1681. デスペラード
《ネタバレ》 カロリーナ(サルマ・ハエック)、ブシェミ、カンパ、キーノといった脇役たちがキラリと光っていてかなり良い味出しています。仲間になった経緯や背景は一切描かれないことが、逆におばかアクション映画としてのノリと勢いを加速させているのかもしれないです。 前作からの乾いた空気感というのは顕在です。ただ、さすがに有名な役者さんたちが多数出演されているために、多少なりともメジャーな雰囲気やハリウッド色が出ちゃっていますね。前作にあったあの作品だけが持っている特別感みたいなものが多少なりとも薄れちゃっている気はします。 ですが、個人的にはこちらのほうが好き。どこが良いのかって聞かれると、なんか好き、としか答えようがないです。ブシェミがあっさりナイフやろうにやられちゃうのも、そのナイフやろうも直後に人違いで殺されちゃうのも、無敵と評される仲間二人が弾切れの末あっさりやられちゃうのも、全部好き。 ストーリー性が希薄なうえ、行動のひとつひとつの説得力に欠けてしまうため、好みの問題でそんなに点数はつけられませんが、これはこれでアリだと思う娯楽映画のひとつの完成形かもしれないです。 [DVD(字幕)] 6点(2014-02-03 00:21:20) |
1682. モータル・コンバット(1995)
《ネタバレ》 もう最高です。「ゲームの映画化」って聞いただけで楽しいです。このゲームやったことないけど・・。 きっと設定は支離滅裂なファンタジーだろうし、アクションもしょぼいんだろーけど、それでも見たくなってしまう魅力が「ゲームの映画化」にはあるんでございます。 手から変な生き物だすやつ。凍らせるやつ。腕が4本あるでかいやつ。いいですねー。 「10回優勝すると人間界を支配される。すでに9回優勝している。」わかりやすいほどチープな設定、たまらんですねー。ゲームの映画化はなんといってもこの安っぽさとばかっぽさ、それでいて変な力の入れ具合のアンバランス加減が絶妙で楽しいんですよ。そういった意味では、この作品は完璧です。パーフェクトです。しかも、ブルーレイで見たからめっちゃ画質きれいなんですよ。無駄にクオリティ高いんです。こんな作品にブルーレイ・・・笑いころげます。 この世界観に浸った瞬間テンション上がりまくりで、船の中の攻防で銃が凍らされた日にゃあ、気分はもう最高潮です。 そんで見始めて40分で、この世界に飽きました。でも結構長くもったほうかな。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2014-01-29 05:46:52)(笑:1票) |
1683. 恋人たちの食卓
《ネタバレ》 父親が料理を作るシーンから映画が始まるんですが、かなりの種類の料理を本格的に作っているので見ていて楽しい。まさにつかみはOKって感じです。 そういえば、何かあるたびに、そして日曜日がくるたびに、料理が出てきます。お弁当や夕飯という形で料理がドラマ全体に行き届いているのです。ただし、映画内での料理の立ち位置はあくまで料理。それ以上でもそれ以下でもないところが良いですね。 そしてその料理をアクセントにして、人間ドラマを紡いでいくわけですが、この人間ドラマってのが、正直少々物足りないです。ひとりひとりのエピソードはそれなりに適度な時間を割き、同時進行でそれぞれの恋愛?をテンポ良く、でも丁寧に描写してくれるんです。なのに、な~んかいまいちピンとこない。ストーリーに入っていけないし、なんの共感もわかないんです。自分の映画の見かた、楽しみ方に問題があるのでしょうか。きっと良作の類ではあるんでしょうけど、「もう1回見たいですか?」と聞かれるともう1回見たいとは思わないもんなー。 そういえば、三女の女友達が「あんたまさか・・・」と振り返るシーンがホラーかと思うくらい怖かったです。 [DVD(字幕)] 5点(2014-01-28 06:57:52) |
1684. がんばっていきまっしょい(1998)
