141. ピンク・フロイド/ザ・ウォール
「Another Brick In The Wall」パートはすごく良かったのよ。でも他が退屈。前衛的な映像に仕上がっているわけでもなく、ピンク・フロイドの世界を想起させるような映像というわけでもない。ただの「The wall」のPV集になってしまっている。監督の「この映画にはユーモアが足りない」というコメントの通りの映画だ。 [DVD(字幕)] 4点(2016-02-25 13:43:29) |
142. マン・オン・ワイヤー
《ネタバレ》 かねてから評判は聞いていたので期待していたのだが……。再現映像がよく出来ていて感心する。海外ドキュメンタリーにはありがちなスタイルではあるが、キーパーソンとなる人物へのインタビュー時の演出が良い。フィリップ・プティの綱渡りへの飽くなき情熱と「理由なきことこそ重要だ」という価値観には唸らされた。しかし、このドキュメンタリーには客観視が欠けている。彼の綱渡りは私欲を満たす身勝手な好意に違いない。迷惑を被った人がたくさんいるだろう。そのような人たちから見たプティも知りたい。本作はフィリップ・プティという超人的な大道芸人の裏側に迫ろうとしているのではなく、貿易センタービルでの綱渡りの裏側に迫っているだけだ。彼自身がとても魅力的なだけに、表面をなぞっただけの本作には不満が残る。911を彷彿とさせる題材だからこのような構成を考えたのではないかという意見に私も同意。 [インターネット(字幕)] 6点(2016-02-25 13:41:18) |
143. エンド・オブ・ウォッチ
POVショットを用いることで他の警官モノとの差別化を図っているが、肝心の物語が極めて平凡。夜間学校の課題でカメラ回してるって話だけど、期間長くね?本格的なドキュメンタリー製作だったのかな。 [インターネット(字幕)] 4点(2016-02-25 13:31:20) |
144. ヒート
《ネタバレ》 テンポが良いわけではなく、思わず引き込まれるような展開があるわけでもなく、わかりやすく心が踊るようなシーンも少ない。マイケル・マンの最高傑作を見るんだ!と意気込んで見たのに、なんとも言えない消化不良。アル・パチーノのデ・ニーロの演技は良かったけど、悪党デ・ニーロがいまいち有能に見えないのが残念だった。冒頭からありえないドジを踏み倒し、小悪党に翻弄されて罠にはまるってねえ。クライマックスは人より仕事のデ・ニーロの心の成長を見せる役割は果たしているけど、彼の無能さが露呈してしまっている。ラストの手に汗握る攻防は良かったのに残念な点が多く、デ・ニーロも私も無念だよ。 [インターネット(字幕)] 6点(2016-02-22 10:32:49) |
145. L.A.コンフィデンシャル
エンタメ性が高くて面白い。主人公格の人物が3人もいたらグダグダになりそうなものだけど、脚本が優れているのかまったくグダらない。彼らの演技は申し分ないし、展開も軽妙かつスリリングで引き込まれる。エドとバドの物語も愉快で楽しい。楽しい映画を見たいと思った時のベストチョイスだと思う。 [インターネット(字幕)] 8点(2016-02-22 10:28:20) |
146. Vフォー・ヴェンデッタ
もったいぶった演出と甘ったるいメッセージ性にうんざり。政府に良い印象を持っていない国民があれほどいるのに政府はなんら対策を打っていない。Vが頑張らなくてもそのうち反乱は起きていたのでは?ディストピア映画なのに国民のコントロールもできない無能な政府……。 ナタリー・ポートマンってこんなにキレイだったっけ?と思うほど彼女は魅力的だし、Vのキャラクターも嫌いじゃないけど、物語と演出がいまいち気に入らない。 [DVD(字幕)] 5点(2016-02-22 10:24:15)(良:1票) |
147. ディパーテッド
有名俳優勢揃いのお祭り映画としては十分だと思う。アカデミー作品賞に相応しいかどうかは別として。 [DVD(字幕)] 7点(2016-02-22 10:20:51) |
148. マイノリティ・リポート
映画が広告として露骨に用いられるようになったのはこの頃からなんだろうか。途中からレクサスの宣伝映画にしか見えなくなってしまった……。突っ込みどころも多いし、トム・クルーズもあんまりかっこよくない。ディストピア映画なのはわかります。しかし、ディストピア映画の名作たちと比べるとはるかに劣るでしょう。広告ばっかり見せられて……あ、ひょっとして映画を見ているはずなのに広告を強制的に見せられるということが本作のキモなのか?そんな世界は嫌だよねーってことか?だとしたらすげー怖いよ! [インターネット(字幕)] 3点(2016-02-22 10:18:48) |
