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プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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161.  G.I.ジェーン
公開当時、「白い嵐」との併せ技で「リドリー・スコットも終わったな」と世界が確信した作品ですが、今になって見ると意外とおもしろかったです。フルメタル・ジャケットとトップガンをあわせたようなお話のため、硬派なドラマとして見るべきか娯楽作として楽しむべきかがわからなかったのが公開時の失敗要因でしょうか。しかし「グラディエーター」以降花開いた監督の残虐路線を念頭に置けば、この映画に大したメッセージ性はなかったであろうことが伺えます。リドリー・スコットという監督はスピルバーグと並んでサディズムを感じさせる監督です。↓のパブロン中毒さんもおっしゃってるように、表現手段としてあえて残虐性を選んでいるのではなく、個人的な趣向としてやっていることを感じさせられるのです。しかしその性向はグラディエーター以降にようやく判明したものですので、オニールに加えられる必要以上に凄惨な拷問の意味に観客は戸惑い、一転して普通のアクション映画になってしまったラストの救出作戦に素直に興奮していいものかがわからなかったのです。一般の作品に登場する凄惨な暴力には何か意味を感じなければならなかったのが公開当時の常識であり、そういう意識で見ればこの映画はさっぱり理解不能。また本作はフェミニズムの立場に立ったお話でもありますが、同様に監督は本当にフェミニズムを描こうという意思はなかったでしょう。この監督は「テルマ&ルイーズ」という女性映画も撮っていますが、こちらも表面的な主張にのみとどまっていました。監督の興味は虐げられるものを描くことにあり、その題材として社会的に受け入れられやすい女性問題を選んでいるのではと思えるのです。カラー・パープル、シンドラーのリスト、アミスタッドと、こちらもなぜか虐げられる者のドラマを作りたがるスピルバーグと似たような性質を感じます。そんな監督の作品ですので、この映画にも大した意味はないのです。ただひたすら目の前の映像を見てればよろしい。そう思って見ると、ラストの救出作戦なんてトニー・スコットの映画みたいで興奮しますよ。そうそう、トニー・スコットとリドリー・スコットの力量の差って、恐らく変態性の差じゃないですかね。どちらも最上級の技術を持ってるわけですけど、やっぱり変態パワーが芸術家としてのリドリー優位の根源ではないかと。トニーは変態じゃないから普通の映画しか撮れないんですよ。
[DVD(字幕)] 7点(2006-04-30 17:23:36)(良:2票)
162.  ボーイズ・ドント・クライ 《ネタバレ》 
あまりに救いのなさすぎるラストに対する拒否反応は私にはないのですが、どうにも高評価を与えづらい作品です。題材の重大さに対して演出力が追いついていないのがその原因でしょうか?あまりに衝撃的な作品なので見ていて退屈することはないのですが、どうにも感動の伝え方が稚拙なような気がしました。ありのままの自分を社会は受け入れてくれない、またそんな社会にウソをつき続けねばならないというブランドンの背負う重荷、そしてようやくありのままの自分を受け入れてくれるララというパートナーができた喜び、そのどちらも結局肌で感じることはできませんでした。この映画の意義は、恐らくそういうものを観客に共感させることにあると思うのですが、そんな肝心な部分を伝え損ねたまま、話は凄惨なラストへと突入していきます。あのラストは誰が撮ったって、誰が見たって衝撃を受けるものであり、そういう意味ではある種の一発芸のような印象を受けました。