161. ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク
《ネタバレ》 一作目で止めておけばよいものを、実はプランBがあって別の島でひっそり恐竜が作られていたという後付け設定での続編です。過去の過ちを繰り返すというのはありがちですが他の方もご指摘のように、もうこれ恐竜じゃなくて”怪獣”なんですよねぇ的な脱力感も感じる続編です。 前作で一切活躍できなかったマルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)が、今度は恋人で古生物学者のサラ博士(ジュリアン・ムーア)を引き連れて大活躍!と行きたいところですが、彼らカップルのドラマはあまりうまく回っていません。昨夜見たのにもう忘れそうなくらい彼らカップルには魅力がなく、ハッキリ言ってしまえばどうでもイイようなことで言い争っていたりしてむしろ邪魔なだけでした。ただ、相変わらず脇が超豪華で、ジョン・ハモンド(アッテンボロー)を筆頭にエディ・カー(リチャード・シフ)、ディーター(ピーター・ストーメア)、ローランド(ピート・ポスルスウェイト)らと非常に豪華です。オマケにヴィンス・ヴォーンまで出ていて、全員がバッティングしていないのはなかなか凄い。でもストーメアは地味な感じで退場、シフも嫌な感じで退場、ヴィンス・ヴォーンは自分のせいで大量に人が死んだのに良心の呵責も無く淡々としていて違和感は半端ないです。 この続編が酷評されている理由は上記の通りですが、一番の原因はやはりT-REXが町で大暴れしたことでしょうか。個人的には結構楽しめましたが、取って付けた風でほとんどゴジラ状態。尺的にも15分ほどと程よく暴れて元の船にお戻りになるというお手軽さ。全体的にライト過ぎる脚本で、ある意味酷評されても仕方ないといった印象が強く残ってしまう残念な作品でした。 [インターネット(字幕)] 5点(2022-09-01 16:16:24) |
162. ジュラシック・パーク
《ネタバレ》 レビューの為に旧三部作を一気に再鑑賞しました。やはり一作目はとても良かったです。何より恐竜の見せ方や島で復活させるという発想が素晴らしい。特にジョンウィリアムのアノ音楽が鳴って、そして演者の驚いた顔を見せてから、最後に画面をゆっくりパンさせて恐竜を見せる演出は本当に素晴らしい。映画とは本来こういう風にやるべきというお手本のような見せ方をスピルバーグ監督が行っています。 しかし正直いってCGの出来映えはイマイチで、脚本を工夫してギリギリまで見せない演出は本当に素晴らしいものの、ついにアップで登場したトリケラトプスも病気で横たわっているという設定で少々違和感がある動きをしたりしています。 脚本に関しては明らかに詰め込み過ぎで、太っちょのデニス(ウェイン・ナイト)が金に目がくらんで妙なたくらみを起こすシーケンスなんて完全に必要ないし、意味ありげに”あの缶”が泥に埋まる演出も無意味でイミフ。レイ・アーノルド(サミュエル・L・ジャクソン)も意味ありげにタバコをふかしまくっていますが、まさかの途中退場でEnd。そして最初から出ているカオス理論のマルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)も一切活躍せずに最後まで画面の周りでウロチョロして終わります。 結果的にこのシリーズの伝統みたいなものですが、ラプトルが頭よすぎてチョット引いてしまいます。実際頭が良かったのかもしれませんが、T-レックスの件も同様に恐竜なのにちょっと頭が良すぎて違和感半端ないです。 まあ・・ なんだかんだ言ってもかなり楽しませてくれた一作目はやはり初出しという意味では非常に価値があった作品だと思います。敬意を表して少々甘めの点数です。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-09-01 16:15:16) |
163. 3時10分、決断のとき
《ネタバレ》 オリジナル版は未見。地味そうなので見るのをためらっていましたがついに鑑賞。結果的には想像していたよりもかなり楽しめました!ただし難点もチラホラ見られるので、皆さんがおっしゃるように惜しいなといった印象も強く残ってしまう残念な映画でした。 まず、ダン・エヴァンス(クリスチャン・ベール)が男前なのでダメ人間に見えない。そしてベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)はやっぱりイイ人に見える。いや、実際にはリアルでは性格にかなり難アリの問題児だそうですが、見た目から意外とインテリジェンスが感じられて悪そうに見えないのがちょっと残念でした。反面、チャリー・プリンス(ベン・フォスター)が一見するとチャーミングな愛されキャラに見えて、油断していると実は極悪非道という二面性をウマく表していて素敵でした。 キャラの見栄えの問題もさることながら一番は脚本の詰めの甘さです。ピーター・フォンダ扮する賞金稼ぎ(探偵)に関しては「俺を生かしておいたら後悔するぞ」と言っておきながらあさっり無駄死にします。