1. 透明人間(1933)
《ネタバレ》 これはエポックメイキングな作品です。 1933年制作という驚くほど古い映画なのに、さらに驚くべきはいま観ても普通に面白いことです。 透明人間というキャラクターを、映像によって具現化させた。透明人間とはこういうやつなんだって、人々の頭に共通認識を植えさせた。 本作の一番の魅力は、やっぱりグリフィン博士そのものの魅力に尽きます。手袋をつけて、顔に包帯巻いてサングラスをして、 喋る度に口元の包帯が揺れ動く。そして言動や行動が粗暴でどんどんエスカレートしていく。 今風に言えばヴィラン的な魅力の塊という感じがします。長い映画史においてさまざまなヴィランが作られてきたけれども、 そういうものの先駆者、創始者様って感じがいたします。 特筆すべきは映像技術で、これはどうやって撮ったの?と伺いたくなるようなシーンが複数あり、 包帯を解いて透明の自分を見せつけ高笑いする様は見事な出来栄え。様々な品物が見えざる手によって動かされる数々のシーンも実によくできてます。 あと千と千尋の湯婆婆みたいな見てくれの、やかましい宿屋の女将もキャラクターとして印象深かった。 テンポも軽快。昔の映画にありがちなもたつきもありません。8点献上。 [インターネット(字幕)] 8点(2025-02-16 10:16:17) |
2. 新婚道中記
《ネタバレ》 1936年という、とんでもなく古い映画ですが喜劇としての面白さは全然色あせておりません。 なぜ離婚道中記じゃないのかと最初は思ったが、いろんなドタバタを得て結局はヨリを戻すので、 なるほど確かに長い目で見れば結婚道中記なのだなと。賢いワンちゃんがとても可愛い。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-05-05 19:17:19) |
3. ロビンフッドの冒険
《ネタバレ》 1938年にこんな映画がつくらていたなんて、、、すごいですねぇ。 今見ても、普通に楽しめるしクオリティ高いですよ。 1938年がついこのあいだのことなんじゃと思うぐらい、全体的な色鮮やかさが印象に残ります。 剣アクションも抜かりなく、遠景にアクションの影を映すシーンとかも、「おっ」と思わせられたり。 主人公のキャラクターの気持ちよさがまたいいね。 ストーリー的には王道。でも昔から現在まで、やはり人は王道ストーリーが好きなのだな。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-06-16 21:30:40) |
4. ゲームの規則
《ネタバレ》 序盤からほっぺにチュ、手の甲にチュ、どんだけチュッチュチュッチュしとんねんフランス人は、と思っていたら案の定な展開。 フランス貴族の人たちにとっては、痴情はゲームのようなもんなんでしょうけど、そういう浅ましさをシニカルに描いているということでしょうか。 ラストのあっけなく銃殺されすオチが、狩猟会とかかってくるのですね。 その狩猟の映像が個人的に興味深く、次々と撃ち殺されていくウサギさんたちの映像は他に見たことがなかったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-06-05 22:24:18) |
5. 有りがたうさん
《ネタバレ》 有りがたうさんは、何に対して「ありがとう」と言っているのだろう。とりあえずの挨拶みたいなものなのかな。原作は川端康成の、5~6ページぐらいしかない短編。その小説にもありがとうが連呼されてるらしい。なんにせよ有りがたうさんの台詞が、「こんにちは」とかだったら、この作品世界は成り立たないだろう。やっぱり、ありがとう~じゃないといけないんだ。あるいはまた、全編に渡るスローテンポな台詞回し。最初こそ違和感を感じたが、もし劇中に早口でしゃべる人が一人でもいたら、やはりこの作品世界は成り立たない。全てスローでしゃべる人たちだからこそ生み出されるテンポと情感。今でいうところの癒し系ほっこり映画の先駆けみたいなもので、監督の同年代の小津作品にも通じるものがあると思う。峠を超えた女はほとんどが帰ってこない。これはそのときの情勢を言い表してるようだが、そういう大変な時期を映画的喜劇世界で人々を前向きにさせようという、そんな意図を感じる。乗客の女性と髭男爵の会話が印象的。 [地上波(邦画)] 7点(2012-12-25 13:52:17) |
6. 怪物團
最初に、このような映画は今後作られることはないだろう、みたいな事が文字で出てきたと思うんですけど、まさにその通りですね。70年以上経ってるのに未だにこのような映画は作られていないし、そもそも作れないでしょう。当時は相当物議をかもして、失神者も出たそうですけど、それはもうまさに爆弾みたいな映画だったんですね。時代は変わって社会も変わっても、今でもこの爆弾のコアの部分は新鮮味を保ってるんじゃないかな。ラストの、降りしきる雨の中で馬車が転倒して、女が逃げようとするんだけど、それをじりじりと追いつめていくフリークス達の凄さといったら、あの映像はなんというか万国共通の力強さを持ってますよ。異色の傑作映画の宝。8点を捧げます。 8点(2004-08-25 02:20:16)(良:1票) |
