141. ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
《ネタバレ》 正直、予告編を見たときにはいやな予感がしたんです。例の飛行機しがみつきの大スタントを、トム・クルーズの解説付きで全部ご丁寧に見せてしまっていたので。「確かにすごいシーンだけど、こんなの観たら終盤の大事な展開の先が読めてしまうやんか」と。 ところが、このシーンを“レイダース”のそれを思わせるやりかたで、ただのオープニングで贅沢に使用してしまう。この瞬間に早くも心の中で傑作の予感が。 その後も、相次ぐアクションシークエンスに息つく暇もなく、水中スタントのシーンですでに心の採点メーターは10点を振りきれていました。 超絶カースタントから超高速バイクチェイスも素晴らしく、しかもこれがまだ映画中盤でしかない。 一体誰がほんとのことを言っているのかわからない、最後まで観客を騙しつづけるストーリーも見事。 一作毎に前作を越えるクオリティーを提供し続けるこのシリーズに驚愕しつつ、もはや10点以外は考えられない。もっとあげてもよいなあ。 [映画館(字幕)] 10点(2015-08-10 21:22:06)(良:1票) |
142. インサイド・ヘッド
《ネタバレ》 スタジオの代名詞あるいは存在意義だったCGアニメーションが当たり前の技術になり、他ならぬジョン・ラセターの手で本家ディズニーの王道アニメ(しかも、ピクサー的なひねりが少々加えられている)が大復活を遂げた今、気がつけばこの数年間シリーズもの以外でぱっとしたものが出ていないピクサー。 この最新作の、本サイトでの比較的低い評価を見て、やはり既にピクサーの時代は過ぎたのかと少し残念な気持ちにもなり、どこがどれだけ悪いのかと確認しに行くくらいの気持ちで観てきました。 ところがどっこい、ひねりにひねった設定と、小ネタの数々、魅力的なサブキャラの連打で、あっという間に上映時間が過ぎ、大満足でした。なんといっても、四十代も半ば過ぎのおっさんの目から、少なくとも2回、おそらくは3回、映画終盤に立て続けに涙があふれたのですから、良い映画なのだと思います。 中盤に出てくる巨大なピエロのネタや、「帽子に名前が書いてある」のネタは、アメリカ人ならわかるんでしょうかね?私には理解不能でした。 [映画館(吹替)] 8点(2015-07-30 00:54:20) |
143. ターミネーター:新起動/ジェニシス
《ネタバレ》 一つ一つのシーンは、いいところはあるんです。1作目の名シーンから、意外な展開をするとかね。 でもやっぱりどうしても問わずにはいられません。「誰がお前を送った?」 続きは続編で?さすがにもう観ないだろうなあ。 [映画館(字幕)] 5点(2015-07-14 00:44:20) |
144. アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
《ネタバレ》 トランスフォーマーに高得点を与えてしまった手前、この映画もある程度の評価をせねばならないでしょう。映像はすごいです。 でも、オジサンにはちと話がわかりづらかったです。アベンジャーズの面々が観る幻影の数々も、結局なんらの落ちもつかないし。アイアンマン3にひき続く、妙にまじめなトニー・スタークにもがっかり。 最も盛り上がったのは、アイアンマンvs.ハルクのシーンでした。 [映画館(字幕)] 7点(2015-07-09 00:03:03) |
145. マッドマックス 怒りのデス・ロード
《ネタバレ》 全く正統的な「Mad Max 2」の続編である。続編というより、セルフリメイクと言ってもよいかも。独特の世界観はエスカレートしていて思わず笑ってしまうほど。ただし、例の世紀末救世主伝説漫画を既に知っている日本人は、他の国の人ほどには衝撃を受けないかもしれない。 個人的には「2」を名作足らしめたのは、カーアクションに巨大なトレーラーを登場させたことと考えているが、本作でも最初から最後まで巨大トレーラーを中心としたアクションで押しまくる。しかし、実はトレーラーを使う場合には、重厚さとの引き換えにスピード感が圧倒的に失われてしまう。今見直すと、「2」では編集が冴えに冴えていて、実際には大して速くない車のスピードを、そうとは全く感じさせない出来に仕上げているのが分かる。残念ながら、今作はトレーラー登場シーンがほぼ全編にわたってしまうため、ちょっと単調になり、どうしてもスピード感不足をカバーしきれていなかった気がする。 マックスから凄腕ドライバーのアイデンティティーが剥ぎ取られてしまったことと、オイシイ役どころをすべてフュリオサとニュークスに持っていかれてしまって、マックスの存在感が小さくなってしまったのは、残念なところです。 [映画館(字幕)] 6点(2015-06-25 00:42:59)(良:1票) |
