141. 三悪人
《ネタバレ》 DVDで視聴。画質は粗いし音も無い。字幕と映像は交互に流れ、動く小説を読んでいるよう。何というかもはや、別の芸術を見ているような感覚でした。ストーリーや伏線が特筆して良いかといえばそんなことはないし、アクションシーンが伝説的に凄いというわけでもない。しかしやはり素晴らしい、という感想を持つのは、もはやこの時代の西部劇を見れたこと自体、あるいはモノクロでサイレントだからこその味、雰囲気を感じられたことによるある種の感動?によるものなのでしょうか。 作品の内容としては、本作の目玉はやはり横一線に並んだ馬の疾走シーン。その迫力は言うまでもなし。また、とぼけたおっちゃん三人組のカッコ良さ。その熱さ。今となってはありがちなんだけど、台詞が画面を切り替えての字幕な故に、要所要所の一言にゾクリとするような感覚を覚えます。より台詞が際立つというか。この辺、本作のような作品ならではの魅力と感じました。 [DVD(字幕)] 8点(2014-06-19 01:29:28) |
142. テキサスの四人
面白い!ストーリー・脚本に力が注がれたこの作品。その練られっぷりが見事だと思います。反面、殴り合いシーンとかは雑でしたが。男達が狙うのが単なる10万ドルではなく新規事業の投資のための10万ドルであり、メインの3キャラクターの立場が賭博場の経営者・詐欺師・銀行頭取であることから、キーパーソンを殺すことであっさり解決!とはならずあくまで体裁を守りながらのやり取りになるってのが面白ポイントですね。「若い女を連れた男」とかの伏線や気が利いた台詞の使い方も上手く、冒頭の駅馬車シーンこそ若干退屈でしたが以降は全くそんなことは無く入り込めました。キャラもグッド。全体として真面目にやりすぎると事業経営がどうとか金の法的権利がどうとかで堅っ苦しくなるのでコミカルタッチで描かれている・・・んですかね? [DVD(字幕)] 7点(2014-06-13 06:04:30) |
143. ブレージングサドル
滅っ茶苦茶すぎだろ!wまさかここまでスカッと2点をつけられる作品に出会えるとは思わなかった。恐らくこの映画は当時をリアルタイムで知り、映画に詳しく、かつセンスのある方には最高の作品なんだと思う。逆に全てに欠ける私にはただ滅茶苦茶なようにしか映らなかった・・・。コメディ的な感覚は自分とはズレていたし、パロディ的な笑いもイマイチわからず・・・。今後色々学んだ暁にはぜひ最優先で見直したい、そういう意味ではかなりのインパクトを受けた作品でした。 [DVD(字幕)] 2点(2014-06-11 01:12:56) |
144. ガンマン無頼
《ネタバレ》 ガンアクションや殴り合い多めのマカロニ・ウエスタンです。ラストの1対多数のガンアクションのスカッと感もさることながら、手を背中に回して撃ったり回転しながら撃ったり、漫画でありそうな面白撃ちを披露してくれるところもひとつの見どころでしょう。とはいえそんなことやるのは極々一部です。 ストーリーは至ってシンプルで父を殺された兄弟が復讐のためメキシコに入ってあれこれやるというお話。悪役は例によって外道なことを再三行っているわけですが、ひとつ違和感があるとすれば過去物語を聞いて急に悪役に同情的になる点。ここら辺合う合わないがありそうですが、残念ながら私には合わず。それまでの描写で「残虐」「冷酷」というイメージがついていただけに、え、急にどうした?となってしまいました。展開についていけず感情移入できず・・・。アクションは(雑ながらも)中々にスカッとしたのですが。 [DVD(字幕)] 5点(2014-06-09 23:10:21) |
145. アレゲニーの反乱
アメリカは独立前が舞台の本作。専ら英国視点でストーリーは進行し(当たり前?)、正義の民間人・悪徳商人・グレーな軍のそれぞれの立場と対立を描く。インディアンも登場しますが一瞬で、アクションよりストーリーそのものに力が入れられています。アクションはオマケ。特別ここが凄い!ということはないけれど、やっぱり単純明快な1vs1で劣勢を巻き返し主人公側が勝利!というシンプルストーリーより三者三様で互いが互いに牽制し合うこういう作品のほうが好みなんですよね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-31 00:20:21) |
