1961. 殿、利息でござる!
《ネタバレ》 桂福団治さんに演じてもらいたい人情話。父と息子、兄と弟、それぞれの確執が解ける件にホロリとさせられる。傲岸不遜な萱場が殿さんに叱られるところを見てみたかった。 [DVD(邦画)] 7点(2017-04-15 20:40:03) |
1962. カサノバ(1976)
巨匠の美的感覚が理解不能。小汚さ薄気味悪さ愚劣極まりなさは性豪の虚しい人生と比例しているものの、苦痛に耐えての鑑賞だった。 [DVD(字幕)] 1点(2017-04-15 20:25:18) |
1963. ワーテルロー
2万人に及ぶソ連軍の協力があったればこその大迫力の合戦模様の中で、クリストファー・プラマーに釘付けで一挙手一頭足を惚れ惚れしながら眺めておりました。 [DVD(字幕)] 7点(2017-04-15 00:46:45) |
1964. アルジェの戦い
《ネタバレ》 アルジェリア戦争が描かれた本作。 戦争や革命に勝利するのに必要なのは暴力ではなく民衆の行動。 テロが有効なのは最初のうちだけ。 本当に困難なのは戦いに勝利したあと。 FLN幹部ベン・ムヒディの言葉そのままの作品で、独立後3年のカスバを舞台に卑劣なやり口での殺戮の泥仕合や現地エキストラ8万人と言われる民衆蜂起模様の迫力が作り物とは思えない物凄さで始終圧倒されました。 [DVD(字幕)] 9点(2017-04-11 16:21:31) |
1965. イル・ポスティーノ
朴訥なマリオが世界的な詩人に感化されながら友情を育む様子は穏やかで心地良かったのに、切ない結末の唐突さに戸惑う。鑑賞後にマッシモ・トロイージが本作で力尽きた事を知り、額に汗が滲んでいる姿は命を懸けていたのだと思うと何ともやるせない。 [DVD(字幕)] 8点(2017-04-10 00:50:06) |
1966. ムーンライト
《ネタバレ》 悲しい時に見る景色は綺麗に見えるもので、月明かりの浜辺はその通りの美しさ。ヒョロヒョロの少年シャロンは父の様に慕うクスリの売人(母にも売っていた事を知り彼のもとを去る)に「自分の人生は自分で決めろ」と教えられる。ヤク中の淫売婦の母の育児放棄とゲイを標的にされるイジメに遭う過酷な少年期を経て自らも屈強な(ちょっと信じ難い程の)売人のチンピラとなる。初恋の友人ケビンとの再会で恋心を告白したところで終わりとなる物語に、「だから? 何が言いたい? これで作品賞?」呆然自失状態。更生施設らしき所で面会した母の涙の懺悔と更生して真っ当に働くケビンに接したシャロンが今後の人生をどのように決めるのだろうか。考えさせられたところに3点。 [映画館(字幕)] 3点(2017-04-02 00:07:08) |
1967. 怒りの荒野
ジュリアーノ・ジェンマはアラン・ドロンと並ぶ小学5年生時の私の中の大スター。香港カンフー映画のようなストーリーの中に漂うリー・ヴァン・クリーフの色気は小学生には解らなかったようで、ジェンマは霞んでおりました。テーマ曲が何とも懐かしい。 [DVD(字幕)] 8点(2017-03-26 20:35:06) |
1968. アメリカン・ハッスル
《ネタバレ》 絵に描いたような善人の市長を騙す事に心痛めるアーヴィンの詐欺師らしからぬ葛藤が興味深い。詫びを入れに行った際の修羅場は「裏切るくらいなら裏切られるほうがマシだよなぁ」と言った人の事が思い浮かび、司法取引の一端である他人を売って自身の罪をチャラにしてもらう制度の胸糞悪さが際立っていた。特筆すべきはデ・ニーロでワンシーンのみの登場ながら、小賢しい詐欺師どもを瞬時に抜き差しならぬ状況に追い込んだ存在感は流石。 [DVD(字幕)] 8点(2017-03-26 01:12:34) |
1969. ミスティック・リバー
《ネタバレ》 物語の売りである25年前の事件と共通するのが貧乏くじをひいてしまう件というのに肩すかしを食う。デイブがチンピラ兄弟と共に車で去る場面以降の胸糞悪さの加速感に比例して血圧が上がってゆく。ジミー嫁の戯言(監督の主張なのか?)にも増して許し難いのがショーン刑事(ケヴィン・ベーコンの渋さに見惚れてたのに)で活字に出来ない罵詈雑言を要約。 「何故ジミーの罪を見逃して手錠をかけないのか、川に沈んでいるデイブを一刻も早く引き揚げなさい。刑事の仕事をしなさい。何がミスティック・リバーだ」 [DVD(字幕)] 2点(2017-03-25 17:18:57) |
1970. オリエント急行殺人事件(1974)
