないと思う。それは、ラストシーンの消化不良の部分もあるが、旅の最中にボルトが本当の危機に直面していないからだ。大いなる自己成長をもたらすほどの冒険、危機、試練がないために、ボルトにさほど感情移入できない。動物管理局に捕まってもすぐに脱出できてしまうのが一例。試練や苦しみが大きいほど、成長が大きいのだ。「愛」は描けていたが、「成長」はそれほどでもなかったと思う。惜しい映画です。
[映画館(吹替)] 8点(2009-11-09 23:55:09)(良:2票)
151.  雲のむこう、約束の場所 《ネタバレ》 
日本が南北分断し、北海道が蝦夷と呼ばれる独立国。そこにそびえるユニオンの塔は平行宇宙により世界を書き換えるという超絶兵器。平行宇宙はどういうわけか緩やかにしか機能せず、ほとんどが佐由理という少女の夢の中に吸い込まれる。佐由理は原因不明で3年間眠り続けており、彼女が目覚めると世界が滅びる。浩紀は佐由理を目覚めさせるために、自作の飛行機で塔に侵入。佐由理は目覚め、直後爆弾を発射、塔は崩壊する。塔はかつて浩紀と拓也のあこがれの場所で、いつか飛行機で佐由理をそこに連れてゆくと約束していた。説明不足が目立つ作品だ。佐由理の特殊さは、塔の設計者が佐由理の祖父だからとしか説明がない。爆弾一発で崩壊するなら、いつでも簡単に攻撃できたはず。なんともあっけないラストだ。塔の開発者は登場しないし、あの塔が製作できたなら、もっとすごい兵器を持っていてもおかしくないはずだが、それもなし。しょぼい世界観。そもそも戦争だ、宣戦布告だと騒いでいるのに、登場人物の緊張感のないこと。拓也と研究員の女の恋愛は物語に絡まないのでカットすべき。全体に危機感がないので、だから観ていてのめり込めないのだ。また浩紀と拓也のバイト先の社長岡部がテロリストの親分であったり、拓也の通う研究室の室長と岡部が旧知の仲だったり、拓也が国家保護下の佐由理を研究室から簡単に連れ出せたり、中学生二人がジェットエンジン飛行機と製作できたりと、いい加減なご都合主義も目立つ。二人のうちどちらかが特殊能力を持っているとか、権力を利用できる立場にあるとかすればよかったのだ。浩紀と佐由理が夢でつながっているのは愛があるからと説明できるが、計画に反対だった拓也の態度が急に変わったのはどう説明できるのか?加えて、時間軸の違う断片を細切れに見せられるので、観ていて疲れる。もっと整理できたはず。ラストだが、戦争が始まってから飛行機が出るのでは遅いだろう。戦争を回避するために塔を爆破させるのなら理屈は通るし、感情移入しやすい。結局彼らは戦争に一役買っただけだ。青臭い学園恋愛映画としてのエッセンスは備えていて、そこが救いだ。回想シーンで始まるので郷愁を誘い、昔の約束を守るという主題が良い。バイオリンの小物も上手に使っている。恋愛メインで、SF戦争ものをスパイスに使うやりかたが間違っている。SF戦争メインで、恋愛を絡める程度でよかったのだ。 
[DVD(邦画)] 5点(2009-11-09 15:27:34)
152.  パプリカ(2006) 《ネタバレ》 
人間ドラマに注目してみた。粉川刑事は、不安神経症で悩み、サイコセラピーマシンによる治療を試みる。彼の夢は映画監督になること。友人がいて一緒に映画を作り、将来の夢を語り合った。だが友人は夭折し、彼も挫折、刑事になった。そのせいで映画が嫌いになる。犯人を取り逃がしたことと、夢を失ったことのトラウマがある。夢の中でパプリカを助ける英雄を演じたことでトラウマは消えた。犯人を捕らえ、映画も観れるようになった。これをサポートする千葉(パプリカ)、時田(天才)、所長、氷室はどうだろうか?彼らの人間ドラマはあまり描かれていない。千葉と時田が結ばれるのがオチだが、その伏線がほとんどないので唐突感がある。所長のキャラが定まらない。