1961. ANA+OTTO/アナとオットー
それなりにいろいろな変化を盛り込んでいるので、調理法次第でもっと壮大なドラマになったのではないかと思うが・・・いろんなところでシーンがするっと流れてしまっているので、やっていることの割に、淡々と当たり前に結論に至ったような印象を受ける。 [DVD(字幕)] 5点(2014-11-28 00:50:08) |
1962. スマイル 聖夜の奇跡
演出は最初から最後まで30年くらい前のテレビドラマかと思うくらいそのまんまだし、ギャグの部分に至っては寒々しいほど外しまくっているのだが、肝心のアイスホッケーのシーンを真剣に丁寧に撮っているという一点において、作品がぎりぎりの誠実性を確保している。 [DVD(邦画)] 6点(2014-11-25 02:15:10)(良:1票) |
1963. トゥモロー・ワールド
《ネタバレ》 事の背景なり詳細といったことはびっくりするくらい省き切っているのだが、その前提で大風呂敷を広げるだけ広げ、そして強引につじつまを合わせて収束するという突っ走りぶりは、そんなに嫌いではない。で、長回しは個人的に大好きなので、当然、点は甘め。●再見して気づいた点。(1)めちゃくちゃ主役っぽく登場するジュリアン・ムーアを、ものの30分で退場させる力技。こんなに早かったんだ。(2)やたらと各シーンで動物があれこれ登場するのも、ちゃんと意味があったんですね(空飛ぶ豚=そのものずばり「アニマルズ」もその一環?)。(3)これだけいろいろ詰め込んだら、普通はいくらでもダラダラ長くなってしまうんだけど、きっちり110分に収めている技も凄い。ということで1点プラス。 [DVD(字幕)] 8点(2014-11-24 03:51:17)(良:1票) |
1964. 長い灰色の線
はじめから主人公をいい人と決めつけた展開をしているので、ドラマが感じられなくて面白くないのです。演出も全般的に単調で、かなり長く感じました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-11-24 01:14:58) |
1965. 徳川家康
とってもとっても真面目に作っているのはよく分かるんですが、肝心の筋立てが、竹千代があっちに行ってこっちに行ってこうなりました、ということをそのまま追っているだけで・・・映画というよりも、長編再現ドラマを見ているようでした。せめて、竹千代の運命や成り立ちを表現したいのであれば、今川側と織田側はそれぞれ構想や野心として何を持っていて、そのためにどういう領主としての行動をしていたのか、とか、その辺のベースを押さえておく必要があります。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-11-17 02:16:50) |
1966. ララミーから来た男
《ネタバレ》 デーヴを途中で消したのはあえてひねったつもりなのかもしれないけど、やっぱりあれは良くなかったのでは。終盤、アレックと主人公が急速に和解したことも含めて、それまであった登場人物の微妙な均衡がなくなっているし、展開も無理矢理になっている。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-11-16 01:05:03) |
1967. 早春物語
アイドル映画にあまり細かいことを言っても仕方ないのだが、それにしてもこの脚本はひどい。台詞が説明的とかいう以前に、そもそも言葉の会話になっていない。と思って脚本担当を見てみたら、この人でした。演技力のある仙道敦子なんて、台詞を言わされながら口元が苦しそうになっています。あちこちで長回しとか高速移動とかいろいろトライして頑張っているカメラ部隊に2点。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2014-11-13 00:35:59) |
1968. ツリー・オブ・ライフ
たかが一家族のウダウダを、全宇宙の歴史にも匹敵するほどの一大絵巻だと位置づけてしまえるハッタリぶりと大風呂敷ぶりが、さすがテレンス・マリック。この人には、見る側への配慮のためにどうのこうのというのは一切似合わない。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-11-10 02:34:35) |
1969. ラヴィ・ド・ボエーム
《ネタバレ》 ひたすらとぼけた空気感で進んでいく、絶妙な雰囲気。それを横からぼーっと見ているかのようなカメラワーク。この作品はそこだけでOKです。ただし、女性の方に話の重心がシフトしていったのはもったいなく、3人のオッサンの絶妙なかけ合いをもっと見たいところでした。 [映画館(字幕)] 6点(2014-11-08 22:58:21) |
1970. 水戸黄門(1978)
当然のごとく、最初から最後まで全部お約束なのだが、たまにはお茶漬けをいただくことも必要なように、基本を思い出すことは大事。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-11-08 03:23:37) |
1971. プリンセス トヨトミ
《ネタバレ》 何と意外に最後まできちんと見られました。大阪全停止ってのも豊臣家がどうのこうのというのも、実は単なるネタにすぎないので、そっちを期待して見ていたらコケたかもしれない(そういう脳天気な大風呂敷は、それはそれで嫌いではないのですが)。メインテーマは、一子相伝の重要性、そして抽象的観念を尊び共有することの必要性。そうそう、父親というのは、一生に一回、大事な一言を残せば役割は果たせるのであって、子供とあれこれ関係をつなごうとする必要もなければ、まして仲良くしたり好かれたりする必要もない。その辺を明確にしているだけでも、この作品は価値があります。あと、少年が女子の服を着たがるというのは、「これからは、男とはいっても、過去には想定もされていなかった『男』も登場する。そのような変化にどう対応しますか?」という未来に向けたメッセージですよね。と、良いところも目についたのですが、全体的に汚い映像色とか、ラスト15分のグダグダっぷりとか、やはり出てきてしまう説明台詞(大阪国の説明以外で)とか、マイナス点も同じくらい目についてしまったりして。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-11-04 01:49:48) |
