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コメント数 923
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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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161.  ピノキオ(1940)
かなり知られているのに意外とレビュー数が少なめ。  近年は原典に近いマッテオ・ガローネ版が世に出て、 これからディズニー実写版、ギレルモ・デル・トロ版とリリースされるらしく、 クリエイターの何がピノキオへと駆り立てるのか… ということで、小学校に上がる前に十数回見ていた記憶を手繰り寄せる。  シビアな描写もトラウマになる描写も鮮明に記憶に残っていて、 登場人物によっては救いのない顛末を迎えたりと82年後の今なら問題になる箇所も少なくない。 ただ、反面教師として見ると非常に教育的で、これでも原作に比べてかなりマイルドらしい。 ディズニー実写版のさらなる改変にむしろ不安を感じるくらいだ。  今のアニメーターなら真似できるのかと思うくらい、手描きでの表現力は最高峰。 思い出補正で甘めの点数になってしまいますね。
[ビデオ(吹替)] 7点(2022-09-11 00:13:08)(良:1票)
162.  MEMORIA メモリア
頭内爆発音症候群に罹った監督の実体験を元にしているという。  固定カメラによる常軌を逸した長回し撮影に、眠気と共にハッとさせられる"音"の数々が挿入され、 夢か現か彷徨い歩く超自然的な感覚と同化する。  本作を撮ったのは、かつてカンヌで最高賞を受賞したアピチャッポン・ウィーラセタクン。 母国タイでの制作環境の改善のなさから海外に拠点を移した初の外国語映画だ。 『ブンミおじさんの森』で撃沈した自分にとって、久々の監督作視聴となったが、 やはり既存の映画文法から外れた対極的な作りであるため、 本当にそういう風に割り切らないといけない。  お酒を飲んで、照明も外界の環境音もシャットアウトした視聴環境で、 人間をダメにするソファに埋もれながら見ることをおススメする。 無意識に委ね、何度も反芻して初めて、本作が傑作だという結論に辿り着くのかもしれない。 (再視聴次第では評価が変動する可能性あり)。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-09-02 23:59:39)
163.  長ぐつをはいたネコ(2011)
シュレックシリーズからのスピンオフながら、 シュレックの名前も存在を匂わせる描写も一切なく、 プスの冒険と活躍に専念する。  ところが元ネタの童話とセルフパロディの数々が上手く嚙み合ってない。 当初あった毒も抜けて普通のファミリー映画に堕しちゃったあたり、 打倒ディズニーの野心はどこに行ったのかと。 それなら独立した作品としてもっと暴走しても良いのに、 まずシュレックを見ていないと楽しめない演出があり、物凄いジレンマを感じる。
[DVD(吹替)] 4点(2022-08-27 00:35:06)
164.  鍵泥棒のメソッド 《ネタバレ》 
監督の映画にハズレなし。 暗いトンネルを突破しようとする彼らの一世一代の賭けを 時間を掛けてオリジナル脚本で勝負する監督と重なる。 ヒト一人死なせない、低予算でありえないストーリーも 実力派俳優とセンスでカバーする姿勢が良い。  ただ、入れ替わりの展開はもう少し引き延ばしても良かった。 以降の展開が普通の出し抜きものになってしまう気がして、 もっと観客を翻弄させてほしかったと。  それでも全体としては綺麗にまとまったコメディ作品。 10年も新作が出ない辺り、アイデアも製作費も捻出できずに引退してしまったのか… 支援してこなかった邦画界の大きな損失だ。
[地上波(邦画)] 7点(2022-08-27 00:09:10)
165.  アフタースクール
前作の『運命じゃない人』が良かったので、リアルタイムで映画館に足を運んだ次第。  確かに面白いけど、思い込みを利用したどんでん返しが巧いだけで物語性は弱いかな。 期待値が高かったかもしれない。  一度っきりの鑑賞なので、二度目を見る機会があれば、違う感想が出てくるかと。
[映画館(邦画)] 7点(2022-08-23 21:09:49)
166.  アンブレイカブル
『シックス・センス』を見た後に本作を見ると、"衝撃のラスト"が途端に陳腐に見える。 話の切り口は面白そうなのに最後でぶち壊しになるのがシャマランの特徴である。 単品のみしか見てないので、後の2作品を見たら印象が変わるだろうか?
