1801. パリのランデブー
良い!ロメールの映画はどれも素敵だ。女性の表情のとらえ方が抜群だ。特にロメール節が冴え渡ったのが、2話のあちこちでデートする話。こうなると、退屈な会話の映画は見るのがしんどくなる。例えば「恋人たちの距離」「ビフォアサンセット」は共に好きな映画だが、この映画と比べると、会話の内容がさえない。でもロメールの映画はこういう短編が複数あるのが良いです。一人の女性の活き活きした表情を見るだけでも飽きないのですが、たくさんの女性の表情を見てみたいと思ってしまいますもん。すぐ脱げばいい、なんて思っている映画はロメール作品を観て、勉強して欲しい。そりゃ、脱げば嬉しいですけど、現実味がなさ過ぎて、「これは映画だ」と観てる頭のスイッチが切り換っちゃうから。ロメールの映画は実際デートしてて、彼女の顔を見ているような感じにさせてくれる。 [DVD(字幕)] 8点(2010-06-17 22:42:25) |
1802. タワーリング・インフェルノ
《ネタバレ》 これだけの火事だったら、鉄骨が曲がって、ビルそのものがもたないよ。第一、こんなに煙を吸ったら、消防士がエース級の人材であっても死んでしまうよ。またビル全部の火事を消したあれだけの水があるものだろうか?ビルの中に。とかなんとか思ってしまうが、今の高度なCGに比べ映像は劣るものの、面白い。フェイダナウェイの際どいドレスがいつはだけるかと思ってしまう。美男美女のキスなら鑑賞に耐えられるが、じいさんばあさんのキスは見たくない。とか色々思うが、面白い。子供の頃、親と一緒に観に行った映画。当時は映画一作一作に映画の個性に合わせたポスターが描かれており、この映画で描かれた絵がかっこいい。子供心にそう思っていた。映画館とはウキウキするところだ、というのがこういう絵から感じられた。特別なところなんだと。今は洗練されてはいるが、映画の一場面に主役の写真が組み合わせてあるような、軽い感じのポスターが多い。 [ビデオ(字幕)] 6点(2010-06-14 02:27:56) |
1803. アンナと過ごした4日間
《ネタバレ》 たしかに気持ちの悪い男ではある。おばあちゃんも亡くなったし、彼はもうこの世で生きていくのはどうでもいいと感じていたのかな?大体、その前にレイプ疑惑で嫌疑をかけられ刑務所に入れられるという損な運命。そこで彼もレイプされてしまうし。周囲に誰も彼の味方をするものはいなかったのか?アンナにふられるのも仕方ないよなぁ。もっと光の差し込むようなラストが準備されてれば、と思う。このラストで監督は何が言いたいんだろう?そりゃ、人間界の真実みたいのを言い当ててるかもしれないが、あそこで終りにする事は無いだろう。彼の今後の人生が開かれて、ジ・エンドにすべきじゃないか!? せめてアンナが彼の人生に興味をもって、終りとか。 [DVD(字幕)] 6点(2010-06-13 22:52:13)(良:1票) |
1804. パブリック・エネミーズ
《ネタバレ》 なぜ、自殺行為と思われるような、映画鑑賞に行くのか?なぜ、警察署内に堂々と入っていくのか?なぜ警察が見張っていると分かっていながらビリーに接触するのか?そんな感じを抱いて、レンタル屋にDVDを返却しに行って、店内に貼ってある、この映画のポスターに書いてあるコピーで分かった。彼は自分の美学を貫いたのだ。犯罪映画というより、「男」の映画なのだ。そうすると「ヒート」「インサイダー」のマイケル・マンらしい。色んな役をこなすジョニーディップが演じていたので、そこに気づかなかった。実在の人物なので、ラスト殺されるのも仕方ない。そういう事実だったんだろう。ただ自分はこの結末を知らずに観ていて、ビリーと一緒になれたら幸せだろうに、と思っていたので、ちょっと残念だった。最後のエンドクレジットで銃の腕前がいい、パーヴェスがこの事件の次の年に自殺したことが分かるのだが、その理由が何故かよく分からなかった。事実だから、と言われてもなぁ。そして皆さんおっしゃるように最後、ビリーにデリンジャーの伝言を伝えにいく老刑事がカッコいい、と自分も思った。これも事実にそったキャスティングなのかしらん?こんな渋い刑事だったのかなぁ?でもこの親父どーっかで見たような、あぁそうか、「アバター」のあの親父だった。 [DVD(字幕)] 7点(2010-06-09 01:54:58) |