そこに至るまでのドラマがあまり良くなかったこともあり、「これを見せれば誰だってショックを受けるはずだ」的な作り手のあざとさまで感じてしまったのです。悪名高きセカチューのように、感動しそうな記号を適当に配置する的ないやらしさが見えました。いや、製作したみなさんは恐らく真摯な姿勢でこれを作ったとは思うんですよ。でもまぁ性同一性障害という繊細なテーマの本質を十分に描くことなく、かわりにそれに対する実にわかりやすい偏見をクローズアップしすぎたために、どうにも感動を押し売りする即物的な映画に感じられたんです。もしこの映画がより高度な演出を持って、性同一性障害の本質を私たちにも感じさせることのできるドラマであれば、ラストの意義はより大きなものになったはずです。ただただ「悲しい」「かわいそう」で終わらないものとなったはずです。オスカーを受賞したヒラリー・スワンクの頑張り(本作は演技力というよりも頑張りを感じました)をはじめ、良い友達なんだけど同時にいやらしさも感じさせるというジョンとトムの絶妙なうまさ、美しすぎないクロエ・セビニーの田舎ヤンキーのハマり具合など、キャストは実にうまく配置されているだけに、実にもったいない気がしました。
[DVD(吹替)] 5点(2006-04-24 02:48:45)
163.  シベリア超特急
水野さんにとって、映画って本当に素晴らしいものであることがよくわかりました。
[ビデオ(字幕)] 0点(2006-03-12 14:11:19)(良:2票)
164.  ヤングガン2
大予算が組まれた期待作でもなく、最高のスタッフの渾身の作品というわけでもなく、含蓄のある深いテーマがあるわけでもなく、恐らくは「偶然」おもしろくなったと思われるヤングガン。ハリウッドではこういう奇跡ってたまに起こるようで(ダイハード、スピード…)、そしてその続編はたいていが大したものじゃないというのもよくあることで、そのためこのヤングガン2もほとんど期待せずに見たのですが、驚くべきことに第一作のレベルを完全に超えてしまっていました。しかもリーサル・ウェポンやダイハードのような物量作戦に出るわけでもなく、エイリアンやミッション・インポッシブルのようにまったく別物にして前作との比較を避けるわけでもなく、雰囲気自体は第一作のままに、映画としてのクォリティそのものが上がっているのです。稀に見る続編の成功例ではないでしょうか。キャラクター達はより魅力的になり、前作では時にサイコ気味で仲間を窮地に追い込む張本人だったビリーが、今作では主役としてのカリスマ性をきちんと放っています。対するパット・ギャレットも冷徹さの中にどこか人間性を残しており、ドラマを盛り上げる理想的な悪役となっています。そのギャレットに同行するのはなんと無名時代のヴィゴ・モーテンセン。大した役ではないものの、やはり彼もかっこいいのです。センス良く撮られた映画なので、端役までちゃんと活きてるんですね。アクションの見せ方も絶妙で、テンポやタイミングがうまく計算されています。ただ撃ち合うだけではなく、しばしばトンチで切り抜けてるあたりもいいですね。恐らくは映画史の中に埋もれていくであろうこのヤングガンシリーズですが、正統派西部劇にも負けない独特の味を持つこのシリーズが私達の世代のみの鑑賞で終わってしまうには惜しい気もします。
[DVD(字幕)] 8点(2006-03-05 15:37:36)
165.  バットマン リターンズ