149. 裸のジャングル
《ネタバレ》 モンド映画の雰囲気がリアリティを醸し出していていい感じですね。復讐の追走だったはずの原住民が主人公を認め、最後に合図する場面は胸が暑くなります。男同士の友情とはこういうものだよ!『アポカリプト』にはこれがないんだ! [DVD(字幕)] 6点(2016-02-22 10:13:15) |
150. 僕の村は戦場だった
《ネタバレ》 きれいな映画。物語よりも映像美を楽しむタイプの映画だろう。主人公が見る夢はことごとく美しく、現在との痛烈な対比が心を打つ。母親と戯れる無邪気な少年が戦争によって冷たい表情へと変わってしまう。夢と現実の落差が大きすぎて受け入れられないと思う瞬間もあるほどだ。この感情を主人公も持っていたのではないかと思う。だからこそ敵国ドイツへの憎しみは兵士たちよりも深いのかもしれない。 ラストシーンは本当に胸が痛い。美しい水辺のショットが突然暗転してしまう恐怖。彼の人生は何だったのだろう。 [DVD(字幕)] 7点(2016-02-22 10:11:31) |
151. バニー・レークは行方不明
《ネタバレ》 とんでもない傑作だー!私は幽霊や殺人鬼が出てくるホラーよりも、本作のような普通に見える人間が実は狂気を孕んでいた!というタイプのミステリー・ホラーのようが好き。物語はそう珍しくもない子どもの失踪もので、陳腐に撮ろうと思えばいくらでも撮れたはず。それなのに本作がめちゃくちゃ面白いのは、バニー・レークが一度も画面に登場しないのでアンとスティーブンが全く信用出来ない人物になってしまうからだ(散々指摘されているけど)。そこへ同タイプの映画のように怪しい人物や警察への批判じみた演出を織り交ぜることでおもしろさが増し、唯一無二の映画に仕上がった。ソール・バスが手がけたオープニングもかっこよくて文句なし!こういう映画をもっと見たい! [DVD(字幕)] 10点(2016-02-22 10:05:35)(良:3票) |
152. インターステラ5555
不覚にも感動してしまった。ライブシーンの躍動感のなさに衝撃を受け、「大丈夫かこれ」と思いながら見ていたけど、陳腐なストーリーにDaft Punkの音楽が組み合わさるとなぜか感動が生まれる。Daft Punkの音楽が持つ力というものを思い知らされた。注目したいのは脚本もDaft Punkの二人が担当していることで、音楽業界の内部からキングコング的な業界批判と問題提起を起こす勇気は讃えられるべきではないかと。『Discovery』が二人が子供の頃から大好きだった音楽を全面に押し出したアルバムだということも重要。このことを知っているのと知らないのとでは味わいが違ってくる。 [DVD(字幕)] 7点(2016-02-22 10:00:21) |
153. ハロウィン(1978)
《ネタバレ》 敬愛するカーペンターの出世作だもの、面白くて怖いに決まっている!と思ってみたら……つまらんのなんの。音楽は良いし、音楽で恐怖を煽ろうという姿勢は伝わってきた。しかし、ブギーマンが消極的な怪物だから迫力がない。6歳で姉を殺した殺人鬼だろ?もっと凶暴でもいいのではないか?突っ込みどころがあまりにも多すぎるのも問題だし、なんだか腑に落ちない。じらしにも限度ってものがあるよ。 [DVD(字幕)] 2点(2016-02-22 09:54:04) |
154. 悪魔のいけにえ
《ネタバレ》 笑えない。ずーっと怖かった。不条理ホラーの極みだと思う。すべての登場人物に明確な根拠がない。殺人一家はジジイに何をさせたいのか、若者たちはなぜ旧家を尋ねるのか。理由のない悪意を向けられた時ほど怖いものはない。立川談志が毒蝮三太夫に駅のホームから突き落とされそうになったという逸話があるが、この時、談志は相当な恐怖を感じたに違いない。毒蝮は洒落で談志を突き落とそうとしたからだ。「洒落のわからないやつだ」と談志をあざ笑った毒蝮には覚悟もなにもないのだ。レザーフェイスは理由なく4人を殺すし、狂った兄弟は楽しいからという理由でジジイにハンマーを持たせる。理由がわからないからつまらないというのは恐怖を回避する思考停止なのかもしれない。科学が発達する前の時代の人たちは自然の脅威に震えたはずだ。平凡な日常を意味もなく破壊するから。ある意味、この映画の恐怖は非人間的なものかもしれない。 [DVD(字幕)] 8点(2016-02-22 09:50:58) |
