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プロフィール
コメント数 919
性別 女性
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/20084/
ホームページ http://tiaratiara.exblog.jp/
年齢 70歳
自己紹介 前からありましたっけ?[この方のレビューを非表示にする]とカスタマイズできる機能。最近ですよね? 知らないうちに進化し続けてますね、このサイト。また来ようと思います。

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1.  ミッドナイトスワン 《ネタバレ》 
凪沙の一果に向ける慈愛に満ちた表情は、思い出すだけで、泣けてくる。いい映画だと思う。ただその上でなお、思うことは色々ある。(私にしては、そして久しぶりの投稿にしては、長いよ(笑))元々私は、MTFのかたの女性性へのこだわりは女として生まれた者よりよほど強いこと、母性愛というのは女だけの専売特許ではないこと、両方とも思ってきた。だがそれでもなお、凪沙の「母」として生きたい願望のあまりの強さにたじろぐ自分もいた。このへん矛盾してるようだが、正直な感想。一方、私はこの映画に対する過剰とも思える批判や反論も、かなり的外れなものが多いと思っている。だから、それらに対するアンサーを自分なりに試みることで、本作へのレビューとしたいと思う。はい、つまりここからが本題。まず① 一果は2週間でなぜあんなにバレエがうまくなったのか。不自然である。→(私のアンサー)もっと時間は経過している。ハニージンジャーソテーのくだりでは、一果の居住スペースが少女のコーナーらしく整えられており2人のやりとりからも慣れ親しんだ時間経過が示唆されている。監督の作風はほかの随所にも現れているが説明過多を嫌うタイプ。そこがこの映画の魅力でもある。(よくありがちな「○年後」といったスーパーも、決して監督は使わないのだ。潔い!)広島で少しやったことがあるというエピソードについては、小説にその奇妙な体験が書かれている。そのくだりだけでも一つの映画になるのではないかと思えるほどユニーク。その奇妙な先生にバレエへの関心を植え付けられたからこそ、通りすがりの教室に目を奪われた一果の様子は自然。そもそも、初レッスンで体育着の恥ずかしさや踊るのが久しぶりだったり初めての教室の緊張で思うように動けないでいる一果。本当は踊れる子があそこまで初々しさを表現できてることもすごい。また、美香先生が一果の才能を見抜いている描写もあったので、2週間ではおそらくないにせよ短期間の上達は決して不自然ではない。②LGBTへの偏見が現実より強すぎる→(私のアンサー) TVやメディアでは一見、市民権を得たように演出されているが、生活のあらゆる面で今でも偏見、差別を受けているのは当事者がよく吐露している。理解を示したつもりで差別感を露呈している面接の採用者、ああいうタイプも実際にいるし、まして広島の家族の絶叫は、むしろ現実をよく表現できているとさえ言える。③手術の失敗、今の時代におかしい→(私のアンサー)これも小説にしっかりふれられている。一果をとりもどすことができず自暴自棄になった凪沙は、するべきケアをないがしろにし、そのために後遺症をこじらせてしまい、生保に頼らざるをえなくなる。ここでも監督はあえて説明を加えていないが、説明されなくともニュアンスでわかる展開になっている。④回収できてないエピソードが多い。→(私のアンサー)これぞ、映画のスタンダードなセオリーに毒されすぎの的外れ批判の典型。伏線が回収されるのは観客にとりカタルシスに結びつきやすいが、映画内で提示された伏線らしきものは必ず回収されなければならないという常識(笑)はおかしい。⑤ヒロインが美しくない。→(私のアンサー)これぞ、ザ・偏見。美というものへの理解が浅い。美しい人が常に美しいかといったらそんなことはない。映画はそもそも人間を描くもの。ひたすら美しいものを見たいなら、美術館にでも行けばよいのだ。美醜、若さと老い、金持ちと貧乏、男と女。そのはざまにあるものを描こうとしているからこそ、この映画は秀逸なのだと思う。監督の、できるだけ抒情的にしたくない、説明的にしたくない、という姿勢は、激しく共感するし、好ましく思う。見終わったあと母性というものをただただ肯定的にだけ描いているきらいを感じてましたが、水川あさみ演じる実母の母性、そのやるせなさも、ちゃんと描けていたな、と思い返しました。このレビューを書き上げた今は、やはり10点をつけます。内田監督、草彅さん、服部さん、水川さん、そして他のキャスト、撮影、美術、録音、音楽、バレエ指導などのスタッフの皆さんの仕事は極めて高クォリティだったと思います。ブラボー!です。
