1941. 刑事物語2 りんごの詩
中学生の時にこのシリーズを初めて観た時から、吉田拓郎の「唇をかみして」がカラオケの隠れ十八番となった。 いわゆる「名作」なんて呼称が相応しい映画では決してないけれど、このプログラムピクチャーの娯楽性を愛してやまない人は少なくないだろう。 特筆すべきは、何と言っても「武田鉄矢」という“表現者”の存在性に尽きる。 彼自身が生み出した「片山元」というキャラクターは、あまりに不格好で、あまりに滑稽で、あまりに不器用。キャラクター性そのもののみを捉えたならば、少々作りすぎな印象さえ受ける。 おそらく、このキャラクターを武田鉄矢以外が演じたならば、失笑を禁じ得ないものになっただろう。武田鉄矢が、武田鉄矢自身を投影して生み出し自ら演じてみせたからこそ、「片山元」というキャラクターは成立しているのだと思う。 演技者として決して巧い俳優だとは思わない。あざとくて、泥臭い演技に眉をひそめることも多々ある。 ただし、武田鉄矢の存在感は、武田鉄矢にしか出せない。 それは、彼が“表現者”として唯一無二の存在であることの証だろう。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2003-12-18 17:10:21) |
1942. 刑事物語
中学生くらいの頃、武田鉄矢のアルバムをレンタルショップで借りて、武田鉄矢版の「唇をかみしめて」に巡り会い、以降しばらくこの曲はカラオケでのマニアックな十八番になった。 オリジナルである吉田拓郎版の同曲が、主題歌であることを知ったのは、もうすでにこの刑事映画シリーズのファンになってからだったと思う。 この第一作を観たことがあるかどうかも不確かなくらいに久しぶりに鑑賞した。 そして、ある意味圧倒的な映画世界に文句のつけようがなかった。 実際は、突っ込みどころは満載で、独善的でぐだぐだな映画である。 だけれども、結論として「素晴らしい」としか言いようがない。 すべては主演で原作者の武田鉄矢の“価値観”のみによって映し出される世界観であり、それに対して別の価値観は立ち入る隙がない。 観るのであれば、そのすべてを受け入れて、映画の世界観に包み込まれるしか許されない。 そういう、独善的かつ唯一無二のエンターテイメントが叩き付けられるような映画だと思う。 それはそうと、てっきりこの映画はジャッキー・チェンの「ポリス・ストーリー」の部分的なオマージュが入った作品だとずっと思っていたのだけれど、製作年を確認すると、今作の方が3年も早い。 なんと、ジャッキー・チェンが武田鉄矢をパクったのか…………ってまさかね。 とにかく、単純な点数だけでは表現しきれない問答無用の面白味に溢れた映画だと再確認した。 [DVD(邦画)] 8点(2003-12-18 17:08:34) |
1943. アメリカ物語
子供の頃はディズニー映画と思って観たけど、実際はディズニー作品ではないようだ。でも子供にとってはねず公の壮大な冒険記がユーモラスに描かれとても楽しかった。ふと気付いたけど、アメリカのアニメには動物が主役のものが多いけど、日本では意外なほどにあまりないですねえ。 6点(2003-12-18 17:06:01) |
1944. ゆきゆきて、神軍
奥崎謙三氏の圧倒的なまでの言動力にはある種の凄さがあるが、彼の行動はどんな理由をつけようとも決して正当化されるべきものではない。個人的には彼に対して相当の嫌悪感しか感じることはなかった。よってこの作品自体も評価されるべきものではないと思う。もちろんあくまで私的な意見にすぎないが。 [ビデオ(邦画)] 0点(2003-12-18 17:01:37)(良:1票) |
1945. 孔雀王
大昔に観たものだからもうほとんど内容は覚えていないのだけれど、子供心に無邪気に覚えた呪文だけは今もできる。面白いという印象はないけど、同世代の人たちは結構見てたりするので話の種にはなる。 [ビデオ(字幕)] 4点(2003-12-18 16:57:07) |
1946. 古畑任三郎スペシャル 黒岩博士の恐怖<TVM>
これは映画ではないと思いますけどね…。犯人役の緒方拳が飄々とした監察医を演じていて印象的だった。ただ、やはり三谷幸喜作品は舞台が狭まるほど面白い。古畑シリーズでもそのことは顕著で、今作のように場所が転々とするとどうも他の作品に比べてクオリティが散漫とする。 6点(2003-12-18 16:50:08) |
1947. ガールファイト
この映画の成功の要因は何をおいても主演ミシェル・ロドリゲスに尽きる。熱情ほとばしる獣のような眼光で圧倒し、一転、女性らしいとてもキュートな表情を見せる。この魅惑的とも言えるギャップに私は魅了されずにはいられない。今作で女優としての類まれなる個性を見せ付けた彼女は、この後「バイオ・ハザード」「S.W.A.T.」でもその魅力を爆発させている。今作自体、非常に面白い映画であることは間違いないが、それ以上にミシェル・ロドリゲスという女優を発掘した功績は大きい。 [ビデオ(字幕)] 7点(2003-12-18 16:41:44) |
1948. バグズ・ライフ