しっかりしているようで、しっかりしていない。いてもいなくてもいいのだ。氷室は抜け殻である。一方敵はどうか?大ボスの理事長のトラウマは何か?年老いて、歩けないだけしか描かれていない。大妄想の持ち主で、夢と現実の世界を支配しようという野望のある人物にはみえない。描きこみが足りない。アシスタントの小山内は、科学者として時田の足元に及ばないことと、好きな千葉から軽んじられていることがトラウマとなっている。それで理事長に操られるようになった。これは分かりやすい。DCミニのシステムが分かりにくいのは欠点だ。夢を他人と共有できるというのはいいが、アナフェラキシー効果で現実の中に夢が侵入してくるとか、ネットからも夢に入れるとか、複雑すぎないか?というか、やりすぎではないか?千葉とその分身であるパプリカが同時に存在するのをどう説明する?それに夢と現実の境界が曖昧になりすぎて、現在そこにある危機が認識できない。どうせ夢だろうと思うと引いてしまう。美しい夢ならしばらくの間浸っていたいと思うが、ビル街を人形やロボットがごちゃごちゃ行進するような殺伐とした夢では、早く終わってくれと願うだけ。オイディプス、人魚、孫悟空、ピノキオ、ターザン、みんな借りてきたキャラで薄っぺらい。だから映画として重みに欠ける。現実世界で、理事長と小山内はどうなったのか?粉川はどうやって犯人を逮捕したのか?千葉と時田の恋愛の成就する瞬間は?意識不明だった氷室は?多くがおいてきぼりのまま残される。これでは夢オチにも等しい内容。描き込みが凄いのは評価できる。
[DVD(邦画)] 6点(2009-11-09 07:51:33)
153.  嫌われ松子の一生 《ネタバレ》 
松子の家庭環境は決して最悪ではない。経済的には中流で、妹弟もいて、両親の愛情もそこそこ受けている。松子は父を愛しているが、父の愛情が病気の妹に注がれるのを妬んでいる。父の愛情を自分に向けるためにコミカルな表情をする。愛の飢えの始まりである。松子の不幸を描いているが、本当に不幸なのは他にいる。筆頭は妹で、寝たきりの人生で終る。次は作家志望の男で、自分の才能に絶望して自殺した。もう一人は龍で、家族の愛情は一切知らなかったと言っている。松子は美しく成長し、中学の先生となるが、修学旅行の盗難事件をきっかけにで転落人生に転じる。彼女が家出した心痛で父が死亡、弟から家族の絆と断たれる。家族と故郷を失った松子は、男性に頼るしかなかった。というか、自分を必要とする男性と共依存関係になる。必要とされることでしか、自己の存在意義を感じられない。だから暴力を振るわれても、相手に尽してあげたいと願う。トルコ嬢も厭わない。これが龍をして松子を神と呼ばしめた。不幸な形の自己犠牲。暴力は時にこじれ。殺人に発展する。松子は理容院の男と同棲を始めたばかりのときに逮捕される。タイミングが悪い。刑務所でめぐみという親友を得たのは最大の幸福。出所後は理容院の男と暮らそうと美容師の資格を取るが、出所すると男には妻子がいた。そして愛を知らない男、龍と再会。龍がお金を盗んだのが転落のきっかけだったので、皮肉なめぐり合わせだ。またまた不幸に。松子は足を悪くし、龍は刑務所へ。龍を待つことを唯一の希望にしていたが、逃げらる。以後心を閉ざし、世間と関わりをもたなくなった。ただ一つ、アイドルのファンになることを除いて。典型的な現実逃避。ファンレターとして綴った履歴のバカ正直で長いこと。涙がでます。誰かに理解して欲しかったのですね。返事が来ずに絶望。めぐみと再会し、夢で妹のヘアカットをしたことで、社会復帰をめざす。そんな矢先、中学生に暴殺される。甥の笙が松子の人生を知り、理解を示すのがこの映画の救いの部分。子供に殺人をさせたのは欠点だ。ミュージカル仕立てでテンポがよい。不幸をエンターテイメントとした初の映画だろう。不幸な人生だが、そこに何とか意義を見出してあげたいという心理が働くように作ってある。あのとき、ああしたら、こうしたらと、つい考えてしまう。か弱い松子の”徳”がそうさせるのだ。愚かだが、菩薩のようでもあった。合掌。
