1701. 第七の封印
《ネタバレ》 終わってみれば、「俺はまだ死にたくない!」という1人の男の心の叫びを延々具現化した作品、ということになるのでしょうか。その試みは面白いとしても、観念的描写があまりにも多く、ついて行けませんでした。映像は綺麗だったと思いますが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-02-14 23:32:34) |
1702. エレファント
《ネタバレ》 この作品が優れているのは、その瞬間まで、人は自分に危機が迫っていることをまったく知らずに生きている、という現実の無情さを徹底して具現化してみせたこと。そして、ただすれ違っただけの名前も知らない人にも、そのときその場所に至るための必然がある、ということも同時に具現化して、破壊された物事の重さを実感させてみせたこと。 [DVD(字幕)] 7点(2016-02-14 02:43:57) |
1703. ヒッチコック
《ネタバレ》 「サイコ」というだけでも創作者にとっては巨大なハードルであるわけですが、その「サイコ」の制作秘話を映画にするとなると、ヒッチコックはどうやってあの作品を創出したのかというプロセスを解き明かし、その上でそれを独立した表現物として完成させるという、何重ものハードルが上乗せされてしまうわけです。が、やはりその壁はあまりにも高かったようで、あの演出なり創造がどうやって生み出されたのかという部分には、ほとんど踏み込まれていませんね。奥さんとの関係がどうとかエド・ゲインの幻影がどうとかいうところも、何となく逃げの雰囲気を感じてしまいます。結果、ホプキンスとヘレン・ミレンの個人技に助けられた優秀な再現ドラマの枠を超えるものではありませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-02-13 23:56:53) |
1704. 丹下左膳 百万両の壺
《ネタバレ》 オリジナルの方も大して好きなわけではないのだが、こっちのリメイク版は、オリジナルと比較してどうこうという以前のひどい内容。脚本も演技も映像も、突貫工事感がありありなくらい、とにかく安っぽい。特に気になったのは3点。(1)台詞の間が悪すぎ、役者間の呼吸が最初の読み合わせレベル。(2)いろんなシーンで、影の位置や方向が明らかに不自然。人工光の存在が丸わかり。(3)「一番最初に」とか、道場にとっては外部の左膳が「当道場の」とか、日本語がすでに雑なんだけど、脚本は誰かチェックしなかったのか? [CS・衛星(邦画)] 2点(2016-02-12 00:53:02) |
1705. 鉄輪
《ネタバレ》 まあ、何というか、乙羽信子がひたすら90分、浮気夫とその愛人を延々と呪い続けるという作品。過去と現在の二重構造なので、恨みの深さも二重、という趣向と思われる。しかしそれ以外の物語上の要素はほぼゼロであり、フラワー・メグの魅力的な肢体の大盤振る舞いがなかったら、一体どういうことになっていたんだろう。 [DVD(邦画)] 4点(2016-02-09 00:27:55) |
1706. アルバレス・ケリー
《ネタバレ》 あれ?これって牛を運ぶ話じゃなかったっけ?と前半は自分が何を見ているのかを数回確認してしまいました。後半はまあ、それっぽくなってきますが、各登場人物の背景にまで踏み込んでいないので、「最後の大突撃が撮りたかっただけなのでは?」という疑いを禁じ得ません。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2016-02-04 20:46:07) |
1707. ステキな金縛り ONCE IN A BLUE MOON
《ネタバレ》 設定一発だけになりそうなのがあらかじめ見えてしまうくらい魅力的な設定なのですが、何とか出オチになることなく最後まで力を維持していたと思います。しかし、やはりこの内容でこの尺は不要で、あと40分は削れたはず。気になった点・・・(1)裁判長が終始理解ありすぎなので、困難を突破する醍醐味がない。検察官のネタばらしも、もっと後にできたはず。(2)肝心の「幽霊を尋問する」シーンはもっとこだわってほしかった。イエスノーの質問まで持っていっておしまいなんて、この美味しいネタの処理としてあまりにももったいない。50音画面を出して正解の文字のところで音を出すとか、自由に供述させる方法はもっとあるでしょう。ここのディテールがこの作品の命なんだから。(3)陰陽師と小日向はキャラクターとして重複しすぎでは?「陰陽師が出てきて除霊されそうになる」→「そこを突破して仲間になる」→「逆に他の霊も呼んでくれる」とかにすれば、1人ですんだはずですが。(4)最後は皆さん書かれているとおり、「落武者が見えなくなったところで終わり」でしょ。(5)同棲の彼氏の存在がまったく不要。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-02-01 02:46:57)(良:1票) |
1708. 赤い河
ほとんどが、ただ雑談しているだけのようなシーンにしか見えなかったのですが・・・似たようなシーンが妙に多くて、とにかく長く感じました。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2016-01-31 01:02:46) |
1709. 私は二歳
