1701. 殺しの分け前/ポイント・ブランク
話の進行も淡々としているし、自分的にはコッポラの「盗聴」に雰囲気が似ているな、と思いました。無人の町かよ、って思うくらい静かな世界だからです。BGMが少ないんですよね。話しの内容は、キチンとしたいおじさんがキチンと報酬を取立て、キチンと復讐するという話でした。「ペイバック」が、自分には好きな映画なので同じ原作者ということで、楽しみに観ましたが、ちょっとがっかりです。現代映画に慣れた世代には盛り上がりが欠けていると感じるのではないでしょうか?この原作者、他に「ホットロック」もありますが、これも地味な出来。結局、鑑賞後、リーマービンの渋さだけが心に残りました。 [DVD(字幕)] 6点(2011-02-17 20:38:03) |
1702. 勝利への脱出
上映当時、映画館で観て、その頃好きだったスタローンがあまり活躍しないので、面白くなかったという感想を持ってました。しかし今回再見してみて、これは面白い映画だぞ、と思うようになりました。何より試合のシーンは神様ペレの見事なボールさばきに笑ってしまいました。素晴らしい。(サッカー好きの人間ならもっと気の効いたコメント書くだろうけど、自分はここまでが精一杯です)収容所モノにしては緊張感が足りないと思いますが、刑務所モノとは違って、戦時中の捕虜収容所モノってみんな自由にのんびりしてるよね。「第十七捕虜収容所」とかも。何より監督がジョンヒューストンってのが驚いた。上映当時、高校生だった自分も、今ではこの巨匠の偉大さは知っとります。某レンタル屋が薦める映画ってのもうなづけるよなぁ。 [DVD(字幕)] 7点(2011-02-12 19:29:34) |
1703. ガス人間第一号
「ヘルボーイ」の主人公の上司がガス人間だったです。ひょっとして、ハリウッドがパクリ?まぁ、クリエイターなら、ガス状の人間って、よく思いつくコンセプトなのかもしれません。自分は小さい頃見た「ウルトラQ」に感動していたので、こういう映画は大歓迎。日本のSF映画は特撮なんかより、コンセプト面で進化して欲しかった。きっと「ウルトラQ」以降、アニメにSF感性を取られてしまったんでしょうね。この映画で思ったことは、たとえガス人間でも、一途に愛すれば、あんな美人でもなびくことがあるんだ、という事。でも女性のほうも半端じゃない。一緒に死のうとする。これだから日本の女性は怖くて美しい。 [ビデオ(邦画)] 6点(2011-02-11 22:39:19)(良:1票) |
1704. シー・オブ・ラブ
《ネタバレ》 これは良作ではないでしょうか?面白かった。犯人が誰か?というサスペンスよりも、常に身構えている警察の人間の不器用なラブストーリーだった。同じアルパチーノの「クルージング」がだぶっていたので、猟奇的な犯人像を予想していたが、終わってみれば旦那の嫉妬という普通の事件だった。ラスト、やっと二人が愛の出発点に立ったという話だ。愛の行方がどうなるかまでは教えてくれない。でも感じのいいラストだった。アルの同僚がみな感じのいい人たちで、汚職の絡まない警察の話は素敵だと思った。特に管轄が違うが、タッグを組んだ太った警官は中々いい感じだ。やはり警察は善良な感じでえがかれた方が観ている方も安心して観られるので良い。 [DVD(字幕)] 7点(2011-02-04 00:30:33) |
1705. ダラスの熱い日
《ネタバレ》 「ジャッカルの日」は史実を知らなくて観たので、最後どうなるのかドキドキして観たが、これは有名な、あまりにも有名な事件なので、緊張感はなかった。同じつくるんなら、暗殺の事実を知った人間が阻止しようと動いていたくらいのドラマも欲しかった。ただ黒幕が着々と暗殺を指示している話(セリフが多い!)だったので、ちょっと退屈だった。黒幕が大物ならば「ゴッドファーザー」くらいの格調ある雰囲気を出さしても映画的には面白かったのでは、とも思う。ドキュメンタリー風の仕上がりは当時は新鮮だったのだろう。評判になったので、自分もこの映画のタイトルは子供ながら覚えていた。でもケネディ暗殺の事実がうやむやにされそうな時にこんな映画をつくってしまえるのも、アメリカの良さなんだろうなぁ。 [DVD(字幕)] 6点(2011-02-04 00:15:04) |
1706. 踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!
