1881. 31年目の夫婦げんか
豊かな暮らしを送らせてもらって物欲を満たされた女房の欲求は性欲。聞くに堪えないカウンセリングシーンと見るに堪えないキスシーン。コメディらしいが笑うところ皆無で映画館のエピソードに怒り心頭。痛々しさしか感じなかったジョーンズさん、こんな作品に出たらあきまへん。薄っぺらい邦題にも腹が立つ。 [インターネット(字幕)] 2点(2017-10-20 16:44:44) |
1882. 暴力行為
《ネタバレ》 短くて地味ながらも監督特有の譲れないものは譲れない思いが表れている切れ味鋭い見応え満点の作品。復讐を果たそうとするジョー、逃れようとするフランク、共に恋人、妻の願いを振り切って決着をつけようとする。二人に殺し屋が絡んでの三つ巴の駅でのシーンに荒涼としたモノクロ画面と相まって痺れる。解らなかったフランクの真意が明らかになった行為に、8時半に家を出る姿が思い浮かび切なさに身悶えが止まらない。 [DVD(字幕)] 8点(2017-10-18 16:08:02)(良:1票) |
1883. クルーシブル
《ネタバレ》 後味の悪さが際立つ作品。とんずらする災厄の張本人アビゲイルと、ご都合主義の正義をふりかざす裁判長に腸が煮えくり返る。私の憎悪をかきたてる二人の熱演が印象的。人が人を正しく裁く事は所詮は不可能なのだと思わされる作品。 [インターネット(字幕)] 7点(2017-10-17 23:23:15) |
1884. オクラホマ!
フレッド・ジンネマン、ロッド・スタイガー目当て。冒頭、馬上で唄い出したのに「あ~、そういう作品なのか~」と後悔。ミュージカル嫌いのワタシには、つまらないにも程があるストーリーと相まって拷問に耐え続けたひと時でした。 [DVD(字幕)] 2点(2017-10-17 18:44:46) |
1885. 真昼の決闘
《ネタバレ》 決闘に至る過程から決闘模様と結末まで爽快感のカケラもないものの胸を熱くさせられた西部劇。遺書をしたため覚悟を決める保安官とわが身に火の粉が降りかからぬように傍観者を決め込む者達。両者の対比は赤狩り真っ盛りの時代に製作陣が個々の価値観を問うているように思えます。試練に直面した時の振舞を考えさせらる名作。 [DVD(字幕)] 8点(2017-10-16 23:07:47) |
1886. 地上より永遠に(1953)
《ネタバレ》 初見。オスカーを受賞したフレッド・ジンネマン監督が描く「信念を貫き通す男」に酔わせてもらう期待の大きさに比例した落胆の大きさでした。 どれだけ虐められてもボクシングはしないというスケールに欠ける意地に辟易し、恋愛模様は幼くて盛り上がらない。曹長と上官の妻の不倫模様に至っては二人は作品上の客寄せパンダなのかと呆れ返る。無駄死ににしか見えない結末に白けるばかり。「何じゃこりゃ、これがオスカー?」の作品。 [DVD(字幕)] 3点(2017-10-15 17:08:08) |
1887. 大列車作戦
《ネタバレ》 操車場の爆撃、単機による列車掃射、機関車の衝突、全てのシーンが臨場感に溢れる息を呑む迫力で撮影の困難さが想像出来ます。 「わが命つきるとも」で信念を貫き通したポール・スコフィールドが演じる悪役は、絵画に対する異常な執着心を持ち、やはり偏執的な信念を貫き通しておりました。一言の抗弁も許さぬ無言の目力に見惚れてしまいナチス式の敬礼までかっこいい。バート・ランカスターとの最後の対決は圧巻。盗人猛々しく価値観をまくしたてる威風堂々とした大佐に無言で引き金を引くラビッシュ。転がる多数の木箱と多数の射殺体が戦いの虚しさを漂わせます。傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2017-10-15 01:07:45) |