[インターネット(邦画)] 10点(2021-07-10 16:44:00)(良:1票)
2.  マルモイ ことばあつめ 《ネタバレ》 
聞きしにまさる力作。日本統治下時代の韓国。朝鮮民族の言葉を奪われ、創氏改名によって名前を奪われた人々の、言葉を残そうという執念の地下活動とその顛末を描いています。 物語のキーパースンが非識字者だという設定と、彼が文字を獲得していくストーリーは、言葉や文字のかけがえのなさ、必死に守ろうとする動機の深さを五感で感じさせる実に巧みな脚本。 また、映画という文化は各国に共通のものだが、私も含め多くの人たちが馴染んでいるのはやはりハリウッド作品。そのセオリーってやっぱりあるんですよね。たとえばチームの成長、多彩な群像、性格の異なる二人の友情、情けないくらいの人間が大きく成長していく話。私たちの心の琴線て、なぜかこういうものにふれたとき、グイグイと惹かれていく。ね? ハリウッド作品でそういうものを私たちはいっぱい見てきましたよね。シリアスな話の中にも、クスッとするシーンがあったりなども含め、本作も、そのセオリーを見事に踏襲しています。だけど、あざとくない。ここが大きなポイントだと思います。 すごく自然な構成になっているから、映画に自然にのめりこんでいき、後からふと、そういう作品だったんだなと気づきました。これは、世界的な大ヒットに繋がりそうな、そういう予感がします。  主人公役は、「タクシー運転手」にも出ていたユ・ヘジン。脚本と監督は、「タクシー運転者」の脚本を担当したオム・ユーナという人。男性?女性? 「タクシー運転手」のときに女性と聞いた覚えがあったような・・調べたら、やはり女性でした。ユン・ソナとかシム・ウナの名前を思い出すと、ナが最後につく名前は女性名ってことなんでしょうか。  パンフレットを買おうか迷って結局やめて帰ってきてしまったのですが、やはり買えばよかったかな。 劇中、地方の方言にこだわって言葉あつめするシーンがたびたび出てきた、そういうこだわりの背景にあるものも、監督の言葉で聞いてみたいし、ユ・ヘジンへのあて書きっぽいキャラクター設定の話など、パンフレットに出てるんじゃないかと思いますね。読んでみたい。あとで買いに行こうと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2020-08-27 13:29:06)
3.  新聞記者
このページのレビュアーさんの投稿を読んで、みんなのシネマレビューは知的なサイトであると唸りました。付け足すことは、何もございません。どうぞ皆さん、観に行ってください。
[映画館(邦画)] 10点(2019-07-09 10:00:01)
4.  忘れられない人 《ネタバレ》 
久々に、衛星放送で見た。で、見たのに書いてなかったのはたくさんあるけど、これについてはレビューを書きまくっていた頃に見たものだから、書いたとばかり思っていたので、何て書いてたかなー、と検索。あれれ、書いてなかった! と判明。あと、sayzinさんがメチャおもろいレビューを書いていたことも知り、バカウケ。それから、「好みの近いレビュワー」だけを抽出することができるようになってたのも、初めて気づいた。かなり前からできてた機能なんですかねえ? ごめんなさい、管理人さん。で、ポチっとやってみたら、2人出てきて、かたや8点、かたや3点をつけてらしたので、これも笑えた。あ、で、レビューね。なんせ主演の二人が若くて一番きれいな頃の作品で、しかも純愛、しかも「あー彼は死んじゃったのね」とわかるタイトルだから、予定調和のエンディングに向かって、安心してひたって見てられる。そんな感じ。初めて見た当時なら8点くらいつけてた気もするけど、まあ6点くらいかな?