[ビデオ(吹替)] 2点(2022-08-13 22:46:09)
167.  インビジブル(2000)
一言でいえば「サイテー」。 VFXで透明化していく過程も、透明人間になったあとの目的も、 流石バーホーベン監督らしい悪趣味さ。 ただ、本人がスタジオに不満を持ち、ハリウッドから去ったように、 本当はもっと突き抜けたことをしたかったのかなと。 どこか消化不良感が強く、予想を裏切る展開が欲しかった。 中途半端な「サイテー」映画だ。
[ビデオ(字幕)] 4点(2022-08-13 22:33:31)
168.  ベルファスト 《ネタバレ》 
『ROMA/ローマ』に影響を受けているのか、モノクロで監督の半自伝であることも共通している。 ただ、『ROMA/ローマ』のような灰汁の強さはなく、事情をよく知らない少年の目線で描かれているので、 複雑な社会情勢を調べなければならないという敷居の高さもない。 むしろサッカーに興じ、少女との淡い初恋、万引きを唆されたりと、 緊急事態が日常になっている中で懸命に生きる少年とその家族を活写しているところに重点を置いている。  ただ、劇中劇だけパートカラーで、劇伴もここぞと効果的に挿入される、その演出にあざとさを感じてしまう。 わざわざモノクロで描かないといけない理由が全く感じられなかった。 芸術性の高い作りが少年の溌溂とした物語とチクハグで合ってない。 これが作品の没入感を割いているように感じた。  短い出演時間ながらも最後をかっさらうジュディ・デンチは流石と言ったところ。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-08-13 22:15:47)
169.  JAWS/ジョーズ
粗製乱造されるC級サメ映画の原点であり頂点。 もちろん本作は亜流とは比べ物にならないくらい完成度が高い。 撮影時、サメの機械模型の不調により、サメはほとんど登場することなく、 出るか出ないかの演出と絶望的な状況が却って恐怖を際立たせていた。 パニックホラーの域を超えて、格調高さすら感じる。 これさえあれば他のサメ映画なんていらない。
[地上波(字幕)] 7点(2022-08-06 15:30:59)
170.  映画 ゆるキャン△ 《ネタバレ》 
変化と不変、終わりと始まり。 いつもの緩やかな世界と付かず離れずの友人関係はそのままに、一抹の寂しさをまとっている。 大人になったからこそできるものがあれば、それ相応にしがらみも責任も伴う。 紆余曲折しながらキャンプ場を完成させていくプロジェクトX的な筋書きに、 アウトドアものならではのディテールが積み重ねられ、趣味への向き合い方の一つの答えかもしれない。 テレビアニメ未見でも話についていけるが、知っていれば分かる感慨深いシーンが数多く散りばめられていた。 彼女たちは10年後も、家庭を持っても、これからもきっと変わらないのだろう。
[映画館(邦画)] 7点(2022-08-05 23:46:55)
171.  悦楽共犯者 《ネタバレ》 
シュヴァンクマイエルが行くところまで行ってしまった自己満足映画…と言いたいところだが、 6人それぞれの突き抜けた性倒錯ぶりを傍から見るとやはり滑稽で最後まで目が離せない。 個人個々で始めたはずが次第に他の人にも影響を与え、 メタ的な意味で視聴者も巻き込んでいく意味で確かに『悦楽共犯者』だ。  本作にシンパシーを感じたのであれば、誰かの性癖も犯罪行為でなければ否定しないでおきたい。 気に入らないものを排斥するお気持ちクレーマーが憚る世界なのだから。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-07-05 23:25:50)
172.  アリス(1988) 《ネタバレ》 
かなり昔にDVDで見ていたが、 アマゾンプライムで再視聴する機会があった。 こちらは原語のチェコ語バージョン。  アリスの口のアップ、引き出しの取っ手が抜けることを始めとした反復を重ねる手法に、 物語を拒絶するように話が通じないグロテスクなキャラクターたちと、 アリスから見た未知だらけの不可解な世界をシュヴァンクマイエルが的確に伝える。 そこに子供ならではの純粋さと残酷さが同居する。 そんな"鬱くしい夢"を魅せられる人によっては至高の90分だろう。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-07-05 22:38:06)
173.  ルナシー
ヤン・シュヴァンクマイエル特有のアニメーションは章に挟む程度で控え目。 正気と狂気の境目を行き来する主人公が体制に翻弄されていく。 自由を掲げる左側も、管理を掲げる右側も極端すぎて、 いや、その両方を含有する狂った世界に自分は生かされている現実を突きつけられる。  人によっては「それで?」で終わってしまう作品かも。 主人公同様、どうすることもできないから。