《ネタバレ》 抑え気味な演出、演技、ストーリーに親近感や臨場感を感じることができるので、個人的には好きなタイプの映画です。 ただ本作の場合、「高校生はこういうもんだ」というイメージで捉えすぎているために、自然な高校生を意識しすぎて逆に不自然さを感じてしまうきらいがあります。本来の中高生は、熱くなるときは熱くなるもんです。特に練習シーンでの熱量は不足気味。練習での熱量が確保されているからこそ、本番での悔しさや喜びに共感を覚えるんですよね。 それでもダッコが泣きながらオールを漕いでいる姿や、おとなしいヒメが「ビリじゃないよ」と絶叫する姿や、やる気のないイモッチが何気に血まみれになってもオールを漕ぐ姿に感動しちゃいます。要は、そのすばらしい感動の演出のための説得力が全編にわたってちょっと足りなかったかなと思えるんです。 ただ、コーチが少しずつ選手たちに寄り添いはじめる姿は自然で良かったです。特に悦子がバッティングセンターでもらした本音がコーチの共感を呼ぶシーンなんかは、ありきたりだけど好きです。できることなら、そういったエピソードが他の部員たちにもあれば、説得力も共感の度合いも、そして各シーンでの感動や味わいも、また違ったものになったかもしれません。良い作品には違いないんですけどね。 [DVD(邦画)] 6点(2014-01-27 15:09:20)(良:1票) |
1685. フェア・ゲーム(1995)
《ネタバレ》 そんなに薄っぺらいんだ!そんなにつまらないんだ!そんなにクソ映画なんだ!・・・・逆に気になる!そんなに多くのひとからクソみそに言われちゃう映画ってどんなんだ?ああ、そんなクソ映画のクソっぷりが気になって仕方がない・・・。よーし、そのクソ映画がどんなものが、思い切って見てみよう。これも大事な人生経験だ! あああああああああああ、どうしよー、面白ーい。やってしまった・・・。一番恐れていたことが起こってしまった。クソ映画を面白いと思ってしまった。 テレビのスイッチオン、ドカーン。携帯を豚と共にトラックで輸送、「豚のクソまみれになりやがれ」。ああ、どれもこれも面白い。僕の感性は腐っているのか?僕も薄っぺらい人間なのか?でも薄っぺらい人間にも映画を楽しむ権利はあるわけでして、きっとこの映画はそんな薄っぺらい人達でも楽しめるように作られた良心的な娯楽映画なんじゃないかな、きっと。ただ、後半ちょっと展開に飽きてきちゃったときもあって、リアルに6点くらいかと。面白いです。僕のような一般人にはこれくらいがちょうどいいや。 [DVD(字幕)] 6点(2014-01-27 02:54:30)(良:1票) |
1686. クリムゾン・タイド
《ネタバレ》 潜水艦というだけで敬遠していたのですが、予想以上に面白かったです。これは潜水艦以外の設定であってもドラマとして成り立ちそうですが、やはり潜水艦という密室と、外部との連絡が断たれた状況での究極の選択が、緊迫感をより際立たせているように感じます。 火災の際の訓練については、ラムジー大佐に一票を投じます。それに反論・疑問を呈するハンター副官は、とても甘い。まさに実戦経験の浅いインテリらしい人物で、指揮官としては頼りなさを感じちゃいます。 しかし、外部との連絡が断たれてからは、今度はラムジー大佐の主観的で独断的な判断が目につきます。すると不思議なもんで、ハンター副官の冷静で大局を見る判断能力を支持しちゃうんです。 状況が変われば、その状況に適する人物もまた変わってくるということでしょうか。平時であれば優秀な人物が非常時に無能さを露呈することもあるし、またその逆もあるのでしょう。 この作品の面白いところは、ラムジー大佐をはっきりとした黒ではなく、白に近いグレーにしているところでしょう。ですが彼はその立場上、迷いを見せず、毅然とした態度で常に決断をしなければなりません。でも心の中では逡巡や葛藤があったかもしれないです。本国からの正式な連絡を待ったほうが良いという思いが。その思いを具現化したものがハンター副官であるとすれば、部下達はラムジー大佐の逡巡そのもの。だから艦長の任を解かれたときに素直に監禁に応じたのも、自分自身をクールダウンさせるきっかけにしたかったのかもしれないです。実際部下達が熱くなって大佐の部屋に行ったとき、優雅にクラシックを聞いているんです。おそらくラムジー大佐にとってハンター副官は優秀なブレーキとしての役割を果たしたのではないでしょうか。 映画を観ている最中には、ラムジー大佐が完全に間違っていると思ったときもありましたが、見終わってみると、ハンター副官の能力の高さや将来性を高く評価しているラムジー大佐は、素晴らしい上官であり指揮官だと思いました。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-01-27 02:18:57)(良:2票) |