146. シンデレラ(2015)
《ネタバレ》 シンデレラが継母にいじめられるシーンや、舞踏会で王子が彼女を見つけるシーンなど、もっと派手な演出で盛り上げてもよさそうなものですが、ひたすら淡々と映画は進みます。それでも、ダンスのシーンは見事だったと思います。全般的に、標準的な出来栄えの映画だったと思いますが、主演の女の子が頑張っていたと思うので、甘めのプラス1点。 [映画館(吹替)] 7点(2015-05-22 06:32:05) |
147. バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
《ネタバレ》 マイケル・キートンが、落ちぶれたかつてのスーパーヒーロー(役の人)を演じているというキャスティングそのものがコメディだし、彼が飛行機で乗り合わせた(確か)ジョージ・クルーニーをうらやましがるところや、パンツ姿で往来を歩く羽目になるあたりなど、たぶん米国の劇場では大爆笑のシーンなのでしょう。でも、日本の劇場では誰も笑っていませんでした。映画の背景全く調べていませんが、これはNYのスタジオ製作の映画でよいのでしょうかね?それでいて、ブロードウェイの舞台の文化と比較して、ハリウッドの映画文化を思いっきり貶める内容等も、おそらく情報通にとってはずいぶん奥の深い映画なのでしょうが、それほどマニアックではない私では、半分ほどしか楽しめなかった気がします。ということで、この点数です。どうも、私はこの監督さんの映画は苦手です。 [映画館(字幕)] 5点(2015-04-16 00:24:42) |
148. アメリカン・スナイパー
《ネタバレ》 ラストに使われた映像は、実際の映像だったのでしょうかね?たぶんそうなんでしょう。とすると、主人公はUSでは英雄なのでしょう。いつものごとく、イーストウッドは映画に過度な主義主張を込めることはせず、ありのままを描こうとする。しかしそうすると、彼が国内で英雄とされていることもそのまま描かれることになり、見ようによってはアメリカ万歳のタカ派映画になってしまう。そんなつもりでないのはわかっているが。それにしても、評価の難しい映画です、これは。わたしの受けた印象は、イーストウッドは今回雇われ監督で、無難な仕事したぜ、というものでした。(実際がどうかは知りませんが) [映画館(字幕)] 6点(2015-02-28 21:44:48) |
149. エクソダス:神と王
《ネタバレ》 特定の民族に肩入れしてむやみに好戦的な神に仕えて、テロ行為に走るモーゼ。このご時世にこの描き方はどうなんだろう?欧米人の根っこにある宗教観って、結局こういう狭量なものなのか?あるいは、この映画はとてつもない風刺映画ってことだろうか? 本作にしろ、ちょっと前のノアにしろ、神話の時代の物語を神と人間が対等に対峙する形式で描くのが現代風であるのでしょうが、どちらもちょっと殺伐としていて、あまり成功しているとは思えないなあ。「ベン・ハー」のように、苦しむ人に黙って水を与えるだけのやさしい神様のほうが、僕は好きですけどね。 [映画館(字幕)] 5点(2015-01-31 21:39:25)(良:1票) |
150. シン・シティ 復讐の女神
《ネタバレ》 グラフィック・ノベルとかの背景は全く知らないし、このシリーズの悪趣味さは苦手なので、観るのをだいぶためらっていましたが、キャストの豪華さ、特にエヴァ・グリーンにつられてつい鑑賞してしまいました。残酷描写は相変わらずでしたが、それでも前作に比べれば、死んでしまった人(の体の一部など)をくどくど画面に登場させることが殆どなく、あまりコアなファンでない人にとっては前作より観やすい感じだったと思います。反面、コアな人には物足りないかも。ストーリーは、マーヴが用心棒になる似たような話が二つもあり単調ですが、最後に悪玉にようやく復讐できるというところは、素直に盛り上がりました。でも、最後に肝心な場面を描かず、暗転してエンディングにいってしまうのは、さらに続編を考えているってこと?そうそう、カジノ・ロワイヤルのエヴァ・グリーンが気に入っていたので観に行ったのですが、その点では観るべきではなかったかもしれません。彼女は怖い! [映画館(字幕)] 5点(2015-01-24 10:37:52) |
