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プロフィール
コメント数 186
性別 男性
ホームページ http://vanitas.cocolog-nifty.com/blog/
自己紹介 半年レビュー書き込みがないまま放置でした。忙しかった。でも映画は見てたんです。だから、ぼちぼち再開します。

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161.  武蔵野夫人 《ネタバレ》 
武蔵野だけど、武蔵野市じゃないんだよね。いわゆる広い意味での武蔵野。国分寺とか小金井とか小平あたりじゃないかな。仕事の関係で日常的に見ている光景なんだけど、この時代にはこのような光景だったんだと思うと凄く感慨がある。自然が残る美しい武蔵野をひたすら映しておいて、最後の最後に、宅地化・都会化が進みつつある(今につながる)武蔵野を映す。これも、土地を知る者には「おお、こう来たか」という驚きがあった。 そういう意味でこの映画のテーマはタイトル通り武蔵野なんだけど、肝心の人間の描き方が、溝口にしては弱いなあ。現代劇の溝口も『雪夫人』なんかだと結構行けてたのになあ。そうは言いつつ、嫌いじゃないんだけどね。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-18 23:31:49)
162.  コレクター(1965)
うーん。評価に苦しむ作品だなあ。ドラマとしては息の詰まるような圧迫感がうまく出ていて、緊張感のあるいい作品だ。しかも犯人の孤独と苦悩がしっかり描けている。でも、実際にこの手のことが事件になっている今の時代に見ると、どうにも手放しでこの作品を褒めたくなくなる。実際この作品を愛好していた男が似たような犯罪をしたというドキュメントもあるし。評価がすごい難しい。しかし、ドラマとしては…やはり傑作だ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-17 12:49:09)(良:1票)
163.  それから(1985)
そんなに悪くはないかなと思った。比較的長回し気味のカメラの中に、どの俳優もうまく納まっている。ただ、展開が緩やか過ぎた。それも、画像(イメージ)にただ語らせるという時間の流れの緩やかさならともかく、基本的に対話を中心に各場面が展開しているのにこの遅々と進まない感覚には、いささか戸惑った。もう30分短かったらいいのに、と思ったけど、でも30分短かったら、この世界は成立しないかも。 市電の場面の不可解なイメージは大好きです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-17 12:42:40)
164.  青春怪談(市川崑監督作品) 《ネタバレ》 
レビュー第一号だ。ちょっと嬉しいです!▼他愛もないといえば他愛もない。でもその軽さが見てて心地よい。最近この軽さの中に市川箟を再発見できて、自分としてはとても新鮮。▼「青春怪談」ってタイトルは結局どういう意味だったんだろう。最後までわからなかった。▼すぐに人の話を立ち聞きしてしまう北林谷栄の女中は、『家政婦は見た』のような伏線を期待したのだけど、結局大した役どころではなかった。▼何が不満て、北原三枝も芦川いづみも、あんまりかわいくないんだな、この映画は。眉間にしわ寄せてる北原三枝なんて。いくら男勝りの役どころ(というか、男じゃないかと恋人に疑われるような役どころ)といっても、ねえ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-16 23:09:27)
165.  女経 《ネタバレ》 
それぞれの話が、それぞれ、「え、これで終わりなの?」と思わせといてもうひとひねりあって、それなりに面白かった。でも、それぞれの監督が、このテーマで一本長編撮ったらそっちのほうがもっと面白いものになるなと思えてしまうのも事実。それにせっかくなら三人の女優たちにひとつの物語の中で競演してもらいたいっていう気持ちにもなってしまう。 映画でオムニバスっていうのは難しいと、いつも思う。お得感はあるけど、お買い得商品が必ずしも満足にはつながらないのだなと。 でも、最後の話の京マチ子は、最後の最後に、どの映画でも見たことないような(少なくとも私が見た限りだけど)すがすがしい表情を浮かべていて、これを見られただけでも満足感はある。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-16 22:58:08)
166.  マグノリアの花たち
いい映画、だった。男の自分でも共感できる女の世界だった。ただ、昔、日本人の女優たちがやった舞台版を見ていたのでなおさらそう思うのかもしれないけど、やっぱりこれは舞台向けの作品だ。複数の主人公がいるということは、その人物の数だけの視点があるのだけど、やはり、スクリーンはその一人ひとりを丁寧に映さないとそれは伝わらない。舞台なら、個性の違う何人かが、ただ舞台に並ぶだけで一瞬でキャラの違いも理解できる。その違いだ。この映画は、最初の30分、キャラが立ち上がるまでがまどろこしかった。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-01-13 23:30:29)
167.  戦場のメリークリスマス