1687. ふたりのロッテ (1993)
《ネタバレ》 確かにとりたてて派手さも新しさもない映画ですが、とても心温まる作品でした。最初はいじめがエスカレートしていく過酷なストーリーになってしまうのかと一人ハラハラしていましたが、二人がそっくりという事実に気付くまでの壮大なただの前フリで安心しました。 展開は読めますし、双子が入れ替わるなんて設定よく目にしそうですが、それでもやはり面白いものですね。あれだけ注意されていたのに、洗剤いれまくるシーンなんか何気に面白くて笑っちゃいます。そしてお母さんがチャーリーに気付くシーンは感涙もの。たとえ安直でも王道でも、やっぱ良いもんは良いですね。そのお手本のような映画でしょう。 また、「双子」という設定を使っていたずらしちゃう食堂のシーンや、ラストのほうでお父さんにプチドッキリしかけちゃうシーンなんかは愛のあるいたずらでかなり良かったです。 まあ、それでも「刺激」という部分ではやはり物足りなさを感じたのも確かなので、過剰な期待をせずにゆったりした気持ちのときにのんびり見るのに向いている映画かもしれませんね。 [DVD(字幕)] 6点(2014-01-23 14:41:58) |
1688. ザ・ペーパー
《ネタバレ》 初めて心の底から面白いと思える群像劇に出会いました。これだけ登場人物がいるのに、ほぼ全員の顔と名前と性格が記憶に残ったのも初めてです。 まずメインのストーリーがあって、そこに小さなサイドストーリーがいくつも絡み合う感じが面白いです。また、それぞれの人物のストーリーの同時進行ぶりがすさまじく、それでいて見ていて全く混乱しないわかりやすさが◎。この映画を見ていると、今自分の人生だけでなく、生きている人すべての人生が、それぞれのスピードで平行して動いているのだと、究極の第三者の視点になれるんです。そしてそれを象徴するかのように、これだけの出演者がいながら、誰一人として無駄な存在がないのです。 また、個人的に「学校」や「職場」のドラマってのがかなり好きなもんで、この雰囲気はたまらんかったです。敏腕の記者が、コラムニストが、編集が、カメラマンが、それぞれみんな違う仕事を行い、そして一枚の新聞を作り上げる。いやあ、見ているだけで凄いパワーがもらえます。今自分がしている仕事も相当忙しいと思っていましたが、新聞社には負けますね。これが毎日かー。すげーな。 [DVD(字幕)] 7点(2014-01-23 03:09:55)(良:1票) |
1689. 呪怨<OV>(2000)
《ネタバレ》 まったくの予備知識なしで観賞しました。オムニバス形式になっていたので、関係のない話かと思いきや、実は全部関連しているのですね。「村上柑菜」の章で気付きました。(遅い?) 更には時系列がばらばらになっているうえに、他のシリーズを見ていないとわからない部分まであって、単純なホラーだと思っていたのにあまりに???な部分が多い作品です。おかげで随分と頭使っちゃいました。そのため、多少気持ちが集中しきれないところがあったかもです。 ただそれでも面白い作品でした。怖いというよりかは、不気味と言ったほうが良いかもしれないです。特に、かばんに入れた○○をふりまわすシーンと、階段を上る女子高生のシーンは、今まで見たホラー映画の中でも、不快感、おぞましさ、トップクラスでした。階段を上るシーンは、「由紀」の章とのコントラストがかなり効いていると思われます。「由紀」の章で見られる村上柑菜の日常、それが階段のシーンでは見事に非日常へと反転し、そのギャップに恐怖心が煽られちゃうんでしょうか。更にはお母さんの存在がスパイスとして見事な役割を果たしています。 ちなみに「村上柑菜」の章で何があったのかは、「片隅」という別のエピソード(※このDVDには収録されていませんが)で確認しました。なるほど、そーいうことだったのか。でも結局あごをどこで落としちゃったのかはわかりませんでしたねー。 続編も見てみようかと思っているんですが、平均点低いなー。つまんないのかなー。 [DVD(邦画)] 6点(2014-01-23 02:41:29) |
