1921. ベンジャミン・バトン/数奇な人生
《ネタバレ》 回想録で、変わった人生を綴っていく、ブラピ版「フォレストガンプ」といった感じか。アカデミーにノミネートされたのも分かる。面白いもの。ただ、ベンジャミンの孤独をもう少し描写して欲しかった気もする。彼の娘が生まれ、「運命」から逃げるようになった時、何が辛くて逃げたのか。周囲はいい人ばっかりじゃん。せっかくの特殊な設定なのだから、すっごい孤独な天才とか、嫌われ者の老人とか出てきて、似たような境遇の友だちの出会いと別れがあれば、人生について、もっと色んなことを描けたのでは、とも思う。ブラピファンにはこの映画は切なくて堪らなかったんじゃない?こんなに長い話、最後まで見せる監督の力技は凄いね。でも最後の嵐は必要だったのかな? [DVD(字幕)] 8点(2009-10-10 22:03:30) |
1922. チェンジリング(2008)
《ネタバレ》 事実って凄いですね。観終わった後、我々はどこに映画の楽しみを見出せばいいのでしょうか、って言いたくなります。小悪、大悪絡みあって、救いが少ない映画でした。ただ、最後にアンジー演じるコリンズ夫人が「息子はこのままで終わる子どもじゃない」と強い確信に近いものを抱けた、それが救いでしょうか。クリントイーストウッドの非凡さを改めて感じさせる映画でした。 [DVD(字幕)] 8点(2009-10-09 22:52:35) |
1923. ザ・バンク -堕ちた巨像-
《ネタバレ》 観終わったら、エライコト知ってしまったという感じになって、夜、DVDを返却しに行ったら、自分も追われている気がした。タイトルがさえない為、期待せずに観たので、これは掘り出しモノだと思った。面白いよ、この映画。映画センスある、と思う。それにしても原作もないのに、ここまで重厚感のある話がよくできたね。銀行がどこまで悪いことしてるかは知らないけど、この映画のようなことも有りうる、と言えばあり得るんじゃないかなあ。ここまで企業が大きくなるとねえ。だから原題が「インターナショナル」か・・・この作品の監督、今まで知らなかったけど(名前も読みづらいし)、撮った作品、どれも高得点。これから要チェックの人です。最後、途中まで一緒に事件を追いかけていたサラが出世して、新聞に出ていたのは嬉しかった。 [DVD(字幕)] 8点(2009-10-08 22:36:51)(良:1票) |
1924. クローズZEROII
《ネタバレ》 前作の登場人物も相変わらずで、この作品も自分には楽しめた。なぜ、この映画がおじさんの自分にも響いたかと考えていたら、やはり喧嘩の強いやつへの憧れってのもあるが、殴られても立ち上がってくるところが、現実世界で苦しんでる自分に「まだまだ」と思わさせてくれるからでは、とも思うのだ。何より、彼らは人生への姿勢がそのまま、喧嘩に対する姿勢に現れている。そこに魅力を感じるし、見習いたいと思う。しかし、頭の手術をしたのに喧嘩をしている人物にはついていけん。あれは見習いたくない。 [DVD(邦画)] 8点(2009-10-07 00:05:15) |
1925. コーチ・カーター
《ネタバレ》 サミュエルが落ちこぼれ達の指導役として彼らを導く映画と言えば「ブラックスネークモーン」も良かったけど、この映画もいいですねぇ。そもそもサミュエルを初めて見た「ダイハード3」でも映画の最初、ハーレムでの彼はそんな役回りでした。文化系の自分ですが、名作マンガ「SLAM DUNK」を読んでたので、バスケのシーンも興奮しました。とても良質な映画だと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2009-10-01 02:41:28) |
1926. バンク・ジョブ