同時期に公開された「アンツ」に比べると、今作はピクサーらしいファンタジー性とエンターテイメント性に溢れている。「アンツ」も決して悪くはないが、今作のほうが万人向けであることは確かであろう。 6点(2003-12-17 22:42:46) |
1949. アンツ
CGアニメが流行り出した頃の作品だと思うが、同時期に同じような内容の「バグズ・ライフ」が公開されたりして、なんだか混同してしまう。「バグズ~」に比べると今作のほうが、ディズニー作品でないことも手伝って虫たちの描写が若干リアルだったような印象が残る。 6点(2003-12-17 22:36:53) |
1950. クジラの跳躍 Glassy Ocean
夢の中の映像を観ているような独特の幻想感が良かった。映像全体が緑の色彩に包まれており、水の中か宇宙空間のような浮遊感が楽しい。 6点(2003-12-17 22:33:40) |
1951. ドラゴンボール 神龍の伝説
最初の方のドラゴンボール映画はストーリーがまったくオリジナルで設定もメチャクチャなので混合してしまう。グルメス王ってキャラだけうっすらと覚えているような。後期のグダグダした映画版よりは面白いと思う。 [ビデオ(字幕)] 3点(2003-12-17 22:30:00) |
1952. 白雪姫(1937)
あまりにも古い映画であるのにも関わらず、この映像の瑞々しさは何だろう。細部まで作りこまれた丁寧なアニメーションには感慨深いクラシカルさがある。偉大なるディズニー映画のまさしく原点とも言える崇高な作品だ。 8点(2003-12-17 22:25:55) |
1953. シンデレラ(1950)
思ったよりもあっさりとした内容ではあったけど、あまりにも有名なファンタジーシーンには純粋に楽しめる。クラシカルな風合いのアニメーションが非常に味わい深く、ディズニーの歴史を感じる。 7点(2003-12-17 22:23:06) |
1954. ミスター・ルーキー
長島一茂主演という段階でまともに見るような映画ではないことは明らかだが、主人公のキャラクター性だけはエンターテイメント性に優れたものだったのでもう少し巧く作れた気もする。なかなか真に迫ったスポーツ映画というものは難しいと思うが、あまりにもチープな作りには呆れてしまった。 2点(2003-12-17 22:20:11) |
1955. 霊幻道士
キョンシーのユニークなキャラクター性は今観れば恐怖感というよりもコメディ要素が強いように思うが、子供心にはあの動きが非常に怖くてたまらなかった。当時流行したことからも分かるように、とてもインパクトの強い映画だったと思う。 6点(2003-12-17 22:15:27) |
1956. 幽幻道士
お察しの通り「霊幻道士」とごっちゃになってますね。個人的にはテンテンが出ていた今作の方が印象強い感がある。彼女のカワイイキャラクターも手伝って「霊幻~」よりはこちらの方がコメディ要素が強く恐怖感はあまりなかったような…。 [ビデオ(字幕)] 4点(2003-12-17 22:12:49) |
1957. 2001年宇宙の旅
観客に意味が伝わらなければ、どんなに崇高なテーマを持っていたとしてもその映画は駄作であると思う。今作もその類に極めて近いことは確かであろう。しかし、尊大なラストシーン、あの瞬間に私は震えるような、何かが目覚めるようなひらめきを感じた。かたっくるしく難解なストーリーのすべてが一気に脳裏に流れ込むような衝撃を感じたとしか言うほかない。この伝説的映画が真の傑作かどうか、一度しか観ていない私には判断できない。ただ、もしかしたら人間の想像力と創造力の限りない深遠まで近づいた映画なのではないか、そんな気がするのは確かである。 [DVD(字幕)] 10点(2003-12-17 14:21:29) |
1958. マレーナ
少年の痛いほどの恋心の視点から一人の美しい未亡人の辛辣な人生が描かれる。非常に重く暗くなりがちな物語をシチリアの美しい景観と旋律で艶やかに見せるあたり、流石はジュゼッペ・トルナトーレ監督と思わずにはいられない。まさに映画の核となるマレーナを演じたモニカ・ベルッチの存在感が素晴らしく、妖艶な演技を見せてくれた。恋心、戦争の悲痛、誘惑、あらゆる感情を熱情をもって描き出した傑作。 [映画館(字幕)] 8点(2003-12-17 14:10:11) |
1959. スモーク(1995)
淡々と描かれるオムニバス的な群像劇が味わい深い。ハーヴェイ・カイテル、ウィリアム・ハートらの抑えた演技が印象に残る。特に最期のエピソードでハーヴェイ・カイテルが語るシーンには派手さはないが、非常に濃厚な感慨深さを感じる。 7点(2003-12-17 13:58:57) |
1960. ハムナプトラ2/黄金のピラミッド
前作に引き続きまさに娯楽映画の真髄と言える完成度の高さに単純に楽しめる。娯楽映画というだけで馬鹿にする人も多いが、娯楽性こそ映画の根本であり決して安易に捉えられるものではないのだ。こういうクオリティの高い娯楽映画こそ重宝されるべきだ! [映画館(字幕)] 7点(2003-12-17 13:53:17)(良:1票) |