また、女性陣がやたら美しい割りにただのお飾りにしかなっておらず意味深なセリフのみで非常に勿体なかった。そして最も残念だったのが皆さん同様にラストです。アレではせっかく今まで貫いてきた知性のウェイドもただ気分屋の変態に成り下がってしまいました。彼の気持ちは理解できますが、それでもわざわざ助けにきてくれた部下をああもアッサリ・・ これは無理があり過ぎました。そもそもホテルの部屋から「お前らは一切手を出すな、ボスの俺に任せておけ!」で済んだ話ですよっと。 全体的に見渡してみると、息子ウィリアム(ローガン・ラーマン)とダンとの物語は非常に良かった。文句のつけようがなかった。そしてウェイドの佇まいと迫力、絵と聖書の伏線も素敵だった。しかしラストがねぇ・・ 以下略。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-08-29 11:50:07) |
164. 燃えよドラゴン
《ネタバレ》 レビューの為に久しぶりに再鑑賞しました。49年も前の映画なので粗も目立つし色々いいたいことはありますが、率直にいって単純に面白い。とにかくブルース・リーが素敵なのだ、これに尽きます。有名な「Don't think feel! (考えるな、感じろ!)」も痺れる渋さです。オープニングでサラっとサモハンが出ていてチョット笑ってしまいました。(本作ではメチャ弱いですが、彼の強さはリー直伝だったんだなぁと妙に納得) 今見ると妹さんネタもかなり陳腐で失笑ですが、それよりもリーの顔芸のほうが気になりました。彼の代名詞である顔芸はワザとなのか、それとも彼の癖なのか、この点が妙に気になりました。あと鏡の間で気になった点がもう一つ。鏡の間に入った早々、コートハンガーの後ろに敵が隠れていないか確認するシーンがありましたが、、「あんた、ハンガーの後ろ側がきちんと鏡に映っとるで・・」と。このシーンは流石に「リーさんはもしかしたらバカなのかもしれない・・」と、顔芸のバカさ加減もあって妙に不安になってしまいました。 ちなみに、ハン(シー・キェン)も凄い人なのですが、個人的には千葉真一がこの役をやっていたらもっと凄かったかもしれないなと思ってしまいましたね~。。まあでも、今見てもよくまとまっていて十分に楽しめる楽しい作品でした。お わ り。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-08-29 11:47:01) |
165. ハンバーガー・ヒル
プラトーンが世界的に大ヒットし、その後二番煎じ的に公開された本作。当時中学二年生でしたが既にどっぷり映画オタクと化していた私は、18時30分からの試写会ハガキ(一人用)を握りしめ、夕食も取らず喜び勇んで見に行った記憶が蘇ります。ただ、見終わった後はガッカリで、21時という遅い時間に足取りも重く帰宅(&軽い食事)した記憶が鮮明に思い出されます。 今回35年ぶりに再鑑賞してみましたが、前半35分ほどは中学二年生には早すぎるシーンの連続で面白くなかったハズだわ、と。そしてその後の戦闘シーンもただただ淡々と激戦とその間の兵士たちの心情を描くだけでプラトーンのようなドラマチックな展開は無く、かなりの真面目&リアルを意識した映画だったんだなということが理解できます。 映画ファンなりの持論を展開するとすれば、映画などの映像作品は基本的に2つのパターンしか存在しません。1つは好みや内容に関わらずついつい目が離せなくなるもの。そしてもう1つはそれ以外のものです。残念ながら本作ハンバーガー・ヒルは後者だと感じました。プラトーンやフルメタル・ジャケットなどと比較すると、本作はどうにも退屈してしまって集中力が続きませんでした。(イミフと名高い地獄の黙示録でさえ、なんか凄い映画だということが広く認知されていたし、私自身もオープニングから目が離せなくなる) ただ実際には「アパッチ・スノー作戦」という実際にあった事柄の映画化だそうで、ほとんど音楽がないことからもかなりのリアル路線であったことが推察できます。937高地(通称ハンバーガー・ヒル)という丘を奪取するための10日間の激戦と、それに伴う一休みする描写が交互に、なおかつ非常に丁寧に描かれていて撮影としては意外と手間がかかっています。(でも泥んこの中で何やってるかよく判らない) 素人ながらざっくり言ってしまうと、最前線のドラマチックな展開や激戦の模様は他の作品に任せておいて、本作では「第101空挺師団の補充兵」として前線に送られる前段階の話を描いてくれたほうが面白かったかもしれません。前半部で描かれたようなベトナム女との情事、疑問、葛藤、哲学などを中心に描いてくれていたら他の戦争映画とは違った趣になったのではと感じます。当時の残念だった記憶を考慮し、若干厳しめの点数といたします。 [試写会(字幕)] 4点(2022-08-28 15:36:45) |
166. シンドラーのリスト
