1641. ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!
音楽面では天才だったこの4人も、演技では素人なんだなあ、と微笑ましく見守るのが正しい鑑賞態度なのですが、それでも、この4人がこれだけ同時に動いている映像であるという歴史的な貴重さは、やはり感じてしまうのです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-06-20 22:42:37) |
1642. 愛について、東京
《ネタバレ》 奇妙な三角関係の設定はなかなか優れているのですが、そこから生じる面白みを展開することができず、むしろ最後の方はグダグダになっています。ヤクザの藤岡さんがいきなり主人公と筆談で会話するシュールなシーンとか、もっといじれば効果を発揮しそうな部分はあるのですが。加えて、主人公である留学生の言動や発想がどこまでもゲスなのも、作品の魅力を削いでいます。ただ、黒沢あすかは、まだ駆け出しの頃なのにいい存在感を放っていますね。 [DVD(邦画)] 4点(2016-06-16 01:34:36) |
1643. 寒い国から帰ったスパイ
設定からすれば多大なる緊張感と心理の綾がありそうなものなのですが、演技も演出も平坦なので、主人公が危機にいるように見えません。つまり、筋に沿って構築するところで力が尽きてしまっています。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-06-16 01:27:54)(良:1票) |
1644. スリーデイズ
《ネタバレ》 何と、オリジナルよりこっちの方が面白かった。オリジナルは、一素人が脱獄(正確には被拘禁者の奪取)に挑むという設定の妙が、細部の適当さによって途中からどこかに行ってしまっていたのですが、こちらは、ポール・ハギスならではの生真面目さとマメさがプラスに働いて、あくまでも地道に頭脳を駆使する方向で話がまとまっています。それによってラッセル・クロウのアクも上手く抑えられており、彼が途中でいつものスーパーマンになっちゃったらどうしようと思っていたのですが、最後まで我慢して(?)地味な夫の役柄を演じ切っていました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-06-12 02:13:31)(良:1票) |
1645. SUPER8/スーパーエイト(2011)
《ネタバレ》 何かこう、あれこれ詰め込まれてるんだけど、見事に放射状に方向性がバラバラになってしまいました。しかもその割に雰囲気は妙に暗く、前半は一体どうなるのかと思いました。焦点が絞られてくる後半はまだましになりますが、わーわー騒いでいたらいつの間にか終わったという感じで、解決もなければ着地もありません。それはそうと、エル・ファニングちゃんは可愛くなったね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-06-11 00:28:45) |
1646. オデッサ・ファイル
《ネタバレ》 何気なく通り過ぎる1台の救急車から、次々に起こる展開を経てラストまで持って行く手際はかなりのもの。特に、印刷工場での無音対決のスリルは素晴らしい。ただし、主人公は随所で、詰めの甘さというか、脳天気というか、驚くほどのノーガードぶりをいかんなく発揮しており、「君、よく最後まで生きてたよな?」という気がしないでもない。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-06-07 20:54:52)(笑:1票) |
1647. サン★ロレンツォの夜
《ネタバレ》 随所で駆使される遠景や奥行きショット。とりわけ、聖堂の爆破を、扉から漏れる煙を外から映すだけで表現してしまう手際(その後に外を避難する人の数が妙に少ないのも、中の光景を想像させて、かえって生々しい)。麦畑の戦闘での、全体が見えない、したがって個々の生き死にも一瞬先がまったく見えないという撮り方のリアリティ。ラスト、解放されたグループのリーダーが「3時間だけ物思いにふけった」という絶妙なほど的確な描写。そうそう、トラックで連れ去られたロザーナのその後が何もふれられないのも、さりげない容赦なさを際立たせています。つまり、骨は単純なはずなのに、一つ一つの積み重ねにおいて、少女視点を貫き、しかも描写過多を周到に避けることで、見る側の我々の背後にも迫るほどの厳しさを突きつけてくるのです。表面を流れる血は、見た目は派手でも、拭えばなくなってしまう。どこからともなくじわっと滲んでくる血ほど、その流れを止めることは困難。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-06-06 01:04:35) |