《ネタバレ》 これは「仲間」に会いに行く映画。テレビの時からのファンなら、こんなにサービス満点な映画はありません。やはり織田ちゃんはこういう役のほうが向いてるよ。(結婚おめでと~)なんか今テレビでやっている「外交官黒田康作」も見たくなってきたぞ。賞をとった深津ちゃん演じるすみれさんも、「アウトレイジ」で親分やった署長さんも、私生活が大変だった内田さんも、「花のあと」で粋な旦那を演じた甲本さんも、新顔だけど湾岸署にずっと前からいたような伊藤君も、最近邦画での出番の少ない柳葉さんも、みんなみんな元気でよかったです。ストーリーもテレビドラマから見ていたファンには、過剰演出もむしろ微笑ましいくらいです。ラストの歌がどこでながれるかが楽しみだった。いやぁ~楽しい2時間だった。こういう映画もあり!です。 [DVD(邦画)] 7点(2011-02-03 00:09:55) |
1707. パッセンジャー57
《ネタバレ》 1時間ちょっとで悪役をやっつけてしまって、これからどう話が続くんだろうと思っていたら、終わってしまった。短い映画でした。でも面白かった。娯楽作品はこうでなくては。 [DVD(字幕)] 6点(2011-02-01 17:10:52)(良:1票) |
1708. 旅情(1955)
《ネタバレ》 いい映画です。女性だけでなく、出会いを求めて、旅する男性もおるとですよ。バイクに乗って、あっちこっち行ったもんだ。結局、旅先のユースホステルで、映画青年に出会って、真夜中まで映画の話をしたもんです。それで思ったのは、一人旅する女性の多いこと。ヘップバーンも女性の同類に出会えば良かったんだ。そして賑やかに名所めぐりをすれば、地元の軟派男に翻弄されずにすんだものを。ラストの男のカッコ悪さに共鳴。よく分かる。軟派には軟派の流儀がある。それは相手を傷つけないよう、自分はカッコ悪い無様さを見せること。その意味でこのイタリア男は合格と言える。間違ってますか?この考え。 [ビデオ(字幕)] 7点(2011-01-29 21:17:42) |
1709. 花のあと
《ネタバレ》 國村隼がいい!結局、終わってしまえば、娘の旦那選びも間違ってなかったのだ。娘の恋もその後の本当の愛も見守って、本当にいい親父だぁ。やはり藤沢周平はいい!東北らしい骨太な話で、多少、話が面白くなってくるまでが、きつかったですけど、後半の展開に満足です。北川さんも頑張ってました。運動神経いいです。見事な殺陣だったです。そして、何より旦那の笑顔。これでこの役者さんの甲本さんがこれから、どんな出演作が待っているか楽しみです。 [DVD(邦画)] 7点(2011-01-28 16:30:13) |
1710. 冷血(1967)
《ネタバレ》 最初から殺すつもりだったから、覆面もせず、事件を起こしたのでしょう。トラウマを抱えているから、殺人も時として、ためらわずできてしまう、何かそんな事を言いたげな演出でしたが、どうも同情できないです。元々刑務所で聞いたガセネタを頼りに再犯を起こすわけですから、何も刑務所で学んでないですよ。でも考えてみれば、社会に犯罪を起こす危険性のある人がいるのに、あんな広々したところにポツンと家を建てている。アメリカの家って無防備だなと思います。近所の目を気にせずに強盗に押し入れるわけですから。やはり人間はかたまって住まないと危ない気がするのは日本人だからでしょうか?アメリカって自分の生活は自分で守る、って気概の国ですからね。銃をみんな持つわけだ。 [DVD(字幕)] 7点(2011-01-26 23:58:17) |
1711. フレンズ/ポールとミシェル
《ネタバレ》 学校の授業で観せるのにいい映画。まさか、2人きりで子どもを出産するとは思わなかった。続編もあるらしいが、それは「現実」というものを見せつける映画らしい。そういう映画はたくさんあるので、このお伽話のような本作だけで充分だろうと思う。 [ビデオ(字幕)] 6点(2011-01-20 11:35:11) |