[DVD(字幕)] 6点(2022-06-28 22:04:02)
174.  Vフォー・ヴェンデッタ 《ネタバレ》 
"V"は象徴である。 彼を演じるヒューゴ・ウィービングは最期まで素顔を明かすことはないし、 実は女性と匂わせる表現もあるが定かではない。 つまるところ、誰もが社会を変えられる"V"になれるということ。  もちろん"正義"のためなら非道行為を厭わないテロリストの側面を持ち、 自由と権利を手に入れることは各々が自覚し血を流すことだと言える。 数多くの犠牲を経て民主主義を手に入れた欧米の歴史そのものだ。  あの大爆発で強烈なカタルシスを感じたが、良い未来になるとも限らない。 権力者の言うことを受け入れて平穏に暮らしたいか、 抑圧を跳ね除けて閉塞感を打ち破りたいかは一人一人が決めること。  見たのはもう昔の話であるが、現在の社会情勢と大きく重なる。 侵攻を続けるロシア政府の姿勢を自国民がどう選択するのか。 そして日本も同調圧力に従うままどこかで諦めていて、緩やかに悪い方向に進みたいのかと。
[DVD(字幕)] 6点(2022-06-28 21:34:19)
175.  ホテル ビーナス
遠い昔に視聴。 草彅剛が"チョナン・カン"を名乗る韓国人という設定のテレビ企画から始まり、 一本の映画にしたという記憶がある。 全編韓国語、ウラジオストクを中心とした撮影ロケ、モノクロに近い青みががった映像と 邦画らしかぬ無国籍感漂う雰囲気で奇を衒いたかったのだろう。 その証拠に、ストーリーが印象に残らず、全てのエピソードがとっちらかって終わってしまった印象。 ラストの演出も如何にもあざとく、これでは感動できません。
[DVD(邦画)] 4点(2022-06-27 21:42:31)
176.  インファナル・アフェア 《ネタバレ》 
潜入捜査官ものは映画でもよく見かけるが、同時にマフィアも警察に潜り込んでいた、という設定が斬新。 その設定に溺れることなく、善と悪の境界線でもがく二人をドラマティックに緊張感たっぷりに描き出していた。 チンピラとして無残に死んでいく潜入捜査官のヤンを他所に、裏社会のボスと仲間を裏切って消し去り、 "善人"として生きていこうとするラウの対比がやるせなくもたまらない余韻を残してくれる。 それでも血で洗った過去はいつまでも追ってくる… この無常観は確かに因果応報を望む欧米の価値観とは相容れないだろう。
[DVD(字幕)] 7点(2022-06-24 22:41:11)
177.  地獄の黙示録
コッポラが『ゴッドファーザー』を超えるために作ったはずが、撮影現場の混乱ぶりが凄まじすぎて、 物語の破綻ぶりとカオスがジャングルという地獄巡りに彩を添えているのが皮肉すぎる。 難解なのは言うまでもないが、強烈なインパクトも備えているので、 カンヌパルムドールを分け合った『ブリキの太鼓』に近いものを感じた。 終盤のカーツ大佐との対話でどうして眠くなってしまってしまうんですよね。
[DVD(字幕)] 6点(2022-06-08 22:50:09)
178.  グラディエーター 《ネタバレ》 
捻りもない王道なまでの復讐劇でストーリーは弱め。 その代わり、長尺を飽きずに見せるリドリー・スコットの演出力と、 ラッセル・クロウとホアキン・フェニックスの熱演、豪華絢爛な美術で見事に押し切る。 暴君を倒した英雄の滅びの美学が光る。 それを堪能する作品かと。
[DVD(字幕)] 7点(2022-06-08 22:38:26)
179.  スズメバチ
シチュエーションには惹かれる。 戦争映画さながらの絶望的な籠城戦で面白くないわけがない。 でも、やはりストーリーが弱すぎて、アッサリ終わってしまった。 雑なのは仕方ないにしても、それを吹き飛ばすくらい、もっと派手に撃ちまくってほしかった。
[DVD(字幕)] 4点(2022-06-01 20:26:51)
180.  X-MEN:ファースト・ジェネレーション
X-MENシリーズには思い入れがないものの、最初の作品を見ていたのもあり、物語に入ってこれた。 プロフェッサーXとマグニートの邂逅と決別を辛気臭くしすぎず、コミカルさも交えて絶妙なバランスで仕上げており、 流石『キック・アス』の監督だなと思わせる。 人間を凌駕するミュータントでも環境から、どう生きていくか、そして己のアイデンティティーに悩んでの結論が遣り切れない。
[映画館(字幕)] 7点(2022-05-28 00:30:11)
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