これは究極のクリスマス映画ですよ。正義のバットマンVS悪人のペンギンだと思って見るとつまらない映画なんですけど、バットマンという仮面を被ってしか暴力衝動を解放できないブルース・ウェインと、容姿のコンプレックスから社会に姿を現せなかったコブルポットの、街での人気をかけた戦いだと思ってみれば、これほど切ない話はありません。両者に共通するのは社会への不適応性です。ブルース・ウェインは己の本質をバットマンという匿名のヒーローに託し、普段は大富豪という仮面を心に被ることで、なんとか社会に適応しています。一方コブルポッドは、両親に捨てられるほどの醜い姿を人目にさらすことを嫌い、サーカスギャング団を率いて街へのシャレにならないイタズラばかりを行ってきました。両者とも普通の人達に憧れ、その仲間に入りたいと思いつつも、結果的には自分を暴力という形でしか解放できないのです。しかしコブルポットは決心し、自作自演で赤ちゃんの救出劇を行って街に姿を現します。思惑通り英雄として迎えられ、またその生い立ちに街の同情が集まり、一躍人気者となるコブルポット。市長選への出馬まで決定し、念願かなってついに普通の人達に受け入れられたのです。しかし街で唯一ブルース・ウェインだけは根拠もなく彼を疑い(嫉妬しているようにも見える)、ここにバットマンとペンギンの醜い戦いが始まります。お互いに相手の信用を貶める妨害工作を行い、クリスマスを前にして普通の人達からの信頼を失う両者。人並みの幸せなクリスマスに憧れたペンギンの夢ははかなく消え去り、またキャットウーマンという同類に出会うことで心の安堵を得るかに見えたバットマンも、クリスマスを前にして恋人と再び敵対しあうこととなります。2人にとってはバットマンとキャットウーマンこそがアイデンティティの基本なので、恋人のためでもそれは裏切れないんです。そして、孤独なのに寄り添いあうことのできない3者が死闘を繰り広げるクライマックスは、もう切なさの嵐ですね。さみしいクリスマスを迎える人は、ぜひこの映画を見るべきです。
8点(2004-12-25 16:00:39)(笑:1票) (良:4票)
166.  将軍の娘/エリザベス・キャンベル 《ネタバレ》 
まとまりは悪くないんですけど、どうにも残らない映画ですね。まずは監督のサイモン・ウェスト斬り。彼に大した演出力がないのは周知の事実ですが、とりあえず画面を見栄えよくまとめる技術は持っています。この映画においても、何かに驚かされたり、目を見張るようなシーンがあったわけではありませんが、2時間を退屈せず見れる出来にはなっていました。お次はトラボルタ斬り。トラボルタはどの映画でどんな役をやってもトラボルタ。つまり演技がどうのというよりも、彼はつねにトラボルタでしかないのです。この映画でもとくに演技に驚かされることはありませんが、当時の彼はまさに絶頂期にあり、スター・トラボルタはきちんと輝いていました。これまた見ていてとくにアラや欠点は気になりません。お次は脚本斬り。混乱を起こさないように丁寧に整理されたお話はよかったのですが、あまりに展開を滑らかにしすぎたために、謎説きをやってる気にさせられなかったのはサスペンスとしてマズイと思います。見ている側に推理させる余裕を与えないまま、話だけがサクサクと進んで行きましたから。それでも途中までは「どんなスゴイ陰謀が隠されてるんだ?」と期待してたんですけど、謎の正体が要するに親子ゲンカってのも、ちょっとガッカリですね。エリザベスのSM趣味や、心理研究班勤務(しかも人体実験中と思われる兵士の姿が一瞬映る)、地元警察との軋轢など、前半には面白くなりそうな伏線がいくつもあったのに、結局それらはネタふりにもなっていないし。それに、いくらツライ目に遭ったとは言え、外で素っ裸で大の字ってのは、やっぱりおかしいですよ。そこに「彼女は自分のトラウマを消すべく心理学に没頭し、そして人格が壊れていったんだ」みたいな理屈をつけてくれれば、まだスッキリとはしたんですけど。やっぱりサスペンスなら、伏線はきっちり回収しないと納得できませんよ。てなわけで、本当にヒマつぶし程度なら楽しめる映画なので、6点ってことにします。
6点(2004-11-25 17:28:22)(良:1票)
167.  レッド・オクトーバーを追え!