《ネタバレ》 名作と名高い本作ですが今まで未見で29年も経ってようやく重い腰を上げるに至りました。3時間15分という異常な長さですが、それを全く感じさせない完成度の高さでオープニングから一気に物語に引き込まれました。スピルバーグ監督自身もユダヤ系とのことで構想に十年を費やし、かなり思い入れが強い作品であったことが伺えます。ホロコーストという世界の誰もが知っている戦争犯罪をこのようにドラマチックな形でエンタメ作品として世に残したスピルバーグ監督の手腕は高く評価されるべきだと感じます。おそらく彼自身のキャリアの中でも最も脂の乗った時代の作品で、彼の最高傑作といって差し支えないでしょう。 よっぽどのことでも滅多に泣くことがない私ですが、指輪のシーンでは思わず声を出して泣いてしまいました。いえ、決してシンドラー(リーアム・ニーソン)の偽善的な行為に感動したものではなく、この映画で描かれている「本質的な真実」に心を動かされたのです。ユダヤ人の、彼らの運命を想うと思わずこみ上げてしまったのです。映画でこれほど感情を揺さぶられたことは今まで一度もありませんでした。 シンドラーのキャラクター性が綺麗に描かれ過ぎているという厳しいご指摘もありますが、あの時代、ナチス党員であった大物実業家の彼があからさまに反抗的な行動を起こせるとは到底思えず、心情をひた隠しにしていたシンドラー=リーアム・ニーソンの表情から彼の苦しい立場を読み取りたい作品だったと思います。実際、アーモン・ゲート少尉(レイフ・ファインズ)らを説得しようと試みるシーン等の異常なまでの丁寧さを見ると、自分の心情をひた隠しに隠して行動していたことは明らかです。 最後に、、絶対に忘れてはならないのは、この時の日本の立ち位置はドイツと同調していたという事実。三国同盟を結んでいた日本ではこの映画をクリスマスイブや終戦記念日に放送すべきだと感じました。人として一生に一度は見るべき素晴らしい作品でした。 [インターネット(字幕)] 10点(2022-08-27 11:09:31) |
167. 宇宙戦争(2005)
小学生時代に読んだ宇宙戦争の児童向け翻訳本(白木茂 訳 1967年)が出てきたので、それと合わせてスピルバーグ版を再鑑賞してみました。スピルバーグ版を公開当時に見た印象としては「あまりぱっとしない」といった印象でしたが、今回鑑賞し直してみると「ほほう、映像的には非常に良く出来ているじゃないか」と思いました。 好意的に書けば怪物機械のおぞましさや大多数の一般庶民の不安、襲来時の空気感や雰囲気などは大変よく映像化されています。昔見た時よりはずっと良かったと感じました。賛否ある結末ですが、120年も前の有名古典文学なのですから、ラストを変更してしまうともう別の作品になってしまうということを理解すべきです。むしろ1898年にこのレベルのSF小説を書いたウェルズの偉大さを再認識すべきです。(白木茂版のあとがきには手塚治虫のコメントも掲載されていて、自身の価値観にも多大な影響を与えたと記されています) 小説をかなりリアルに映像化している部分がある反面、問題なのは僕(=父=トム・クルーズ)と、その子供たちの物語です。なぜここまで家庭不和を話の本筋に据えてしまったのか。見たいのは怪物機械のほうなのにこれでは火星人に集中できない。また、娘(ダコタ・ファニング)がとにかく癇に障るくらいうるさくて邪魔なのです。お兄ちゃん(ジャスティン・チャットウィン)が妹をなだめる姿もなんだか滑稽で、父の馬鹿さ加減を描きたいのか何をしたいのかよく判らなくなってしまっています。 終盤に向けては父も大人の対応を見せますが、全体的に運が良かっただけといったシーンが多く、いまいち小説版の壮絶なる15日間は再現できていません。やっぱ、名作本は活字で読んだ方が面白いなといった感想が一番に出てきてしまう残念な映画化と言わざるを得ないでしょうか。序盤の雷シーン、怪物機械(トライポット)出現シーン、船のシーンなど素晴らしい部分も多いだけに少々残念。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-08-27 11:01:30)(良:1票) |
168. 狼たちの午後
《ネタバレ》 レビューの為にほとんど20年ぶりに再鑑賞しました。以前は結構退屈な映画だと思っていましたが、今回改めて見直してみるとソニー(アル・パチーノ)とサル(ジョン・カザール)の演技がすこぶる良いので熱中してしまいました。 ただ昔の記憶の通り、ストーリー自体は結構間延びしているしお間抜けだしで割と退屈です。(というか、次の展開を待ちかねるといったほうが適切) 車に乗って空港へ向かう緊張感との対比という意味では前半の地味な感じも効果があったのかもしれませんが、画面を見ながらリアルに時間が気になってしまいました。また、実話なので仕方がないですが、恋人「レオン」(クリス・サランドン)とのやり取りも「長いよ。。」って感じてしまいますね。 総じて、オープニングから有無を言わさずいきなり始まるスピード展開の割に立てこもり時の流れがイマイチ地味で長かった印象。もちろん実話の映画化なので銀行内部のやり取りに全世界の興味があったものと思われますが、真面目に表現してしまうとこのように面白くもない感じになってしまうのでしょう。できれば銀行内でのやり取りを少し誇張するか創作ネタを散りばめてくれていたらもうちょっとエンタメになったのでは。 ま、無理難題はここまでにして、素直に実話物の映画として記憶にとどめたいよくできた作品でした。余談ですが、Wikiによると真夏の設定なのに秋に撮影したそうで、息が白くならないように口に氷を含んで撮影したそうです。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-08-26 11:42:22) |