[ビデオ(字幕)] 6点(2017-05-12 14:29:31)
5.  スノーデン 《ネタバレ》 
この映画が実話というのはよく知られてると思います。アメリカがネット上の国民の情報を収集して管理しようとしていた驚愕のニュース。 だけど、私も一般人のはしくれ。正直、個人情報に敏感なほうじゃありません。だから、フェイスブックもやるし、ブログも実名で書いています。だから、ニュースも、いまいちピンときてませんでした。スノーデン氏、やるなあ、とは思ったけど。 だけど、アメリカが国ぐるみでどんなふうに個人のデータを収集してたかのリアルを見せつけられたら、私が無邪気に入力してるFBやブログだって、いつこうなるか、いや今こうなのか、真相はわからない、とゾッとしました。スノーデンが見事ゲートをすり抜けたときは、すり抜けるとわかっていてもハラハラしたし、元からリベラル派だった彼女との恋のすれ違いは、恋愛ものとしてだって十分に見ごたえがあったと思います。相手役は私が最近注目してる女優さん。きれいで迫力があって、若手の注目株だと思います。スノーデン役の彼は子役からやってた人なのね。演技上手で、ちょっとした表情にも風情があって、おばさん、グッときちゃいました(笑)。なので、私にはエンタテイメントとしても二重丸でありました。 ちょっと感じたのは、やっぱりいつものオリバー・ストーン節だなあというとこ。クサイほどに「俺は社会派だ!」という自己主張ね(笑) 嫌いな人には、それだけで毛嫌いされるだろうなあ、と。そこが惜しいかな。
[映画館(字幕)] 8点(2017-02-22 09:27:29)
6.  キャロル(2015)
久々に味わう、感動的な恋愛映画でした。ほかの方も仰っていますが、二人の目の演技が素晴らしい。ルーニー・マーラが、『ソーシャル・ネットワーク』や『ドラゴン・タトゥーの女』にも出ていたとは、後から知ってびっくり。女性版ジョニー・デップと言ってもいいくらいのカメレオン女優さんですねー! 次回作は「マグダラのマリア」役とか。ぜひ早く見たいものです。あーそれにしても。元から見たいと思っていたこの作品。たまたま行った大型ショッピングセンターで上映中と知り、入りました。大きな映画館で、平日の昼間でしたので、ガラガラ。そんな中、2列前くらいのはじで、ずーっと身を乗り出して見てたおじさん(と言ってもたぶん私よりは若い人だと思うけど…爆)、1時間くらいたったとき、いなくなってしまいました。トイレかな?…戻ってきませんでした。ハハーン、あなた、ゲスな期待で来ていたのね。残念でしたねー、期待外れの高貴な恋愛映画で。
[映画館(字幕)] 9点(2016-04-27 10:12:48)
7.  不屈の男 アンブロークン 《ネタバレ》 
むしろ親日映画なんじゃないですか? 日本ひどい、じゃなくて、戦争ひどい、としてちゃんと描かれてましたもの。 アウシュビッツの映画なんてもっと非人道的な映像をこれでもか、って並べ立てる映画はあるし、それはそれで、ちゃんと残していく意義や価値はあるわけだし。 最後の長野オリンピックの映像には、もう号泣。アンジェリーナ・ジョリーへは、完全にリスペクト!です。 大森に水田があったかどうかは、たとえば私の出身地・横浜なんかにはあったと思うので、どちらでもいいんですが、但し水田で農作業してる人たちが南国でかぶってるような藁の三角帽をかぶってたのは、ちょっと気になったかな。関東は南国じゃないし(笑)。 でも、たとえば「ラストサムライ」なんかのような、「ここは日本じゃねー(怒)!」ってのは、今回はあまりなかったし、私の母のように死体をまたいで空襲を逃げ延びた人の体験ともちゃんと重なる映像が出てきたので、時代考証なりリアリティは、戦後生まれの私からはほぼ合格点。 あまり映画の宣伝が目につかないのは、寝た子を起こしたくない、ということかもしれませんが、多くの人にちゃんと見てもらいたい映画の一本であることは、間違いありません。
[映画館(字幕)] 8点(2016-03-16 19:09:11)
8.  靴職人と魔法のミシン 《ネタバレ》 
