1. 逢びき
ドロドロしがちな不倫ものも、デビッド・リーンの手にかかれば美しい純愛ものになるんですね。登場人物も作品のつくりも良い意味で常識的で、最後まで安心して見れました。配偶者以外の誰かを愛することは誰にでもあり得ることですが、それを説得力と常識をもって美しい作品にするのはまさに職人芸。素晴らしい! 8点(2003-07-09 21:12:36)(良:1票) |
2. フェーム
溢れんばかりの生命力に満ち満ちた佳作。思わず踊りだしたくなりました。 8点(2003-06-16 14:10:57)(良:1票) |
3. 足ながおじさん
バレエのシーンの振り付けがローラン・プティだというので借りてみたが、見通すのが辛い一本だった。アステアが偉大なのは疑いもないが、あしながおじさんとは余りにも違いすぎる。なおかつジュディーの女優もなんだか今一つ。あの二人がカップルとはどうしても思えない。やっぱりアステアはダンスが上手いけどね。どうせなら物語なんか無視してもっとアステアに踊って欲しかったなあ。それにしてもジーン・ケリーといいアステアといい、50年代のミュージカル映画は凄い役者が揃っていたのですね。 5点(2003-06-16 14:07:07) |
4. シカゴ(2002)
元ネタのミュージカルが完成度の高い作品なので、映画化もよっぽどの失敗をしない限り駄作になるはずはないと思っていました。元がいいところに製作費をたくさんつぎこめば、駄作で終わる危険はありません。ただ製作費をかけたぶん創造性と完成度が増しているかというと、そうは全く思えませんでした。舞台の持っているシニカルでアダルトな毒々しい雰囲気は、一般向けにずいぶん柔らかくなって、お子様向けになった感じ。本来マスコミや芸能界のバカバカしさを痛烈に皮肉った作品なのに、その影はあまり見られません。また役者も歌も踊りも上手いとは余り思えませんでした。比較的よかったのはやはりキャサリン・ゼタ・ジョーンズでしょうか。結論としては、映画化の意図が全くもって不明。舞台を映画化する長所(ベストのキャスティングで最高の演技を保存できる、舞台でできない演出ができる等々)を生かしていないように思えます。要するに素晴らしい脚本、莫大な資本、凡庸な演出、不適当な役者の結果、そこそこに終わった映画ではないでしょうか。個人的にはアカデミー作品賞の価値があるようには思えません。間違いなく舞台の方が内容を深く掘り下げているし、見ごたえもあります。舞台やミュージカルを余り見ない人には目新しい作品だろうとは思いますが、舞台と比べてしまうと余りに印象の薄い映画でした。 7点(2003-05-24 01:02:41) |
5. ホワイトナイツ/白夜
ミーシャ(バリシニコフの愛称)が大好きなのでちょっとひいきが入っていますが、普通に見てもなかなか面白い作品だと思います。圧巻はイントロの「若者と死」と途中の11回連続ピルエット!しかし正直言って私もタップの方にはそんなに感心しませんでした。超絶技巧なのはわかるのですが、技巧を通じて訴えるものを余り感じなかったので…。 8点(2003-05-24 00:20:24) |
6. 危険な動物たち
『ワンダ』のようなパワーはないが、結構面白い。当時酷評されたのは『ワンダ』以上のものを皆が期待してしまったからで、作品そのもの質を公正に判断したからではないと思う。何の先入観もなく見ればなかなか楽しめる作品だと思います。マイケル・ペイリンが脇役になってしまってちょっと寂しい。K・クラインはしみじみ芸達者ですな。 8点(2003-04-19 11:45:50) |
7. モンパルナスの灯
私にとってのパリ、そして芸術家というものを体言してくれた映画。カルチェ・ラタンに宿を取ってパリで遊学していたことがあるので、痛いほど映画に漂う空気が理解できました。そしてジェラール・フィリップの美しさ!アヌーク・エーメの清楚さ!50年代のフランス映画って美形俳優満載だったんですねえ。しみじみ、芸術家には理解者が必要なのだと痛感しました。 8点(2003-02-19 20:16:52) |
8. ワンダとダイヤと優しい奴ら
ジョン・クリーズはケンブリッジ卒で弁護士資格保持者にも関わらず、コメディアンになったという楽しい経歴の持ち主。彼がコメディアンにならなかったら、こんな人生を送ってたかもしれないんですね。それにしても、あんなにキュートな弁護士がいたら、私でもちょっかい出したくなるなあ。道を踏み外させてみたい、と思うもの。ジョン・クリーズって目がかわいいんですよねえ。マイケル・ペイリンが老女を殺せて大喜びするところは、『モンティ・パイソン』のブラックな司会者役と彷彿させます。 8点(2002-12-07 19:24:09) |
9. モンティ・パイソン/人生狂騒曲
英国TVコメディ界の聖典、『モンティ・パイソン』が映画で「人生の意味」について挑むという企画。やばいことに、パイソニアンとしては結構楽しめてしまいました。ただモンティ・パイソンの持ち味であるブラックさが高じた余り、エロ・グロ・ナンセンス三つ揃った映画になってしまった感じで、他人には素直に勧められません。それにしても、10年も経つとTVと比べてメンバーが年を取りましたね。(当たり前か)エリック・アイドルの女装の可愛さは相変わらず。今は亡きグレアム・チャップマンの姿は、妙に感慨深いです。未見の皆さん、お願いですからこれを見る前に是非TVシリーズの『モンティ・パイソン・フライングサーカス』を制覇して下さい!損はさせません。【シュールなサンタ】さんへ。彼らは、あんな馬鹿なことやってますが、実はオックスフォードとケンブリッジの卒業生なんです。嘘じゃないです。 7点(2002-12-06 00:32:32) |