1712. 告白(2010)
《ネタバレ》 大人をなめると、こういう目にあうんですよ~。本当の「愛」を知ってる人間は、時には「鬼」にもなるんだ!いや、「鬼」なんて生易しいか。最愛の人を奪われた人間の復讐は、加害者の死だけでは心は収まらない。世間でもまれて、ぼろぼろになっても、まだ許さない。コワ~イ話です。ラストの一言で中島映画のテイストが守られた、という感じです。でも学級崩壊と言われて久しいこの時代、本当にこんなに教室って無茶苦茶なんですか?これは極端ですよね。子どもにこういう映画観せてていいのか?と思っちゃいました。 [DVD(邦画)] 7点(2011-01-15 22:31:47) |
1713. 真実の行方
《ネタバレ》 え~!!この犯人、正常なワルやったわけ?これからこの犯人はのうのうと社会で暮らせるの?こんな奴を野放しにしていいのか?病院で異常がないのが分かったら、もう一回、裁判やり直しで、今度は重い刑罰を与えるべきだよ、絶対!と、まぁノートンの演技が巧くて、つい感情的になってしまう。なんとも気持ちの悪い奴を演じてたなあ。話のほうは日本の森田監督の「刑法39条」と近いよね。ある程度、ラストは読める。ノートンのボーっとした顔が過剰演技だったから、きっとこれは演出の上で計算してるんだなと思えた。でも話が二転三転するところは面白い。リチャードギア演じる弁護士が敏腕すぎて、土地問題に目をつけ、これは街の実力者が背後にいる、と思わせ、そしてこのラスト。お腹いっぱいのサスペンスでした。 [ビデオ(字幕)] 7点(2011-01-06 17:12:49) |
1714. 星に想いを
センスあるラブコメで、メグライアンがとても素敵です。他の彼女の作品も観てみたくなりました。ティムロビンスもいい感じです。彼自身は「ショーシャンク」のキャラよりも、こういう軽い乗りのキャラの方で自分を売って生きたかったのでしょうか?自分の観てる範囲内では彼がこういう爽やか青年を演じている作品はあまり観てないので、貴重な作品でした。(彼の顔の左半分の表情がコワイ)しかし、この映画のキモは断然、ウォルターマッソーのアインシュタイン!味あるわ~、このおっさん!! [DVD(字幕)] 6点(2010-12-28 21:43:55)(良:1票) |
1715. 君のためなら千回でも
夕飯食った後に観たのですが、この2時間で一気に人間的に成長して、時間がかなり経ったような気になり、家族の者に「夕飯まだだっけ?」と聞いてしまいました。時間を気にせず観られました。良い映画だと思います。ニュースでよく聞く、アフガニスタン。前に「カンダハール」という映画でちらっとこの国の状況を知りましたが、今回のこっちの映画の方がもっとアフガニスタンのことが分かった気がします。山ばっかりというわけでもないんだね、ちゃんと「文化」的な生活もあるんだねと思いました。でもアメリカ映画ですから、多少ドライブはかかっているのかな、と。治安の良い日本に住んでると、あの孤児院の先生が一番「そうだろうなぁ」と合点が行くのですが、この国に深く関係している人の話を聞くと、「金はなくても生きていける」国らしく、本当はもっとのんびりしているのかもしれません。戦争ばっかりの国なのですが、日本の忘れたものをもっているのかもしれません。でも、そんな事は知らなくても、これはこれで、感動しました。因みに先ほどの話は、その後に「雪がなくては生きていけない」と続きます。水がないと、衛生的にも致命的だそうです。 [DVD(字幕)] 7点(2010-12-28 21:31:22) |
1716. 刑事コロンボ/別れのワイン<TVM>
《ネタバレ》 自分はこの作品を子供の頃見て、人と会う時は向こうの興味ある話題を勉強して、会う様になりました(もちろん浅~く、ですが)。犯人がコロンボの勉強ぶりに感心して、ラスト車の中でワインを交わす所なんか、コロンボシリーズで好きなラストの一つです。ちょっと猫背の犯人もオタクっぽくて良かったです。でもあの秘書、やはり年老いた孤独な女性は怖い。この事件で犯人に貸しをつくり、結婚を迫るところは中々珍しいパターンですね。 [ビデオ(吹替)] 7点(2010-12-20 21:39:10) |
