1801. クッキー・フォーチュン
主人公リヴ・タイラーの伯母さん=グレン・クローズの愚かな虚偽から小さな町が大混乱に陥るという小気味良いブラックユーモアの効いた群像劇だった。破綻しそうなストーリー展開であるが、リヴ・タイラー、ジュリアン・ムーアをはじめとする魅力的なキャスト陣とロバート・アルトマン監督の卓越した演出によってユーモラスで爽快な作品に仕上がっている。 [ビデオ(字幕)] 7点(2004-01-26 18:53:26) |
1802. アモーレス・ペロス
緻密な人物描写とドラマとしての緊迫感の高い構成力、そしてメキシコという国独特であろう暑苦しい空気感に引き込まれた。しかし中盤以降やや失速した感もある。濃密な人間ドラマはあったが、やや尺が長すぎたかもしれない。2時間半という尺にたえるだけのスピード感がなかったかことが惜しい。 [ビデオ(字幕)] 6点(2004-01-26 18:47:16) |
1803. キッドナッパー
フランス娯楽映画特有の映像的なセンスの良さと、ノリの楽しいストーリー展開を期待したけど、どの要素もイマイチで娯楽映画として盛り上がりに欠けたことは致命的だった。 3点(2004-01-26 18:40:49) |
1804. 星降る夜のリストランテ
この手の群像劇に不可欠な個々の登場人物のキャラクター性としては印象高いものがあったが、大筋のストーリー展開が軟弱だったと思う。主人公ファニー・アルダンの人物像にもうひとつインパクトがないのも手痛い。イタリア独特の小気味良いノリの良さは感じたので、そのノリをもっと生かしてほしかった。 [ビデオ(字幕)] 4点(2004-01-26 18:28:40) |
1805. キャラクター/孤独な人の肖像
卓越した映像美と演技に裏づけされた秀逸なサスペンスドラマだった。オランダ映画というものは今作しか観たことはないが、こういう秀作に巡り合うと、世界のあちこちに無数に良い映画が存在することを痛感する。まったく世界は広く、映画は果てしない。 7点(2004-01-26 18:22:26) |
1806. 耳に残るは君の歌声
ひとりの少女を主人公に、混迷し混沌とする社会を印象的に描く。主演のクリスティーナ・リッチの暗い世の中を見据えた眼差しがとても印象的。脇を固めるケイト・ブランシェット、ジョニー・デップ、ジョン・タトゥーロらの演技もそれぞれ良かった。しかしドラマティックで濃厚な大河ドラマだっただけに、もっと映画の尺を長くすればさらに濃密な映画に仕上がったはずである。 7点(2004-01-26 18:17:43) |
1807. ノー・マンズ・ランド(2001)
派手な演出を廃したストーリー展開にはいささか退屈な部分もあったが、同時にその淡々とした狂気が妙に生々しくリアルだった。大金をかけた大作戦争映画が氾濫する中、今作は非常に小規模でシンプルであるが相当の説得力があった。ラストシーンの言葉にならない重さは、戦争というものの真理を物語っているようだ。 [ビデオ(字幕)] 6点(2004-01-26 18:09:48) |
1808. ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
こういう音楽性を存分に打ち出した映画はあまり得意ではないのだけれど、主人公のキャラクターとその生き方は凄まじいまでのエネルギーが伝わり、作品としても熱情に溢れたものに仕上がっている。 6点(2004-01-26 18:00:36) |
1809. アトランティス/失われた帝国
ディズニー映画といえばミュージカルシーンがお約束というものだが、今作ではそれが一切なく、SFアドベンチャーが徹底して展開される。映画自体の出来としては、エンターテイメント性に富んだストーリー展開を楽しめるものだったが、やはりディズニー映画らしさはなかったかもしれない。 6点(2004-01-26 17:56:27) |
1810. ゴスフォード・パーク
時代背景に裏づけされた人々の階級模様がそのまま舞台となる屋敷と映画の構図となり、非常に濃密で多面性のある群像劇が展開される。この手の映画は大得意な巨匠ロバート・アルトマンだけにストーリー展開とカメラワークが極めて見事で、多数の登場人物が混合することなくスマートに映画が進展していく。群像劇のみでも充分に見応えはあるが、そこに殺人というエッセンスが加わり映画としての味わい深さがさらに増す。 [映画館(字幕)] 8点(2004-01-26 17:51:02) |