《ネタバレ》 小悪党の中にステイサムがいるのが変。彼ほどの頭が切れる男がこの程度の動機で大きな犯罪を犯すところが納得がいかなかった。女がらみ?とも思ったが、彼には大事な家庭があるし。ラストはこれでいいんだろうか?この家庭は大丈夫なのだろうか、とも思った。 サフロンバローズの表情は「評決」のシャーロットランプリングを思い出させた。油断ならぬ女性という感じだが、一人で生き抜いていけるほどの強さを感じさせない。まあ、複雑な話を分かりやすくするためのキャスティングですな。 [DVD(字幕)] 7点(2009-09-30 01:50:30) |
1927. グラン・トリノ
《ネタバレ》 チャーミングなモン族の女性(スーちゃん)をあんなにした連中をあの程度の罰で終わらせて、ちょっと不満が残る。イーストウッド演じる爺さんがちぎっちゃ投げ、ちぎっちゃ投げしてくれるだろうと思っていたのだから、ちょっと残念。まぁ、そんな映画は他にあるから、また彼の監督作の「ダーティハリー4」にそういう話は出てくるから、イーストウッド自身も別の終わらせ方を自分の中で温めていたのかもしれない。スーちゃんのメンタル面がこれからが心配だ。それを考えると、まだまだこの映画、男の都合が優先しているような気がする。生き残って見守る人も必要だよ。物語冒頭に出てくる白人の男友達では頼りないよなあ。最後のタオ君の表情にも疑問が残る。おまえはまだ半人前だって!分不相応の車に乗って、これからがちょっと心配だ。 [DVD(字幕)] 8点(2009-09-17 01:37:51)(良:2票) |
1928. 刑事コロンボ/野望の果て<TVM>
最後の犯人の狂言が雑ですね。爆竹なんてすぐ見つかるだろうし。議員のヘイワードが秘書のリンダを犯人に仕立てるんじゃないかとハラハラしてました。コロンボシリーズの中では、あんまり憎らしい犯人ではなかったですね。 [ビデオ(吹替)] 5点(2009-09-15 23:33:47) |
1929. 007/慰めの報酬
《ネタバレ》 ダニエル・クレイグの007は面白い!前作同様、アクションシーンのキレも鮮やかで、取り上げる話題も新鮮。いまや外交の世界では水をどうするか、というのは常識。そこをついた作品は初めてだ。ディンチの‘M’もサマになってきたし、昔のように今後が楽しみなシリーズになってきた。次回作はもうちょっとユーモアが欲しいな。あと、ちょっとしかでてないボンドガールのフィールズさん。あんな残酷な仕打ちを受けるとはちょっと可哀そうだ。パーティで敵をさりげなく足でひっかける場面でもうちょっと活躍するのかな、と思ったんだがなあ。それにしても外務省のトップまでもが頭を痛める、ボンドの暴れっぷり。007って大物だったんだねえ。 [DVD(字幕)] 7点(2009-09-13 23:14:46) |
1930. 二十四時間の情事
《ネタバレ》 マルグリッドデュラスの映画は、どれも言葉が多く、そしてどの言葉もきれい。 殺されてしまったドイツ兵に恋をしていた女性の心の傷を 原爆被爆国、日本の男性が癒す話。 戦争は国を超えて、みんなに何らかの形で傷を負わす。 できることなら、戦争なんてない方が全くもっていいのだが・・ [DVD(字幕)] 6点(2009-09-06 22:19:49) |
1931. フロスト×ニクソン
《ネタバレ》 フランク・ランジェラの抜群の存在感に魅力を感じた。これほどの俳優を今まで知らなかったとは、と思い、略歴をみると、「デーブ」以外、自分が避けてきたタイプの映画によく出ている。まだまだ奥が深いぞ、アメリカ映画。それにしても、ロン・ハワードの映画って、きちんと創られてますね。彼の演出って地味だけど、映画のテキストのようにきちんと創られていると思う。これは悪口ではなく、あまり話題にはなりにくい正統派の映画こそ、どんどん日本にも配給されてほしい。殺し殺され、ていう映画はもういいよ。CGも飽きた。それにしても、この映画。インタビューで正直に心情を吐露してからのニクソンの方が、自分には魅力的に見えた。でも弱みを見せない、強いアメリカの方があちらの国では受けるんだろうね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-08-31 21:59:38) |