1805. 正義のゆくえ/I.C.E.特別捜査官
テーマ映画という感じでしょうか?麻薬なら「トラフィック」、銃なら「クラッシュ」そして移民ならこの映画。アメリカの問題を扱っていますが、こうあるべき!とか言った強いメッセージは薄い感じでした。移民問題ではピーターウィアー監督の「グリーンカード」の方が自分には伝わってきました。ハリソンフォードは目力だけはあるのですが、皮膚とか体とかパサパサで、元気が感じられないです。(再婚したから?)ひょうひょうとして、元気なハリソンフォードが好きな自分にはちょっとがっかりでした。年齢相応の味わい深い人間味あるキャラクターを出すのならば、こういう群像劇にせず、どっしりと彼を主役にして、悩んだり、怒ったりする映画にして欲しかったです。 [DVD(字幕)] 6点(2010-06-08 04:02:20) |
1806. チェイサー (2008)
《ネタバレ》 最後の格闘はこれ以上ありえんような残酷な方法で犯人をやっつけてくれと思っていたのだが、意外に強いこの変人。もどかしかった。この映画で良かったとこは、取調室での警察の大物がこの犯人を尋問するところ。すごく面白かった。この人が先頭に立って指揮をとれば面白かったのでは?この警察の人、もっと見てみたかった。眼がコワイ。韓国の大物俳優なんでしょうね。それにしても何!?この救いの無さ!?韓国版「セブン」といったとこでしょうか?後味わりい~! [DVD(字幕)] 7点(2010-06-06 23:35:48) |
1807. ミザリー
《ネタバレ》 最初は車椅子のまま、どうやって脱出するか、と思ってました。ヒッチコックの「裏窓」かな、と思ってたんです・・・(なめてました、スイマセン)次は心理戦と思ってました。ウイリアムワイラーの「コレクター」かな?と思ったんです。(これもなめてました)でも足をやられて(この映像はスゴイ!)、一緒に死のうなんて言い出すし。最後は保安官が頼りになる面を見せて、終りかと思いました。「セルラー」みたいな感じで。でもこれも違った。自分の前のレビューをいくつか読むと、キャシーベイツが狂気な役をやるとは知っていましたが、細かいストーリーは知らなかったので、自分は幸運な観客だったようです。ですから、まだ観てない人がこの文章読んで、インパクトが薄れると気の毒なので、あまりネタバレしません。(手遅れかな?)これは面白いですよ!ただジェームズカーンからイマイチ、素敵な作家という印象が感じられなかったので(インテリぶっても「ゴッドファーザー」の長男だよなぁなんて思ってしまう)、彼の境遇がそんなに気の毒とは思わなかったです。よって7点くらいかなぁと。 [DVD(字幕)] 7点(2010-06-05 20:34:39)(良:1票) |
1808. 紙屋悦子の青春
相米監督が亡くなってから、あまり映画でお目に書かれなかった長回しの演出。この映画では、その長回しが、戦争時の田舎のゆっくりした時間の中に住む人たちを描くのに効果的に使われたと思う。とてもいい映画だった。監督の反戦のメッセージが心に響いた。どんな家族にもその背景には色んな人がいる。戦争だけでなく、人が死ぬと言う事はその色んな人を悲しませる。原田知世演じる女性が幼なじみの男性が戦場の最前線に志願していくと言う事実を知った時、嗚咽する場面にはこちらも泣いてしまった。原田知世も永瀬正敏も九州出身。自分も九州だが、二人の九州の言葉は違和感なく、自然で良かった。とてもいい映画でした。 [DVD(邦画)] 9点(2010-06-02 17:49:00)(良:1票) |
1809. レベッカ(1940)
これは高校生の時、無謀にもヒッチコック先生に挑戦した最初の映画です。なるほど、前の奥さんが出来すぎていたので、新しい奥さんがプレッシャーを感じる映画で、こういうサスペンスもあるんだなぁと思いました。ところがそれから色んな映画を観ましたが、こういう設定のサスペンスは珍しいことが分かりました。ヒッチコック自身もこれはヒッチコック映画ではない、と言っており、女性映画と位置づけているようです。珍品だと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2010-06-02 06:22:38) |
1810. お父さんのバックドロップ