《ネタバレ》 幼児の視点から見た、というのがウリらしいのですけど、途中では視点がぶれまくっているので、あまり設定の意味がないのです。そこは技術上の限界として大目に見るとしても、あの赤ちゃんのナレーションはダメ。完全に大人の感性と視点というフィルターを入れてしまっており、赤ちゃんの心理というものに対する洞察力や想像力が感じられない。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2016-01-29 02:07:04)(良:1票) |
1710. 巨人と玩具
ひたすらみんながワーワー騒いでいるだけ、としか・・・。まるで前衛音楽のような散らかりっぷり。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2016-01-29 02:00:30) |
1711. イン・ザ・スープ
もっと上品で優雅な作品を期待していたのですが・・・制作側が登場人物を好き勝手に動かしているだけの独善的なシーンの連続で、見ていてついて行けませんでした。 [DVD(字幕)] 3点(2016-01-26 00:17:44) |
1712. コップランド
《ネタバレ》 これだけ有名キャストを詰め込んでおいて、これだけ料理し切れてないとは・・・。何のために出てきたのか分からない人がたくさんいます。スタローンも何がどう変わって、そして何を生かして最後の逆転に至るのか分からないし、そもそも敵方にも頭脳も戦略も見当たらず、最初から強そうに見えないので、それを破るカタルシスがありません。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2016-01-24 02:13:40) |
1713. 父/パードレ・パドローネ
風景のインパクトとか、含蓄のありそうな台詞とか、シーンごとのいい感じのタメとか、個別に切り取ると魅力的な箇所はいくつもあるのですが・・・全体を通す芯とか筋がないので、優秀な切り絵をたくさん見ている感じでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-01-24 01:58:11) |
1714. ある愛へと続く旅
《ネタバレ》 導入部のところで、全体に観念的で自己満足的な描写の雰囲気が漂っているなあと思っていたのですが、結局最後までそう変わりませんでした。終盤のひねりはなかなかインパクトがあったので、何とも惜しいところでした。いろいろ展開している割に、時系列的・場所的な拡がりも、あまり感じられなかったんだよなあ・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2016-01-20 01:30:40) |
1715. バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
《ネタバレ》 何と意外に面白かった。バブルって楽しかったんだね~、で終わったら面白くないと思っていたのですが、分かりやすいバブル描写は入り口で片付けておいて、あとは王道タイムトラベルものの流れ。こういうエンターテインメント徹底作品って日本には少ないから、案外貴重かもしれません。伏線回収しまくりのラスト30分もなかなか美味しい。安っぽい撮り方はご愛敬ということで。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2016-01-19 01:43:06) |
1716. 星空の用心棒
《ネタバレ》 背景の説明なしでいきなり脱獄シーンから飛び込んでくる出だしの迫力はなかなかで、そのまま最後まで行ってくれればと思っていたのですが、中盤以降、着実に失速してしまうんだよなあ。主人公も、さしたる作戦も技術もあるように見えないし、敵側も、いろいろ危機が迫っているのに、特に対策をとっている気配がない。なので、最後の銃撃戦にもカタルシスがないのです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-01-18 01:32:47) |
1717. ラブ IN ニューヨーク
設定からしてもっと面白くなるかと期待していたのですが・・・何か全体的にちまちました感じで、突き抜け感もスリップ感もないままに地道に終わってしまいました。 [DVD(字幕)] 4点(2016-01-17 01:41:55) |
1718. エクソシスト
《ネタバレ》 何か、全般的にえらくのんびりしているというか、当事者たち(少女除く)にも危機感なさそうというか、そんな雰囲気を感じてしまったのですが・・・前置きの長さにも、ちょっとびっくりしました。 [DVD(字幕)] 5点(2016-01-16 02:08:40) |
1719. 十九歳の地図
何というか、ひたすら前衛的というか、無秩序というか・・・主人公自体が無軌道に行動してしまうことと、描写そのものが無軌道になってしまうこととは、意味が全然違います。 [DVD(邦画)] 4点(2016-01-12 00:25:46) |
1720. 地の群れ
《ネタバレ》 ここまでの人の心のどろどろした内容を具現化しようとした創造意欲には凄いものがあるし、1つの事件をきっかけに世界が集約していく終盤の迫力もなかなか。示唆深い割に容赦がないラストも印象深い。しかし、それに比べて前半は著しく未整理だし、主人公の過去のエピソードなんかも、あまり効果的に機能していないんだよな。 [DVD(邦画)] 5点(2016-01-11 00:37:26) |