155. イヴの総て
《ネタバレ》 愉快痛快。イヴが正体を表すまでは『サンセット大通り』みたいな話かな、と思っていたけど違った。本作はイヴが野心をむき出しにして周囲の人々を不幸にし、ラストシーンでしっぺ返しを喰らう将来を示唆しているから彼女が主人公のように見えるけど、実はマーゴが主人公なのではないかと思う。 マーゴはスター女優ではあるが、もう四十路を迎え、若い役を演じることに若干の抵抗があった。そこに若くて美しくマーゴの一挙一動を模倣するイヴが現れ、その若さと将来性に嫉妬し、恋人や親友に八つ当たり。彼女もまた周囲の人々を不幸にする。しかし、ある出来事がきっかけで改心し、恋人と結ばれ、親友との絆がさらに深まる。彼女は明確に成長を見せているのだ。イヴとの対比が強烈だ。マーゴには親身になってくれる友達がたくさんいたけど、大女優に成長するであろうイヴにはそのような人がいるのか?彼女が貶められた時、浮上のきっかけになるような人は?ああ恐ろしや。 [DVD(字幕)] 7点(2016-02-22 09:43:11) |
156. ターミネーター
《ネタバレ》 とても面白いです。残酷な未来とターミネーターの派遣によって出会った二人の物語は儚くもあり、力強くもあります。ターミネーターはシュワちゃんの肉体と英語の訛り、演技力の無さから醸しだされるリアリティと目標を遂行することだけを考える非人間性がキャラクターを魅力的にしており、ダークヒーローとしての素質満点です。迫力のあるアクションや目を背けたくなるようなグロ描写もあり、娯楽映画としてケチのつけようがないレベルです。 [DVD(字幕)] 9点(2016-02-16 02:42:38) |
157. ターミネーター2
《ネタバレ》 私は悪役のターミネーターのほうが好きです。確かに文句なしに面白いし、前作を踏まえたアクションやセリフがあるのは見ていて楽しい。しかし、キャラクターの魅力という点では2より1のほうがあるのではないかと思います。無慈悲に目標を遂行する、ある意味無垢とも言えるようなキャラクターからジョン・コナーとの触れ合いの中で人間性を獲得することでキャラクターとしての成長を見せるのはヒット作の続編としては正しいのです。しかし、1のような迫力は薄れてしまったように思います。役割が異なるので当然なのですが… [DVD(字幕)] 8点(2016-02-16 02:37:30) |
158. 生きる
《ネタバレ》 ヒューマニズムが評価されることが多い作品ですが、お役所仕事を痛烈に皮肉っている点を私は最も評価します。葬儀シーンでの演出はお見事としか言いようがありません。確かに彼らは口だけだし、渡辺の影響などまるでなさそうに見えます。しかし、彼らの心には渡辺という男が死の間際に何を残したのかという記憶は残るのです。いつか何かのきっかけで登場人物の誰かが渡辺のように目覚めるかもしれない。それも人生の面白いところだというメッセージもあるのかな。 [DVD(字幕)] 9点(2016-02-16 02:31:13) |
159. インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
言うほど悪くはないと思いますけど、良くもないという映画。映像技術の進歩を実感できる反面、作風はトリロジーのそれなのでくだらなく感じてしまうシーンもありました。しかし、インディアナ・ジョーンズという不世出のスーパーヒーローの老いた姿、衰えない冒険への意欲はとても好感を持てます。この男の活躍をもっともっと見たかったと思ってしまいます。 [DVD(字幕)] 6点(2016-02-15 16:13:45) |
160. インディ・ジョーンズ/最後の聖戦
一作目の作風に立ち返り、ショーン・コネリーがメインキャラクターに配役されたことで進化を遂げたトリロジーの最終作(クリスタル・スカルの王国はおまけのファンムービーという考えです)。単なる冒険活劇ではなく、インディアナ・ジョーンズというヒーローの過去や内面に焦点を当てた物語だけど、それぞれのバランスが良いのでとても楽しい。何よりショーン・コネリーの演技が素晴らしく、ハリソン・フォードのとの演技合戦も楽しめました。シリーズで一番好きです。 [DVD(字幕)] 8点(2016-02-15 16:10:51) |