1721. アラビアの女王 愛と宿命の日々
《ネタバレ》 探検家で考古学者で諜報員、さらには異民族でありながらベドウィンにも敬愛され、国境や王まで決めてしまったというのだから、どんだけ凄い人なんだと思いながら見たら、その業績はほとんど描かれず、結果が示されているだけ。前半はメロドラマが延々続いているだけだし、後半は砂漠をただ進んで人に会っているだけ(そして、なぜかことごとくすべて上手くいってしまう)。ニコール・キッドマンの一本調子演技も手伝って、この人の人となりについては、ほとんど感じ取れませんでした。どこまでも続く砂漠の映像は気合が入っていましたが、それ以外に心に残る点がありませんでした。 [DVD(字幕)] 5点(2022-10-19 23:15:01) |
1722. パリは燃えているか
《ネタバレ》 フランス国民にとっては歴史上の一大事であるこの出来事を、豪華キャストで群像劇風にしたかったのでしょうが・・・再現はそこそこ頑張っているとしても、とにかく料理の腕が伴っていない。各エピソードはブツ切れでつながりがないし、キャラクターが物語の中で機能してもいない。つまり、巨大な切り貼りにしかなっていないわけです。●ところでこのタイトル、何か民衆の団結なり闘いを象徴する大事な一言なのかと思っていたら(アトールの曲のタイトルにもなっているし)、何とあの最後のヒトラーのマヌケな一言だったとは・・・。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-10-18 00:14:23) |
1723. ピエロがお前を嘲笑う
《ネタバレ》 密室トーク系の設定は嫌いではないです。ハッキング先端技術の駆使みたいなアピールをしていて、やってることはしょぼいのにも目をつぶります。しかし、2つ目のオチはまるっきり蛇足ですよね。あれなら、1つ目のオチでもうちょっと粘ってほしいところでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-09-13 00:31:20) |
1724. MOOG モーグ
モーグ・シンセサイザーの開発者、ロバート・モーグ博士についてのドキュメンタリーです。前半は、見る側の理解などあまり考えてなさそうなオタクな雰囲気(映画自体の)がなかなかいい感じです。ただやっぱり、意味が理解できない部分が多々存在しますが・・・。後半では、待ってましたのミュージシャンが次々登場します。リック・ウェイクマンの登場時間長めなのは嬉しい。しかし、かつては中世の貴族風のいでたちで謎めいた雰囲気だったような気もしますが、実はべらんめえ口調(?)で早口に喋りまくりなのにびっくりします。キース・エマーソンのステージ演奏風景もそこそこ長めです。しかし、モーグを活用したミュージシャンってもっといろいろいそうなようにも思いますが、その辺の拡がりも欲しかったところでした。70分は短いですね。 [DVD(字幕)] 5点(2022-09-08 01:30:28) |
1725. 陸軍
《ネタバレ》 タイトルと製作年から、てっきり当時の軍隊が対象だと思っていたら、いきなり慶応年号の時代劇から始まる。そこから日露戦争あたりに話が飛んで、さらにその次に・・・と順々に飛んでいく。その中で話もあっちこっちに飛んでいるので、何というか、凄く目まぐるしいのです。タイトルに反して、陸軍そのものの描写も一部だけです。本来は、連ドラ向きの素材だったのかもしれません。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-08-22 01:11:35) |
1726. セキュリティ
《ネタバレ》 歴戦の元海兵隊隊員が、警備員に雇われてショッピングモール(というかちょっと大きめのスーパー程度)にいたら、証人保護プログラム下の少女が逃げ込んできて、包囲するマフィアとの闘いが始まる。この何と魅力的な設定!舞台はそのモールのみ!で、その開始点から浮気せずにモール内の闘いのみで走り切る潔さには好感が持てます。ただし、それなら、モール内の商品や部品を活用するとか、知恵で相手の裏をかくとか、いくつか見せ場はあるものの、もっとネタが欲しいところでした。最後の方は、ジャングルとかでやってるのと変わらない銃撃戦になっています。なお、アントニオ・バンデラスは、なかなか渋い年のとり方をしていていい感じです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-08-19 02:43:33) |
1727. 千年女優
《ネタバレ》 往年の名女優のインタビューに来たはずが、その女優の作品世界の中に取り込まれてしまう。実は物語としては冒頭のその部分で終わっている(あとは、そのレールの上を走っているだけだから)。しかし、思考先行の制作スタンスとはいえ、その思考をぶれずに最後まで突っ走らせて完結させた態度は、やはり潔いと思う。一つの想いだけで行動し続ける主人公もなかなかだが、狂言回しの社長とカメラマンに余計なことをさせず、ただ女優についていかせているだけというのが良い。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-08-16 23:52:29) |