1648. アクシデンタル・スパイ
《ネタバレ》 ストーリーはどうでもよくって、ただひたすら体を張ってサービス精神全開なのが、やはりジャッキー。今回は病室器具アクションにサウナアクションですか。体を張るだけではなくて見せ方を真剣に考えているのが、やはりこの人は違います。ただ、終盤のスピードもどきは余計で、最後はもちろん、カンフーのできる敵ボスとの肉弾戦一騎打ちであるべきでしょ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-06-05 03:39:09) |
1649. トト・ザ・ヒーロー
あまりにも狂いすぎている人というのは、かえって怖くないのです。演出をやりすぎて逆に作品が閉塞しています。アリスお姉ちゃんの可愛さに4点。 [DVD(字幕)] 4点(2016-06-03 21:50:50) |
1650. 白熱(1949)
みんな似たような演技と撮り方で、別に何も怖く感じなかったのですが・・・。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2016-06-02 01:03:55) |
1651. 男子高校生の日常
全員が単にワーワー騒いでいるだけにしか見えませんでした。制作者はいったい何がしたかったのでしょうか。あと、ここに出てくる役者陣は、発声とか滑舌のトレーニングはしなかったのか? [CS・衛星(邦画)] 1点(2016-06-01 20:30:03) |
1652. セッションズ
《ネタバレ》 ポリオも四肢麻痺もそれは前置きでしかなくって、あくまでもメインテーマは、セックスを通じた主人公(と周辺人物)の変化。そこに明確に照準が絞られているのが素晴らしい。あれこれ考えが先走って、原始的な喜びを忘れているかのような導入部の主人公は、裏からの現代社会への風刺のようにも感じる。●ヘレン・ハントという絶妙なキャスティングが、作品をさらに意義あるものにしました。知性と優しさを同時に感じさせ、プロとしてのセックスセラピストの技術と誇りも同時に表現し、さらにヌード(この作品では当然ながら欠かせない必須の要素)も、整いすぎず崩れすぎず、いかにも身の回りにいそうなバランスある肢体。名演に拍手です。●ヘレンが最初に脱ぐときに全身ショットで仕草をきちんと収め、トイレのくだりで突然主人公が興奮する、など、性的思考のプロセスの一つ一つをきちんと押さえているのも、テーマに向き合った制作者の真摯な姿勢を感じる。●モーテルの受付の彼だけ、登場の意味がよく分からなかったかな・・・。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-05-31 03:25:06) |
1653. インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
《ネタバレ》 途中でアップになって、「えっ、この敵ボス、ケイト・ブランシェット?」と気づいたときが、最大の衝撃でした。以後は、CGもカーチェイスも宇宙人もどうでもよくなるくらい、彼女ばかり注視していました。といってもこの作品でのケイトはちっとも魅力的ではないのですが、「こんな役もやるんだ・・・凄いプロ根性だなあ・・・それにしてもスピルバーグも無茶な使い方するなあ・・・」という怖いもの見たさ的観点で。あと、一番のメインのシーンは、もちろん、カレン・アレンとの再会です。この映画はそれがやりたかったがための作品です。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-05-30 02:16:58) |
1654. ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬
《ネタバレ》 とりあえず、最後まで通して楽しめましたし、笑えました。ただ、同じギャグでも、前振りやタメ、そしてギャグの後の受けをしっかりやっているかどうかで、切れは全然違ってくるんですよね。クライマックスのアホダンスシーンなんかはそれが成功していると思いますが、美味しいネタなのにもったいないと思った箇所も多々あります。それと、アクション方面をところどころやたら真剣に撮っていて、これが逆にリズム感を阻害しています。当然の顔でエレベーターであっさり追いつくとか、あの路線で十分なのにね。●あと、表情分析は最後に何かあるのかと思っていたら、何もありませんでした・・・。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-05-26 03:29:56) |