169. ジョニー・イングリッシュ
アナログの逆襲は大好き!気休めの報酬はイマイチ・・ ということで、あまり期待せずに第一作目を鑑賞してみました。本作(一作目)は意外と真面目にエージェントしてるんだなという印象で、思ったよりシリアス風な場面もありました。 Tornというヒット曲が好きでナタリーインブルーリアのことは古くから知っていましたが、まさかローナ役として準主役で出ているのが同姓同名の別人でなくご本人だとは(笑)ちゃんと役者さんできていますが、他に目立った作品は見当たらないようです。 パスカル・ソヴァージュ(ジョン・マルコヴィッチ)はカツラですよね(笑)彼のシーンは全体的に結構笑えるシーンが多くて楽しめるのですが終始脱力系です。総合的には高評価は難しいですが並の上といった感じでした。個人的にはエージェント1号登場シーン、墓場のシーン(精神病の流れ)はかなり笑えました。総じて部下(ボフ=ベン・ミラー)が優秀だと生き残れるんだよなぁ、としみじみ感じてしまいました。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-08-25 14:47:48) |
170. ゴッドファーザー<最終章>:マイケル・コルレオーネの最期
《ネタバレ》 再編集版ということで一応見ました。個人的にはパート3(劇場版 1990)でマンセーしていますので、こちらの<最終章>の編集は全く気に入りませんでした。 まず、確かにオープニングは<最終章>のほうが流れは判り易く、ギルディ大司教(ドナル・ドネリー)とのイビツな関係もよく判りますが、しかしながらパート3(劇場版 1990)のオープニングにあったようなドン・マイケルが抱えている心情=罪と後悔が薄れてしまいました。また、本シリーズの伝統でもあるパーティや受勲のシーンから入らず密談から入ってしまった点は、渋さはあるもののゴージャス具合は少し薄れてしまったような気がします。(考えたらパート1のオープニングを彷彿しないでもない・・) ラストも同様で、パート3(劇場版 1990)のあの雰囲気が観客の共感を呼び素晴らしい余韻を残した訳ですが、それを<最終章>のような語り文字に置き換えてしまうと何だかよく判らなくなってしまいます。ドン・ビトーが孫と和気あいあいと逝く最期とドン・マイケルが一人寂しく逝く衝撃を比較してこそ、あのシーンは素晴らしかったわけで・・。 映画作品なのですからラストカットはきちんと絵として見せていただきたかったところですし、そもそも、<最終章>になっても物語上は大して変わっておらず、むしろ解釈自体を強引に観客に押し付けてしまったかのような印象すら残る残念な仕上がりでした。個人的には再編集するならビンセント(アンディ・ガルシア)がルケージ側に寝返った作戦の具体的な内容をきちんと語っていただきたかったところです。天下のゴッドファーザーをも欺こうとしている巨悪の根源が、そう簡単にマイケルの飼い犬であるビンセントに手の内を見せるとは到底思えず、以前から「あそこは端折り過ぎだよなあ・・」と感じていました。まあ、あのシーンは撮影自体が行われていないのでしょうから再編集は無理でしょうが。。 この<最終章>というバージョンは人によっては改悪だったと感じる人もいそうです。少なくとも私は好きではありませんでした。できれば今まで通り(劇場版 1990)をメインとし、<最終章>はあくまでオマケという位置づけで公開していただきたかったと思います。内容的にはほとんど違っていませんので評価自体も大した差はありませんが、劇場版と差別化するためにあえて厳しい点数をつけておきます。(余談ですが50周年版のBOXセットでは、まさかの”オリジナル版のほうがオマケ”という暴挙に出ており、監督の意図する感性・感覚が心底理解できませんでした。非常に残念) [インターネット(字幕)] 5点(2022-08-25 12:54:25)(良:2票) |
171. タワーリング・インフェルノ
《ネタバレ》 何十年ぶりかに見ましたが今見ても十分に見られます。ただやはり描写の不自然さや人間ドラマの取って付けた感には苦笑いでした。「映画だから仕方ない」とか「古いからしょうがない」とか色々言い訳がないと見ていられないシーンも少なくないです。特に前半の女性陣とのヌレヌレシーンなどは各人物の掘り下げにはつながっておらず、映画が無駄に長くなっている原因かなと感じました。 また、防火扉がセメントでふさがっていたり、屋上の防水タンクを爆破して消火しようとしたり、色々とご都合主義&無理な設定もチラホラ見られました。昔はあまり違和感を感じませんでしたが今見ると不自然に感じますね。ただ不自然な点を踏まえても、現実問題として2022年の現代までの47年間の間に火災にこだわった映画で本作を超えて代表作となった作品があるか?