1721. エクソシスト
《ネタバレ》 何か、全般的にえらくのんびりしているというか、当事者たち(少女除く)にも危機感なさそうというか、そんな雰囲気を感じてしまったのですが・・・前置きの長さにも、ちょっとびっくりしました。 [DVD(字幕)] 5点(2016-01-16 02:08:40) |
1722. 十九歳の地図
何というか、ひたすら前衛的というか、無秩序というか・・・主人公自体が無軌道に行動してしまうことと、描写そのものが無軌道になってしまうこととは、意味が全然違います。 [DVD(邦画)] 4点(2016-01-12 00:25:46) |
1723. 地の群れ
《ネタバレ》 ここまでの人の心のどろどろした内容を具現化しようとした創造意欲には凄いものがあるし、1つの事件をきっかけに世界が集約していく終盤の迫力もなかなか。示唆深い割に容赦がないラストも印象深い。しかし、それに比べて前半は著しく未整理だし、主人公の過去のエピソードなんかも、あまり効果的に機能していないんだよな。 [DVD(邦画)] 5点(2016-01-11 00:37:26) |
1724. マダム・イン・ニューヨーク
《ネタバレ》 英語が話せるかどうかというのは実は本質ではなくて、新しい世界に飛び込む決断力、そこで自分を維持することの大切さ、という中核に集約しているからこそ、作品のテーマが普遍性を持つ水準に至っている。展開からして、最後は一瞬の隙を突いて試験を受けに行くんだろうなあ、と思わせておいて、究極の一瞬において彼女は迷わず結婚式を取る。だからこそ、最後の美しい着地に至ったのだろう。●他方、前提となる環境設定は今ひとつ弱めで、特に夫と娘が露骨に主人公を軽視しているのは、かえって作り物っぽさを漂わせている。この辺は、一見してすべて平和な家庭なんだけど、隅々にちょくちょく無意識の軽視が出る、とか、あるいは逆に、主人公は家事も下手で見た目も麗しくない、にした方が、奥行きが出たんじゃないかと思う。 [映画館(字幕)] 6点(2016-01-08 22:53:39) |
1725. コンスタンティン
《ネタバレ》 まるでオタクの高校生の脳内妄想みたいな作品世界を、ガンガンお金をつぎ込んで映像化したら、オタク魂が一歩もぶれることなく美しく具現化されてしまったという奇跡のような作品。キアヌの場合、基本的に無表情で余計なアクションも入れない演技性が、こういった人工的で非日常的な環境には適合しているのだが、それを浮かせることなく地味に受け切り、しかもバスタブシーンや悪魔乗り移りシーンのような見栄えの悪い演技も綽々とこなせるレイチェル・ワイズという人は、やはり貴重だ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-01-07 00:31:12)(良:1票) |
1726. 黒い十人の女
これってもしかして、撮りたいシーンがいくつかあって、そこから逆算して間をつなぐように脚本が書かれたんじゃないかと。そう思ってしまうくらい、いくつかの破壊的なインパクトのあるシーンと、それ以外の流しているだけのシーンの落差が大きい。初期設定と船越英二のキャラは十分すぎるほど魅力的なんですけどね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-01-04 01:31:24) |
1727. ひみつの花園
《ネタバレ》 ここはもっと引っ張っても笑えるのにと思う部分もあったりして、全体として逆にいろいろ切り落としすぎではないかとも思うのだが、余計な贅肉がごちゃごちゃついているよりは遙かに好感が持てる。ライバルの女性(?)も最後は(期せずして)ハッピーになったりとか、天然無表情な主人公も実は最後にはきちんと挨拶ができるようになっていたりとか(逆にそこを強調しないのも良い)、細かいところの職人的こだわりも心地よい。 [DVD(邦画)] 7点(2016-01-02 00:15:49) |
1728. 友情(1975)
《ネタバレ》 笠岡の宿まではホノボノ系世代間交流ものの雰囲気で進行しておいて、そこからのトリッキーさとドラマチックさが凄い。風来坊的な主人公に妻や子がいるというその一言がもたらす意外性、島へ渡るタイミングをずらすだけで発生する心理の綾と、それらが集積する実家でのドラマ。大半は太陽の下でニコニコしている渥美清が、「その一瞬」だけは暗色に照らされるインパクト。寅さん以外の方向性から渥美さんの魅力を引き出したという点においても、貴重な作品です。 [DVD(邦画)] 7点(2016-01-01 01:20:48)(良:1票) |
1729. 秋日和
《ネタバレ》 原節子への再婚話を通したか通さなかったかのすれ違いとか、実はコメディエンヌの岡田茉莉子の芝居とか、上手く煽れば上質のコメディになりうる素養はあれこれあるんです。でも、手癖のようににじみ出てくる変な情緒性が邪魔をしている。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2015-12-31 01:11:22) |
1730. だれのものでもないチェレ
《ネタバレ》 「お前の持ち物はその体だけ。この家にお前のものは何も存在しない」という女主人の台詞を、そのまんま、その通りに具現化する制作姿勢。全体を通じて、余計な装飾や脱線は一切なし、チェレはほとんど何もできず、ただ素直に母を待ち焦がれ、救済を願い続けるだけ。そのあまりにも強力な表現の中核が、ハンガリーのさまざまな自然風景と奇跡のように結びついて強烈極まりない映像を提示し、物語はチェレを救い出す燔祭の炎となって結実する。 [DVD(字幕)] 7点(2015-12-28 22:41:21) |
1731. レッド・バロン(1971)
《ネタバレ》 戦闘機隊の優美な飛行の撮り方については、背景の絵も含めてこだわり十分であり、しかも途中からは機体が華麗な極彩色になっていくという美味しい展開つき。なんだけど、地上に降りてからの部分は途端に物足りなくなっており、ここをもっと発展させたら地上も空中も両方引き立つのに・・・と思わせる箇所が多かった。 [DVD(字幕)] 5点(2015-12-27 01:06:32) |