1728. タンゴ・リブレ 君を想う
《ネタバレ》 刑務所の看守がタンゴを習いに行ったら、自分が監視している囚人の妻がいた。しかもその妻の愛人も刑務所にいて、妻は両方に平然と面会していた。という実に魅力的な設定。はたしてここから織りなす心理の綾はいかに、と思っていたら、あまりそこから深まらない。囚人の側は中でみんながタンゴをやり始めるなど、それなりに無茶で面白い展開はありますが、肝心の看守の側がそこから取り残されて、完全に傍観者的になっています。教室を途中で止めるというのももったいないなあ、あそこでこそさらに別の物語が発展するはずなのに。よって、あの強引なラストも、ラストのためのラストになってしまっています。キーパーソンの妻の生活感ある色気はなかなかだったので、それによって作品が支えられてはいますが。 [DVD(字幕)] 5点(2022-08-15 19:03:32) |
1729. ドグラ・マグラ(1988)
この異形の怪作を映画化しようと真面目に考えて、そして本当に作ってしまったというだけでも価値のある作品。そのチャレンジャーぶりは、「不連続殺人事件」と双璧をなすともいえるのではないか。変にまともっぽいことをせず、淡々と粛々と進んでいく作り方に好感。もっとも、原作が原作なだけに、親切な分かりやすい作品には間違ってもならないのだが。 [DVD(邦画)] 5点(2022-08-06 01:51:01) |
1730. フォードvsフェラーリ
クリスチャン・ベールにこういう不良中年をやらせたら、もうその時点で品質は保証されてるんだけど、結局、制作側がそれに寄りかかってしまってるかな・・・。筋立ては初期設定から予想される一直線そのものだし、マット・デイモンの役も、何か立ち位置がふらふらしていてはっきりしない(というか、演技的にはベールに置いていかれている。デイモンがこうなるのは珍しいと思う)。洪水のようなレース画面の連続はそれはそれで迫力はありますけど、やっぱり「それはそれ」なのです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2022-07-27 01:12:46) |
1731. VR ミッション:25
《ネタバレ》 いきなり集められた8人が、ビルの一室でVRアクションゲームを開始させられる。ただしそれはバーチャルでないことが分かって・・・と、密室不条理系の、つまりは「CUBE」の流れの作品です。この滅茶苦茶な状況をどうやって突破するのか、という設定は悪くないし、そのゲーム内に一点集中した制作態度も潔い。ただ、前半のひねりはまだしも、途中からはほとんどがひたすら敵を撃って突破するだけだし、またせっかく8人集めていながら、個性や特技も見当たらない。結局、そうなると数多の銃撃アクション映画とあまり変わらなくなっているのです。結末までダレずに一直線な作り方はそれなりに良かったのですが、もっと何とかできたのではと思ってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-07-18 22:32:20) |
1732. EAST MEETS WEST
《ネタバレ》 発想はすごく面白そうなのに、あれこれ盛り込みすぎて超消化不良なままに終わってしまいました。とりあえず、あの子供の関係はまったくいらなかったのではないでしょうか。竹中直人が邪魔なのはいうまでもなし。大体、忍者という設定なのに、忍者の技術が何一つ発揮されていないし、元忍者であるようにも見えない。加えて、最初に、出航までのタイムリミットという課題設定があったはずなのに、それはどこに行ったの?とか、途中から出てくる教師とやらが物語を乗っ取っている時点で、もとの構築の弱さが露呈してない?とか、突っ込みどころは満載でした。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-07-03 23:38:52) |
1733. 雨のニューオリンズ
《ネタバレ》 導入部分で、いわくありげなプロローグ、そしてレッドフォードの登場からその一夜を30分以上かけて描く丁寧さと、なかなか期待を感じさせる。ところがその後もずっと同じような感じで、そこまでいくと丁寧というよりは、単に進行が遅いだけなのです。ヒロインが街を出てからは(そのためにブロンソンを引っかけるというのはなかなかトリッキーだが)、さらに何か空気が落ち着いてしまって物語が沈滞しています。母親が再登場してからはやや持ち直しますが、そこまででした。あと、語り部のあの少女も、作中でもう少し有効に使えなかったのかな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-07-02 01:57:57) |
1734. ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
