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プロフィール
コメント数 2640
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 44歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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1621.  修羅雪姫(1973)
修羅、まさに修羅。雪夜に映える美しき梶芽衣子演じる壮絶なヒロインの存在そのものが、「修羅」その一言に尽きる。この生き様を前にすれば、「キル・ビル」のザ・ブライドのそれすらも可愛く見え、タランティーノが圧倒的な感銘を受けたというのが文字通り痛いほど分かる。物語、運命、宿命、殺陣、台詞、そして血飛沫、すべてにおいて「躊躇」という言葉の存在すら忘れてしまいそうな超絶な映画世界に包み込まれる。
8点(2004-05-07 01:19:19)
1622.  座頭市物語
満を持して観る事ができた「座頭市」の記念すべき第一作目は、まさに稀代の時代劇ヒーローの真髄に触れる精神に溢れていると思う。心を通じ合った浪人とのラストの死闘は、過酷な運命を背負い歩く座頭市の宿命そのものであろう。後のシリーズ作品等と比べるとややアクションシーンが少ない印象はあるが、三隅研次によるモノクロームの映像美に映える殺陣はやはり圧倒的だ。
8点(2004-05-05 19:23:00)
1623.  ゴジラの逆襲
ゴジラ登場に関するシナリオの軽薄さはこの前作と比べると格差が甚だしいが、前作は日本映画史に残る大傑作だけに仕方の無いことだろう。しかし、アンギラスの登場によりゴジラ対怪獣という形式の礎を築いたことは、この後のシリーズ化を考えると評価に値すると思う。その結果今作も含めて傑作とは呼べないゴジラ映画も多く誕生するわけだが、ゴジラという世界的キャラクターの構築ということを思えば、数ある駄作もそのキャラクターの一片という意味で非常に重要である。今作においては、あくまでゴジラに対抗する人間のドラマに留めているあたりが、ドラマ性に富み見応えがある。
6点(2004-05-02 15:13:38)
1624.  宮本武蔵(1961)
吉川英治の原作はまだ読んだことがないのだが、井上雄彦「バガボンド」のファンの者としては、まさにその映像化である映画世界として興味深かった。今作は、武蔵(たけぞう)が宮本武蔵へと目覚めるまでのくだりを描いており、武蔵の狂おしいまでの猛々しさが鮮烈に映し出される。個人的には、精神面のディティールで「バガボンド」の方が優れているという感は否めなかったが、中村錦之助演じる武蔵像はワイルドさと弱さを併せ持ち良かった。
7点(2004-05-01 13:06:18)
1625.  黒蜥蜴(1968)
ああ、なんて凄いんだろう。これでもかと押し迫ってくる世界観に衝撃を通り越して呆然としてしまいそうになる。戯曲のストーリーの映画化だけに役者のエネルギーがことさらに迫る。言うまでもなく、美輪明宏の存在感が物凄い。あのセクシーさ、妖艶さ、男優・女優という枠を超越したその物腰に惑わされずにはいられない。ああ、ほんとうに、凄いとしか言いようがない。是非ともDVD化を望む。
10点(2004-05-01 00:51:52)
1626.  少年たちは花火を横から見たかった
岩井俊二監督作「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を出演者が自ら回想するドキュメンタリー。それほどこの企画自体に意味はないように思うけど、まあ本編は秀作なのである程度の感慨深さは蘇える。
3点(2004-04-28 19:28:08)
1627.  CASSHERN 《ネタバレ》 