1888. クイズ・ショウ
《ネタバレ》 TV業界のやらせ行為は1956年当時に於いて衝撃が大きかったのが今では誰でもさもありなんと言えるので、「公的事業ではなく娯楽番組においての不正行為によって皆が得をした、誰も傷ついていない」委員会でのダン・エンライトの証言にうっかり納得しそうになる本作。彼や事業者達がチャールズ・ヴァン・ドーレンをビジネスの道具としてしか見ておらず傷つけたとは頭の隅にも浮かばない事が薄ら寒い。父子がケーキを食するシーンが忘れられません。自業自得の後戻り出来ない苦しさを吐き出すのを懸命に堪える息子と訝る父、もどかしさで泣きそうに。お目当てのポール・スコフィールドに満足させられ、嫌いなレイフ・ファインズの驚きの好演に得した気分になりました。監督の生真面目さを感じる良作。 [DVD(字幕)] 8点(2017-10-13 15:50:18) |
1889. 遥かなる戦場
《ネタバレ》 挿入される風刺の効いたアニメーションが秀逸。自殺行為の突撃においてカスとクズが生き残り、当然のように痛痒を感じない姿に血圧上昇。更にラグラン卿の「私の字ではない」に血圧計が振り切れそうに。責任の擦り付け合いのラストシーンに、力尽きた人々が報われない虚しさに脱力感で一杯。 [DVD(字幕)] 8点(2017-10-04 14:56:50) |
1890. 素晴らしき戦争
第一次世界大戦が描かれた本作。監督の意欲的な試みは退屈さしか覚えず、絢爛豪華な俳優陣の印象も薄い。ラストショットに目が覚める。その峻烈さはダラダラとした物語を要約した見事なメッセージであり点数の全てを。 [DVD(字幕)] 4点(2017-10-04 14:28:47) |
1891. シャイン
《ネタバレ》 幼少時から父親に勝つことを義務付けられ、鬼気迫る名演奏を披露した直後に精神が崩壊してしまった天才ピアニスト。父親からの抑圧はさぞ苦しかった事でしょう。回復後の演奏で喝采を浴びて流す嬉し涙が胸に迫ります。長い暗闇の中でも光を浴びれる日が訪れる事を信じられる作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2017-09-30 23:50:07) |
1892. わが命つきるとも
《ネタバレ》 初見。邦題が結末を端的に著しています。500年前から現在に至るまでこの世に溢れる「ご都合主義の」正義。誰が何と言おうとそれを否定し堂々と信念を貫き通した生き様にひれ伏すばかりです。夫と永久の別れを交わすウェンディ・ヒラー演ずる妻の姿に悔し涙が滲みました。重厚な傑作です。 2017.10.18 DVD購入して再見 妻子との別れのシーンを何度も見る。 娘に「一度誓ったら両手でしっかり支えるのだ。指を開けば自分を失ってしまうのだ」と尚毅然とするも 妻に「この思いをお前に解ってもらえず死ぬのがなお辛い」「実に美味しい、良い妻だ」と作中唯一苦しさを滲ませる。 王の離婚問題で何故こんな事になるのか、悔し涙が止まらない。 刑場での首切り人への言葉「お前を許そう、神の元に送ってくれるのだから」に只々ひれ伏すばかり。 私の棺に納めて欲しいリスト入りの作品。 [DVD(字幕)] 10点(2017-09-30 23:28:19) |
1893. ハワーズ・エンド
《ネタバレ》 名優達の共演であっても、お粗末な脚本の中では何の輝きも放てないことを実感しました。マーガレットとヘンリーがあっさり結ばれるのには唖然茫然であり、偽善者が美しい舞台の中で気取っているだけの作品でした。 [DVD(字幕)] 4点(2017-09-28 16:03:33) |
1894. メル・ブルックスの大脱走