[DVD(邦画)] 8点(2009-11-08 16:09:56)(良:1票)
154.  きみがぼくを見つけた日 《ネタバレ》 
ヘンリーとクレアの恋愛物語。ヘンリーは5歳のとき、母の運転する自動車がクラッシュする寸前に瞬間移動する。初めてのタイム・トラベル(以下TT)である。母は死亡。本能が危険を感じたときにTTするのかと思ったが、関係なかった。ヘンリーの前に未来からやってきた本人が出現し、いつか理解できる時がくるからと励まし消える。TTは自分の意思に関係なく、ある日ある時ある場所に勝手に移動していまう病気のようなもの。ただ自分に重要な場面に飛ぶ傾向があるらしい。母は歌手で死ぬ前にも歌ってくれた。またヘンリーの娘も歌えばTTを管理できるようなことを言っていた。だが歌は何の伏線でもなかった。こういう無駄な部分が目立つ。ヘンリーとその胎児、娘たちにはTT能力がある。時間遺伝子を持つからだ。ではヘンリーの父はどうか?たびたび登場するが、その人物像は描かれない。ヘンリーがTTで苦しんでいるのは父が一番理解しているはず。父子の関係を濃厚に描けば、人間ドラマに厚みが増しただろう。又未来からやってきた娘のアドバイスでケンドリック博士に診断を依頼するが、結局何の役にも立たない。無駄キャラである。ロトナンバーを覚えて財を成すのも観客の反発を買うだけ。クレアは6歳でTTしてきたヘンリーと会う。同時代に二人はいるのだがクレアが18歳くらいになるまで会わない。二人は結婚するが、TTの妻としてはストレスも多い。子供ができても胎児がTTして流産。悪趣味である。夫がパイプカットしても別の夫がTTしてきて妊娠。掟破りである。TTものとしては美しくないのだ。自分の死期が迫っており、そのことを未来の娘から聞く。とすれば何とか回避できそうなものだが、期待はずれに終る。死んでも別の夫がTTして出現。何でもありである。節操がなさすぎではないか?夫婦と未来の子とが協力しあって、問題や困難に打ち勝つような展開にすべきだった。ヘンリーは常になすすべがなく、逃げ回るだけで、それでは観客は手に汗を握らないのだ。
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-28 02:22:51)(笑:1票)
155.  エスター 《ネタバレ》 
最初にケイト(母)の死産のシーンがあるのですが、そのあと悪夢とつながっていて、どこまでが本当が分かりませんでした。それから池でマックス(聴覚障害の少女)を溺れさせたことがあるとかなんとか…、アルコール依存症の原因とか、よくわかりませんでした。死産したのが悪夢を見るようになった原因を推測します。いずれによせ母は精神が不安定でカウンセリングも受けている。それで解決策が養子をもらうというのもよく分かりません。子供が二人もいるのに、死んだ子への愛情を養子に捧げたいなんて心理があるんでしょうか?精神が不安定な母親に子育ては難しいのですが。そしてエスター登場。最初から怪しさ全開。悪魔のような子ですが、オチはあれです。子供にしては頭が良かったり、絵がうまかったり、ピアノが弾けたり、古いものが好きだったり、残虐だったり、などの謎が全てが説明できます。その点では矛盾はありません。よくいちゃつく夫婦で、しまいには台所で○○してしまいます。意味がないなあと思っていたのですが、これは伏線でした。楳図かずおの「洗礼」のような展開になります。この部分はホラー映画の中でも新しいのではないでしょうか。ただ全体を通じて怖くないです。怖がらせ方が中途半端。少女をもっと悪魔的に描かないとだめでしょう。残虐性は抑えつつ、より狡猾な手口で周囲を恐怖のどん底に落しこんでもらいたかったです。祖母はいるのに物語にはからまなかった。