1811. ギャング・オブ・ニューヨーク
巨匠マーチン・スコセッシの多大な力の入れようはひしひしと感じたが、それが映画の完全な盛り上がりへとつながったかは微妙なところである。俳優陣の演技も熱演そのものの秀逸さだったと思うが、いまひとつ登場人物の心情に入れ込めない。映画世界の豪華さに圧倒される部分はあるが、冷静に観ると肝心のドラマ性に力がなかったように感じる。主要キャラ3人の人間像がいささか軽薄だったことが致命的だった。 5点(2004-01-21 23:30:37) |
1812. スリ(2000)
中年スリ師の生き様を渋く描く異色作。人間ドラマとして濃密さはあったが、映画的にはやや盛り上がりに欠ける。主人公の原田芳雄の演技と存在感は見事だったが、とりまくキャラクターの人物描写に物足りなさが残った。 [ビデオ(邦画)] 4点(2004-01-19 19:13:48) |
1813. サイン
「シックス・センス」「アンブレイカブル」と類まれなるサスペンスセンスを見せ付けたM・ナイト・シャマラン監督であったが、3作目にして見事なコケっぷりを見せ付けてしまった。仰々しくプロモーションされた「衝撃」に用意された結末は目を疑うほどの肩透かしに終わってしまった。明らかにクオリティの落ちた脚本にフォローの余地はなくただただ次作に期待するばかり。 2点(2004-01-18 04:35:04) |
1814. スコーピオン
いいかげんとも言えるノリの軽さが心地よい痛快感につながる秀作アクションだったと思う。「落ち目」というレッテルを弾き飛ばす勢いを見せたケビン・コスナーの悪役ぶりは良かった。個人的にはこのパフォーマンスを見ればケビン・コスナーはまだまだイケルと感じた。 7点(2004-01-18 04:29:32) |
1815. ロード・トゥ・パーディション
ギャングという彼としては異色の役どころを演じたトム・ハンクスの存在感が抜群だった。そこにジュード・ロウの怪演、ポール・ニューマンの貫禄の渋さが加わり濃厚なハードボイルドに裏づけされた親子のドラマに仕上がっていた。「アメリカン・ビューティー」においてその才能を知らしめたサム・メンデス監督のカメラワークが秀逸そのもので、映画全体を鮮烈な構図と陰影で際立たせている。あらゆる面で見事に完成された傑作。 [映画館(字幕)] 9点(2004-01-18 04:25:24) |
1816. ロックンロールミシン
ラストの理想に対する現実的な終わり方は興味深かったが、映画として盛り上がりがなかったことも事実。淡々と繰り広げられる中盤の流れは良かったと思うが、展開の抑揚に欠けるので印象も薄くなった。 [映画館(邦画)] 4点(2004-01-18 04:18:13) |
1817. サウンド・オブ・サイレンス(2001)
サスペンス映画としてはもはや王道的なストーリー展開はあまり新鮮味がなく特筆するインパクトもなかった。予告編の雰囲気は良かったので期待したが、予告編そのままの内容に終始している。 [ビデオ(字幕)] 4点(2004-01-18 04:15:07) |
1818. 竜馬の妻とその夫と愛人
三谷幸喜ならではの坂本竜馬と彼をめぐる男女の人間模様が愉快に感動的に描かれる。竜馬の妻を演じた鈴木京香、その愛人を演じた江口洋介、妻を慕う義兄を演じた中井貴一とそれぞれユーモラスで人情的な好演を見せるが、何といっても竜馬の妻の夫を演じた木梨憲武の喜劇俳優ぶりが素晴らしかった。最高に可笑しく、感動的なノリさんのパフォーマンスに涙する。ケッサクの名に相応しい映画だった。 [映画館(邦画)] 8点(2004-01-18 04:08:13) |
1819. 激突!<TVM>
テレビ映画だし、今のイメージのスピルバーグ監督作としてはあまりに小ぶりな映画ではるけれど、その創作工夫はやはり物凄い。巨大トレーラーがただ狂気的に追ってくるという単純なプロットをここまで緊迫感溢れるサスペンスに昇華させるあたりに、若きスピルバーグの多大な可能性を見ずにはいられない。 7点(2004-01-18 04:00:33) |
1820. DRIVE
SABU監督作品の中では最も豪華なキャスティングとなった今作だけれど、その個性派揃いの役者陣を生かしきれないまとまりのない展開に終始してしまった。「ポストマンブルース」以降どんどん盛り下がっていっているSABU監督作品にいよいよ危惧してきた。 4点(2004-01-18 03:55:47) |