146. アパッチ族の最後
《ネタバレ》 サム・ウッド監督の遺作。「アパッチ族の最後」という邦題から「ジェロニモ」的な作品かと思いきや、全くそんなことはなかった。軍とアパッチ族との交戦よりもむしろ軍内部での人間関係がメインでしょう。それくらい人間関係の描写に力が入れられています。三角関係はまあド定番中のド定番ですが、本作はその三角形が二つある点が面白い。キンズマン―アン―ロリソンの三角形がひとつとライナス―マーサ―トムの三角形がひとつ。そこに軍内部での上下関係やキンズマン・ライナス・トムの関係が加わって単純にそれぞれのやりとりを見ているだけで楽しめます。終盤までそのやりとりを楽しんだ後にようやくアパッチとの交戦に入りますが、こちらはこちらで緊張感があって良い味出してます。ロリソン大尉とアパッチのディアブリトのシーンなんか(今でいうフラグは立っているといえど)、どうなる!?と見入らされました。最後の最後のまとめは若干腑に落ちない感もありますが、それまでの中身で充分楽しめたので問題なしです。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-31 00:16:55) |
147. 荒野の一つ星
本作に登場する賭博師の台詞を一部借りれば、法と社会に追われながらも正義のために戦う男の話。原題「Wanted」の通り、正しいことをしているのに町の裏ボスグループに目を付けられ町を追われ遂にはお尋ね者にまでなってしまうライアン。逆境ながらも証拠を掴み自らの無実と悪党の罪を証明できるか!?・・・というストーリーで、早い話が、ありがち系西部劇です(笑)ただ烙印のくだりは「あ、なるほど」と思ってしまった。現代じゃ通じなさそうですが。 本作は基本的にジュリアーノ・ジェンマ(ライアン)の一人舞台。仲間もヒロインでさえも置き去り感があります。比較的アクションに力が入れられているようで1人vs多数の構図が多いため、ジュリアーノ・ジェンマのカッコ良さを楽しみたい方にはお勧めです。 [DVD(字幕)] 6点(2014-05-28 00:18:28) |
148. 抜き射ち二挺拳銃
保安官側とギャング側が対立し、最初から最後まで銃撃戦を繰り広げるという超シンプルストーリーです。保安官側とギャング側両サイドを描き、保安官側はじわりじわりと手がかりを手に入れ犯人に迫り、ギャング側はあの手この手を使って保安官側を排除しようとするという点もお馴染みで、特段の真新しさはありません。序盤から中盤にかけて数か所、お!となる点はあるにせよ、え、ほんとに!?となるまでには至らず。ベタを素で行く作品かと思います。 [DVD(字幕)] 5点(2014-05-28 00:16:57) |
149. 正午から3時まで
《ネタバレ》 くだらなく下品で、良曲あり切なさあり、そして怖さと後味の悪さあり・・・なんとも変な西部劇でした。コメディと言われてもわかるし、パッケージに言うところの「幻の大傑作」といわれてもわかる、そんな作品。 時を経て神格化されたグラハム・ドーシーはもはや誰からも自分がグラハムであると認識されない。町の人はおろか自分を最も愛してくれたアマンダさえもグラハムがグラハムであることを認識しない。ようやく彼(下ネタ)が彼の彼であるとわかっても幻に取り憑かれたアマンダには声は届かない・・・その流れはコメディでもあり、恐怖でもあります。ラストの精神病棟?でグラハムさんだねと言われた時のグラハムの嬉しそうな顔といったら・・・。自分が存在しない恐ろしさ・・・切なく美しいエンドクレジットがより際立ちます。 作中再三流れるテーマ曲"Hello and Goodbye"がかなり好きです。 [DVD(字幕)] 6点(2014-05-28 00:14:28)(良:1票) |
150. 風の無法者
《ネタバレ》 マカロニ・ウエスタンです。泥棒を働く小悪党のカドリップ(リー・ヴァン・クリーフ)が成り行きで保安官に任じられ、それと併行して生き方を改めていく、というお話なんですが、シーンやテーマが特筆して凄い!というわけでもなく、B級臭が漂いまくってます。それになんといっても細かいところが雑すぎるんですよね~。2回目の駅馬車泥棒のとことか、さすがに応戦やめてゴソゴソと鞄を入れ替えるのは無理あるだろ!とか保安官が後ろを見張ってんのに横に鞄を投げ捨てたらバレるだろ!とかツッコミどころ満載です。ハーモニカも音と動き合ってないし・・・w作風も含め、気楽に観るのが良い作品かと思います。 [DVD(字幕)] 4点(2014-05-28 00:11:35) |