151. Mr.インクレディブル
《ネタバレ》 いまでもこれがピクサーの最高傑作だと思っています。ダッシュとヴァイオレットが中心に繰り広げる森の中でのアクションはアニメーションの域を超えており、これまで観た多くの映画の中でも最も印象に残るシーンの一つです。ヒーローが政府によって活動を抑止される世界という奇妙な設定から始まる映画が、最後には理想の家族像を提示して終わるという脚本も全く見事です。エンドクレジットも、これだけで一つの作品と言えるほど芸術性・完成度の高いものだと思います。ディズニーには珍しく本作の悪役は徹底的に悪役で救いがなく、それはちょっとかわいそうだったかな。 [映画館(字幕)] 10点(2014-12-27 00:53:37)(良:1票) |
152. ベイマックス
《ネタバレ》 最近はピクサーだけでなく本家ディズニーも良作を連発してくるので、この歳になってやたらアニメばかり見てますが、この作品も素晴らしかった。予備知識全くなしで観たので、もっとハートウォーミングな話かと思ったら意外や意外のスーパーヒーローものでびっくり。でも、少し話を凝りすぎたかなという印象。悪役は劇中で容易に予想できてしまい、「彼でなければよいが」とずっと思って観てましたが、そのままでした。アニメのスーパーヒーローものとしては、個人的にはMr.インクレディブルにわずかに軍配です。ベイマックスMarkIIの造形がどう見てもアレのパクリで、いくらなんでも大丈夫かいな?と思っていたところのエンドクレジット後のショートストーリーで、これには笑った。 [映画館(吹替)] 8点(2014-12-26 22:07:49) |
153. セブン
《ネタバレ》 「ゴーン・ガール」のレビューで、比較に出したこちらの感想も書いておきましょう。これも人道的には相当に問題のあるストーリーですが、むしろ好きな映画です。(どこで好き嫌いの線引きがされているのか、自分でも謎です)中盤でミルズがサマセットに対し「自分が引退するから、世の中が救いようがないというのだろう。でも俺はそれには同意しない」というセリフは、閉塞感の漂う日常で、ともすると厭世気味になりがちな自分に言われた気がしてハッとしたものでした。しかし、この映画はご存じのようにわかりやすい人生の処方箋や、ハッピーな未来を提示してくれません。これを公開時に観てからすでに20年近く過ぎるのですか・・・結局今も20年前と大して変わらない、いやむしろ少し悪化した閉塞感の中で、それでも何とか日々生きているというのは、この映画が示したことそのままなのかもしれませんね。 [映画館(字幕)] 9点(2014-12-13 22:29:04) |
154. ゴーン・ガール
《ネタバレ》 なんでも全米興行収入では、過去のD.フィンチャー作品でNo.1の成績とのこと。この陰惨な映画が売れてしまうというのも道徳的にはどうかと思ってしまうが、観客に与える「不快さ」もまた映画の価値となりうるのも真であり、その意味では確かにこの映画は自分にとってセブンを超えている。エンドロールでかかる音楽も、私が今までに聴いた中で最も不安な気分にさせられる曲であった。率直に言って、映画が終わった時に「観るんじゃなかった」と思えた自分に少し安心した。 [映画館(字幕)] 7点(2014-12-13 21:45:39) |
155. フューリー(2014)
《ネタバレ》 既にプライベート・ライアン、バンド・オブ・ブラザーズを知っている観客としては、わざわざこの映画を作った意味がわかりませんでした。この映画は、その2作の部分集合でしかありません。主人公の性格も、戦争犯罪そのものの殺人を新兵に強要するかと思いきや、一転してヒューマニズムを見せるなど、ぶれている気がします。ドイツ人女性2人が出てくるシーンが長すぎてだれるのも良くなく、しかもクルーの仲があまりよくないような描写で終わっているのは失敗でしょう。ひたすらアメリカ人からの視点のみなのも気になります。しかも神に関する言葉をやたらと持ち出して行為を正当化しようとするのは、やっぱり彼らがWW2を正義の戦争と考えているからなんですかね?戦車同士の戦闘など、臨場感はありました。あと、シャイア・ラブーフはもしかするとこれ以降名脇役の地位を確立するかも、と感じます。 [映画館(字幕)] 5点(2014-11-30 21:46:35) |