マッカーシー監督の「扉をたたく人」がすごく好き、アダム・サンドラーのちょっとB級っぽい風情が大好きな私は、いそいそと見に行きました。 スティール写真をチラッとだけ見た限りでは、思い切り地味~な、「扉・・」と同様の社会派作品を想像していたのですが、見に行く直前に、少し前に観たという友人から「笑えた~!!」という情報が入ったので、ますますワクワク。 だいたい、こういうふうに期待してしまうと肩すかしのことが多いものですが、私の期待は裏切られなかったです。一緒に観た友人も「楽しかった~」と言っていました。 「扉・・」も、役者の力量が味わえる作品でしたが、アダム・サンドラーの飄々ぶりは相変わらずチャーミングだったし、かなりなキーマン役である黒人俳優サンの捧腹絶倒な演技もおおいに堪能させてもらいました。彼が白人を脅すシーンがありましたが、あれはいまだに黒人というだけでおびえる白人側の偏見を皮肉っている、というふうに私は見ました。 なぜ隣の床屋さんがブシェーミなのか、なぜホフマンがあの役にキャスティングされているのか、後から思うと、そこも楽しい。 私は大好きです、この映画。
[映画館(字幕)] 8点(2015-08-07 08:37:05)(良:1票)
9.  KANO 1931海の向こうの甲子園
イデオロギー的に押しつけがましい展開があったらいやだなあと想像していたら、それはほぼなかったことに安堵しました。前半、監督の人物像が分かりにくく、やな奴にしか見えなかったのが、後半にその寡黙さが生きていったので、それも安堵。CGが作りものっぽすぎ、多用しすぎでいやっていうのはあったけど、今の時代の映画作りでは当たり前の範疇かもしれませんね。多民族の融合、友愛というテーマはきわめてこんにち的だし、ハリウッドや他国での上映にも共感を得られる題材だと思いますが、私自身が、日本の最近の世相の中では、決して作れない作品、と思ってしまうこと自体が、情けない。
[映画館(字幕)] 8点(2015-04-13 21:44:03)(良:1票)
10.  おみおくりの作法 《ネタバレ》 
巷にあふれたダメな邦題よりはよほどいいとは思うのですが、受け狙いで考えに考えた感じもあって、好きか?というと、あまり好きな題じゃない。原題Still Lifeのほうがずっとしっくりきます。一言で表現するなら、「静謐」な映画でした。最後のシーンがいい、という一言が実はネタバレになってしまう映画なので、この一言は禁句にしたほうがいいと思います。知り合いが何気なく言ったこの一言で観に行ったのですが、聞かないでおきたかったなあ、というのが、今の正直な気持ち。ところで、このサイトでの「コメディ」のくくりって、どして!?と思いました。クスッとくるところも確かにありますが、これをコメディとしてくくるのは、私には抵抗があります。→追記:コメディというカテゴリーは外していただけたようですね。単純ミスだったのかな? いずれにしろ、気づいて外してくださった方(管理人さんかしら)、ありがとうございました。
[映画館(字幕)] 8点(2015-02-19 07:36:04)
11.  マダム・イン・ニューヨーク
現代インド版「人形の家」といったとこですかね。大甘で8点。なぜかというと、女性監督であることが一つ。それから、ありがちな展開に見せかけつつ、オチがそうでもないとこに好感を持ったことが一つ。但し、前半の展開にもう少し起伏があったらもっとよかったのにね。写真とか彼女の若い頃の夢を表す小道具など、結婚前後も含め昔の彼女のキャラが垣間見えると、もっとストーリーに奥行きができたのではないかしらんと思いました。
[映画館(字幕)] 8点(2014-09-17 23:37:44)
12.  チョコレートドーナツ
「トーチソングトリロジー」で感じた胸の痛みと近いものを感じました。色々な意味で。字幕でルディのセリフがことごとく女言葉になっているのがいや。これは「 トーチソング・・」でも感じたことです。私は英語はそんなに得意じゃありませんが、意訳が過ぎると思います。ぷんぷん。それと、「 トーチソング・・」のハーヴェイ・ファイアスタインと同じく、ルディ役のアラン・カミングも実生活でもゲイでは?と思ったら、やはりそうらしいですね。本物のゲイの人が演ずるべき、とかそうでないとウソくさい、とは思いませんが、熱のこもり方が違うと感じました。この人は「スパイ・キッズ」のときから、何か独特の過剰さを感じていました。この人でなかったら、私は映画館まで見に行ってなかったかも。彼は、薄味でのっぺりした俳優が多い中では異色。やりすぎは好きじゃないんですが、彼の演技はこれが「ノーマル」で、もし彼がやりすぎな演技をしたら、とんでもないことになるのかも(笑)。本作は、他の出演者のキャラや風俗がちゃんとこの時代の雰囲気を醸していて、実は細かいところまで行き届いた作品だと思いました。