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-28 01:33:54)(良:2票)
156.  メメント 《ネタバレ》 
斬新な手法の光る映画だが、頭がこんがらがるので、楽しめるものではない。妻を殺された男が犯人を追い復讐する話。だが肝心なところは曖昧のまま。犯人の一人は射殺したが、もう一人レニーを殴った犯人が本当にいたのか?警察はいないとしている。復讐を是認する刑事テディの手引きで、ジョンGを殺すが、これが真犯人かどうか、不明。2番目のジョンGのジミー殺害は、テディの陰謀。3番目のジョンGのテディ殺害は、レニーの作り話とナタリー情報の偶然による。妻が死んだのは、インシュリン多量摂取で、一種の自殺。レニーにとっては自殺幇助過失?のようなもの。つまり憎むべき妻殺しの犯人はおらず、ジョンGはレイプ犯に過ぎない。レニーはジミーの服を脱がせてから殺害するが、これは服を交換するため。その理由は不明。ジミーの車とお金を奪うが、これは気まぐれ。その後お金はどうなったのか?テディはジミーの靴のサイズが自分のと合うかチェックしたり、ジミーの車に執着している。汚職刑事のようだ。レニーはデート嬢を呼び、妻が死んだときの状況を再現させる。これは儀式のようなもので、薄れゆく記憶を呼び覚ますためだろうか?その後妻の形見の品を燃やす。記憶として昇華したいのだろうか?解釈に苦しむところだ。ナタリーはレニーを騙し、ボスのドットと対決させる。悪い女だが、その前にレニーがナタリーの恋人ジミーを殺しており、おあいこである。ナタリーがテディの車の情報を与えたのは同情からだが、ジミー殺しの首謀者はテディなので、結果的に因果応報である。今後どうなるか?ドットが復讐に戻ってくれば危険が及ぶ。ジョンG探しはテディの協力がないので、全く進まないはず。映画の流れからすれば、誰かに利用されてしまうだろう。モーテルでも部屋を二つ借りるはめになる。レニーはメモ魔だが、本当に記憶を残したいのなら、日記帳や雑記帳をつけるべき。そこに写真やメモを貼り、補完すればいい。レコーダーやビデオを使えばなおいいだろう。刺青は文字数が限られ情報不足。失笑である。彼は記憶を残したいのではなく、謎を残したいのだろう。謎を追い、犯人を探すことが唯一の生きがいなのだ。インシュリンで妻を殺したという罪悪感が、無意識にそうさせるのか?架空の復讐に支配され、架空の犯人を追う哀れな男の物語。記憶の曖昧さをが主題。観客が自分の記憶に疑いを持てば、監督の思い通りである。
[DVD(吹替)] 8点(2009-10-24 23:04:50)
157.  木曜組曲 《ネタバレ》 
全体を通してスリルや緊迫感が無いのが残念。自殺か、他殺か?誰かに嫌疑がかけられているのに、食べたり、飲んだり、「その話はあとでしましょう」とか、間合いが悪いのだ。推理が作家重松時子が死んでから四年も経ってからというのも同じ。命日に女性だけ集まって、「三日間飲んで、食べて、遊んで」という設定もリアリティに欠ける。一般の人でもそうだが、まして忙しい作家達なら、そんな悠長なことはできないだろう。芝居も魅せてはくれない。鈴木京香と原田美枝子を除けば、褒められた演技ではない。加藤登紀子はヒドイ。心理劇なのだから、感情が揺れ動きが画面から伝わってこなければ観客はついてゆけない。道具立ての洋館と料理にも不満足。誰もがあこがれるような豪華な洋館とおいしそうな料理で、観客を魅惑すべき。共に平凡で、安っぽい印象しか残りませんでした。ネタバレのあとでも疑問が残ります。①ミートソースの毒混入は誰がしたのか?たぶんえい子だが。