中国原潜の領海侵犯ニュースで思わず本作を思い出し、数年ぶりにLDを引っ張り出して見ましたが、やっぱおもしれぇッス!キャメロンと並んで次世代の大監督を担われてたジョン・マクティアナンが、そのもっともすごかった時期の手腕をいかんなく発揮し、ジャック・ライアンシリーズにおいては突出した作品に仕上がっています。後のシリーズが陥ったように見せ場を無理に盛り込むことはせず、あくまでストーリー展開を重視したのは大正解。話の本質にこだわるその姿勢からは、自分の映画に装飾などは必要ないというマクティアナンの自信すらうかがえます。そしてその自信はダテではなく、雑多な登場人物や複雑な展開をテキパキとまとめていき、それでいて見せ場では一気に盛り上げていくという、ある意味で神業的な演出を披露します。伏線の張り方や謎の回収のタイミングもやたらうまく、アクションとストーリーが渾然一体となったクライマックスのバトルにはドキドキさせられました。まぁ、ラミレス艦長の動機がよくわからんかったりしたのは問題ですけど。ライアン:「この件で責任を問われる者も出るだろうな」、ラミレス:「ま、小さな革命はヘルシーなことだ」って、あんた責任感なさすぎ。自分の起こした事件で潜水艦が1隻撃沈されたってのに。しかし、その欠点はショーン・コネリーの存在感が完全にカバーし、それでもなおカリスマ艦長であったわけですけど。さすがは傑作! あと、ラミレスはなぜ亡命を予告したのか問題ですが、ラミレスにとって最大の問題は亡命に関係ない一般乗務員をどう下船させるかでした。そこでラミレスは原子力事故をデッチあげたわけですけど、乗務員を極寒の大西洋に放置してアメリカに行くわけにはいきません。近くに彼らを回収する船がいる必要があったんです。つまり、乗務員を救うためには自分達をモニターさせなければならなかったんです。さらにレッドオクトーバーの機能があればどんな包囲網でも突破できる自信があったので、そこであえて騒ぎを大きくしたんだと解釈しました。
9点(2004-11-15 19:29:42)
168.  12モンキーズ 《ネタバレ》 
これはかなり惜しい映画です。未来描写がもっと杜撰なものであれば、この2倍はすごいことになったと思います。というのも中盤、コールは自分は未来人ではなく、医者の言う通り単なる精神障害者ではないかと疑うくだりがありますね。そんな、主題をも揺るがしかねない謎を観客も共有することができれば、もっと素晴らしいミステリー映画になったはずです。しかし残念ながら、観客はそのミステリーを共有することができません。願わくば冒頭の未来描写を丸々カットし、コールが拘束されるシーンから始まってくれればよかったんです。そうすれば、後にSF的な描写が登場しても、コールの幻覚という処理が可能になるんです。しかし冒頭に未来を持ってきてしまっては、SFという設定が大前提になってしまい、ミステリーがひとつ減ってしまうんですね。とはいえ、それでもこれは紛れもなく大満足の秀作ですけど。張り巡らされる伏線やいちいち意味ありげなセリフ、そしてクライマックスに向けてきっちりと収束していくお話。挙句に「12モンキーズ」自体がミスディレクションといううまさ。見事ですよ。それに話のテンポも悪くなく、その手際のおかげで言われるほど難しさは感じませんでした。そして、やっぱりブラッド・ピットがすごい。精神病院であることないことしゃべりまくりながらも、その言葉の中には思わぬ真理が隠されており、只ならぬ存在感を見せつけます。結局は単なるバカで終わる役柄なんですけど、彼の熱演がジェフリーという人物に「何かしでかすのでは?」というスゴ味を与えており、キーパーソンとしての存在感をいかんなく発揮するわけです。ま、この映画には余裕で9点を献上することができます。できれば、今後テレビ放映する時には冒頭の未来描写をカットしてくれれば完璧なんですけど。
9点(2004-11-13 02:09:07)(良:2票)
169.  ネメシス4