10. アイス・ストーム
現代アメリカ病理シリーズ(『アメリカン・ビューティー』『ハピネス』)の中では一番好み。あの冷めきった演出のおかげで、熱演ぎみの他作品より引き込まれた。上質の役者・脚本・演出の佳作。トビー・マグワイアっていい役者だなあ。 8点(2002-11-20 22:28:18) |
11. センターステージ
下手くそながらバレエをなんとか習い続けているので、とても励みになるビデオでした。主人公と同じく足の形が悪いから、すごく同情したりして。舞台も良かったけど、私はバーレッスンの光景にウットリしてました。フィギュアの貴公子イリア・クーリックが出演していたのには驚いた!プロに転向したのは知っていたけど、アメリカに移住していたのね。 7点(2002-10-07 22:21:49) |
12. 陰陽師
最高に面白かった!!知識を持ってみた人には不評らしいが、何も知らずに見た私には、最初から最後まで展開が面白すぎて目を離せなかった。野村萬斎さんを知らず、(不思議な顔の人・・)としか思わなかったが、見ていくうちに、その身のこなし、その声、その演技力に圧倒的に魅了され、本気で惚れました。まさに晴明の魅力!!!とても素晴らしい陰陽師の映画だと思います。2も期待してます!野村萬斎は必須!!! 10点(2002-10-04 11:00:44) |
13. アバウト・ア・ボーイ
そこそこ笑えてそこそこ温かい気持ちになる、そこそこのコメディ。『ブリジット・ジョーンズ』の方がキレ具合も出来も良かったように思うけれど、それは私が女性だから??鑑賞後何も残らなかったけど、ぼちぼち楽しめたからまあいいや。 7点(2002-09-17 21:05:32) |
14. インティマシー/親密
『マイ・ビューティフル・ランドレット』に続く(?)ハニフ・クレイシ原作のロンドン労働者階級もの。独特の澱んだ陰気臭さは健在。濡れ場いっぱいの映画なのになぜか官能的な雰囲気は皆無。私はこの映画の人間観に全く共感できず、えらい退屈しました。作者は本質的に人間を嫌っているのではないでしょうか。【sayzin】さん同様、ベルリン映画祭の判断基準を心から疑いたくなった一本でした。 6点(2002-09-17 20:41:15) |
15. 恋人までの距離(ディスタンス)
20代の男女を主役にした等身大のラブ・ストーリー。壮大な虚構の恋愛映画も良いが、リアルな視点の映画も悪くないと思った。「運命的な恋愛」とは、実際にはこんな感じなのではないだろうか。【せい】さんが書いていらっしゃるとおり、ヨーロッパの夜の感触に溢れた官能的な映画でもあった。ちなみにあの後二人は必ず再び会ったかというと、そうでもないんじゃないかと私は思うのだけど…。 9点(2002-09-08 15:18:10) |
16. アメリ
軽い毒すらもオシャレな仏映画。オドレイ・トトゥの魅力満載、ストーリー、美術、音楽にもオリジナリティはあるし、SFXも必然性のある場面で効果的に使われているのに、なぜか私は全く馴染めず。2時間居心地の悪さを感じていた。しかし出来は良い。 7点(2002-08-05 22:11:08) |
17. ハピネス(1998)
現代アメリカの病理にセックスを絡めたのがミソ。たぶんこの辺で話しが身近になったのでしょう。出来としてはそう悪くないのだろうが、個人的には最初から最後までセックスネタで食傷ぎみだった。『アメリカン・ビューティー』共々、出来の良し悪しはともかく、赤裸々すぎるところが苦手でして・・・。 6点(2002-07-29 22:37:48) |
18. 旅情(1955)
大人の恋をよくまとめたいるが、イタリアを舞台にしながらもヨーロッパ的雰囲気が余りしなかったのが減点の原因。ヒロインにも相手役にも文句はない。佳作だとも思うが、少々物足りなかった。監督が英国人だからか、どこかイタリア的なものを欠いているように感じた。 7点(2002-07-26 13:48:22)(良:1票) |
19. シューティング・フィッシュ
孤児二人が大邸宅購入の夢に向けて、あの手この手で詐欺を働くコメディ。ポップなノリながらも、捻りが利いていて楽しい。自然に障害者のキャラクターが出てくるのには大変好感を持った。7.5点というところですが、英国映画びいきとして8点! 8点(2002-07-14 22:57:02) |
20. ニューヨークの恋人(2001)
初めはツッコミを入れながら見てたのに、いつのまにかヒュー・ジャックマンの姿に頬を染めていた私。それにしても「白馬の貴公子」っていうのをここまで実現すると、笑いを通り越して立派。ミーハーで単純な一女性として、あのヒュー・ジャックマンは好きにならずにはいられない。やっぱり理想の男性像ってのは不変なのですねえ。ただところどころ、「いかにも」すぎて笑いのツボに入る部分はありましたが。でもやっぱり格好いいもんなあ。 7点(2002-07-11 23:09:09) |