[映画館(字幕)] 9点(2014-07-14 22:12:57)
13.  別離(2011)
10年前くらい前、イランでは宗教や政治のせいで映画の表現にすごく制約があると聞いたことがあります。その先入観でいたものですから、宗教や社会の負の部分を色濃く描いた本作には、とても驚きました。変化したその背景について不勉強でまったくわかりませんが、抑圧がつよかった分、映像表現に対するモチベーションが高く、それが各登場人物の演技力の高さにも反映してるのかなあといった感想を持ちました。脚本も巧みだと思いますが、シチュエーションと各人の心理(のうかがえる演技)がばっちり連動していて、そこが観客にとり、いたたまれない感情をもたらします。娯楽や感動を得たいタイプの観客には合わない作品ですね。たとえるなら、スウェーデンのベルイマン監督作品を観たときのような感覚に近かったです。
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-23 09:16:09)
14.  おくりびと 《ネタバレ》 
あれ、私はなぜこれのレビューを書いてなかったのかしら? 他の方のを読んでいたらけっこう辛口の方が多いので、私はどう書いたんだっけ?と読み返してみたら、「な、何と、なーい!」ビックリしました(笑)。まさか、「×」はいただいてないですよね!?(苦笑) ところで、滝田監督は元から私の好きな監督。ときどきびっくりしたり嫌悪したりする作品もあったのに、一貫して私は好きなんですね、彼の、特に現代劇が。滝田さんて、かなりなシャイマンではないかと思われます。大上段にかまえて大声で言うタイプではなく、こそっと、つぶやきよりさらに小さい、聞き取れないくらいの小さな声でものを言うのが好きなんじゃないかなあ、と思わされるようなさりげない作風が私は好きなんであります。アカデミー受賞作品としてではなく、滝田作品の「秘密」「僕らはみんな生きている」なんかと同じ系譜の作品として見ていただけたらというのが、滝田ファンの私のささやかな望みです。 【追記】ほんとにおかしいなあ、「シコふんじゃった。」を模したシーンが面白かった、と書いたおぼえがあるぞ、と自分のブログを読み直したら、こちらに書いてありました(^_^;)長くなりますが、転記します。→とにかく噂にたがわぬいい出来でした。特にキャスティングのよさ、脚本のよさが、すばらしい。脚本のどういうとこが?と言えば、一例は登場人物のキャラにブレがないこと。もちろん一人の人間にも多様性があるのだから、多少のブレはあって当たり前ですが、この人のキャラからいってこのセリフ、この行動はないだろう、ということがないのね。むしろこの人は、わかっていてもこうしかできないのね、といったあたりに一貫性やリアリティがあります。簡単なように見えて、こういう脚本作りって意外と簡単じゃなかったりすると思うんですよね。  それと、モックンへのあて書きなのか、昔の「ファンシィダンス」や「シコふんじゃった。」を彷彿とさせるシーンもあって、こういうクスグリも、あの作品群が好きだった者にはグッときます。音楽も過剰ではなく、はしばしに滝田監督のシャイさがよく出ていて、ああ、ほんとにいい作品でした。  モックンはたとえるならダニエル・デイ・ルイスみたいだったし、山崎努はマイケル・ケインみたいでした。広末はちょっと比ゆが思い浮かばないけど、彼女の顔立ちって絶対に欧米人が好む日本女性の典型だと思います。だからリュック・ベッソンにもゾッコンされたんじゃないでしょうか。しかしあの「ワサビ」でしたっけ、あれ以降コケた感のあった彼女、今回かなりカブが上がったことでしょう。よかった、よかった。【おまけ】映画館で観たあとで衛星放送で見たときの感想もこちら→http://tiaratiara.exblog.jp/11986000/に書いてあります。よろしかったら、お読みください。「納棺師ってそんなに差別される職業?」というのと、「石のエビソードが不自然」という指摘に対する私見も書きました。 
[映画館(邦画)] 10点(2014-03-05 11:26:21)
15.  ビフォア・ミッドナイト 《ネタバレ》 