主人公の女サイボーグをやってるスー・プライスさんは女性のボディビルダーか何かだと思うんですけど、筋肉だらけのとんでもない体格をしてます。顔も、女だてらにドルやシュワに負けないほどゴツゴツしてて、何か悪い薬でもやってる感じです。そんな化け物な彼女ですけど、またよく全裸になるんです。全裸で車から出て来たり、全裸で人を待ってたり(街角で)、全裸で長話をじっくり聞いてたり。全裸でなくても基本的には上着を1枚着てるだけで、パンツもブラもズボンつけずに街をウロウロしてました。シュワやスタのように80年代には裸がユニフォームだった方々も多くいますけど、その女版だと解釈すべきなんでしょうか。それにしてもパンツぐらい履かせてやれよって感じですけど。さらに乳首から必殺の針が出てくるなど、さすがサイボ-グ!な描写もあり。しかしそこまでのサービスにも関わらず、恐ろしいまでに欲情させないのはさすがプライスさん。男にはエロさを微塵も感じさせず、かと言って女から「スー・プライスさんって裸になってもいやらしくないよね」などと言われるような代物でもなし。「男子中学生でも興奮しねぇよ」なんて思って見てると、学ランみたいな服来た同僚サイボーグ(男)が彼女を助けにやってきました。出会って早々に2人は男女の行為をはじめるんですけど(サイボーグ同士で)、さすがプライスさん。彼女は1枚限りの上着を脱いですぐに全裸になるのですが、学ランサイボーグは男なのに裸にならないんですよ。裸どころか、上着を1枚脱ぐだけという学ランサイボーグ(田代まさしみたいな髪型)。こんな扱いを見るにつけ、スー・プライスさんが不憫に思えてきました。化け物みたいとは言え女性としてまったく大事にされてないわけですから。さっきからずっと裸、裸って言ってますけど、本当それだけの映画なんです。ヘボいアクション、セットを作るお金がなかったのか、基本的に同じ場所をウロウロしてるだけの狭すぎる世界観、たまに出てくるこれ見よがしな特殊メイクやCG(しかもショボい)。そのすべてを象徴するすばらしいシーンが、ヘリによる機銃掃射のくだりです。CGモロばれな弾道を小走りで逃げるスー・プライスさん。くるっと振り返ると、ピストルから放った2発でヘリを撃墜します。こんな脱力感みなぎるシーンを見るにつけ、「ピュン、あんた何年アクションやってんだ」って気分になります。
1点(2004-09-21 17:17:36)
170.  アウトブレイク
公開当時はエボラ大流行と重なってすごい話題になり、NHKの報道番組でもこの映画の映像が使用されたほどでした。で、実際に鑑賞してみると満足と不満が半々って感じでしたね。娯楽作としては非常によい出来なんですけど、そのまとまりのよさがかえって不満にもつながってるわけで。陸軍による町の封鎖などハリウッド大作ならではの迫力シーンはリアリティーを高めてるんですけど、一方で後半の都合よすぎる展開はどうかと。軍の陰謀という部分をスッパリ抜いてしまった方が面白かったと思います。なんて考えながら見てたんですけど、思えばこれはハリウッド大作。ウォルフガング・ペーターセンが監督してんだし、本来はリアリティー3割に娯楽性7割と思って見るべき映画なんですけど、エボラ事件のせいでカン違いした私も悪かったんです。要するにこれは「カサンドラ・クロス」の豪華版をやりたかったんですね。そう思えば、後半のヘリチェイスは「カプリコン1」にも見えてくるわけでして。ちなみに豪華俳優陣の中では、ホワイトハウスで「これは町ごと灰にするしかない。お前ら、自己保身のために抜け駆けとかすんなよ」と煽りまくるJ・T・ウォルシュが一番印象に残りました。ドナルド・サザーランドはちょっと作りすぎでしたね。「ア・フュー・グッドメン」のジャック・ニコルソンでもやりたかったんでしょうか。
7点(2004-09-17 20:01:55)(良:1票)
171.  ダイ・ハード3