1932. 上意討ち 拝領妻始末
《ネタバレ》 人間としてのスジを通す。それが出世より大事。そんな事を考えました。それにしても、三船敏郎や仲代達也のセリフは聞き取りやすい。黒澤明の映画は面白いのだけど、登場人物のセリフが聞き取りづらく、字幕をつけてほしいくらい。まあ、黒澤さんの計算のうちなのかもしれないけど。三船敏郎が圧倒的に強いわけではなく、奥さんの尻にしかれているところなんか、人間味たっぷりの剣術使いだったため、最後の方はつらかった。できれば生き残って欲しかった。仲代達也が味方になって、藩の連中をやっつけたりすれば、とも思いました。でも剣の道は厳しい。だからこそ、この作品は面白かったのかもしれないですね。しかし、これは「鬼の爪」の山田洋次監督も言っていたことだけど、心身ともに鍛えて、到達する剣の道。それを遠く離れたところから狙う鉄砲という道具はずるいと思う。「切腹」もおもしろかったので、小林監督と脚本の橋本さんコンビの作品がもっとあればなあと映画ファンとして思った。 [ビデオ(邦画)] 8点(2009-08-31 01:31:52)(良:1票) |
1933. 夕べの星
《ネタバレ》 何度も観た前作。だから、この映画の登場人物も前作では子供だった頃から性格変わってないな、というのがよく分かりました。特にいつも長男と母親のエマの喧嘩の間に入って気を使っていた次男がこの作品でも地味でした。いつか爆発するんじゃないか、なんて思ってしまう。おばあちゃんのオーロラは前作ではそんなに軽い女じゃなかったけど、歳を取って反動がでたのか、若い男と寝ちゃったり。末っ子は時々お母さん似の面影を見せて、おっと思わせたり。また前作で病院で見せたオーロラの爆発も今回は飛行機の中でパッツィ相手に見せてくれます。まだ前作「愛と追憶の日々」を観てない人は、この映画の後に観るのも面白いかもしれません。 [ビデオ(字幕)] 7点(2009-08-25 20:14:57) |
1934. 愛のむきだし
《ネタバレ》 背徳的な映画かと心配して観たが、そんなんじゃなかった。とても良かった。最後は泣いた。男のしょうもなさも描いて、こんな素敵に仕上がったラブストーリー、そうそう他にあるもんじゃない。特に満島ひかりのヨーコがいい。彼女の見せる色んな表情が素敵で、特に「自分」にもどって、ユーを正気にもどそうと病院で暴れ、職員に連れて行かれそうになる時、自分の気持ちを叫ぶシーンは感動した。「やった!」と思った。 [DVD(邦画)] 10点(2009-08-25 01:04:47) |
1935. ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー
《ネタバレ》 この監督はもう自分の中では気になる監督のひとりになっている。この映画の前半、虫が多くでてくるので、かゆくなりそうだったが、好きな映画だ。ちょっとピントがずれているかもしれないが、観てて宮崎駿を思い出した。なぜだろう。「風の谷のナウシカ」の漫画を思い出し、歯車の上での戦いでは「カリオストロの城」を思い出したのだ。それにしても地球上の話とは思えない。「スターウォーズ」のように別の星の話と思えてくる。そういえば、ゴールデンアーミーは「フィフスエレメント」に出てくる異性人を思い出した。でも観終わってみると、この監督の職人のようなこだわりに、この映画の世界が嬉しくなってくる。 [DVD(字幕)] 7点(2009-08-24 01:46:00) |
1936. ヘルボーイ
《ネタバレ》 「バンズ・ラビリンス」を観て、この監督は気になっていた。この作品の続編の点数が高いので、まずこちらを観ると、よくある映画なのだが、ヘルボーイの恋愛に悩む姿がさわやかでいい。 何より、あのロン・パールマンが恋愛をしてる映画がある、ということに驚いた。相手役の女性もきれい。羨ましいぞ!ロン・パールマン!! [DVD(字幕)] 6点(2009-08-24 01:25:17) |