《ネタバレ》 いくらでもエンターテインメント的に盛り上げられる素材であるのに、あえてそこを外して地味にやろうとしているように見えるのは、「リンカーン」のときもそうだったな。しかしそうなると、ストリープもハンクスも手持ち無沙汰というか、どう演技していいのかよく分かっていないように見える。「リンカーン」のときはデイ=ルイスのもともと浮き世離れした人外的な存在感にすべてが吸収されたわけだけど、ストリープやハンクスはあくまでも対象素材を分かりやすく噛み砕くのが持ち味であるため、こういう演出には合わないのです。またそれ以前に、このストーリーって、それまであまり経営を分かってなさそうだった代表が、ここぞというときに決死の判断をするところに意味があると思うんだけど、ストリープがそれをやると、最初からどうとでもやってしまいそうな万能感が醸し出されてしまうので、物語が成り立たないのだな・・・。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-06-18 21:19:06) |
1735. リオ・ロボ
《ネタバレ》 列車の護衛者と襲撃者がその後タッグを組む話というから、どんな複雑な心理劇が、と思っていたら、まったくその真逆でした。つまり、単に分かり合って結束するだけです(笑)。体育会系学園青春ドラマばりの単純さです。そのご都合主義はその後も一貫しており、お約束のように美女が絡んできて、しかも目的地に潜入後はキャラかぶりも恐れずにその美女は3人になって、途中から加わるオッサンも、老化に伴うミスなどまったく起こしません。というわけで突っ込みどころは満載なのですが、力を抜いて楽しく見る分にはよいと思います。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-06-16 23:41:16) |
1736. インドの仕置人
《ネタバレ》 かつて独立の闘士として戦った主人公が、理不尽な体験を経て復讐者として牙をむく。いや、たったそれだけなんですけど、それで3時間保たせてしまうのがインド映画です。ただ、復讐のターゲットがやっていることが、手続のたびにチマチマした賄賂を要求するという木っ端役人レベルなので、何というか、それで3時間は難しいのですね。せめて、1人あたりの復讐にいろいろプロセスがあるとかならまだしも、それ自体はあっさりしてますし。あと、息子との対立軸というのを大きなテーマに置きたかったのでしょうが、この息子が人物としても小物である上に、制作者もどう描きたかったのかがはっきりしません。よってメインになるはずの親子対決も盛り上がりません。というか、そもそも、数々挿入されるダンスシーンで、悪役(のはずの人)が楽しそうにダンスしていたらいかんだろ。 [DVD(字幕)] 5点(2022-06-11 01:16:43) |
1737. ふくろう
《ネタバレ》 シチュエーションの発想は悪くないし、舞台劇っぽいとはいえ映画としての緊張感も維持されている。ただ、いきなり同じような展開で5人が立て続けに処理されるのは、さすがにどうかと思った。警官のところで援護係職員がバッティングして初めて世界が揺らぎ始めるが、本来それをあと2~3人くらい早い場面で起こすところでしょう。また、コメディっぽくしたいんだったら、もっと各訪問人物に個性を出すなり、やりとりを変えていくなりしてほしいところでした。警官と職員が別室に放り込まれてクライマックスを迎えますが、あんな美味しい設定が最後のところだけなんて、実にもったいない。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-06-07 01:59:44) |
1738. 地球の静止する日
宇宙人来訪系のいろんな後発作の源流はこの作品にあるのだなあ、ということはとてもよく分かる。よって歴史的意義は大きいといえるのだが、今見てみると、単に作風が大らかで牧歌的なのを通り越して、制作者の世界観自体が単純に過ぎるので、やはり食い足りないといわざるをえない。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-05-24 00:58:11) |
1739. ポリスアカデミー
導入部で、見る側の混乱などまったく考えずに怒濤のように登場人物を放り込む展開に好感。また、それでいて描き分けもそこそこきちんとできていますが、せっかくのネタの積み重ねが、中盤以降はあまり生かされなかったかなー。クスッとするシーンは多くても、大笑いするまでには至りませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-05-11 01:18:32) |
1740. サバイバル・ソルジャー
《ネタバレ》 単に普段はビジネスのことしかないメンバーが、ヴァンダムに鍛えられてワーワーやるB級(いやC級)作品かと思っていたら・・・中盤以降の路線を逸脱しまくる展開にはびっくり。いつの間にかまるっきり変わっている作品世界が面白くて、とりあえず楽しんで見ることはできました。ただ、主人公の成長過程とか、サブキャラの設定とかにはもっとネタの仕込みが欲しかったところではありますが。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-05-10 00:31:47) |