②ミートソースの毒に何故すぐに気づいたのか?匂いはそんなにしないはず。③絵の裏に隠した尚子宛の手紙の謎が解明されていない。「あとは計画をよろしくお願い」の計画とは?後継者になること?④絵里子は携帯電話を持ってないと嘘をついた。だがいたずら電話をしたのは知人なので、隠す理由はない。⑤静子は時子の才能がもう無いことを知らしめるために、いじわるな小説を送り続けた。そんなことのためにわざわざそんなことをする人がいるだろうか?これこそミステリー。⑥五人が食事をしているときに時子が自殺したはずなのに、ラストシーンでは編集者えい子が出かけたときに自殺している。⑦冒頭ワープロにナレーションが入り、この映画が絵里子のドキュメンタリーの体裁を取っている。これは最後まで貫かれているのか?絵里子の知らないことまで描かれるが。⑧自殺の動機だが、書けなくなったら筆をおけばいいだけなので弱い。最後の作品は尚子が書いており、後継者もいる。男性であれば芸術至上主義者のように、あのようなことをする動機も考えられるが、女性では想像しにくい。不治の病で、余命が短いなどの設定があればよかった。「木曜日は好き」で始まる詩的文章やボードレールの引用などは雰囲気を盛り上げる効果があり、良かったと思います。
[DVD(邦画)] 5点(2009-10-19 14:29:27)
158.  バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌 《ネタバレ》 
売りはバイオレンス・シーンだけという映画。テロリストの主張は意味不明なので無視。子供対決より、むしろ首都爆破テロを題材にすればよかったのに。ペア連動死亡制はどういう意図が?最初に死んだ女の子、かわいそう。七原を殺すために送り込んだのだから、足をひっぱってどうするの。立入禁止エリア設定も意味無し。武器はテロリストのそれを上回るものを持たせなさい。テロリストの人数多すぎ。ガキや赤ん坊は出さないで。邪魔だから。島なのに物資が豊富すぎ。何故ピアノがあるの?ロウソク多すぎ。島なのにパソコンで全世界に映像配信?自衛隊弱すぎ。ヘリ、戦車、バズーカ砲ぐらい用意せよ。あの二人、どうやって生き残ったの?最初からみんなと一緒に逃げればよかったじゃん。先生はあそこにどうやってやってきたの。何のために。あの国は何故勝手にミサイル攻撃しているの?生徒に個性が欲しい。軍事オタク、インテリ、格闘技家、体操選手、忍者子孫など。武器もバリエーションを考えてほしい。いつまで経っても同じドンパチの連続じゃ飽きますよ。テロリスト達を捕まえて、彼らにバトルロワイヤルさせれば悲劇性が盛り上がったのに。不条理なところが売りのはずなのに。「テロリストを殺して来い」では合理的すぎる。
[DVD(邦画)] 2点(2009-10-17 05:12:12)
159.  エクソシスト ディレクターズカット版 《ネタバレ》 
ホラー映画を全世界に知らしめた金字塔的作品。考古学者のメリン神父は、イラクで悪魔像や聖コインを発掘。悪魔が復活し、エクソシストとして再びと対決する日が近いのを知る。犬のケンカ、片目の男、突然の馬車の出現、夕日の中での悪魔像との対峙など演出が冴える。カラス神父はボクサーで精神科に学ぶが、神父の道を選んだ。だが今は、信仰の危機を抱えている。ホームレスの声に耳も貸さない。老母はぼろアパートで健康不安を抱え、独り暮らし。ある日倒れて病院に運ばれたが、精神病棟。私立病院に入院させるお金がないのだ。母にののしられ、親子の断絶。続く母の孤独死。神は存在するのか?カラスの心の善と悪の闘いが、映画の大きなモチーフ。リーガンは女優の娘で経済的にも恵まれ、明るい性格。だが父親の不在(離婚)が暗い影を落す。父に取って代わろうとするバーグ(監督)を気にし、父を電話でののしる母の声に心を痛める。