と聞かれると、やはり本作「タワーリング・インフェルノ」がダントツ一位に挙げられるでしょうから、そういった意味では金字塔として評価せざる得ないところもあります。 ダブル主演のオハラハン消防隊長(スティーヴ・マックィーン)とダグ・ロバーツ設計士(ポール・ニューマン)はやはりカッコ良くて、それぞれに活躍の場もすみ分けられていてバッティングしません。彼らの活躍が一番の見どころといっていいでしょうし、そういった意味ではやはり本作は娯楽作品なのかな、とは感じます。 パニックアクションもので本作と比較される作品として「ポセイドン・アドベンチャー」がありますが、個人的には船が逆さまになるというショッキングな出来事から、ダントツであちらの方が好きでした。本作もかなりヤバイ状況なのは理解していますが、何となく地味にこじんまりまとまってしまっている印象はあります。思い出補正しまくった再鑑賞ということで、少々甘めの点数です。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-08-23 18:15:58) |
172. 死霊の盆踊り
やっと私も見ることができました。ほぼ都市伝説と化している「死霊の盆踊り」ですが、自分の目で見てみるとなるほど納得の内容でした。 まず第一につまらない。これに尽きます。しかしながらダンサーは全員引き締まった身体をしており、プロかそれに準じた人物であったことが推察されます。それなりにキャストを選んでいたという点ではまあまあ驚愕させられました。 第二に原題「Orgy Of The Dead(乱交する死者、もしくは大騒ぎする死者)」を”死霊の盆踊り”とした邦題の素晴らしさ。正直、この日本語タイトルが無かったら現代の日本で日の目を見ることはなかったのは明らかです。そういった意味ではこの邦題は素晴らし過ぎました。(ただし、この作品はビデオスルーではなくきちんとロードショー公開されています) 夜の帝王(クリズウェル=Wikiでは霊能力者らしい)の気だるさ、闇の女王(ファウン・シルヴァー)のやるせなさが作品に花を添えていて、踊りに飽きた頃にこの二人のイミフな会話が差し込まれます。さらには小説家のボブ(ウィリアム・ベイツ)と恋人のシャーリー(パット・バリンジャー=黄金女も兼用)の、心底どうでもいい会話もチョイチョイ挟まれるのが軽くイライラさせられ、これらを繰り返すことで90分もたせるテクニックはある意味絶妙というかなんというかといった感じでした。 この作品は1965年に公開されていますが、1965年といえば007ゴールドフィンガー、サウンドオブミュージック、ドクトルジバゴなど一流の大作映画がそれなりに排出されつつあった年代です。映画が本格化しつつあった時代にあえて?時代に逆行し、まるで学芸会レベルの映画を撮ったという意味ではなんとも絶妙に攻めまくった映画だったんだといえなくもありません。(金が無かっただけ?) 私が勝手に感じ入っているだけですが、この映画を見た人だけが「趣味は映画観賞ですが?ナニカ?」と堂々といっても良いのではないでしょうか。この映画を知らない人はまだまだアマチュア、モグリです。個人的には全映画鑑賞ファン、全レビュアーたちの登竜門的な意味合いで考えると高得点に値しますが、、あくまでこの作品に敬意を表して0点とさせていただきました! [インターネット(字幕)] 0点(2022-08-23 11:53:18)(良:1票) |
173. ジュラシック・ワールド
《ネタバレ》 皆さん同様、過去の遺産「ジュラシック・パーク」を食いつぶす焼き増し感アリアリの駄作でした。いや明らかに30年前のジュラシック・パークにおんぶに抱っこ体質で、ほぼ依存脚本、話としては何となく繋がってしまっています。 時代のせいもありますが、リアルなCG映像を見慣れた現代人には恐竜が歩いている島などむしろ当たり前で、DNAに逃げるにせよもっと脚本をしっかり練るべきでした。オーウェン・グラディ(クリス・プラット)とラプトルの友情物語などはかなり面白い流れなので、こっちの方向で話を広げたほうがストーリーの骨格がガッチリしたのではないかと残念に思いました。 子供たちも若干ご都合主義で、終始無関心だった兄が岐路に立った途端やる気満々なのも笑えますし、クレア・ディアリング(ブライス・ダラス・ハワード)も考えていることがよく判らず、ストーリーに流されているだけにしか見えないのでパッとしませんでした。結果的に甥二人と叔母さんの構図は無くてもさほど問題ないような感じでした。この後はどんどんあり得ない流れになってゆき、終盤にむけては結構半笑いの脚本となっています。。 個人的には恐竜映画としてはジュラシック・パークで既に完成しているので、、無理に広げる必要はなかったと思います。本作はある意味正統な続編としてきちんとつながっており、パート4として何となく見られる体に仕上がっているのがまた質が悪かったです。本作後半の流れ&次作(ジュラシック・ワールド/炎の王国)の惨劇を考えると、やはりジュラシック物としては初期三部作で綺麗に終わらせておいたほうが無難だったという気がします。(次から次へと関係作品を出してしまう最近の悪い風潮ですよ) [インターネット(吹替)] 5点(2022-08-18 14:48:24) |