1717. 夕陽のギャングたち
セルジオレオーネ。彼の西部劇は今回、色々機会があって観ましたが、どれも男くさくて面白い。この映画もタイトルからして、西部劇のあらくれをジェームズコバーンが演じているのだろうと思い、長い上映時間も「ウエスタン」のようにあっという間だろうと思って観たら、メキシコの革命が背景にあり、しかも全く正反対の主役2人をじっくり描いて、またウルウルくるモリコーネのBGM。これは昔、劇場で観た「ワンスアポンアタイムインアメリカ」の雰囲気の方に近かったです。良い映画でした。でもストーリーで気になったのは、回想シーンに現れる3人の男女。男の方は分かるのですが、女性が2人の男を同時に愛していたのでしょうか?3P?まるで、喉が渇いて、酒を飲んでて、俺にもよこせと言わんばかりに女性とキスする。娼婦ならともかく、あんな清純そうな女性を共有しているところがよく分からなかった。しかももう一方の男性とキスするのを笑ってみている。2人を愛するなら、それぞれ一方ずつ、見えないところで愛しやがれ! [DVD(字幕)] 7点(2010-12-17 15:47:07) |
1718. ジャーヘッド
サムメンデスの演出はノレル。この映画は湾岸戦争モノですが、「地獄の黙示録」や「ディアハンター」のような映画が好きな現代っ子が主人公。しかし砂漠が戦場で、ただでさえ単調な砂漠を背景に、そして何も起こらない毎日に、殺人マシーンと化した彼らが段々とストレスがたまってくる様子がよく出てます。監督が凡だったら、映画でも退屈で仕方が無かったと思う。でもこれは湾岸戦争だったからこんな戦場だったのでしょう。いずれイラク戦争やアフガン戦争を題材にした、また違った感じの戦争映画が出てくると思います。その時は「退屈」な映画なんて創られないと思う(誰がテロなのか分からない恐怖があったり、高い山の上の酸素の少ないところが戦場なのだから)その意味でこれはものすごく異色な戦争映画。それにしても火のついた油田のせいで暗くなった砂漠や降ってくる黒い雨が目にしみて暴れる兵士とか(痛そ~)初めて知った湾岸戦争の一面でした。 [DVD(字幕)] 7点(2010-12-17 03:18:35) |
1719. ザ・ヤクザ(1974)
この頃のシドニーポラックは乗りに乗って、面白い作品を次々監督していたので、観てみました。伝説の任侠映画の健さんを初めて観た気がする。自分らは「幸福の黄色いハンカチ」位からの健さんしか知らなかったから。岸恵子もきれいだわぁ。最後、乗り込んでいく場面では、やはり日本家屋は外人には狭すぎるようで。ドタドタ動くミッチャムが隙だらけのように感じました。それにしてもあの銭湯。女性風呂もすりガラス越しに見えちゃうサービス満点です!色んな国の映画を観ましたが、あんなん風呂ははじめて見た。当時の日本にモデルになった銭湯があったのかな? [ビデオ(字幕)] 6点(2010-12-17 00:28:39) |
1720. 蜘蛛女(1993)
《ネタバレ》 ジュリエットルイスの愛人が可哀想すぎる。彼女は主人公に殺されても、主人公のダメ男は妻を愛してるわけで、これじゃ浮かばれんじゃないか!この男がダメすぎる。女代表として、レナオリンはこの男に制裁を加えたかのよう。最後、妻があらわれなくて当然でしょう。多分、一生あの店に現れないと思います。結局、ダメ男は最後は孤独になるしかないのだ!と思ってしまった。でもレナオリンの逞しさはすごい。マフィアのボスを殺し、片腕をなくし(多分手錠を外す為でしょうけど)それでも、ケラケラ生きて行こうとする。タフすぎる。これほどタフな女性の映画は珍しい。 [DVD(字幕)] 7点(2010-12-14 10:30:21) |