これほどまでに悲哀と残酷さに満ちたヒーロー映画がかつてあっただろうか。そのあまりに過酷なヒーローの運命に対し、予想を覆された僕は大いに戸惑ってしまった。しかし、残酷な環境を打開すべく、自らの悲しい運命を打開すべくために立ち上がったヒーローの厳しい宿命としてこれほどふさわしい物語はない。常軌を逸するほどのビジュアルセンスで描かれた鮮烈で秀麗な映画世界は現実とはかけ離れているが、描かれる人間たちの悲しさ、テーマとして語られる人間の憎しみの螺旋の本質は限りなくリアルであった。そう、アニメ版「キャシャーン」と同様に作られていたヘルメット(ソーラーメット)をこの映画の主人公はついに被ることはなかった。それはこの映画のヒーロー:CASSHERN、しいては敵キャラも含めたすべての登場人物がただの人間であること、そしてこれが生身の人間たちの闘いであるということの象徴に他ならない。新進の映像作家が撮り上げたこの処女作を「散々たる」と安易に酷評することは実に容易である。事実、改善すべき箇所は大いにあろうが、僕はこの映画世界に溢れる確固たる厳かさにも似た空気感に圧倒されずにはいられなかった。
[映画館(邦画)] 10点(2004-04-28 19:16:30)(良:1票)
1628.  キル・ビル Vol.2
この映画に対してこの言葉はあまりに似つかわしくないが、エンドクレジットが終わると同時に受けた率直な感想としての言葉は「安堵感」であった。そう、それは鬼才クエンティン・タランティーノのタランティーノらしさに対する安堵感だと思う。いささか暴走気味であった前作を引き継ぎ、「キル・ビル」という一本の作品をまとめ上げる続編としてVol.2は非常に完成されていた。何と言っても、タランティーノ節と言える会話の中の緊張感に圧倒される。長い沈黙を経てタランティーノが打ち出したこの映画世界は、様々な映画に対するオマージュでありパクリだと言われる。しかしそこにあったのはそれらすべてを超越した凄まじいまでのオリジナルだったと思う。
[映画館(字幕)] 8点(2004-04-28 18:51:13)(良:2票)
1629.  ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!!悟空とベジータ 《ネタバレ》 
あの世が滅茶苦茶になって死んだ敵キャラが復活するというあらすじに少しひかれたのだが、セリフ有りで復活するのはフリーザのみ、しかもあまりにあっさりと今作では脇役の悟飯に片付けられる…。弱くてもいいからナッパとかリクームが総勢復活することを期待したのだが。作品の総括としては、オリジナルとどうしたって繋がらない陳腐なストーリーに加え、どうにもならない低俗コメディーに何も言うことはない。散々…。
1点(2004-04-22 21:58:07)
1630.  緋牡丹博徒
観終わった直後は単純に、「参った」とか「凄い」という言葉しか出てこない。圧倒的にパワフルな任侠渡世を描いた映画世界に、ただただ没頭させられる。冒頭の仁義から、ラストの襲名挨拶までひたすらに魅力的な藤純子が素晴らしい。今の日本映画にはない作品の良い悪いの以前に存在する映画としてのパワーに溢れている。背景が絵だろうが、主演女優の唄が下手だろうが、すべてがその世界の産物と納得させ、その空気の中で息づく俳優たちの一喜一憂に息を呑む。「映画」という絶大なパワーで観客を包み込む。そういうものがこの時代の日本映画には、ある。
10点(2004-04-22 02:27:15)
1631.  十三人の刺客(1963) 《ネタバレ》 
先ずモノクロームの秀逸な映像美に圧倒される。静と動を極めたその映像世界に古めかしさはまったくなく、新進的な雰囲気すら感じる。往年の名俳優たちの重厚なたたずまいにも目を見張る。他の時代劇に違わず、今作も侍としての崇高な精神を発端に物語りは始まるが、今作の場合、格好良いサムライの姿を期待すると少々面食らう。ラストの泥臭い大殺陣に象徴されるように、この映画は殺し合うということの無情さ、人間の本質的な滑稽さを根本に描いていると思う。タイトルのわりには脇の人物の描き方がもう一つで期待していた群像劇としては弱いが、己の精神と精神の間でせめぎ合う侍たちのドラマは秀逸だ。