1690. 代理人
《ネタバレ》 久しぶりに胸を打たれる映画でした。 麻薬中毒者で、自分の子供をゴミ捨て場に放置してクスリを打ちに行く母親カイラ(ハル・ベリー)。一方、その子供の治療にあたり、それからその子供をわが子として育てる母親マーガレット(ジェシカ・ラング)。 これだけ見れば、当然マーガレットと、その一家を応援したくなるのですが、この作品の見所は何と言っても母親カイラの立ち直り。警察に捕まったことがきっかけで、必死に人生を頑張ってやり直そうとするカイラに自然と心が寄り添ってしまうのです。ただ、マーガレットのルウィン一家も、白人の一家でありながら黒人の捨て子に無償の愛を注ぎ、本当に幸せそうな家庭を築いていくのです。 そしてついに、カイラのカウンセラーによって、死んだと思っていたわが子が生きていたことをカイラは知ってしまいます。ここから物語は加速していきます。親権を取り戻そうとするカイラ。最愛の息子を失いたくないマーガレットとルウィン一家。両者は裁判で親権をめぐり争うことになっちゃうんです。 普通は、裁判ものっていうのは、どちらかを応援したくなるものですが、この映画に関してはどちらかに肩入れすることはないかもしれません。なぜなら、二人から、偽りのない息子への愛情を感じてしまうからです。 そして感動のラスト。最後に二人が抱き合ったシーンは久しぶりに目頭が熱くなりました。何より、黒人の子供(イザヤ)の演技が凄すぎます。とても良い映画に出会いました。 [DVD(字幕)] 9点(2014-01-21 00:53:15) |
1691. 星に想いを
《ネタバレ》 う~ん、どうも主人公が頑張っているように見えないドラマは感情移入できないようです。ティム・ロビンス演じるアンディは、結局のところ彼自身は何もしていないように見えちゃうんですよね。アインシュタインに気に入られ、そっから先はアインシュタインとその愉快な仲間たちが引いたレールの上にただ乗っているだけで、自分からはこれといったアクション起こさないんですよね。だから、全然応援する気持ちになれないし、正直ちょっと退屈でした。 それに、たとえおじいさん達の考えとはいえ、自分が書いた論文でもないものを、自分のものにしちゃうってのはあんま好きじゃないです。ラブコメで「相手に気に入られるために主人公が背伸びする」ってのはよくあるパターンだし、それ自体は好きなんです。要は背伸びの仕方です。人のふんどしで相撲をとるようなまねは嫌いなんです。だいたいそんなことして相手に気に入られてもそれは本当の自分じゃないじゃない。せっかくのラブコメなんだから、正直者のストーリーのほうが個人的には楽しめるんですけどねー。 少々期待しすぎちゃいまいしたね。 [DVD(字幕)] 5点(2014-01-19 01:29:12) |
1692. 未来は今
《ネタバレ》 サクセスストーリーものは大好きなんですけどねー。 フラフープが売れてからのノーヴィル・バーンズ(ティム・ロビンス)のダメ人間っぷりに辟易してしまいます。もちろん、多少傲慢になるところがあるのは人間臭くて良いのですが、映画であればそこから立ち直る姿も見せて欲しいものです。 仕事はしなくなるし、浮気はするし、エレベーターボーイを馬鹿にする上クビにするし、たとえコメディでも観ててイヤな気分になるんですよ。その上、ちょっと旗色が悪くなるといじいじして、最後は飛び降りかい。 ですが結局はハッピーエンドになるんですよね。ただそれも、時間を止める神様らしき黒人の人と、天使になった元社長のブルーレターによって助けられて復活って、全部人の力じゃん。何かしっくりこないです。 ついでに言うと、あの性格のエイミーアーチャー(ジェニファー・ジェイソン・リー)と黒人の神様みたいな人が、なぜノーヴィル・バーンズにそこまで肩入れするのかも意味不明。そんなに魅力のある人には見えんのですが。 なんか辛口のコメントばかりになりましたが、映画そのものは、なんか飽きずに楽しめました。不思議なもんで、最後にフリスピーを笑顔で投げるシーンを見て、「まあ、良いか。」と思っちゃいました。終わり良ければ全て良しってことですかね。 [DVD(字幕)] 6点(2014-01-16 15:22:41) |