《ネタバレ》 こういう映画には弱くて。映画と分かっていても、最後は泣きました。子どもの端正な顔がこの映画を引き締めていると思います。そしてあの独特な構造の下宿屋も。絵になるあんな場所をよく見つけてきたもんだ。セットかなあ?住人の人情話もいい絵でとれてますし。とにかくとても心温まりました。こういう下町も今では減っているだろうなぁ。試合のシーンはマンガ「1・2の三四郎」でも凄まじいバックドロップが出てきますが、ここでも一発で決めてしまいます。でもよく殴られっぱなしであんな体力残っていたもんだ。やはり息子の姿が親父に最後の力をふり絞らせたのでしょう。いい映画でした。余談ですがプロレスの映画では観たくてしょうがないのが「カリフォルニアドールズ」。早くDVD化してほしい。 [DVD(邦画)] 7点(2010-06-01 14:51:30)(良:1票) |
1811. ピーナッツ
《ネタバレ》 そもそも最後まで見せた、って事がすごい。バラエティで鍛えた、ちょっとした笑いや、楽しくなるようなBGMが、映画への集中力を途切れさす事なく見せてくれました。これは大事な事で、プロの監督が創っても、時計を気にする作品が多いのに、これは凄い!面白かった。ラストもアマイ展開ではなく、シビアだけどちょっとホロリとこさせるとこなんか良い。ただし、映画というよりマンガに近かった気がする。さま~ずが好きなので、準主役の三村をたっぷり観れたのは良かった。大竹も彼の個性にあった人物設定で良かった。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-31 12:38:03)(良:1票) |
1812. さらば冬のかもめ
《ネタバレ》 ラストの方で、追いかけながら銃を出した時、今までのニューシネマならバッドエンドが多いので「やめろー!撃つなー!」と心の中で叫んでいた。でもこの映画は違った。任務は無事、終わるのだが、最後まであの青年が自由になるのでは?と期待して観ていた。が、それもなく、結局この映画は、護送する彼らなりに良かれと思って、青年に色んなことを体験させるという話だ。刑務所から出る頃には女に興味がなくなっているかもしれないので、女郎屋へ、と思う気持ちは優しいものだ。この話の後、ニコルソン演じる水兵は何事も無かったかのように今まで通りに過ごすんだろうなと思うのだが、ベトナム戦争で国内が乾いている時、こんなささやかな優しさも貴重だぜ、というメッセージを感じた。 [ビデオ(字幕)] 7点(2010-05-28 20:58:34) |
1813. インフォーマント!
《ネタバレ》 妙にウキウキするBGM。この主人公自体、それほどの罪じゃないんじゃない?といった感じの軽い性格。奥さんがいて良かったね。もしいなけりゃ親にも見放され、もっと重いラストがあったかも。どこか憎めない理系エリートが右も左も分からない時に上司から「犯罪」を教わり、そのまま行っちゃったという話しだと思っていたら、養子じゃなかったというところから、こいつまだまだ余罪がありそうと思わせて、話は幕。「トラストミー」って言ったってねぇ。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-24 01:56:34) |
1814. 沈まぬ太陽
《ネタバレ》 角川映画もやるじゃん。良かったよ、この映画。石坂浩二はこんな役もできるんだね。元々演技がうまいし、安定感のある演技で会長を演じていた。三浦友和も渡辺謙も良かった。特に後半の渡辺謙は良かった。前半はちょっと力みすぎ?だったかな。久しぶりに見応えのある邦画を観れたのがうれしい。こういう社会派は大歓迎だよ。ただ、1点気になったのが、為替の穴埋めに香川照之が空港券を安売りチケットに横流ししてた金をあてたの?この辺がよく分からなかった。為替の問題がどうしてうやむやになったのかを分かりやすく見せて欲しかった。やっぱ原作読んでないからかなあ。でもこの映画で山崎豊子に興味を持ったよ。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-23 21:51:20) |
1815. マイ・ウェイ