「ダイ・ハード」のレビューで述べたのですが、傑作「ダイ・ハード」のアクションのよさは、その凝り具合にあるんです。大味なようで実は細かいところまでよく配慮して作ってあるので、おかげで荒唐無稽なアクションにも味が出るんですね。その後のアクション映画は基本的に「ダイ・ハード」の影響下にありますが、それらがことごとく本家を越えられていないのは、派手さのみが先行して細部の作りが杜撰になったためです。で、同じ俳優、同じ監督で作られた「ダイ・ハード3」ですが、皮肉なことにこれもダイ・ハードシンドロームにかかってしまっています。わざとらしく並べ立てられた危機また危機には緊迫感のかけらもなく、安心して見られる作りに。いかに派手な見せ場を作るかのみに腐心したために、アクションから説得力が奪われたためです。ナンバーくじやダンプの盗難など、冒頭でわざとらしく並べられる伏線は細かい配慮とは言いませんよ。ちなみにこの映画で私的に一番おもしろかったシーンは、テロリストが手際よく金塊を強奪していくシーンです。このシーンだけはテロリスト側の周到な計画を流れるように見ることができ、やはり見せ場に流れは必要なのだなと感じました。その他のシーンはどんなに派手でも全然ダメ。アクションが話と連動しておらず、スポットのみになっています。話があちこち飛ぶのもよくなかったと思います。いい例が爆弾のタイムリミットで、これが演出上のスパイスになる予定だったんでしょうけど、話に焦点を絞り込めていなかったためにまったく効果をあげていません。ま、サービスに気を使いすぎたのが悪かったんです。あと細かい邪推を少々すると、ジョン・マクティアナンは「2」がかなりお気に召さないようです。「3」では「2」の話がなかったことにされてるのがいい証拠です。さらにマクレーンのキャラ設定にしても、「1」では脚本の時点ではタフだったマクレーンを、マクティアナンは意識的に普通の中年にしようとしたのですが(大正解!)、一転して「2」のマクレーンはアクションヒーローに。そして「3」ではその反動か、「1」とは比較にならないほどしがない刑事となっています。あそこまで情けない男にしなくてもよかったような気が。 
5点(2004-09-13 03:10:53)
172.  アルマゲドン(1998)
【2011.12.16レビューを変更しました】 本作を最後に見たのは10年以上前のことで、一度見ればわかるバカ映画なので特に再見する気にもならなかったのですが、脚本家としてトニー・ギルロイとJ・J・エイブラムスがクレジットされていることに気付いたことから、今回もう一度見てみることにしました。。。 その結果なのですが、印象は相変わらずのバカ映画でした。科学考証のいい加減さには、この際目を瞑りましょう。科学考証をまともにやったSF大作は「コンタクト」と「サンシャイン2057」くらいで、大半のSF映画は適当なものですから。マイケル・ベイの演出にも、特に問題点は見当たりません。銃撃戦やカーチェイスといった得意のアクション演出はほぼ封印され、見せ場のほとんどをVFXが占めるSF超大作という自身初体験の企画ではあったものの、これに対して意外にも器用に対応しているのです。ベイは力押しのバカ監督だと思われがちなのですが、「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」でも初体験の3D技術を見事に使いこなしていた辺りを見ると、実は相当な勉強家なのだと思います。ドラマパートも無難にまとめていて、この企画に要求されている仕事は十分にこなしています。 問題の中心は、その脚本のデタラメさにあります。スタンパー親子の確執が物語の横軸であったにも関わらず、シャトル打ち上げ前に二人が和解してしまったり、人類滅亡の危機なのに冗談ばかりで誰も焦っておらず、挙句に「訓練で疲れたから休暇をくれ」とまで言い出す始末。宇宙に飛び出してからは危機の連続なのですが、それらの大半が人災であって、ミッションそのものの困難性に起因する危機は皆無。中盤では、通信が途絶えることに焦った役人が遠隔操作で核爆弾を起動させようとする展開があるのですが、この危機を乗り切った後にもシャトルとヒューストンの通信は普通に続いており、だったらあのひと悶着は何だったんだろうかと呆れてしまいました。こうした脚本上の問題点は、数十人の脚本家に分業で書かせるというブラッカイマーの方針に原因があります。反乱シーンはロバート・タウン、大統領演説はトニー・ギルロイ、全体のセリフはJ・J・エイブラムス、アフレックとブシェミのセリフはスコット・ローゼンバーグといった具合に執筆作業を細分化してしまったために、全体でみると支離滅裂な内容となったようです。
