1. 東京の合唱
《ネタバレ》 この映画、20代の独身の頃に観た時は、あまり印象に残っていなかったんですが、近頃BSの放送で再見したら、これが泣ける、泣ける。70年以上も前に作られた映画の物語がこんなにも身につまされるなんて! まあ、私もこの主人公と同じくらいの年代の子どもを三人抱え、似たような経済状況(失業こそしていませんが家計は火の車っす)。いやが上にも感情移入してしまうさあ。 下↓の方もおっしゃってますが、真ん中の娘の病気が治って無事退院してきたのはいいけれど、タンスの中の着物は入院費用を支払うのに売っぱらってもぬけの殻。でも、家族みんなで朗らかに(?!)手遊びをするシーンは、成瀬の『はたらく一家』のラストシーンと並ぶ、「素晴らしき哉、家族!」な感動的なシーンでございましたよ。 この頃の小津の作品は、戦後の完璧な作品群と比べるとどこかぎこちないのですが、新しい映画を志向する才能豊かな若い作家特有の情熱が画面から溢れ出ているので、それだけでも観ていてウキウキワクワク楽しくなってしまいます。あ~あ、オイラも生まれてくるのが五十年遅かったよな。 10点(2004-04-03 13:42:11) |
2. 鴛鴦歌合戦
♪さて、さて、さて、この映画、めちゃ、めちゃ、おもしろござりますう♪ 10点(2003-12-27 20:10:21)(笑:1票) (良:1票) |
3. 朗かに歩め
《ネタバレ》 BSにて再見。これは、昔フィルム・センターで観たことが有るのだけれど、ギャング仲間がステップを踏みながら交わす滑稽な挨拶しか覚えていなかったです。この頃の小津作品は、アメリカ映画への憧憬が高じて清水宏(原案を担当)ら気の合う映画仲間達と和気あいあいと作ってる感じが良く画面に出ていて、それだけで、観ていて嬉しくなってしまいます。まさに"日本のヌーベル・バーグここに極まれり"って感じかな。いわゆるフィルム・ノワールのように「運命の残酷」が描かれることなく、心温まる人情話へと転換するあたりも、彼ららしいと思います。ただ、『トイ・ストーリー』を観て以来、子どものおもちゃを棄てられなくなった私としては、劇中二度も無残に打ち捨てられるキューピー人形のことが、どうも気にかかるんだよね。 9点(2003-12-08 20:38:24) |
4. 暗黒街の弾痕(1937)
山中貞雄の『人情紙風船』と並んで土砂降りの雨が、美しくも切ない、”泣ける”犯罪メロドラマの一大傑作。【STING大好き様へ】STING大好き様ともあろうお方が、こんなところで何ふざけてんですかあ! かりにもこれはフリッツ・ラングのアメリカ時代を代表する傑作ですよ。映画ファンとして恥ずかしくないんですか。やるなら、『Mr.レディMr.マダム』(もちろんこれも良い映画ですけど)に行っておやりなさい!全くけしからん。プンプン(*`ε´*)ノ彡☆ 【皆様へ】というわけで、このつづきはどうぞ、あちら(『Mr.レディMr.マダム』)にてお願いします。【やましん様へ】 「運命は残酷」こそは正にラングのモチーフ。おお、そうです、そうです。いやあ、貴方様の映画に対する深い愛情と慧眼にはいつも感嘆・感動しております。よい機会なので、いつぞや貴方様より頂戴した"映画ファンの鑑"を今日この場にて謹んで返上させていただきます。どうも私には荷が重いので...m(_ _)m 10点(2003-11-26 21:22:35) |
5. アタラント号
ただ、ぎゅうっと抱き締めていたい、これは、そんな珠玉の映画。 10点(2003-08-09 18:00:03) |
6. 人情紙風船
現存する日本映画の最高傑作でありながら、山中貞雄の最高傑作ではない。これは、彼が、あるべき未来を奪われる予感に襲われつつ、それでもなお、映画への並々ならぬ愛情を微笑みと共にフィルムに塗り込めた珠玉の絶品! 10点(2003-08-09 17:58:10)(良:2票) |
7. 血煙高田の馬場(1937)
日本が世界に誇るカツドウ屋マキノ正博監督による映画史上空前絶後至高最高のお祭り映画(おバカ映画とも言うんだ)。 この映画を挙げてくれたバカ王子さん、あんたはエライ!!! ところで、伝説となったクライマックスの阪妻の走りっぷりは、『クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』でもしっかりと受け継がれておりましたなあ。 10点(2003-05-12 14:49:31)(良:2票) |
8. オズの魔法使
悪い魔女の魔法にかかって、お花畑で眠りこける主人公たちを救うもの、これぞ、ハリウッドの雪! 9点(2002-11-20 17:36:19) |
9. ニノチカ
ルビッチはどんな些細なことでも、映画となればいっさい手を抜かない人だ。今回は、笑わない銀幕の美女ガルボをいかに笑わせるかに心を砕く。それがこの映画の真の見どころだと思う。 9点(2002-11-20 17:31:58) |
10. 白雪姫
良い映画には、作者の「想い」を通り越した「祈り」が感じられるものだが、この作品が正にそう。冒頭からディズニーの祈りがひしひしと伝わってきて、それだけで涙してしまう。果たして、彼の祈りは結実して、大いなる賞賛とその後の数多くの名作が生まれることになるのだが。ちなみに、ラストシーンでは、3歳のわが娘も私の腕をぎゅっと握ったまま離さないほど感動してました。 10点(2002-11-20 17:21:34) |
11. 大人の見る絵本 生れてはみたけれど
『麦秋』の鯉のぼりのカットのように、小津の作品では、一見何の変哲もない挿入カットにドキッとさせられる。ここでは、お兄ちゃんが医者を呼びに自転車を走らせるカット。しかも移動撮影。 10点(2002-11-20 16:57:07)(良:1票) |