174. 世界侵略:ロサンゼルス決戦
《ネタバレ》 題名&プロットからして明らかにB級のSF作品ではありましたが、思った以上に骨太で戦闘シーンなどはシッカリ描かれていました。得体のしれない何かが襲来し、主人公たちでさえTVを見て驚くシーンは秀逸です。さらに戦闘員が現場に出てからは、よく鍛え上げられた軍隊でさえどうにもならない雰囲気には絶望感が漂います。序盤の霧と妙な音の使い方は非常に上手かったです。また負傷した宇宙人を引きずり込んで研究するシーンなどは悪趣味を通り越して最高でした。 ただ、中盤まではキレッキレだった脚本が少佐を失う高速道路以降一気に陳腐化します。空港に着いてからはB級を通り越して安っぽいお涙頂戴物語に成り下がってしまい、結果的に足手纏いなだけだった一般人はお涙頂戴がやりたくて引き込んだだけだったのが理解できます。ここで既に観客全員の顔面が引きつっていたハズですが、更に追い打ちをかけるようにB級臭い終盤の反撃の流れにはかなり脱力させられました。 敵の弱点を見つけて乙凸する流れは最高に脱力させられますが、それでも朝になってからは序盤のような派手な戦闘シーンが復活します。少々ご都合主義ではありますが、まあそれなりに見られるシーンになっています。そして、、一応のカタルシスを得てラストを迎えますが、結果的にはまあ見なくても良かったかな?という程度の作品でした。(見て損したというほどではありませんが、色々惜しい点が目立ちました) [インターネット(吹替)] 6点(2022-08-18 14:12:14) |
175. ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録
《ネタバレ》 本来、映画や写真は撮影した時には出来上がりが確認できず、フィルムに現像してから初めて映像確認できるのが当たり前でした。(まあこの時代はVTRで撮影直後に確認はしているハズですが) そういった意味では、映画がいわゆる元来の意味での”映画(フィルム)”だった時代の超大作映画の裏側が垣間見られるドキュメンタリー映画が「ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録」です。 1970年代に2000万ドル(今の日本円で40~60億円以上!)の私財を投入し、これだけの規模の映画を準備したこと自体が恐ろしい行動で、真面目な話、普通の人間なら気が変になるのが当たり前の状況でこの映画の撮影はスタートしました。 更に問題は次々と発生し、西洋の常識が通用しない東洋の僻地での撮影とベトナム戦争や各国内戦の余波などに晒され、映画産業の頂点であるハリウッド系企業や世界の報道関係者などからの厳しいプレッシャー、多数の撮影クルーや現地人たちを統率しながら超一流俳優たちのワガママを聞き、度重なる脚本の手直しや作り直しetc、そんな無理難題が山積みの過酷な状況を自前のお金で230日以上撮影を続けるという、まさに地獄のような作業を監督自ら進んで行っている異常性がこのドキュメンタリー映画ではシッカリ記録されています。(なんとほとんど妻が撮影している!) 当時は現在のようなCG技術やデジタル機材も無かったので、このような厳しい状況に陥ることが割と当たり前だったと思いますが、映画の過渡期ともいえるこの時代に大博打を打ったコッポラはやはり偉大だったといわざるを得ません。この厳しい状況下でよくここまで映画を仕上げたものだと褒め称えるべきなのかもしれませんが、まあしかし、裏を返せばそれくらい大作映画の撮影は難しいということだし個人的には153分の劇場版の編集は最悪だったとは感じています。また、元々ロジャー・コーマンを師匠とするコッポラ監督は沢山のパーツを撮影する作風で、必要があるのかないのか、訳も分からず様々なシーンを撮影していることも現場の混乱の一因としては関係していそうな気もします。 私個人としては「202分の完全版」にマンセーしており、この「ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録」はお宝エピソードの宝庫、常人にはおよそ理解不能な仕事の数々が記録されている貴重な作品としてかなり楽しめました。惜しいのは前述の通りコッポラは編集が下手で、何となくうまくまとまっているようでよくまとまっていない仕上がりには少々残念ではありました。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-08-10 12:27:05) |
176. ロスト・バケーション