[DVD(字幕)] 5点(2004-09-07 10:33:40)(良:2票)
173.  ニック・オブ・タイム 《ネタバレ》 
なんとなく面白い映画でした。劇場で見ればいろいろと不満も出るでしょうけど、日曜洋画劇場なら「昨日のあれ見た?」って話題になった映画だと思います。みなさんが指摘する「自分で殺せよ」問題ですが、クリストファー・ウォーケンの目的はあくまでジョニー・デップを暗殺犯に仕立て上げることであって、本当に殺すことは期待していなかったように思います。その証拠に、クライマックスではウォーケン本人が銃をかまえてたでしょ。殺しはウォーケンが確実に行い、その罪をデップに着せるハラだったと考えられます。それでもウォーケン軍団のヌルさ加減はヒドイものでしたけど。「ここで撃て」ではなく「1時半までに殺せ」ですからね。そんなアバウトな命令があるかって思いました。そんな中、何度か巡ってくるチャンスに発砲を躊躇するデップ、「お前、さっきチャンスだったじゃねぇか」と怒るウォーケン。「勇気出して告白しろよ」「でもまだ決心がつかないよ」って校門の前で揉める男子中学生じゃないんだから。そしてラスト、なにがなんでもデップの娘を殺そうとするウォーケンさんたちですが、暗殺が失敗した今となってはそんなことはまったく重要ではないと思うんですけど。そんな感じでツッコミどころ満載ですが、90分に満たない上映時間のおかげできちんと緊迫感を維持できていたと思います。これは一風変わったワンアイデアと、それをギリギリ維持できるラインの中でうまく引き上げた構成の勝利ですね。
6点(2004-09-06 00:39:19)(笑:1票) (良:1票)
174.  ウェインズ・ワールド2
アメリカローカルの笑いなので、残念ながらほとんど理解できませんでした。しかし見ていてここまで淋しくなった映画も珍しいです。画面では何か楽しそうなことが起こってるのに、それのどこが楽しいのかがわからないんですよ。私の頭からは終始「?」が出っぱなしでした。ただし、DVD版の吹き替えにはかなり救われました。声優陣がかなり頑張ってくれてるおかげで、いくつかのシーンの雰囲気だけは味わえましたから。って、やっぱり淋しい鑑賞。スクランブルのかかったWOWOWの画面を見ては、うらやましくて仕方なかった中学の時のような気分です。
4点(2004-09-04 01:32:46)
175.  テルマ&ルイーズ
喜怒哀楽をすべて刺激してくれて、こういうのをいい映画って言うんですね。スーパービジュアル監督リドリー・スコット、こんな人情劇も撮れるだなんてさすがです。いつもとかなり毛色の違う作品ながら、スコット印のビジュアルもちゃんと盛り込んでるし。と、私はかなり楽しめたんですけど、ここのレビューを読むとそう単純な映画でもないようでして。私は「女だてらに男気溢れる映画」と思いながら見てたのでさほど気にならなかったんですけど、フェミニズム映画だと思うとたしかに問題ありです。「男社会における女性の抑圧」というフェミニズムの構図を踏まえてこの映画を見ると、たしかにプロパガンダに近いほどの単純化。男に対する逆恨みの固まりか?とすら思います。本人は意識してるのかしてないのか、リドリー・スコットにはフェミニズムを具現化したような映画が多いように思います。「ブラックホーク・ダウン」を除くすべての映画に、何かしら強い女性が登場しますからね。同じく強い女性好きなジェームズ・キャメロンと比較しても、キャメロンは愛するゆえの力や母性の強さなど、生物としての女性の強さを描こうとするのに対し、「GIジェーン」や「ハンニバル」を好例として、スコットは社会の抑圧を乗り越えようとする女性を好んで描きます。ま、映画が面白ければどうでもいいんですけど。