公開当時、世の中全体が「戦メリ戦メリ」と騒いで浮かれていたのを思い出す。私の回りの友人たちもずいぶん見に行った。口々によかったと言ってていた。私は映画館には行かず、公開よりかなり遅れてテレビで初めて見た。「うーん」と思った。わけわかんねえじゃん、これ、ほんとにみんなわかったのかな、と。実はみんなから取り残された感じで、かなりさびしかった。しかし、その後たびたび見返す機会があって、見返すごとにじわりじわりと響いてくることがわかった。まだ完全にこの世界を理解したとは思えないけど、ここで改めて見直して、やっぱり感動してしまった。ここでのレビューを見て、「ああ、みんな、そんなにわかっていたわけではないんだ」とわかって少し安心。しかも、みんな見直すたびに理解が深まっているみたいだ。これはそういう映画なんだろうな、たぶん。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-01-13 07:34:51)
168.  LOVERS 《ネタバレ》 
様式美の世界。ただそれだけ。でもそれだけでもいいや。美しかったし。監督の「東洋」に対するこだわりは十分伝わったし。物語的には突っ込みどころ満載だ。でも、それは、例えば歌舞伎が同じように視覚的な美の極地を追求しながらも、物語的には破綻していたり封建的な道徳が堂々と前面に押し出されて語られたりするのと同じだなと思った。気になる人は気になってしまうのだろうな。でも、私は最初からそう割り切って観ていたので気にはならなかった。視覚的に美しければ雪も降らす。それも歌舞伎みたい。いや、むしろ大衆演劇というべきかな。浅いといえば浅いし、表面的だといえばまったくそのとおり。でも、それでいいんじゃないかな、これは。
[地上波(吹替)] 7点(2007-01-13 07:24:16)
169.  けんかえれじい
こ、これって、もしかして、『オースティン・パワーズ』並みのお馬鹿ムービー? いや、主人公が真顔でにやけてないだけ、お馬鹿ぶりは上回ってるかも。 いや、いろいろな意味で凄いものを見ました。 ほんとにこれ、笑ってしまっていいのですよね?
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-11 00:00:11)
170.  セレブリティ
ケネス・ブラナーが主役なのに、全編、キャラがいつものウディ・アレンそのもの。完全コピーじゃん! 笑ってしまった。ならばアレンが主役でもいいのに。いや、やはりアレンでは、この色男ぶりはうそ臭くなってしまうか。その説得力のためだけのブラナー起用なのか。 しかし、まあ、あきれるまでのこの無軌道ぶりは、確かに一般向けじゃないかも。でも、アレンって、時々こういうフェリーニまがいのはちゃめちゃがやりたくなるみたい。昔も『スターダストメモリー』ってのがあったし。好みでいえば、『スターダスト』の方が好きだけど、これはこれで、この無軌道ぶりがたまらないです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-10 23:56:33)
171.  バリー・リンドン 《ネタバレ》 
この正月三が日あたりにどのテレビ局でもかかっていた、通信教育のユ●キ●ンのCMの音楽が(野際陽子とか織田裕二のあれね)、英国の軍楽隊のマーチだったのだとこの映画を見てはじめて知りました(笑)。 シリアスで時に残酷な物語世界なのに、どこかユーモラス。この語り口に最初からぐいっと引き寄せられました。 長さもまったく感じなかった。まさしく力ワザです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-01-10 05:52:59)
172.  真夜中の弥次さん喜多さん 《ネタバレ》 
ここで酷評されているほどにつまらなくはなかった。これは爛れた精神世界の放浪の物語なのだなと思ったとたん、「行ける!」と思った。これって普通にしりあがり寿じゃん、とむしろ感心した。ただ、万人受けする世界ではないだろうな。はっきりいえば、わけわからん世界だし。 後半がだれてしまった(というか物語から逃げてしまった)感があり、これはほんとうに残念。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-10 05:45:18)
173.  イージー・ライダー
若い頃初めて見たときは、前半のあまりにゆるい展開についていけなかった。それでも、ジャック・ニコルソンが出てきてからの急な展開に、ただただ圧倒されていた記憶がある。 歳をとってから見返してみると、若い頃にはつらかった前半部分のゆるさが、むしろ心地よい。根無し草の悲哀が実に見事に描かれている。後半の衝撃は今も変わらない。 自由な国アメリカの「不自由さ」を告発するその勇気。このメッセージは今の時代でも、なぜか色あせていない。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-01-04 00:17:32)
174.  女の一生(1962)
増村保造の映像美。これに尽きます。ワンカットごとの構図、光と影のバランス。もう映像的にはカンペキ。ため息すら出ますよ。減点は、もともとが長大な舞台劇の原作を無理に90分に圧縮してしまったために、どうしてもダイジェスト版のようなせわしさを感じてしまう点。この映像美なら、私は、3時間の上映時間であってもただただ身を任せてみたいくらいなのに。ほんとに勿体ない! 増村保造は、私の見た範囲でも、『華岡青洲の妻』といい『千羽鶴』といい、文芸モノでもキッチリ仕事が出来る監督ですね。(『音楽』みたいな外れもあるけど(苦笑)。) 娯楽も出来て芸術作品もこなせる。昔の人の職人技には心から感心してしまいます。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-01-04 00:11:26)
175.  パッチギ!