[DVD(邦画)] 6点(2004-04-19 12:00:15)
1632.  野良犬(1949)
この映画が50年以上も前に作られた映画だということに唖然とする。時代背景は当然古めかしいが、語られるテーマはまさに普遍。メッセージ性の強い主題を描きつけながら、少しも説教臭くない刑事ドラマへと昇華させているあたりに、もはや「巨匠」という言葉では片付けられない黒澤明の偉大さを感じる。それと同時に、さすがに瑞々しい三船敏郎の眼差しに惚れ惚れする。
8点(2004-04-18 16:17:18)(良:1票)
1633.  ナイン・ソウルズ
冒頭の不潔感漂う刑務所シーンから、ラストの爽快感まで映画としてのバランスは多岐に富んでいて良かった。9人の囚人たちのそれぞれの人間模様を描いていくという構図は面白かったけど、この尺内で描ききるには少々キャラクターの人数が多かったかもしれない。でもそれぞれが乱雑に交し合うセリフの数々には印象深いものが多く、特に板尾創路の演技かギャグなのか分からないような絶妙な一言一言がイイ感じだった。
6点(2004-04-18 13:00:01)
1634.  新幹線大爆破(1975)
30年も前にこれほどまでスリリングで迫力のあるパニック大作が日本で作られていたことに驚かざるを得ない。昨今の日本の大作映画といえばことごとく陳腐なものばかり。なぜ30年前に作れて今作れないのだ。今作に限らず、大作映画についていえば、現在よりも数十年前に作られた作品の方がよっぽどパワフルな場合が多い。まさに大手映画会社の大盛期ということだろう。復活はあるのか?どうにも怪しい…。 加えてこの時代の娯楽映画のセンスには頭が下がる。例えば、ラストの射殺シーン、展開は読めつつも緊迫感を高めるあの演出は、最近の日本映画ではなかなか見ることができない。
8点(2004-04-17 14:36:55)
1635.  名探偵コナン 迷宮の十字路
映画版コナンは異様にアクション性が高くなってしまうので、もともとストーリーには期待していないのだが、今作はさらにアニメーションの陳腐さが際立ち、限りなく程度の低い映画になってしまっていると思う。何度もなぞったようなありきたりなストーリー展開にも落胆する。まあそれほどクオリティを求めても仕方ないのかもしれないけど、相当な数の子供たちを観客動員として集めている以上、ある程度の質は必要だと思う。
2点(2004-04-17 00:53:29)
1636.  きょうのできごと a day on the planet
「日常におけるドラマ」という題材自体は、多くの物語制作者が考えることである。しかしながら、その題材を1本の完成された映画に仕上げることはなかなか容易ではない。今作を観終わって先ず感じたのは、その辺を難なく越えてくる監督行定勲の優れたプロフェッショナルぶりであった。単純に面白く、それ故に深遠。それこそまさに、「日常」の果てしなさだ。何気なく過ぎ去る時間の中で、それこそ無数のできごとがある。極めてシンプルで普遍的なこのテーマをさらりと描き出すこの映画監督の力量は本物だ。
[映画館(邦画)] 7点(2004-04-11 01:04:31)
1637.  花とアリス〈劇場版〉
6年ぶりに観たこの映画は、もはや「感動」なんて通り越す。そのあまりに眩しい映画という「結晶」に対して、悶え、嫉妬じみた感情すら覚える。  6年前、自分自身の結婚を控えた頃にこの映画を観ていた。 劇場鑑賞時から大好きな映画なので、それ以前もその後も事あることに“花とアリス”のことは思い出す。 そして、今日、自分の愛娘が幼稚園に入園した日に、またこの映画を観た。 なんだか、嬉しさも、憂いも、いろいろなことが入り混じって、たまらなかった。  最初から最後まですべてが名シーンなのだが、“親”というものになって数年経ち、愛娘の成長をまさに目の当たりにした日においては、蒼井優と平泉成との父娘のシーンが、無性に愛おしかった。 