1972. スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師
俳優陣の皆様は、「歌の練習」と、「歌いながら演技をする練習」と、「振付の練習」をもう少しするべきでした。 [DVD(字幕)] 5点(2014-11-03 01:05:00) |
1973. 必殺仕掛人 春雪仕掛針
《ネタバレ》 悪党トリオが夏八木勲・竜崎勝・地井武男という素晴らしすぎるキャスティングですでにOK。仕掛人側の見せ場のシェアの巧さもなかなか。ただし、梅安と千代の過去の経緯が云々というのは、全部いらなかったと思う。せっかく岩下志麻という存在感ありすぎ役者を引っ張ってきたんだから、ラスボスにふさわしい冷酷大悪党でいてくれた方がどれほどよかったことか。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-10-28 01:53:57) |
1974. 汚れなき情事
《ネタバレ》 閉鎖的な女子校の中に潜む感情や思惑のぶつかり合いというテーマにはなかなかそそられるが、どうも突っ込み不足の印象を受ける。特に、日常的な一幕に見え隠れする官能性みたいな描写にあちこちでトライしているのは分かるが、元の人格設定が不十分なので、かえって上滑りになっている。あと、学校を舞台とするなら、その基礎として、授業やその他必修項目(この場合、礼拝とか)の描写はきちんとするべきでした。対外試合云々という象徴的伏線の残し方は品があったので、+1点。 [DVD(字幕)] 6点(2014-10-27 01:38:39) |
1975. 武士の家計簿
《ネタバレ》 2分に1回くらいの割合で、明らかな現代語的言い回しが台詞にほいほい混じっている。って、この間もどこかのレビューで書いたな。それに加えて、算盤を題材としていながら、そのディテールにまったく踏み込まれていない。つまり、登場人物が算盤を「ただ弾いているだけ」。しかも後半はその話はどこかに消えてしまっているので、題材設定の意味がなくなっている。さらに加えれば、照明も音楽もあまりにも雑。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2014-10-25 23:53:06) |
1976. ダブルタップ
前半のいちいち丁寧な銃関係の描写は、よくあるガンアクションとひと味違うところを見せてくれるのだが、後半に入っていくにつれ、誰が何をしたいのかという輪郭がだんだん崩れていくのです。同じような撮り方をしている同じようなシーンが多いのも難点。 [DVD(字幕)] 5点(2014-10-25 02:29:12) |
1977. しあわせのパン
《ネタバレ》 わざとやっているとしか思えないくらい、中身何にもなしのすっかすかな作品。タイトルにまでパンと謳い、作中でもさんざんパンを出しておきながら、誰が何を考えてどのようにしてパンを作ったか、あるいはそれに付随する料理を作っているのかというディテールが一切ないので、パンは主題から外れたネタ以下の存在に貶められてしまっている。内装はさっきニトリで揃えたのかと思うくらい人工的でぴかぴかで、生活感もなければ使用感もない。したがって、主人公がそこで店を営んできたという設定や、そこでドラマが起こるという設えに説得力がまったくない(この点では「かもめ食堂」も大概ひどかったが、これははるかに上回っている)。そもそも、原田知世や大泉洋にあんな棒読み以下の演技をさせて平気な演出側の神経が理解できません。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2014-10-23 02:03:35) |
1978. ダラス・バイヤーズクラブ
《ネタバレ》 もう、マコノヒーとレトの役作りが凄すぎて、それを追いかけているだけで2時間があっという間です。これこそが俳優の演技です。余命宣告をされようが差押が来ようが商品のルートが断たれようが、"f**k"と"s**t"でひたすら全部突破する主人公に乾杯。そのぶれのなさこそが、今にも墜落しそうな自分の生命を救い、低空飛行ながらも着実に前に向けて飛び続け、いつしか大空へと滑空する。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-10-21 00:59:55) |
1979. それでも夜は明ける
《ネタバレ》 じわじわっと何かが起こりそうで起こらずに進む展開は現実味があって良いのだが、そのまま特段の変化がないまま最後まで至り、しかも肝心なところでは救世主ブラピがミラクルのように解決してしまうとなると、拍子抜けの感は否めない。結果、12年という年月の経過があまり表現されていないことにもなっている。絞首シーンの延々続く静寂の引っ張りなど、強烈な演出の切れ味もいくつもあるんですけどね。●再見して、定点カメラで屋敷や周囲の林を背景に押さえたショットの数々が印象的だったので、+1点。考えてみれば、奴隷生活とは、人から言われたとおりのことをその場でするだけであって、自らの意思で動く場面というのがほぼありえない。そのことと一致した撮り方をしているので、作品に不思議な奥行きがあります。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-10-20 01:21:23) |
1980. ジャッカルの日
《ネタバレ》 ひたすらターゲットに向けて一歩一歩進んでいく暗殺者と、それを地道にじわじわ追っていく捜査官。その構造だけで、中途半端な盛り上げを入れずに最後まで通した構成は潔いが、それならば知能戦的な部分はもっと見たかった。この描写だと、能力に優れたから対決やバトルが生じたというよりも、互いに相手の抜けている部分に助けられたように見えてしまう。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-10-19 02:57:51) |