《ネタバレ》 冷酷無比なナチスとブロンスキー一座の対決を堪能しました。反骨心と笑いの塩梅が絶妙であり、特筆もののチャールズ・ダーニングの百面相は絶品でオスカーを受賞してもらいたかったです。逃亡劇で誰一人ニセ総統である事に気付かなかった無理筋は残念でしたが快作です。 [DVD(字幕)] 8点(2017-09-28 15:47:49) |
1895. チャーリング・クロス街84番地
アン・バンクロフト、アンソニー・ホプキンス夢の共演。見つめ合い、唇を重ね・・・妄想でワクワクしながらの鑑賞。20年に亘る誠実な店員と満足する顧客との関係に於いて劇的な事は何一つ起きなかった。にもかかわらず私の安っぽい期待を超える感慨を覚えた夢の共演でした。 [DVD(字幕)] 8点(2017-09-26 00:24:34) |
1896. ザ・ワイルド
《ネタバレ》 クマの腕(脚か)の下で抱かれるように横たわるチャールズにどうやって撮影したのだろうかという疑問にエンドロールが答えてくれました。バートくんグッジョブ。うろたえることなく知識と知恵と勇気でもって対処するチャールズの姿に、億万長者の事業家は譲り受けたのではなく自ら勝ち取った地位なのだと思わされます。自分を殺そうとした者を助けるのは挑戦する価値があるという考えが印象的。この世は挑戦の連続なのでしょう。このような人物はアンソニー・ホプキンスのドンピシャのはまり役。大自然の中に一際美しく映えるブルーグレイの瞳に、数あるツッコミどころも封殺されました。 [DVD(字幕)] 7点(2017-09-21 16:11:25)(良:1票) |
1897. カポーティ
《ネタバレ》 どこかで見たような話だと思っていたら、以前に鑑賞した「冷血」でした。タイトルに惹かれた思いは空振りに終わった作品でした。本作は作家カポーティが作品を完成させる過程を描いています。語り口と立居振舞が無機質な彼こそが「冷血」であり、彼にも作品にも魅力を感じられず、真っ当な一家四人の無念が晴らされるのを長引かせた一因に腹立たしさが募りました。フィリップ・シーモア・ホフマンの怪演に接し早逝が惜しまれます。 [DVD(字幕)] 5点(2017-09-17 19:21:09) |
1898. エレファント・マン
《ネタバレ》 若きアンソニー・ホプキンスが当時から端整な佇まいでベテラン俳優の中に混じって抜群の存在感を放っています。余りにも特異な外見に接した際の人々の反応が丹念に描かれています。ギョッとするだけの者、金儲けの道具と思う者、慈悲をかける者、人となりに触れて気持ちを通わせる者。見世物小屋の仲間達がメリックを檻から逃がしてあげるシーンに、真の醜い怪物はボイラーマンやバイツなのだと痛感させられます。メリックが誰にもサヨナラを言わず母のもとへ旅立ってゆく結末は残念でなりません。「もう、十分に生きた」「もう、生きる事に疲れた」どちらなのでしょうか。 [DVD(字幕)] 9点(2017-09-17 15:27:53) |
1899. M★A★S★H/マッシュ
エリオット・グールド、ドナルド・サザーランドが共演する傑作の誉れ高い本作でしたが見るも無残な内容に心底ガッカリ。起承転結がなくニコリとも出来ない単に下劣な悪ふざけが延々と続くだけ。血まみれの手術シーンでの兵士はうめき声一つ上げるわけでもないマネキンのような扱いに厭戦が感じられない。ベトナム反戦を謳っていながら舞台が朝鮮戦争という製作陣の気概の無さに白けて、小馬鹿にしたような日本描写に怒りがこみ上げる。 [DVD(字幕)] 1点(2017-09-17 14:33:47) |
1900. 夜の大捜査線
《ネタバレ》 初見。ロッド・スタイガーが絶品。曲折を経た末に見せた別れの際の笑顔と「元気でな」の一言はこの先も忘れることはないでしょう。1967年に本作を世に送り出した製作者の気概に脱帽。 [DVD(字幕)] 10点(2017-09-17 00:20:08) |