《ネタバレ》 初見、原作未読。 雪山に立ち往生する列車内での密室殺人事件。豪奢な一等客車の乗客が目も眩む絢爛豪華な大スター達で漂う重厚さを堪能出来ました。彼等彼女等を過不足なく交通整理した監督の手腕はお見事。ポアロが事情聴取をする度に友人が「犯人だ」と決めつけるのに、「この人にかかったら全員が犯人になってしまう」と友人をオトボケキャラ認定したのですが、あの結末には「お見それ致しました」 犯人は都合よく乗り合わせたのではないので、乗車前のオルソンの慄きは後になって理解できます。彼女の始終怯えた様子に一番の人間臭さを感じました。 ポアロが私怨を私刑で果たした犯人を見逃したのは刑事ではなく探偵なのでどうにか納得できますが、乾杯はやり過ぎの感がします。それと謎解きの決め手が不明瞭なのが残念でした。 [DVD(字幕)] 8点(2017-03-24 00:53:52) |
1971. グランド・ブダペスト・ホテル
ホテルの外観、内装の幻想的な美しさに「こんな所でゆったりとした時間を過ごしている」自分を妄想しました。苦手なレイフ・ファインズが登場した時に「しまった」と後悔したものの、グスタヴはドンピシャのはまり役で初めて魅力的だと感じました。びっくりするほど多数の名優達と織りなす物語を飽きることなく楽しめた絵本のような作品でした。ハーヴェイ・カイテルに気づかず観直して確認したのは不覚でありました。 [DVD(字幕)] 8点(2017-03-23 01:55:17) |
1972. 大いなる陰謀
《ネタバレ》 ここまであからさまな共和党批判作が大物俳優の出演を得て作られた事に面食らう。議員と新聞記者、教授と学生がピーチクパーチク喋っている間に愛国心ある黒人とメキシコ人の志願兵がアフガンの2400mの雪山で戦死する。「正義」と「善」の違いを考えさせられた作品。 [DVD(字幕)] 6点(2017-03-20 00:03:56) |
1973. ミッション:8ミニッツ
アフガンの戦場で肉塊となったスティーヴンスを道具として使用する事しか頭にない博士と人格を尊重するグッドウィンの対比が見応え十分でした。存在する魂の世界観の描かれ方が見事な作品。 [DVD(字幕)] 7点(2017-03-19 23:29:33)(良:1票) |
1974. ラ・ラ・ランド
ミュージカル苦手な私でも冒頭のシーンは魅入り期待が膨らみましたが。すぐにしぼんでしまいました。歌もダンスも以降はパッとせず、物語はありがちな青春モノ。過大評価の感が否めません。 [映画館(字幕)] 4点(2017-03-06 13:51:36) |
1975. レザボア・ドッグス
犬は誰かのハラハラ感がな~んにも無い。下郎どもがキャンキャン吠えてるだけ。薄汚い作風は監督の持ち味なのか? [DVD(字幕)] 2点(2017-03-04 15:16:23)(良:1票) |
1976. あなたに降る夢
実話をもとにしたお伽噺の物語。人を愛する男女とカネを愛する男女がはっきりと色分けされて、それぞれの結末も想定通り。好演の4人のなかで登場した時から胡散臭さ漂うシーモア・カッセルが絶品。なかなかの良作。 [DVD(字幕)] 7点(2017-02-28 16:39:07) |
1977. 本日休診
三雲先生の利他の精神はまさに神対応。ほのぼのとした雰囲気の中に垣間見る世相、価値観がほろ苦い。 [DVD(邦画)] 7点(2017-02-27 00:48:57) |
1978. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
《ネタバレ》 犯行の手口、騙される側、追う側、親子の間柄。何処までが実話なのか釈然としなくて、ご本人の都合の良いように脚色されている気もします。天才児の素地は何でも金でカタをつけようとする母とハッタリで世の中を渡ってきたかのような父の血なのか。不道徳で得た大金があっても得られなかった親友・ブレンダ・親子三人の再会と、最愛の父の死に目に会えなかったのは天が下した罰でしょう。「電車で来たから電車で帰る」レストランでのシーンはクリストファー・ウォーケン屈指の名場面。 [DVD(字幕)] 7点(2017-02-26 13:11:42) |
1979. 抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より
《ネタバレ》 「死刑囚は逃げた あるいは風は自ら望むところに吹く」原題を忠実に映像化しています。望みを叶える為に出来る事を独りコツコツとやり抜く。些細な気の緩み失敗が即処刑に繋がるので細部にまで気を配る丹念な作業の緊張感が物凄い。これ程の準備をしても一人では成功できなかった事実に風が吹いたのを見ました。脱獄ものの最高作。 [DVD(字幕)] 10点(2017-02-19 23:55:49) |
1980. 西部の人
《ネタバレ》 異色の西部劇というふれこみですが他愛のない話だった。私的にクライマックスだった銀行襲撃が、街自体がゴーストタウンと化しているのには呆れて脱力。ゲイリー・クーパーの渋さだけの作品。 [DVD(字幕)] 5点(2017-02-19 23:30:44) |