この二人の醸す空気がいいんですよね。そしてその二人が夫婦になったら今度はどんな感じなの?とワクワクドキドキでした。そう、ほぼ期待は裏切られてないかな。この二人らしさと、夫婦なら誰もが「ある、ある」と思うであろう苦いクスクスのミックス度が、ほどよい。イーサンも心配してたほど老けてなかったし、二人のかけあいのナチュラルさは健在だし、個人的には満足でした。でも、ラストシーンでの心のほっこり感は、前2作のほうがありますね。それで、マイナス1点です。3作未見の方は、ぜひ「ビフォアサンライズ」からどうぞ。(「恋人までの距離(ディスタンス)」なんていうダサイ邦題になってますから、お気をつけて) 
[映画館(字幕)] 7点(2014-03-05 10:54:28)(良:1票)
16.  クラウド アトラス
いやもう、何度も挫折しかかったので、最初の約4分の1は5回くらい見たんですよ、実は。ぼーっと見てるってことをこの映画はゆるしてくれないんですもの。なので、とうとうwebで6つのストーリーのあらましを頭に叩き入れてから、再度見始めました。あら、そしたら、なかなか面白い。そりゃそうかも。何しろ予習しまくりですから(笑)。それでも、最後のほうのあるシーンなんて、アワアワアワでしたから、予備知識なしに見た方は、最後まで到達できても、疲れだけが残ったかも? 私は一度「最後まで見る!」と決意したら、まあ楽しめました。映画ってそれでいいのでは?と。あ、しかし、近未来のソウルって設定の場所が、一部は日本、一部は中国みたいで、韓国らしさはほぼないじゃん、と感じたのは私だけ!? あれ見て、韓国の人は怒らないのかしら・・。
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-09 23:07:58)
17.  マンハッタン殺人ミステリー
別れても、もしくは倦怠期の夫婦でも、仲は良い、というのは理想的ではあるわね。最初はミア・ファローのために書かれた役だとわかっていても、引き受けて、ウディ・アレンも引き立てて、自分も輝く、なんて芸当は、ダイアン・キートンだからできることって感じ。私、英語のヒヤリング能力はさっぱりなんですが、字幕を消して二人のしぐさの細かいとこを見つつ、声のかけあいの間合いを聞いていたら、二人のあうんの呼吸、というものを感じ取れて、面白かった。他の出演者のキャスティングもGOOD!  
[DVD(字幕)] 7点(2013-12-09 18:13:43)
18.  はじまりのみち 《ネタバレ》 
これも、期待しすぎた私がわるいのかもね、の一本。予定調和以外のものは、残念ながら感じられなかった。そんな中、唯一、河原でのシーンはよかったが、濱田岳の演技力によるところが大きかったのではないか。彼でなかったらもっとださいシーンになってたかも。彼が一番おいしい役だったのは間違いないが、ほかの人物だって、もっともっと肉付けのできる、おいしい役になりえたはず。やっぱりザンネン!としか言いようがない一作。そうそう、観てから時間がたってしまったので忘れかけてましたが、お母さんの顔を拭くために水道(井戸だったかも)で手拭いをしぼるシーンがあったのですが、なぜかこの時代に腕時計をはずさなかったんですよ、主人公が。確か。記憶違いだったらすみませんが。でもね、今みたいに防水じゃあるまいし、そりゃないだろう、と私は興ざめしました。映像表現を志す人々は、そういう細かいディテールにも気を配ってほしいものです。
[映画館(邦画)] 6点(2013-11-16 00:02:04)(良:1票)
19.  ブロードウェイと銃弾 《ネタバレ》 
ほかの登場人物もおもしろいし、役者もよー頑張ってるとは思うが、本作の面白さはチーチにつきますね。また、ふつうの脇役ですよという風情で登場する彼が、だんだんキーマンとなっていく、しかも主役であるデビッド(いかにも平凡な名前!(笑))は焦りまくっていく、一方、チーチは野心とかではなく、おのれの信ずるがままに熱情的にアイデアを吐露していく、というその展開が、愉快痛快。久々に面白い映画を見て、最近の「つまんない映画が多すぎ!」という鬱憤を大いに晴らしてもらいました。
[DVD(字幕)] 8点(2013-11-15 23:00:30)
20.  奇跡(2011)
この監督の子供の描き方、彼らを取り巻く大人の描き方はわるくない。・・とは思うのだが、「で?」と聞きたくなる。映画という表現手法を否定したら、映画は成り立たないけど、最近は、映画という表現のその先にあるものに対しての、作り手の無責任さを感じて仕方ない。
[映画館(邦画)] 5点(2013-11-15 22:43:09)
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