1693. ショーシャンクの空に
《ネタバレ》 最初からスーパーマンであるアンディの快進撃に、刑務所ものでありながら爽快感を味わえるエンターテイメント性の高い作品です。 モーガン・フリーマン演じるレッドの評判が良いようですが、私はレッドの視点を通して描かれるアンディの人柄に魅力を感じます。言ってしまえばこれはきっと贖罪の物語なんでしょう。アンディがレッドに「妻を死なせたのは自分だ」と告白するシーンがあります。ノートン所長とハドリー主任にトミーを殺された直後です。レッドに告白したのは、公明正大なレッドに自分の罪を許して欲しかったからでしょう。そしてレッドの言葉が、きっとアンディに脱獄という選択肢、そして新しい人生を生きる後押しをさせたんじゃないでしょうか。 もしノートン所長がアンディにとって公平で中立な立場の人物であったなら、レッドの役割はノートンになっていたのかもしれません。再審請求をし、司法の力で自分の無実を証明すれば、妻殺しの犯人の再捜査が始まります。アンディにとってはそれが、妻のための罪滅ぼしになると考えていたのではないでしょうか。 ところが、ノートン所長もハドリーも、結局は私利私欲のことしか考えない卑小な人物でした。刑務所内での安全を確保し、やりがいのある仕事を与えてくれて、アンディに協力的だった二人ですが、結局はアンディの信頼を簡単に裏切ります。二人にとって、いや刑務所にとってアンディは「便利な囚人」以外の何者でもなく、道具に過ぎなかったのです。 ただアンディは二人を心底信じていたわけではありません。しっかり保険もかけていたのです。それが書類上でのみ存在する架空の人物であり、ノートン所長に作らせた口座であり、脱獄用の穴だったのです。それらを使うことになったのは結果論にすぎません。もしノートン所長達がアンディのために立ちあがるのであれば、私にとってこれはヒューマンドラマとして最高の作品になったかもしれません。 ですがストーリーは、かけていた保険を使うように展開していきます。散りばめられた伏線を一瞬で回収するラストは最高に面白いのです。やはりこの作品は、『娯楽作品』として一級品なのでしょう。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-01-13 13:47:55) |
1694. 激流(1994)
《ネタバレ》 目的地に行くにはこの川を下るしかないのです。しかし、「ガントレット」と呼ばれる危険度MAXの難所が行く手に待ち構えるんです。 母は言います。「あなたたちがガントレットで死のうが、それは自業自得よ。でも私には家族がいるの。ここにはいない娘も待っているの。幼い娘を一人残して死ねないのよ。」涙ながらに訴える母。冷たくつっぱねる強盗犯。 もう決死を覚悟でガントレットを越えるしかない・・・!それしか目的地にたどりつく方法はないのだから・・・。 これはもう「激流」というシチュエーションでつくられる大自然の密室サスペンス!すばらしい!なんて面白いんでしょう! な、の、に・・・・・・あー!だからだめだって、お父さん!陸路で先回りしちゃ!『川下りでガントレットを越えるしか方法が無い』というのが、この映画の醍醐味なんだから! でも観ているときはそんなお父さんの反則技を忘れちゃうくらい面白かったので7点で。脚本の段階で誰も気付かなかったんですかねー。みんな川下りに夢中で細かいことは忘れちゃったか。 [DVD(字幕)] 7点(2014-01-12 22:08:13)(良:1票) |
1695. 不機嫌な赤いバラ