8点(2004-09-04 01:13:00)
176.  バード・オン・ワイヤー
良くも悪くも80年代の映画の空気を丸ごと引き継いだ映画です。軽いノリで楽しいんだけど、見終わった後にはな~んにも残らないんです。テレビの洋画劇場で何気なく見るのに最適な映画ですね。メルギブとG・ホーンのコンビはかなりよかったような気がします。
6点(2004-09-01 16:39:03)
177.  CAT’S EYE/キャッツ・アイ(1997)
あらゆるシーンに気合やこだわりが感じられず、完璧やっつけ仕事だったことがうかがえます。たぶん撮影前は盛り上がったんでしょうね。「誰に演じてもらおうか?マンガみたいにかわいい子じゃないとダメだよね」とか「コスチュームはおもいっきりかっこよくしようよ」とか「なにせキャッツなんだし、見たこともないアクションにしよう」とか。スタッフの頭の中では史上最高傑作になる予定だったのかもしれません。そうして夢が膨らんでいったはいいものの、実際にやるとなるとこれが意外と面倒で、結局は誰も頑張り手がおらずただ撮ってるだけという大駄作に。日常生活でもよくあることですけど、日本映画のほとんどがこのパターンですよね。日本映画に必要なのって、やっぱりオタク監督なんですよ。オタクってのは自分の妄想を実現することに全精力をかけますからね。少なくとも、ここまで中途半端なことはしません。
1点(2004-08-30 16:31:08)(笑:1票) (良:2票)
178.  パラサイト・イヴ
脱ぐなら脱ぐ!脱がないなら脱がない!
2点(2004-08-30 16:07:05)(笑:4票)
179.  遥かなる大地へ
かしこまったタイトルに騙されてはいけません。軽妙さと重厚さが絶妙なバランスで組み合わされた、実にフットワークのよい映画なのです。私が今まで見てきた中でもっとも清々しい映画でした。同じようなお話の「タイタニック」よりも5~6倍は面白かったです。とにかくトム・クルーズとニコール・キッドマンのカップルが実によく、2人の姿はいくらでも見ていたいほどです。好きなのにケンカばかりっていう2人の仲は本当にマンガなんですけど、マンガよりもきれいな2人がやるので違和感なしなのです。「トム、付き合っちゃいなよ」と、中学生感覚でお節介を焼きそうになったほどです。そしてあのラストも本当にマンガ。でも大好きです。私まですんごい幸せな気分になってしまいました。「THE END」の文字が出た後も、「2人とも、幸せに暮らすんだぞ」「仲良くケンカしろよ」などと、老婆心ながらいろいろとお節介を焼いてしまうのです。こんなにいい映画、しかも恐ろしく豪華な布陣であるにも関わらず、えらい冷遇ぶりなのがビックリです。「ダンス・ウィズ・ウルブス」だとか「許されざる者」だとか当時はリアル志向の西部劇がブームだったので、それに乗っかって宣伝を間違えたのでしょうか?ビデオやDVDのジャケットを見ても、えらい重厚な大河ロマンとして売られてるし。でもこれは、男性よりも女性が喜ぶ映画だと思うんですけど。
10点(2004-08-28 16:16:06)
180.  ダンス・ウィズ・ウルブズ
馬のシスコ君がかわいかったです。俳優の演技にビックリして、たまにリアクションとかしてたし。蹴る鳥を見るとどうしても「マーヴェリック」でのセルフパロディーを思い出してしまいます。あのバカ演技は傑作だったので。あと「ラスト・オブ・モヒカン」と言いこれと言い、ロン毛のインディアンはいいやつで、モヒカンのインディアンは悪いやつというのは事実なのでしょうか?
7点(2004-08-27 13:18:44)
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