感動した。多くの場面で共感した。でも、どこか腑に落ちない。『ワイルド・バンチ』を観たときにも感じたのだが、暴力性が前面に出ると、どうしても女の視点が甘くなる。沢尻エリカは圧倒的にかわいいヒロインだけど、残念ながらお人形さんで終わってしまっていて、すごくもったいない。 鑑賞環境は「衛星」ということになるのだけど、BSデジタル、結構カットしてます。それで批判するのは、少し後ろめたいです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-02 00:25:42)
176.  婦系図 湯島の白梅
文句ない衣笠貞之助の映像美の世界。何と言っても凛とした山本富士子の美しさに尽きる。惜しむらくは、フィルムの保存状態が悪く、音声が乱れていて、また、映像自体もだいぶ色あせてしまっていること。全編にあふれる独特の緊張感は、それでも伝わってきたが、もっと万全の保存状態で見たかったと思わざるを得ない。これはもしかしたら暴言かもしれないが、色彩感覚に優れた衣笠監督だからこそ、これが白黒作品として優れていることを認めつつ、カラーで撮らせてあげたかったと心から思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-12-31 01:16:55)
177.  ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ 《ネタバレ》 
絶対受けつけない世界と思いこんでなかなか手をつけられずにいたけど、完全に食わず嫌いだった。原作の舞台がロングランだというのもわかる。オフオフの濃密な空間でこれを見たらと想像するだけでぞくぞくする。ホモセクシャルの自作自演なんて、単なる自己満足と思いきや、これは徹底して突き放して自分を客観視している。これはすごい。 幼いヘドウィグがオーブンの中でルー・リードの「ワイルドサイド」を口ずさむ場面は最高。彼(女)らの世界は、確かにワイルドサイドでアザーサイドなんだね。(ちなみに字幕で「アザーサイド」を「東ベルリン」と訳してしまうのは、仕方ないとは思うのだけど、ちょっと違和感が残る。翻訳って難しいね。)
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-12-29 23:12:52)
178.  ワイルドバンチ 《ネタバレ》 
あらゆる掟破りの西部劇なのだ。アメリカにとっての異文化は、インディアンだけではない。当たり前なのだけど、これを前面に押し出している。これは凄い。大量破壊兵器の出ない、基本的に一発の銃弾で一人しか死ぬことのない世界においてのこの死人の量。これも凄い。しかしこの世界の中では、女性はひたすら「モノ」だ。愛人が死んでも、誰もその死に悲しみを抱かない。ここでの女はその程度の存在だ。唯一最後に女にやられる男が一人いることで、女性の側から男の世界に抵抗はしている。そのワンシーンのためだけにひたすら「モノ」扱いされてきたのだとしたら、ちょっと悲しい。 そうした全ての斬新さを頭で理解しながら、感覚的についていけなかった。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-12-28 00:15:53)
179.  ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
ダークなのに美しい。不思議なアニメです。しかもあの動きがCGでないなんて。今のピクサーの仕事を見ていると、手仕事でこれが出来ていたってことが奇跡としか思えなくなりますね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-12-28 00:06:44)
180.  讃歌
これは凄い。エロティシズムの極地を追求しているようで、そんな言葉を使ってしまうのがためらわれるくらい一途で純粋な思いが全編を支配している。不思議な映画だ。もっと広く知られていい映画だと思う。新藤兼人作品で一番好きかも。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-12-26 08:48:19)
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