この映画は、恋と友情の間を奔走する少女たちの物語であり、少女たちの自立の物語であり、彼女たちを取り巻く家族の物語でもあるのだと思えた。  蒼井優と鈴木杏、今やこの世代を代表する女優となった二人の“競演”は、彼女たちの確かな実力を踏まえても、「奇跡的」だ。 こういう類いの「奇跡」を幾度も見せてくれた岩井俊二という映画監督は、やはり自分にとって特別な存在なのだと思える。   この映画の少女たちの人生はまだ始まったばかりで、映画の中で泣き笑うことなんて、ほんとに些細なことだけれど、その一つ一つにひたすらに向き合い、エネルギーを注ぎ、くよくよしたり、晴々したりする姿に、問答無用に感動する。 ユーモラスで眩しいノスタルジーと、そこに不意に垣間見せる厳しく切ない現実。それらすべて含めて彼女たちの日常。   嬉しいことも、辛いことも、楽しいことも、悲しいことも、みんなひっくるめて少女たちは生きていく。  その純粋で、無防備で、ひたすらな姿に、胸が熱くなる。僕はこの映画に対して、この先も何度も、“ウォーアイニー”と呟くだろう。
[映画館(字幕)] 10点(2004-04-09 22:37:49)(良:2票)
1638.  魔界転生(2003) 《ネタバレ》 
今作を観る直前に深作欣二版「魔界転生」を観て大満足を得ていたので、多少の落胆は事前に覚悟していた。その意識もあってか、思ったよりは見れたというのが率直な印象。しかしながらやはり、どの点をおいてもオリジナルの方が勝っていることは否めない。第一にストーリーが希薄すぎる。悔いや恨みをもって転生に応じる武芸者たちの描写を丁寧に描いた深作版に対し、今作は唐突に伝説的武芸者たちを登場させてしまう。これでは何の面白味もない。特に宮本武蔵の描写は酷い。長塚京三演じる宮本武蔵は雰囲気は良かっただけに描写の軽薄さが非常に残念だった。深作版にはない徳川家康の転生はインパクトがあったが、登場シーンだけで終始してしまった。まあいろいろと問題点はあるが、何よりも本作がオリジナルに対して甘いのは、窪塚洋介演じる天草四郎に「エロイムエッサイム~」と唱えさせなかったことだろう。一見、陳腐に見えるそれを徹底的に沢田研二に表現させたことが深作欣二版「魔界転生」の圧倒的なパワーであった。
[ビデオ(字幕)] 3点(2004-04-03 10:43:10)
1639.  殺人の追憶 《ネタバレ》 
メディア、雑誌等で評価の高い今作に対する危惧、それはやはり今作が実際の未解決猟奇殺人事件を描いた映画であるということだった。つまり猟奇殺人を描いたサスペンス映画でありながら、観る前から観客は「犯人は見出せない」ということを覚悟しなければならない。これはこのジャンルの映画としては多大なハンデである。しかし、この映画は評価に違わぬ明らかな傑作としてその全貌を脳裏に焼き付けることに成功したと思う。この映画世界に流れる空気感こそ、犯罪ドラマにおけるリアリティに他ならない。ソン・ガンホ、キム・サンギョン演じる刑事たちの怒り、焦り、絶望…あらゆる感情が生々しく迫ってくる。今尚、まさに息づく犯罪を描いた今作は、事件に翻弄された刑事の複雑に絡まる感情がにじむ表情をスクリーンいっぱいに映し出して終幕する。事実に対し、勇敢で、潔く、説得力に溢れた映画のエネルギーに圧倒される。
9点(2004-03-30 20:22:05)(良:2票)
1640.  座頭市喧嘩太鼓
普遍的な勧善懲悪。このありきたりなストーリーを何十作にわたり体現できる主人公は、座頭市をおいてほかにないだろう。今作の見所は、狭い室内で爆発する瞬間的な殺陣。瞬時に研ぎ澄まされる市の殺気に圧倒される。映画のシリーズとしては一端の区切りとなる今作。ラスト初日を望む市の表情が渋い。
[DVD(邦画)] 8点(2004-03-30 11:56:50)
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