1655. コルドラへの道
《ネタバレ》 ひたすら頑張って目的地へ歩き続けるだけというメインの設定はなかなか魅力的なのですが、せっかくそれなりの数の登場人物を設けていながら、変化や成長というものが感じられないので、面白みがありません。リタ・ヘイワースのヒロインも、あまり機能してない気がする。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-05-26 03:13:46) |
1656. ブレイカウェイ
《ネタバレ》 何よりも秀逸なのは、あからさまに一番のワルのアーニーが、あることをきっかけに急にまともになっていくところ。「そこかよ!」と思わずツッコミを入れてしまう。逆に、最初に更生を提唱したトーキッドが、最後までいろいろ引きずっていたりして、この辺もなかなか味わい深い。全体的に、危機や課題が発生しても、ここぞとばかりに力を込めて盛り上げることなく、逆にとぼけた会話の積み重ねで先に行ったりしているのが、かえってスリリングさとリズム感を醸し出している。 [DVD(字幕)] 7点(2016-05-25 02:17:30) |
1657. SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁<TVM>
設定についても中身についても、何がしたかった作品なのかさっぱり分からないというか、何というか・・・まあ、ベネディクトの変人面はホームズのオタクキャラには合ってますね、という程度の発見はありました。 [DVD(字幕)] 2点(2016-05-20 21:47:18) |
1658. シャーロック・ホームズ/シャドウ ゲーム
モリアーティが「ただの悪党大物」になっている時点で、ダメというか、分かってないというか。どの事件でも余裕綽々のホームズは、モリアーティを相手にしたときだけは必死で真剣で、「彼を滅ぼすことができれば、僕は引退することに何の後悔もない」とまで言っていました。こんなに適当に相手ができるモリアーティなど、モリアーティではないわけです。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2016-05-20 21:43:09) |
1659. 偽りなき者
《ネタバレ》 テーマの重さと普遍性からしても、好みの問題とは別にすべての人が「見ないといけない作品」。過不足のない脚本と演出、マッツ・ミケルセンの安定した確かな演技が、その存在意義を力強く支えている。皮肉を込めた邦題も秀逸。●脚本が最も優れているのは、紛争発生後早期の段階で、少女からあれは嘘だったという告白をさせ、それをあっさりと潰していること。こうなると、もはや最初の誤りを訂正できる人は誰もいなくなり、周囲はいっそうヒートアップし、本人自身ももはや何が本当なのか分からなくなってきて、結局、最初の供述を維持する以外には選択がなくなってしまう(主人公宅訪問のシーンと、主人公の息子との対峙シーンで、それが的確に表されている)。これは供述心理学にも合致した展開であり、作品のリアリティの確保に貢献しています。●さて、この件ではテオがルーカスの長年の友人というバックグラウンドがあったので、幸運にも解決の途がありましたが、相互にさしたる面識もない社会の実際の事件では、はたしてどうなるのでしょうか? [DVD(字幕)] 7点(2016-05-16 00:50:46)(良:2票) |
1660. めぐり逢わせのお弁当
《ネタバレ》 設定からしてルンルンなラブコメを想像するのだが、進行の雰囲気は異様に暗い。それぞれが手紙に書いていることは、やたらとディープな内容だし、そもそもそれぞれが穴に向かって語りかけるがごとく、言いたいことを一方的に言っており、双方向のコミュニケートが成立しているとは言いがたい。これは2人が会ったりすることはありえないな、と思っていたらやはりその通りで、それどころか終末部分はむしろすれ違いの方が際立っている。そうすると、作中で唯一、力強い口調で断定されていた、終盤の配達おじさんの言葉だけが、この作品の真実を意味していたら?と考えると、楽しすぎて仕方ないのです。はたしてサージャンという人物は、実在したのでしょうか? [映画館(字幕)] 6点(2016-05-13 23:01:16) |