151. シルバラード
《ネタバレ》 人物相関が見事、この一言に尽きます。ある男がたまたま出会った男の元仲間の悪徳保安官がつるむ牧場主の一味がある男の暗殺を企て・・・と、辿っていったらキリがないくらい複数ありまくる人物同士の絡み。海堂尊並の絡みっぷりです。それが主役4人と悪の親玉1人以外のサブキャラにもきっちり行き届いていてどのシーンをとっても面白く飽きさせない、そんな作品かと思います。シンプルな勧善懲悪を軸に据えた王道でありながらここまで楽しませてくれる練られた構成、見事だと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2014-05-27 00:33:07)(良:1票) |
152. オレゴン魂
《ネタバレ》 「勇気ある追跡」よりもこちらの方が好みですね~。キャラクターにしても展開にしても映像にしても全て上回っている印象です。 ルースターは太っちょジョン・ウェインにはハマり役な気がしますね。若かりし頃のイケメン版ジョン・ウェインがこの役を演じたら全く別物になってた気がする。冒頭から腹の出具合をイジる感じは素晴らしい。みんな思うよね、うんうん。的な。ガトリングをぶっ放すシスターも良い味だしてました。某天使系映画の俗世に詳しい院長の姿が思い出されます。あと聖書の引用はよくありますがここまで面白いと思って聞けたのは初めて。邪道なのかはさて置き、上手いこというもんだなあ、と。 展開も追う側と追われる側が良いタイミングで切り替わり飽きませんし、何より各シーンの風景がほんと素晴らしいですね。そのまま絵葉書とか壁紙とかに使えそう。野原と河と森と山と青空がひとつの画面の中に・・・。彼らの仲間に加わりたくなりました。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-26 22:01:49) |
153. 荒野のガンマン
《ネタバレ》 真夜中に観たのがいけなかったか、退屈な感が否めず。言葉少なめな渋い男と拒絶しまくる女・・・こうなるのもむしろ必然?それにしても息子を殺したあんたが言うな!って箇所がチラホラ(笑)てっきり影から見守ってピンチに颯爽と現れ女の気持ちが180度変わって最終的にくっつく、という展開かと思ったらああもゴリゴリいくとは・・・感覚の違いというか、なんか腑に落ちませんね。 [DVD(字幕)] 4点(2014-05-26 04:54:39) |
154. ウィル・ペニー
良い作品っすなあ。全編通してのしっとりした雰囲気が良い。中でもウィル・ペニーの渋みと哀愁と可愛らしさがミックスされたキャラクターがとても好み。一々の表情も良いし、歌を歌ってみるところなんかニヤっとしちゃいますね。ただ、それだけにアクションシーンはゼロでも良かった気がする。抑揚はアクション以外で見せてドラマ一辺倒でいくとか。悪党どもとの絡みになると急に雑な感じがしちゃうのは気のせいではない気がする。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-23 00:00:02) |
155. 無法者の群
原題のとおり、ダッジ・シティが舞台の西部劇。南北戦争が終わり鉄道が敷かれ、ダッジ・シティが誕生。しかしテキサスから莫大な富が流れ込んだことにより建設当時の期待とは裏腹に町は無法地帯と化す。町はサレットの一味が牛耳り、保安官も追放され、まさにやりたい放題。そんな中、当初町の建設に携わった正義感の強いウェイドが再び町に訪れ・・・というストーリー。 荒野のシーンもごく一部ありますが、基本的にはダッジ・シティでのやりとり。かなりの人が画面に入り乱れ絶えず誰かが喋っているためドタバタな感じを受けます。主人公ウェイドは真面目で真っ直ぐ、町のボスサレットは悪党と、すごくシンプル。癖があるのはむしろヒロインのアビーの方でしょうか。全体的に可も無く不可も無く、といった印象です。 [ビデオ(字幕)] 5点(2014-05-17 03:18:47) |