1937. 20世紀少年 -第2章- 最後の希望
《ネタバレ》 浦沢直樹が大作「モンスター」を描き終わって、次に描く作品がこの「20世紀」だった時、自分はおそらく全3巻くらいで終わる小規模な作品と思っていた。息抜きのつもりだろうと思っていた。(浦沢先生スイマセン)でもこんな大作に仕上がって。凄いなと思う。しかし、その原作漫画の方は読まずに映画の方を観ることになった。この話はマンガってジャンルだからこそ、許される内容だなと思った。昔の友達が、再び集結して、敵に向かうって話は、転校生だった自分にはちょっと白けてしまう。幼馴染って、信じあえるもんなんだろうが、役者演じる中で、こういう設定だと、ちょっとな、と思ってしまうのだ。また教祖が誰なのか、もったいつけて、ここまでもったいつけると、アガサクリスティ並みの意外性がなくては、映画が一気に普通の作品になってしまう。作者はこの「誰か」の意外性に自信をもっているのだろう。3作目が楽しみだ。 [DVD(邦画)] 6点(2009-08-18 17:01:38) |
1938. ハッピーフライト(2008)
あんな風に人の命をあずかる職業って、医者かパイロットぐらいではないだろうか?もし、台風の中、雨で視界も悪く、滑走路につっこんだら、大惨事だよね。映画ではうまくいったから良かったものの。でも面白かった。久々にワクワクしたし、次作が期待できる映画監督がまた増えた。 しかし、飛行機にはもう乗りたくないと思った。本当は各部署の人たちってもっと優秀で緊張感たっぷりなんだろうけど、何かこれを観ると・・・やはり、緊張感の高い職場はいくら映画とはいえ、コミカルに描いちゃいかんでしょう。それと結局、このトラブルの最大の原因は、空砲で鳥を驚かすのを邪魔した鳥の愛好家じゃん。空砲撃つのを邪魔したり、ちょっと困った人たちですねえ。あと綾瀬はるかちゃんが可愛い。それに時任三郎と寺島しのぶの間に恋愛が芽生えたら、もっと面白かったかも。 [DVD(邦画)] 7点(2009-08-10 08:01:25) |
1939. ワイルド・スピードX3/TOKYO DRIFT
よその国が描く日本って「ロストイントランスレーション」「WASABI」を観たときも思ったのだが、東京の人や建物がぼんやり映っている。暗めに映っている。日本のテレビで撮影されてるようなはっきりした映像ではない。しかも舞台は東京だがメインででてくる人たちはみな、韓国の俳優。ドリフト競争ができるような、えらく広い駐車場やパチンコ屋の上にクラブがあったり、東京に住んでない若者がこれを見たら、間違った東京のイメージができちゃうよ。困ったもんだ。 [DVD(字幕)] 5点(2009-08-10 07:35:19) |
1940. トウキョウソナタ
《ネタバレ》 う~ん、分かります、分かります。自分も総務にいた時、バブル崩壊で会社を放り出されました。同じような道を歩んでます。でも、最後、香川照之が集中して、床掃除をしていたので、もうこの家族は大丈夫と言う感じがしました。職業に貴賎なし!でも、家は多分、手放さなきゃならないだろうなあ。教育費にもお金がかかるだろうし、小泉今日子も働きに出ないかんだろうし・・・などとストーリーを味わうより、この家族の今後を考えました。お金を戻したのは賢明でした。ぎりぎりのところで、家族を守ったというとこでしょうか。続編ができても面白いかもしれませんね。天才音楽家を貧乏父ちゃんが育てる、どっかで聞いた話と思えば「北京ヴァイオリン」「リトルダンサー」などなど過去の名作を思わせる話になりますよ、きっと。それにしても「空中庭園」での小泉今日子も同じような家族の母ちゃん役でした。こちらの映画の方が、たくましい母ちゃん役でしたね。こっちの方が小泉今日子には向いている気がする。 [DVD(邦画)] 7点(2009-08-07 16:00:26) |