撮影当時27歳前後と、最も脂がのった適齢期のブレイク・ライヴリーが思い切った演技&水着姿を見せてくれます。顔や足などが日焼けしている感じは微妙ではありましたが、それでもやっぱサーファー姿のブレイク・ライヴリーはあっぱれ。 脚本自体これ以上やりようがないというくらいスマートにシェイプされた作品ですが、正直言ってサーフィンが終る30分を過ぎたあたり、「さあ、今からサメが出ますよ!」というフラグが立った途端に退屈になります。いや、もちろん観客が飽きないようクジラ→岩場→ボード→GoPro漂着等、順にステージが変わるよう工夫はされていますし、事実、計算されつくした脚本なのも理解できます。でもワンシチュエーションのこの手の映画は飽きるんですよ。。 画面内に画面が展開されるいわゆる”ピクチャーinピクチャー”がオープニングから強調されていますが、こちらは全くといっていいほど機能していません。なぜスマホ、時計、GoProの画面など何度も強調したのでしょうか?なぜこれを見せたかったのかがよく理解できません。その他、無駄なシチュエーションも多く、酔っ払い、カモメ、クラゲ、ラストの海底のアレなど、何だかリアル志向の映画に水を差す流れがチラホラあったのも気になった点です。そもそも論ですがメキシコ地方×言葉も判らない×女1人×ビーチの名前すら知らない・・ 医学部の才女が絶対にやらない行動のオンパレードだったのもかなり気になった点です。 総じて、海や水の表現が最高に美しかった!というのが最終的な感想だったりします。映画としてはよく出来てはいますが、どうにも微妙な点数に落ち着く作品でした。 [インターネット(吹替)] 6点(2022-08-04 16:05:23)(良:1票) |
177. マネーボール
メジャーリーグのことを少しでも判っていれば10倍は楽しめますが、あまり詳しくなくてもきちんと楽しめるように作られています。(私はそんなに詳しいほうではない) データを重視してチーム編成に取り組んだ、アリーグ、オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー「ビリー・ビーン」(ブラッド・ピット)の半生を描いた物語ですが、これが非常によくできています。40代以上の人にはセイバーメトリクスというより野村ID野球(ちょっと違うが)といったほうがピンとくるかもしれません。しかし野村ID野球よりももっと根本的なチーム編成自体をデータ任せにしたのがこの理論の凄いところです。今では当たり前ですが、いわゆるビッグデータ的な情報解析・情報分析を元にしてチーム自体を再編成した訳で、やはり2~30年前ではかなり思い切った無謀理論を追求した人物だったといえます。 自身もかなり気性が荒いビリーですが、周りの無理解、マスコミなどの過激な煽りなどプレッシャーやストレス、過去の後悔などを心に抱えている気難しい人物を非常にウマく表現したブラピはかなりのハマり役でした。元来この手の抑えた役柄が好きなブラピですが、本作のビリー役はキャリア中でもベストなものではないかと思われます。 また、脇も超一流で反抗的なハウ監督にフィリップ・シーモア・ホフマン、気が強い元嫁シャロンにロビン・ライト、気弱なハッテンバーグにクリス・プラットらと非常に豪華です。脚本もレナードの朝やシンドラーのリストのザイリアン&手直しにはザ・ホワイトハウス、ソーシャル・ネットワークのソーキンと、地味な映画だったと切り捨てるにはあまりにも勿体無さすぎる布陣です。さらには何気に開幕式でエレキで国歌を演奏するジョー・サトリアーニ、劇中内TVのみ出演のイチローなどなど、とにかく超絶に豪華なので多方面に考察できる人には非常に奥深い作品に仕上がっています。(ただ、他の方もご指摘ですがセイバーメトリクスを追求する映画なのに、、これ以上ないってくらい高額でメジャーな連中が集まっているのもある意味皮肉で笑えたりもします) 娘の歌声に突き動かされる音楽CDの流れも最高に素敵ですが、レッドソックスから暗転で現在の状況を説明するラストも非常にスマートでリアル。MLBのトレード事情やアリーグ・ナリーグのことなどもっと勉強して再度鑑賞したい、静かなる名作だと思います! [インターネット(吹替)] 8点(2022-08-04 15:48:06) |
178. チャッピー
《ネタバレ》 この監督特有の問題として、導入部で結構深い流れを感じさせつつ、エピソードにまで話題が降りてきた途端に稚拙になってしまうという致命的な問題があります。今作でもオープニングの食いつきは非常に良いものの、スマートな導入部と豪華なキャストをもってしてもこの稚拙な感じが払拭できていません。中盤、悪の夫婦がお手本になる流れとイジメのシーケンスで一気に意味深な作品に昇華するかと思いきや、結局のところイジメもあくまで通過儀礼にすぎず、結局はママの元に戻って泣くという浅い表現に収束します。 掘り下げ不足という意味では、教養がありそうな一流プログラマーのディオン(デーヴ・パテール)のキャラクター性も浅く、何度も創造主という言葉を使う割りにその意味合いはあくまで表面的で、チャッピーに単純な善悪を教えて彼らのファーストコンタクトは終わってしまいます。そもそもディオンの行動原理に一貫性がなく、この人物の人となりがよく理解できません。ヒュー・ジャックマン(ヴィンセント)とシガニー・ウィーバー(ミシェル)はよく引き受けたなというほどのクズな役回りですが、ディオンを含め、Tetravaal社側の連中の考えていることもよく理解できないため、単純なストーリー展開なハズのストーリー自体が違和感の塊と化してしまうという残念な事態に陥っています。