156. ダーティ・セブン
南北戦争を舞台としたマカロニ・ウエスタンです。かつてホルマン砦を奪われた北軍のペンブローク(ジェームズ・コバーン)が七人の死刑囚とともに砦の奪還を目指すというストーリー。如何せん七人もメンバーがいるだけに各キャラの個性を描き切れていないのが残念ですが、そのかわり準主人公のエライが良い味だしてます。クールすぎず悪党すぎず、人間味溢れる太っちょのおっちゃん。ベタですが、やっぱりこういうキャラには惹かれますね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-17 03:16:09) |
157. 平原の待伏せ
《ネタバレ》 アラモ砦の戦いに始まり、町からの脱出、ゲリラ部隊、幌馬車隊、滝での戦いなど、見どころたっぷりで楽しめました。メキシコ人の子が良い味出してるというか、役どころが上手いですね。今現在戦っている相手がメキシコ人だからこそ子供といえど容易にはその言葉を信じられない。なるほど確かにな~と思わせられます。また、強引に恋愛描写を挟んでこないあたりも私にとっては好印象でした。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-17 03:14:08) |
158. ロング・ライダーズ
《ネタバレ》 「ジェシー・ジェームズ」という名前を冠していなければ、至って控え目で普通な人なリーダー。周りの連中の方が目立っている。もちろんそれは意図してやってるわけで、本作のジェシー・ジェームズはあくまで「軍人」というキャラ付けなんだろうと思います。南北戦争が終わり、仕事が強盗にチェンジしただけ。仕事以外の部分では家族を重んじ愛する人もいる。しかしいざ仕事となればリーダーとして時に非情とも映る判断を下す。そんな最後の南軍として描かれる彼らも、徐々に人数を減らし最終的には0人に・・・冒頭から入り込む騎乗した仲間達のシルエット。最初は7人、後に5人、最後は・・・。独特の雰囲気とともに、哀愁漂う作品です。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-05-15 03:55:25) |
159. 騎兵隊
《ネタバレ》 さすがはジョン・フォード、ということなのか、各登場人物の細か~い心理描写がほんと素晴らしいですね。それぞれの立場・置かれてきた環境・そして信念によってこういう発言をする、こういう行動をする、という描き方がものすごく見事だと思います。「もし自分がその立場になったらそう考えるかも」 これが面白いと思わせられた最大の理由です。大佐ジョン・ウェインの過去のエピソードしかり、理屈的に正しいかどうかは別として、各キャラそれぞれの主張が納得できるものになっている。そして保安官を盾に自分らが助かろうとした南軍の裏切り者のような「いやこれはいかんだろ」という者にはキッチリと制裁を加える。その辺の線引きは主観的なものなので難しいですが、映画的な面から見て良いスパイスになっているし、主人公側と悪党側の対比にも使えて一石二鳥になっていると思います。小さな要素を二重三重に活かすのがほんと上手いですよね。 本作は最初から最後まで完全に南北戦争が舞台ですが、部隊を率いる大佐としてどうかとか戦略的にどうかとかの外面ではなく各キャラの内面を見るべき映画という印象。それ故に、逆に、もし入り込めなかったらちょっときつかったかも、とも思いました。 [DVD(字幕)] 8点(2014-05-03 04:10:07) |
160. 西部の男
《ネタバレ》 判事としてやってることは酷過ぎるのにリリーには首ったけ、そんなロイ・ビーンのキャラが良すぎますね~。いやほんとやってることは酷過ぎる(2回目)のに嫌いになれないのはなぜだろう。最後とかもなんとかリリーに会わせてあげて!と応援したくなるレベル。ポスターを撃ったから死刑にしたとかリリーの髪をゲットするために牛を引かせるとかほんっとやってることは酷過ぎる(3回目)のに・・・。リリー一筋なのがこのじいちゃんだからってのはあるのかな。イケメンガンマンが一人の女のために・・・ってのだったらここまで応援したくはなってないような気がしますね笑 [DVD(字幕)] 8点(2014-04-29 23:24:18) |