1801. パルプ・フィクション
《ネタバレ》 これを初めて観たときトラボルタ復活に涙したもんです。なんて顔の大きい、ヘンな髪型の人殺しなんだ・・そしてなんてホレボレするキュートっぷりなんだ。ああツイストの場面、昔取った杵柄。素晴らしい。「カンベンしてくれよ」だって・・またまたあ。可愛いトラボルタでしょ、宗教色の鬱陶しいS・L・ジャクソンにうるさいだけのアークウェット、終始たなぼたのB・ウィリスに鼻血出してぶっ倒れるユマ・サーマン。突如颯爽と現れてクールなハーベイ・カイテルに終盤なのに出ずにいられないタランティーノ。こいつらの存在の限りなく無駄な感じに愛おしさすら感じる。傑作だあ。 [映画館(字幕)] 9点(2012-04-08 02:18:56) |
1802. サブウェイ
《ネタバレ》 ベッソンの感性が良い方に出た一本。ストーリーらしいストーリーは無くてほとんどセンスだけで構築した100分。この頃はまだ低予算の身(たぶん)という謙虚な姿勢もよろしい。パリの地下鉄構内を舞台にした目の付け所がさすがだなあ。広くてまるで迷宮のようで。コンクリ打ちっぱなしの無機質さに突如真っ赤な柱が配してあったり、エレベーターの扉が近未来メタル調に輝いていたり。さすがフランス。センスの厚みが違う。アジャーニ美しいです。出オチ(?)のようなゴージャスなドレス姿似合い過ぎ。そしてこんなにカジュアルの似合わない人を初めて見る。おそらく私服でもブルゾンなんか着ないんだろうな。髪をポニーテールにしたところで、ちぐはぐ感拭えず・・のイザベルでした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-08 01:25:48)(笑:1票) |
1803. バニラ・スカイ
《ネタバレ》 やーん 夢オチかい。夢オチ嫌いなんだよなー。ペネロペとキャメロンがくるくる入れ替わる辺りがちょこっとサスペンス風味、でも全体的にあんま面白くない。ペネロペがコケティッシュな魅力全開。可愛いのはペネロペだけど、役者としておお、と思う仕事をしたのはキャメロン・ディアスの方。女の執念の怖さ、哀しさがよく出てた。怖い怖い。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-04-08 01:04:05) |
1804. キル・ビル Vol.2
《ネタバレ》 あれ、監督やりたいことvol.1でやり尽くしちゃったのかな、と思うほど今作はやたらシンプルで正攻法。物足りないなあ、と一瞬思ってしまってこりゃタランティーノ中毒になりかかっているのでは、と冷やりとする。 真相が明るみになってみれば、単なる痴話喧嘩かいな。ラストで復讐を終えて泣きすさぶヒロイン。愛してたからこそ許せなかったわけだけど、愛があったからこその慟哭。この場面、ぐっときました。 エンドロールも思い入れたっぷり、時間いっぱいとって、流れる音楽は昭和の大衆酒場風。1と合わせて振り返ってみれば、監督の溢れる映画愛がミラーボールの如く多面体にキラキラと目がつぶれそうに眩しい作品でありました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-04 01:56:44) |
1805. グッバイガール
《ネタバレ》 気の利いた台詞の応酬がいかにもN・サイモンらしい、コミカルなドラマ。ヒロインはオーディションに落ち続け、リチャードは初公演を散々に叩かれ。生活にドラマチックな成功をもたらさないリアルな感じもまたN・サイモンのシャープなところ。でもこの地道な普通の生活が愛おしく感じられると、N・サイモンの魔法にいつの間にかかかっているのです。 [地上波(吹替)] 8点(2012-04-04 01:38:05) |
1806. キャット・ピープル(1982)
《ネタバレ》 思ったこと。N・キンスキーの主張の激しい顔立ちにショートは似合わないなあ。身体のラインはとてもキレイだけど。猫人間、って あー、そのまんまじゃんか・・。ホラーだと思ったのにあんまり恐くないや。もっとぞくぞくしたかったのにな。 [ビデオ(字幕)] 5点(2012-04-04 01:12:08) |
1807. 恋のためらい/フランキー&ジョニー
アル・パチーノはこんなチャーミングな懲りない中年もできるんですね。目を輝かせて、あの声でよく笑って魅力的。お相手のM・ファイファーもまだまだ美しい。お話よりも二人の素敵さに感じ入りました。 [映画館(字幕)] 7点(2012-04-04 00:41:52) |
1808. ガルシアの首
《ネタバレ》 主人公の傍らにある麻袋、蝿がたかってるあの袋、あんなオッソロシイ物見たことない・・。メキシコの乾いた砂埃が舞う中、銃撃戦がんがんで人が死ぬ死ぬ。しかしながらあの袋の放つ脅威には及ばない。強烈な不衛生感と生理的恐怖でこんなにも体力の奪われる映画も珍しい。 [ビデオ(字幕)] 7点(2012-04-04 00:28:12) |
1809. 今のままでいて
メロメロドラマです。ナスターシャ・キンスキーとマストロヤンニじゃなければ多分観てないなあ。ただもうキンスキーが美しいです。ばしばし出てくるセミヌードの均整の取れてること、色の白いこと陶器の如し。彫像のような彼女のおかげでちっともヤラしくならず、ふわーんと時間が過ぎてゆく。眼福でございます。 [ビデオ(吹替)] 5点(2012-03-24 02:21:00) |
1810. マイ・プライベート・アイダホ
美形二人が出ていて、画はきれいですが話は退屈です。リバーのひりひり焼きつくような孤独が全編覆っていてそれはそれは切ないのでした。 [映画館(字幕)] 4点(2012-03-24 02:11:42) |