《ネタバレ》 前半30分がイライラしっぱなしです。大統領からのクレームの電話以外に、これといって面白いエピソードもなくてつまらないのです。ただそっから先が面白いんです。 テスという人物の本質を端的に表すエピソードが二つ。一つめが息子の願いを断るシーン。もう一つがダグが泣いている一瞬を巻き戻して見ているシーン。表面上はただのわがままお婆さんに見せかけて、実は、物事と人間の本質を見抜いていらっしゃるのです。そして、テスがダグになぜこだわったのかもよくわかるんですよね。 そして後半になると、前半の無意味にも思えたわがままエピソードのひとつが、意味を持ち始めるくだりもあります。「いい話があるの。」→①「私には脳腫瘍がある。」②「スカッドミサイルを買ったわ。」③「オペラに行くわ。」→「どれが本当だと思う?」すでにダグと3年過ごしていて、でもダグから嫌われているテスは、もしかすると自分の病気の悩みを打ち明けようとしたのかもしれないです。でもつい、①でやめずに、②、③の選択肢をつくっちゃった挙句に、問題形式にしてしまうんです。素直になれない彼女の気持ちがよく表れています。ダグは当然③だと思っちゃうわけです。だからきっとオペラに行く気なんかなかったのに、オペラに行く予定を入れてしまったんじゃないでしょうか。結果、オペラで寝てしまうテス。あきれるダグ。ダグも私たちも、いつものわがままだと思ってしまうんです。なにしろ、それまでのわがままエピソードで、テスはそういう人物だと刷り込まれているから。これが本当だったら、よく出来ている脚本ですねー。ただよく出来すぎていて、なかなか気付かないですよね。 まあ何にせよ、心温まるドラマであり、ちょっと笑えるコメディである上に、刺激的な事件まで用意してくれているサービスいっぱいの映画でした。 でもつま先撃っちゃうのはちょっとやりすぎ。本当に撃ったからびっくりした。この作品のテイストにはあってないな~。 [DVD(字幕)] 7点(2014-01-06 02:48:08)(良:1票) |
1696. 降霊<TVM>(1999)
《ネタバレ》 霊媒の依頼を受ける佐藤純子(風吹ジュン)。「本当の霊媒師なのかどうか見極める!」みたいな変なスタンスで観ていたら、大杉漣の隣に、赤い服の女の霊が見えました。「本物の霊媒師だー」と何故かテンションが上がります。しかもこの昼間のファミレスで普通に霊が見えるというシチュエーションが良いじゃないですか。なぜ外に働きに出ようとしなかったのかもよくわかります。たくさんの人に会えば、それだけ幽霊見ちゃう可能性が高くなるからですよね。純子の性格、生活環境をいっぱつで表現する、なんて説得力のあるエピソードでしょう。これは期待感が高まってしまいます。 ところが、行方不明の少女を発見してからの夫婦二人の行動が、説得力無さすぎなんです。「ちょっとだけ夢を見たい。」わかりますけど。だとしてもあの数々のアホな選択はありえないでしょう。「救急車をお願いします。行方不明の少女を発見しました。」「警察ですか、行方不明の少女を発見しました。」これで解決です。「どうやって発見したんですか?」「私の霊能力で」これでちょっとだけ夢見れるじゃないですか。サスペンスとして、ホラーとしての体裁を保つために、無理矢理ストーリーをそっち方向へもっていかれると、イライラする気持ちが恐怖心を超えちゃいます。 観る人を怖がらせ、驚かせておけばなんでもOKみたいな、最初から娯楽ホラーとわりきっているエンターテイメント性の高いホラーなら良いんです。でもなまじ映画から真剣さが伝わってくるからこそ、ちょっとこの馬鹿夫婦には共感できないです。 なぜ少女が死んじゃったのかも、材料が多いためいくつか推測はできますが、結局結論は出してくれないんですね。後味の悪い余韻は確かに残りますが、それ以上に消化不良ですっきりしないです。 [DVD(邦画)] 6点(2014-01-06 02:06:01)(良:1票) |
1697. クロウ/飛翔伝説
《ネタバレ》 いかにもゴシック調の雰囲気のダーク・ヒーローものなんですが、勧善懲悪でわかりやすく作られているのが良いですね。もちろん、他のダーク・ヒーローものと同じく復讐劇ですので、爽快感マックスのストーリーではありません。それでも、僕は不死身のヒーローが悪いやつをびびらせ、驚かせ、ばったばったとなぎ倒していく姿にしびれてしまいます。昔から「不死身のヒーロー」大好きなんですよ。 また、警官や少女の目を通して、私たちもエリックの善良さに触れられるのが良いですね。これは感情移入しやすいし、なにより復讐を肯定する最大の要因となっている気がします。残酷な復讐シーンが、観る人のフラストレーションを解放し、警官や少女とのふれあいのシーンが罪悪感を緩和する。エリックは善良な人で被害者で、何をやっても許される、そう思えます。いや、思わされます。そしてラストに、エリックが恋人と再び出会えたことで、観る人に感動さえ与えてしまうんです。そんな良い映画なんです。きっと。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-01-03 04:17:24)(良:1票) |