156. インターステラー
《ネタバレ》 きわめて広い(恒星間!あるいは銀河間?)空間を舞台にしたSFで、「2001年」のような抽象的な表現でなく、具体的な表現で語ろうとしたのはチャレンジングであり評価したいところですが、ワームホールや相対性理論などに関して素人でも思いつくような都合のよい設定だけをやたら使いまくり、しかも物語の核心にタイムパラドックスを含むようでは、ちょっとがっかりです。地球の物語の舞台がやたら狭いところにとどまっているのも良くなく、地球の終焉という重大な設定を、観客が受け入れにくくなっていると思います。ハンス・ジマーの曲も珍しく盛り上がりを欠いていたと思います。 [映画館(字幕)] 6点(2014-11-29 23:17:58) |
157. イコライザー
《ネタバレ》 それほど見る気もなかった作品でしたが、キャストにクロエ・グレース・モレッツの名を発見するやいなや、入場券を買ってしまった。期待の彼女は、刺激的な姿を見せてくれたりしますが、出番が圧倒的に少ないのが残念。デンゼル・ワシントンについては、私にはトレーニング・デイを観た時のトラウマがあり、彼が元同僚に会いに行くシーンまで、実は彼は善人面した悪人でしたってなことにならないかと勝手にドキドキしてました。(元ネタがあったとは知らなかったもんで)底が浅いともいえる単純なストーリーだが、抑え気味の丁寧な演出のおかげで、大人の鑑賞に堪える作品になっている。ただ、闇の仕事人の話にしては、ラストのホームセンターでの大暴れはバランスが悪いと感じました。 [映画館(字幕)] 7点(2014-11-08 22:07:10) |
158. ジャージー・ボーイズ
《ネタバレ》 あらかじめ白状しておかなければならないが、Can't take my eyes off youは個人的に最も好きな楽曲のひとつである。が、カバーの多いこの曲、私も知っているのはBoys town gangによる方でオリジナルを誰が歌っているかは全く知らず、そもそも本映画で描かれるFour Seasonsというグループも、恥ずかしながら存在自体知らなかった。(実は知らなかったことが幸いする)主人公らによる「若いうちに結婚→破綻で悲惨な家庭」エピソードや「自堕落で無鉄砲な生活の果ての破滅」というイタリアンマフィア映画に極めてありがちなパターンを見せつけられるばかりで、ちょっとうんざり気味になる映画終盤で前述の曲が流れたとき、素直に感動し、この映画に対する全ての感想がひっくり返りました。この曲を好きな人は、絶対見るべき映画です。逆に、特に関心のない方にはたいしてお勧めしません。以下余談:全く宣伝してないこの映画。私が観たのが平日のレイトショーとは言え、観客たった3人でした。確かに人を選ぶ映画と思うけど、もったいないんじゃないの? [映画館(字幕)] 9点(2014-10-02 06:37:08)(良:1票) |
159. デビルマン
おそらくわざわざレンタルなどするはずもなく、自分は観ることはないだろうと思っていた本作、息抜きで行ったネットカフェの映画サイトにアップされているのを発見し、次の瞬間には「視聴」ボタンを押していた。確かにひどいなこりゃ。製作者たちの「こんなもんでいいだろう」的な姿勢があからさま。そうでなければ、あの役者たちで映画を製作できるわけがない。 [インターネット(字幕)] 1点(2014-09-13 07:15:49) |
160. トランスフォーマー
《ネタバレ》 最新作を観たところだし、ついでに懐かしの第1作のレビューしておきます。最初から子供向け映画と割り切った態度で鑑賞したのが大正解で、とても楽しめました。基本コメディタッチだったことも、少なくとも私にはばっちりはまり、主人公の両親による下ネタ交じりの掛け合い漫才や、大人しく隠れていられないオプティマスらによる庭破壊のドタバタ劇など、最高です。たぶん、逆にそこがダメという人は多いのだろうと思いますが。マイケル・ベイ作品との付き合い方を教えてくれる貴重な一本です。その後の続編が公開されるたびに見に行くようになるほど気に入った作品ですし、DVDも購入して複数回観ているのに、何度見てもストーリーはほとんど頭に残りません! [映画館(字幕)] 9点(2014-08-19 06:56:45) |