これらの点は本当に残念でした。 予想外に素晴らしかったのがニンジャとヨーランディで、彼ら夫婦のおかげで最後まで見ることができたといっても過言ではないほどです。悪の夫婦とチャッピーの物語はイキイキしていて妙に心に響くセリフが多かったです。コミカルなのに哲学も含んでいて、そしてアクションのほうも破綻なく綺麗にラストまで流れます。ただし、こちらのパートでは意識や記憶の転送というイミフな事をねじ込んであるので、子供っぽく感じる部分もありました。まあ、このラストに持っていきたかったのなら、ある意味仕方がない部分かなといった印象ですが。。 チャッピーの強盗がTVで放送されたり、チャッピーに車を盗ませる理屈や犬を例えにした話など、素晴らしいシーンも多かっただけに惜しい作品です。エリジウムや第9地区でも感じましたが、この監督さん、あまり難しいことを考えずヨーランディ的な視点で気軽に映画を作ったほうが突き抜けたエンタメが出来上がるのではないかと思われます。センスが良い監督さんなだけに本当に残念、作品としてはギリギリ及第点かなといったところです。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-07-30 17:11:31) |
179. ナイン・デイズ(2020)
エディソン・オダ監督のデビュー作&サンダンス映画祭で脚本賞を受賞した本作。往々にして批評家にウケる作品は一般人にウケが悪いのが定説で、一抹の不安を覚えつつ鑑賞しましたがオチのつけ方以外は概ね良かったです。 物語はとても静かですが重たくなり過ぎない絶妙なバランスで流れています。特に一つ一つのセリフやちょっとした表現が意味深で印象深く、こういった「かけがえのない瞬間の連続」が人の生なんだなぁということを明確に伝えてくれています。 ただ、主人公のウィル(ウィンストン・デューク)の感性が繊細すぎて、こういう人が重たい決断をしちゃいけないよなぁと思うシーンがチラホラ。むしろキョウ(ベネディクト・ウォン)のほうが前向きかつ柔軟なので、選ぶ側の立場としてはふさわしかったように感じました。 各種適正テストもユニークで面白いものの、その結果がどうなったのか?というところまでは全然追求されていないので、見方によってはひどく退屈な映画にもなり得ます。また、大切な手紙が何度か出ますが、内容に言及されず観ている人の感性に依存しています。この辺は好みが分かれそうではありました。 浜辺の再現や自転車の再現は非常に素晴らしく、この映画最高の見どころの一つになっていますが問題なのはラストです。アレがウィルの過去であることは理解できますがまるでコンテンポラリーダンスでも見せられているようで、お芝居などに興味がない人にはあまり刺さらない結末のつけ方だと感じました。個人的には結末は言葉ではなく、映画らしくきちんと映像として表現していただきたかったところです。 総合的には素敵な作品なので映画ファンでしたら一度は見ておいても損のない映画だと思います。ちょっと甘めの点数です。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-07-25 18:01:28) |
180. マネーモンスター
ジョディ・フォスターって羊たちの沈黙などで世界的に有名な女優ですが、監督のほうが向いてるかもしれませんね。全体の流れの組み立て方がとにかくうまいです。オープニングから事が起きる前に全ての説明を終え、綺麗に観客をステージに上げてくれます。その直後、カイル・バドウェル(ジャック・オコンネル)が乱入してきてから、彼の無名臭さから何がどうなるか全く判らない展開が矢継ぎ早に起きる流れは本当に手に汗を握ります。 TVを見ている観客を相手に株価を操作しようとしたり、リーの爆弾を撃とうとするスワット、挙句には超絶毒舌なカイルの奥さんなどなど、面白い展開がてんこ盛りです。ただ、他の方も書いてらっしゃるようにこの映画では何かと無能男 + 聡明な女という図式が目立ちます。ダメ男のリー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)のイヤホンの奥には頭脳担当のパティ・フェン(ジュリア・ロバーツ)が居て、子供ができたのに投資=博打で全財産を失うクズのカイルには気の強い奥さんがいます。アイビス社も同じ図式で、雲隠れしているクズで悪徳なCEOに対して美しくて度胸があるダイアン・レスター(カトリーナ・バルフ)。この「ダメ男+聡明な女」の図式はチョット鼻につきますが、まあ綺麗にまとまっているので認めざるを得ない感じが何となく辛かったりも。 終盤がちょっと強引でご都合主義が目立ちますが、これくらいしか収めようがない感じです。頭がイイ女=ジョディ監督にはもうちょっと捻っていただきたかったところです。ラストの銃撃もCEOのカラクリも本当に残念でしたが、まあ全体的に娯楽作品としてはバランスが良くとても楽しめましたので少し甘めの点数です。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-07-21 18:04:45) |