1698. ディスクロージャー
《ネタバレ》 面白い!逆セクハラというより、もはやパワハラの問題でしょうか。いや、合併企業に対して開示すべき情報を隠蔽するための口封じが真相なので、セクハラやパワハラの問題でもないんですかね。まあ、とにかく面白かったです。 不明な点は確かにあります。社長はすべての真相を知っていながら、トム・サンダース(マイケル・ダグラス)をスケープゴートにしようとしたのか?フィルの目的は?メレディスのパワハラ・セクハラはトムが拒否した結果、トムを陥れる道具となりましたが、トムが拒否しなければそのまま懐柔するつもりだったんでしょうか? まあ、動機付けがはっきりしない部分はありますが、それを差し引いてもラストはきちっとわかりやすいハッピーエンドですっきりしました。忘れかけたころに“Friend”の正体が明らかになるラストも良いですね! ただ、フィルと社長が諸悪の根源のような気もするんですが、二人には社会的な制裁はないんです。組織内での最高権力者にはやはり手が出せるものではないのでしょーか。二人が何らかの形で失脚するところも見たかったなー。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-01-03 03:38:30)(良:1票) |
1699. 双生児
《ネタバレ》 冒頭の蛆虫くん。眉毛の無い人々。映画全体に得体のしれない存在感とわけのわからん迫力があります。ミステリー?ホラー?この謎めいた雰囲気が良いですね。ただ、ミステリーの要素は思ったより浅いものでした。ホラーの雰囲気も、ネタバレしちゃった後は影を潜めちゃいますね。で、中盤からはどちらかというと人情ドラマ&サスペンスにシフトしていき、答え合わせを見ているよーな感じです。この頃になると、眉無しにもすっかり慣れてしまいます。 ちょっと期待感を煽る前半の演出に比べると、真相そのものは、そんなにたいしたことないなーというのが率直な感想です。どちらかというと映像、美術、音楽、そして役者さんの演技力を楽しむよーな映画だと思います。ただ、一般に言われているようなカルトな要素はそれほどには感じませんでしたけどね。わりと誰でも見られるんじゃないでしょーか。普通に楽しめますよ。 ラストだけよく意味がわからないんですよね。解説がほしーなー。 [DVD(邦画)] 6点(2014-01-03 01:18:39) |
1700. 広州殺人事件
《ネタバレ》 コメディとサスペンスとアクションをほどよくミックスさせた娯楽作品ではありますが、やはりメインはコメディでしょうか。ただ、ブラックユーモアの割合が多く、人によっては笑うより眉をひそめてしまうかもしれませんね。なにしろ、前半のうちは、主役の若き判事が、わいろに目が無いなかなかのクソ判事で、弱きを挫き強きに媚びるもんだから、いくらコメディとはいえ応援しづらいんですよ。 さてさて。この作品、香港映画ではよくある「修行」があります。ただし、これがちょっと変わっています。「カンフー」ではなく「口げんか」みたいなもんを修行するんです。これを本格的に修行して、最終的には口げんかで相手をふっとばすみたいなことまでできるようになります。そこまでやるとさすがに面白いです。 修行を終えてから、メインのストーリーが動きだします。仲間と協力して見事に悪党どもに制裁をくわえます。それなりのサクセスストーリーで、それなりにすっきりします。ただ、肝心の修行の成果を見せる裁判(つってもそんな大した裁判じゃないんですけど)で、修行の成果がなんか悪口合戦に終始してしまったのはちょっと残念。もっと諸葛亮孔明みたいに敵を論破するのかと思っていたんですけどね。 それなりに楽しめるんですけど、なんか惜しい感じのする作品でした。 [DVD(吹替)] 6点(2014-01-02 22:27:02) |