1732. ダラパティ/踊るゴッドファーザー
《ネタバレ》 とりあえずは、主人公の出生の秘密と、主人公と裏社会のボスとの師弟関係的なものというのが2本柱みたいなんですけど、いつまでたっても話がまったく前進しません。ちょっとハードボイルドっぽいニヒルでクールなシーンを盛り込もうとしているのは分かりますが、ほとんど成功していません。香港ノワールみたいなのに挑戦したら、壮大に拡散してしまった、という感じでしょうか。お待ちかねの歌とダンスのシーンもいくつかはもちろんありますが、内容と関係していないので、ただの挿入歌みたいになっています。 [DVD(字幕)] 4点(2015-12-26 23:08:54) |
1733. おとうと(2009)
説明台詞のオンパレードの脚本にはびっくりしたが、それ以前に、肝心の鶴瓶の叔父さんが、「親戚その他周囲に迷惑をかける存在」としてのみしか切り取られていないのが最大の問題。つまり、どういう人生の背景があって、どういう生活をしていて、という部分がまったく作り込まれていない。したがって、そこからどの登場人物がどうしようと、ドラマは起こりようがないし、ペラペラの中身にしかならないし、役者も演技のしようがないのです。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2015-12-24 00:41:54) |
1734. 昼下りの決斗
《ネタバレ》 導入部はえらく単調だったのですが、結婚式のあたりからやっといろいろ動き出した感じでした。むしろそこからの心理の綾なんかをもっと見たかったのですが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-12-20 02:35:09) |
1735. ムーンウォーカー
もともと、"Thriller"のPVなんかの時点で、すでに曲のプロモーションという領域を超えた短編映画みたいなものを作っていたわけだし、その延長線上にこのような超長編PVが出てきたとしても、それは至って自然である。こういう製作が許容されていたこと自体が、まさに大スター・マイコーの存在感を物語っているわけです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-12-19 17:20:35) |
1736. ダルマドゥライ 踊る!鋼の男
《ネタバレ》 いつものように、前半はさんざん酷い目にあって、中盤から覚醒したラジニ様が一気に大逆襲・・・かと思って見ていたら、いつまでたっても逆襲が始まらない。何と今回は、2時間40分のうち2時間15分くらいは、ひたすら裏切られて理不尽な目に遭い続けるだけ。しかしそれでも嫌な気にならないのは、十字架にかけられたイエス・キリストのごとく、無償の奉仕と家族愛を捧げ続けるラジニ様に、一切のブレや迷いがないからである。なお今回の敵方は、「出来の悪い2人の弟」というものであって、このロクデナシ2人組にラジニ様が延々と振り回されるだけという、何とも極小世界的なドメスティックな展開なのだが、ラジニ様のトータル的な格好良さには、何ら変わりがない。 [DVD(字幕)] 6点(2015-12-19 17:10:23) |
1737. 彼岸花
《ネタバレ》 登場人物の誰もが同じような台詞の同じような芝居、どのシーンも同じような撮り方。これで面白いわけがない。唯一おっと思ったのは、終盤、肝心の娘やその結婚相手をまったく見せない場面構成、そして電報を出した時点でさらっと切り上げるラスト。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2015-12-12 23:55:05) |
1738. 桐島、部活やめるってよ
《ネタバレ》 前半の、時系列や視点を変えての同一場面の反復は、似た手法の先例(しかも舞台も同じ学校内)がすでにあるとはいえ、やはりこういうのには弱いのです。そして、そろそろ単調になってきたかな?というあたりで一気に話は時系列通りに進み、この辺の緩急の感覚もなかなか良い感じなのですが、最後に映画部に軸足が集中してしまったのが残念。女子四人組のドロドロはもっと見たかったと思うし、吹奏楽部の部長も、せっかく大後寿々花を投入したのなら、片想いだけの使い方ではなくて、もう少し何かひねってほしかった。とはいえ、ゾンビ逆襲のカタルシスはなかなかだし(顧問のいう「身近な青春」を体現するのがほかならぬゾンビだったという皮肉も込み)、それも所詮は妄想だったというのもほろ苦感満載だし、あと、若い俳優をたくさん起用していながら、演技に目立った穴がないという演出指導力も評価したい。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-10 04:06:23) |
1739. 炎のごとく(1981)
どこをどう切っても、一体何がしたかったのか分からない、迷作にして難解作(悪い意味で)。とりあえず、この脚本は、5日くらい徹夜した後に、さらに2晩徹夜して半分以上眠った状態で書かれたのではないだろうか。それくらい、場面ぐしゃぐしゃ、前後のつながりなし、展開適当、台詞いい加減。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2015-12-07 21:04:39) |
1740. ダイナマイトどんどん
《ネタバレ》 ヤクザに野球で決着をつけさせるという無茶な設定を、大真面目に真剣に映像化している時点で、もう低い点はつけられません。脇役の多い宮下順子さんも、この作品ではいい感じに目立っていますね。終盤がやや間延びしたのが残念。全体として、120分くらいに収まる内容だと思う。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-12-05 01:32:00) |