1811. ドライビング Miss デイジー
淡々とした優しさ、さりげなさにあふれたしみじみ良い映画。年老いてから良い友人に恵まれたミス・デイジーが羨ましい。ラストシーンにはしびれました。 [地上波(吹替)] 7点(2012-03-24 01:51:06) |
1812. ボイス・オブ・ムーン
《ネタバレ》 いやはや わかんなかった。筋ははっきり無い。月が地上に落っこちてきた場面で堪忍袋の緒が切れたというか、監督、これは一体??と問いただしたくなる前衛っぷり。わからないけど忘れられない、整理のつかない厄介な思い出みたいな映画。今観なおしてもわかんない自信あり。 [映画館(字幕)] 4点(2012-03-21 00:23:11) |
1813. 五月のミル
《ネタバレ》 初見の時よりも年をとって、この映画を味わい深く観ることができるようになった。我ながら驚き。母の葬儀に集まる親戚一同が見せる人間模様、くっついたりばらけたり、お約束の遺産相続でもめたりとまあ生々しい。でも人間てこんなもんでしょ、とルイ・マル監督のメガホン捌きはさくさく軽やか。折りしも共産支持の暴動が勃発、着の身着のまま逃げ出して、ケンカしてボロボロになって帰ってみれば事態は収束、私事の葬儀も無事終えてみんな帰ってゆく。根こそぎ持っていかれたガランとした邸内で、母の面影と踊るミル。空騒ぎのあとの、この余韻の残し方。緑が美しいフランスの田舎の光景と相まって、しみじみと人生を思う。やっぱり映画も本も、出合うのに一番適した年齢ってあるのだなあ。 [映画館(字幕)] 7点(2012-03-21 00:12:53) |
1814. 彼女がステキな理由
《ネタバレ》 う、ちょっとギャグがしつこいなーと思ったけど、夜のロンドンをエレファントフェイスで自転車疾走するのには笑った。J・ゴールドブラムの純情っぷりもなかなか良かったなあ。 [映画館(字幕)] 5点(2012-03-21 00:07:31) |
1815. シザーハンズ
おとぎ話っていうのはけっこう残酷な筋立てのものが多いのですよね。これは酷と美の境を操るのが得意なT・バートン作のおとぎ話。ストーリーも怪人の設定もそれだけ見ると残酷ながら、そこにカラフルな生活感の無いふざけた街並みとバカボンのパパの作品みたいな植木を配置して観る者を煙に巻く。なんだか居心地の悪い話だったけれど、降りしきる雪が幕切れの悲哀を美しく飾って印象的でした。ウィノナの野暮ったい髪形もカットしてくれたら良かったのにな。 [ビデオ(字幕)] 6点(2012-03-20 00:48:51) |
1816. グリーン・デスティニー
こういうのはワイヤー・アクションにノれないとどうしようもないので、こういう動きはアリなんだ、ハガレンみたいなもんなんだと自ら言い聞かせてついていったのにあの終わり方はないよな。怒ってばっかりのチャンにも魅力を感じない。竹林を白い人影がひらひら舞うシーンは綺麗。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-03-20 00:22:10) |
1817. エル・スール
《ネタバレ》 少女の着ている青いセーター。布張りのノート。それらを収めるトランク。小物ひとつひとつをとって見ても上質な、きちんとした佇まい。門へと続く木のアーチ、まっすぐ国境へ伸びる道。カモメの家。光と影に縁取られた室内は胸が締め付けられそうな切ない美しさ。この感性が南の色彩と陽光をどう捉えるのか観てみたかった。少女の瞳に何を映すのかも。語らず逝った父のためにゆるやかに家庭が崩壊するのだけど、少女を通して見ると大島弓子のような詩的な物語になるのが不思議だ。でも南の空気が必要なのはお母さんの方ではないのかな・・。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-20 00:07:44) |
1818. レイヤー・ケーキ
《ネタバレ》 あ?なんだなんだ分かりづらいぞ。麻薬を巡って入り乱れる人物相関図が作れません。私の頭が悪いのか脚本が失敗してんのか。ただ、ダニエル・クレイグのオーラが007級の色気を放ってる。さすがです。指の長い手も身体つきも色っぽい。麻薬戦争を勝ち抜いたのに、最後に女のいざこざで三下に撃たれちゃうってのがなんか皮肉が利いてて良い。うんさすがだダニエル。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-03-19 23:40:50) |
1819. 交渉人(1998)
おやK・スペイシー、えらくマトモな役やってるじゃないですか。何やっても上手いなあ。話にきちんと感があるので「んな馬鹿な」というとこが無く白けずに観られました。それにしてもIQ高いわりにはけっこう乱暴な交渉人だなあ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-14 23:46:31) |
1820. グッドフェローズ
《ネタバレ》 印象強いのはもはやパターン化したジョー・ペシの無軌道なキレっぷりとレイ・リオッタのヒキョー顔。チンピラであっても、自分の立ち位置に哲学があれば他者に訴えるものがあるだろう。しかしレイの場合はいい扱いを受けたい、まともに働くなんてバカだって考えだけで挙句禁じ手のドラッグにまで手を出して生き方が安い。ギャングを題材にした映画の中でも一、二を争うレイの結末のかっこ悪さは当然といえば当然。組織の中を泳ぎきることができず、こんなパターンになるケースは実際多いんだろうな、と実録ドキュメントを観てるようだった。 [ビデオ(字幕)] 6点(2012-03-13 00:56:53)(良:1票) |