7. 美の祭典
プロパガンダどうこう言われますけど、純粋に見ればあぁ、美しいなぁ、て思います。この頃は一人で何種目もやったりしてたんですね。なんでもやっちゃう選手に驚きました。日本の選手も結構出てますね。この頃からすでに水泳は得意だったのか、、、。 6点(2004-07-09 03:01:29) |
8. フランケンシュタイン(1931)
あぁ、フランケンシュタインって怪物を作った博士の事だったんですね。いまの今まで怪物の名前がフランケンシュタインだと思ってた(笑)。まぁ当時はさぞかし怖かったんでしょうねぇ、あんな前置きがあるくらいですから、、、。それにしても最後の風車って、「スリーピー・ホロウ」に出てくる風車と同じですね。ティム・バートンはあんなところにもオマージュをしてたんだな、、、。 6点(2004-07-08 22:49:06) |
9. アラン
アイルランドのアラン諸島で生活する人々を描いたドキュメンタリー。ドキュメンタリーといっても、厳密にはつくりの入ったドキュメンタリーです。当然ながらモノクロですけど、このモノクロで見る波というのがまた独特で、波しぶきがまるでミルクみたいに見えてきます。一番印象的だったのは、漁師とサメの戦い。両者の力比べといった感じで、へばってきたサメが、漁師の船にバシッバシッと尾を打ち付けるんです。なぜかこのシーンが印象深かった。 5点(2004-05-24 01:20:14) |
10. モダン・タイムス
本当に笑える。本当に、チャップリンと女の子の関係が見てて微笑ましい。機械化への皮肉、か。そうだ、特にあの自動食事マシンが最高だ。 7点(2004-04-09 01:41:24) |
11. 来るべき世界
この映画は、科学の進歩に対して根源的な問いを提示している。それは、科学の進歩の先に何があるのか?科学の進歩が本当に人類の幸福になるのか?という問いだ。進歩思想と反進歩思想。好奇心と探究心か、それとも自然に帰れ、なのか、、、。H・Gウエルズが原作、脚本を書いているが、彼の先見性にはやはり驚かされる。最後の台詞がすべてを語っている。「2つに1つだ。全宇宙か それとも無か。君ならどちらを選ぶか?どちらを」 7点(2004-04-04 22:07:03) |
12. キング・コング(1933)
《ネタバレ》 久々に見返してみましたが、今見ても十分面白いですね。キング・コングはその後何度かリメイクされましたが、やっぱりこの年代にこのプロットを作り上げたということが大いに評価出来るなと思うんです。秘境の島にたどり着くと、そこには古代に作られた巨大な建造物があり、その先にはなにがあるのかわからない。そして見た事もない原住民が謎の踊りをしている、、、という、この展開がなんというかロマンの塊ですよね。ワクワクしちゃう。キング・コングは40分をすぎてからようやく登場するわけですが、女優のさんの絶叫と同じぐらい、当時の観客もびっくり仰天の映像だったんじゃないかな。粘土で作ったストップモーションですが、凄く良く出来ていて、実写との合成も見事な出来です。途中、恐竜にたちに追いかけたり襲われたりするシーンもあり、サービス精神満点(笑)。そしてまた、コングはただの怪獣ではなく実は心の優しいやつであり、誰からも理解されない、誰にもわかってらえない恋心の化身みたいなものだと言える。ハラハラドキドキと切なさを融合させた、素晴らしい名作です。 [DVD(字幕)] 7点(2003-02-27 10:42:28) |
13. 大人の見る絵本 生れてはみたけれど
いいね。初めて小津安二郎の映画をみたけど、ほんとすごいね。情緒ある笑い。すごいね。お父さんとの葛藤。すごいね。偉い人。すごいね。 8点(2002-04-15 17:37:40) |
14. 白雪姫(1937)
全ての長編アニメはこれからはじまったのです。この動き、色、すばらしい!まさに芸術!ほんと、すばらしいよ。 9点(2001-10-15 13:04:57) |
15. オズの魔法使
ライオンのしっぽのピアノ線さえなければ、10点なんだが、、、、、すばらしい、これがほんとのファンタジー! 9点(2001-09-25 22:39:35) |
16. 風と共に去りぬ
たしかに黒人の人が嫌いってのはわかるような気がする。それにしてもこれだけ長い映画をつくったスタッフ、セットに脚本、たしかに賞を取るよねぇ。39年の映画だし、よくできてるよねぇ。 8点(2001-09-09 16:00:32) |