母クリスは娘を狂おしいほどに愛しており、娘を何とか助けたいと様々な療法を試みるが、どれも成功しない。精神的に追い詰められてゆく様子が詳細に描かれる。彼女の悩み、苦しみが見るものを感情移入させる。母子の愛情物語でもある。カラス神父はクリスに相談されるが、憑依を信じない。リーガンの口から母の声、ホームレスの声を聞くが、半信半疑。悪魔が聖水に騙されたふりをすると、憑依ではないと結論づける。信仰のゆらぎが判断を鈍らせているのだ。だが、テープの逆回転で悪魔が少女を殺そうとしているのを知り、少女がお腹に水ぶくれの文字で助けてと必死に訴えるのを目にすると、信仰が蘇り、対決を決意。メリル神父登場。悪魔との壮絶な闘いに自信を失うカラス。「あんないい子なのにどうして憑依されるのか?」メリルが答える。「我々を絶望させるためだ。自分が獣のように心が醜く、神の愛に値しないと思わせるため」誰の心にも悪魔が忍びこむ隙がある。この映画の本当の怖さはここにある。再び信仰を取り戻すカラスだが、メリルは持病の心臓発作で死ぬ。カラスは少女を助けるため、唯一できることをする。自分の身を犠牲にするのだ。カラス神父の魂の救済の物語でもある。刑事もいい味を出している。残念なのは、たった二人で儀式を行ったこと。大勢ですれば、もっと盛り上がった。ところで、テープ解析する部屋の看板に「TASUKETE!」と書いてあるのに気づいただろうか?
[DVD(字幕)] 10点(2009-10-13 12:47:14)(良:2票)
160.  猫の恩返し 《ネタバレ》 
ハルは高校生。学校を遅刻してツイてない一日。帰りに小箱をくわえた猫を救う。それが猫の王子だったために、贈り物をもらう。ねずみ、猫じゃらしなど有難くないものばかり。片思いの町田君は彼女と歩いている。落ち込んでいると、猫の国に招待される。王子の嫁になれとも。断る間もなく使者は消える。どこからか声が。「猫の事務所を訪ねなさい」訪ねると男爵猫バロン、ブタ猫ムタ、カラスのトトがいた。「猫の国はまやかし。自分の時間を生きられない者が行くところ」と警告を受ける。そこへ使者が来て、無理やり猫の国へ。猫に変身してしまい。花嫁にされそうになるが、バロンとムタが助けてくれる。危機になると白猫が脱出口を教えてくれた。迷路を抜け、塔に登るが、猫の王により、塔は半崩壊。そこに猫の王子登場。ハルではなく、白猫を嫁にすると宣言。小箱は花嫁へのプレゼントだった。白猫はハルが子供時代に助けた猫と判明。こちらの方が本当の猫の恩返し。猫の国に長く留まると帰れなくなってしまう。やっとのことで塔の上の出口に出たが、そこは現実世界の空の上。三人で墜落するが、トトが仲間のカラスと共に助けてくれた。無事に帰還。早起きし、朝食を作る毎日。町田君も気にしなくなった。成長したのだ。問題点:①猫の国が良いのか、悪いのか分からないまま進む。②危機感がない。白猫はかつて人間だったが戻れなくなったという設定なら良かった。③危機感がないので、脱出できても喜びがない。④脱出するのに他力本願。自力で苦労しながら頑張る姿がない。⑤頑張ってないので、成長もあまりみられない。⑥「自分の時間が生きられる」というテーマが見えてこない。もし宮崎駿が監督をしていたら、最後のカラスの螺旋階段を降りるシーンなどは、華やかな一大スペクトルとなり、大きな感動をもって見れたことでしょう。作画上の欠点は、キャラの表情や動きにタメや誇張がないので、のめり込めないこど。宮崎アニメのキャラがどれほど活き活きしているか、見直して勉強してほしいです。そして良い作品を作ることが、宮崎監督への恩返しでしょう。
[DVD(邦画)] 6点(2009-10-12 16:49:44)
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