《ネタバレ》 主題歌が有名なので観ました。勝つ事がすべての父親は、それについていけない家族をふりまわしながら、子どもが次から次へと事故にあいます。でもそんな家族に自分の生き様を、かっこ悪くても立ち上がる生き様を最後のマラソンで見せます。それは悲劇でショックを受けた父親として立ち直る為のものでもあったかもしれません。でも恋人の身辺調査をさせるとこなんて、いやらしい一面も持つ親父なんですね。この親父には感情移入できなかったですね。まぁしかし昔の映画なのでちょっとが画像がテレビ映画っぽいのですが、それでもいい映画だと思います。マラソンをあつかった映画はラスト、怪我をひきずったりしてでもゴールインする映画が多いですね。マイケルダグラスの「ランニング」や邦画の「風が強く吹いている」とか。 [ビデオ(吹替)] 6点(2010-05-17 10:11:31) |
1816. 六月の蛇
《ネタバレ》 好きな邦画の一本。満たされない夫婦が色々あって愛し合うようになる。そういう話、自分は大好きなんで。黒沢あすかが可愛い。雨の中で被写体になり、自分を解放していく奥さんを陰で見ている、旦那の姿が切なく、でもとても良いラブストーリーだよなぁと思ってしまう。 [ビデオ(邦画)] 7点(2010-05-17 08:01:54) |
1817. 風が強く吹いている
《ネタバレ》 陸上競技映画は秀作が多い。それは体を使ってやるスポーツが美しいからだろう。音楽とマッチする。「炎のランナー」「ランニング」「800」「奈緒子」「マイウェイ」など。仲間と一つの目標に向かう、という青春は忘れられない。爽やかだし。この映画、ラストはちょっと観てて苦しかったが、仲間の迎えるゴールになだれ込んだシーンはちょっとジーンと来た。監督が実は金メダリストの高橋尚子の小出監督みたいにスグレモンだったら面白いと思ったが、最後までやはり、ただの大家さんだったのはちょっと残念だった。でも10人みんなの想いを丁寧につづっており、いい映画だった。特に主人公の小出は声も表情もいい。これからも色んな映画に出て頑張って欲しい。 [DVD(邦画)] 8点(2010-05-17 00:33:21) |
1818. サマーウォーズ
《ネタバレ》 負け戦でも戦う武田家の一族。この大家族を束ねるおばあちゃん。数学オリンピックに選ばれそこなった物理部の主人公。みんな爽やかでした。ただゲームに興味のない自分には、こういうバーチャルなものにみんながのめりこんで応援するというシーンはちょっと「?」と思ったのも事実です。でもラスト、世界中の人たちが自分らのアカウントを使ってくださいと言ってきた展開にはちょっとウルッときました。 [DVD(邦画)] 7点(2010-05-16 21:02:44) |
1819. イングロリアス・バスターズ
《ネタバレ》 ストーリーから気をそらさないように色んな演出で見せて、あっという間の150分。その演出が映画好きにはたまらない。ストーリー展開も斬新で意外な展開に釘付け!さすがです、タランティーノ!正直、「キルビル①」を観た時、そのアクションの演出の毒の強さに頭痛がしたことがあったので、この映画も拷問シーンか何かで見せるのかなぁと観るまでひるんでいた。でもセンスのかたまりのような演出に唸った。面白い!でも観終わって、ちょっと時間が経つと何も残らない。こういう「現実」をちょっと忘れさせてくれる作品こそ、今必要な映画かもしれない。そう思うんだけど、やはりメッセージのある作品で「良い」のもあるので、ここはちょっと1点マイナス。(映画好きな「自分」は10点満点なのだが、「現実」の厳しさにそうそう浮かれてもいられないという「自分」がこの点数をつけた) [DVD(字幕)] 9点(2010-05-13 21:02:42) |
1820. 最後の誘惑
《ネタバレ》 結婚って、こんな感じだろうなと思った。最後、何故また十字架に戻ろうと、人間イエスが神の子イエスに戻ろうと思ったのか?天使が悪魔だったというのは、じゃあ結婚ってそんなひどいものなのか?とその辺が分からなかった。やっと一緒になったマグダラのマリアを殺させたのが原因なら、もうちょっとマグダラのマリアとの交流も描いて、純粋なラブストーリーにした方が分かりやすかったのでは?と思った。スコセッシの描きたかったのもこの辺だろうと思ったので、ここが説得力あったら、文句なく満点でした。 [DVD(字幕)] 8点(2010-05-12 17:30:02) |