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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  シンデレラ(1950)
初めて観ました。動画のクォリティは半世紀後の現在観ても全く色褪せてない。メインの物語を彩るサブ・ストーリーや脇役の構成等も、ほとんど現在のディズニー・アニメと同じ(つーか、徹底してこの伝統を貫いてるんでしょうけど…)。本作を観て思ったのは、意外にもシンデレラが逞しいなぁってこと。もっと弱々しくて、可哀想に描かれてるのかと思ってたら、結構毎日を楽しく過ごしてる様だし、性格的にもはっきりした性格みたい(「エバー・アフター」のシンデレラとそんなに遠くなかった)。どう考えても、王子様は末永く尻に敷かれてしまうことでしょう、めでたしめでたし、7点献上。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2006-08-02 00:01:46)
2.  SOSタイタニック 忘れえぬ夜
最近BSで初めて鑑賞したんですけど、1997年の「タイタニック」とほぼ同じ内容だったことに驚き(あちらからジャックとローズを引いただけ)、また、セットや特撮が300億円かけた「タイタニック」に負けてないことにも驚きました。謝辞としてクレジットされる、この映画に協力した関係者(生存者他)の名前の量だけでも、如何に忠実に事実を再現してあるかが判ります。目と鼻の先にいて事故に気づかないカリフォルニア号の描写も、悲劇性とサスペンスをより強調している。確かにドラマ性は希薄ながら、この「史実」を知るには過不足の無い見事な構成だったと思います、7点献上。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-07-14 00:01:08)
3.  ピカソ-天才の秘密
こりゃ凄い。目が釘付けとはこのこと。所々にほんの少しだけ撮影風景が入るだけで、後はピカソの絵が出来ていく様子を1時間20分、延々と映してるだけなのに、体感的には20分位にしか感じられなかった。最初の方は一般的なデッサンの素描風。続いてピカソらしいキュービズム風作品の行程になる。幾何学的な数本の線が徐々に作品になっていくスペクタクル。やがて色使いも鮮やかな作品が登場し、クライマックスはシネスコ画面で展開する「海辺の風景」(命名私)の試行錯誤。このフィルムはフランスの国宝に指定されてるそうですけど、それもむべなるかな。本作はピカソの絵画と同等の価値がある。何故ならこの映画には、作品とその「秘密」と共に、ピカソのエネルギーが封じ込められているからです、9点献上。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2006-05-29 00:23:52)
4.  花咲ける騎士道(1952) 《ネタバレ》 
勘違いコメディとしては本作の方が断然面白いですけど(古い映画らしく脇役の魅力もこちらが上)、終盤の展開はリメイクの方に説得力があったかな。ファンファンの性格からすれば「戦争」と「女」なら迷わず「女」を採ると思うんですけど、期せずして敵の本陣に入ってからは、何故かアドリーヌのことを忘れちゃってるじゃん。そして、連れ去られたまんまのアドリーヌは手篭めにされることもなく、何と国王の養女になってる! そんなんアリかよー! これで彼女の占い通りの結末になって、めでたしめでたし…て、まぁ、随分無理矢理まとめてくれましたね、6点献上。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-05-29 00:23:26)
5.  炎の人ゴッホ
何が凄いって、タイトル・バックで鳴り響く、とても芸術家の伝記映画とは思えないミクロス・ローザのテーマ音楽。まるで向こうからローマの大軍が押し寄せてきそうな感じ。ゴッホの伝記としては、自活能力が無く、画家として不遇の扱いを受け、狂気の一歩手前で苦しむというオーソドックスな内容です。私的にはゴッホ役のカーク・ダグラスの過剰に気張った演技に、何故か仲代達矢を思い出してしまいました(ゴーギャン役のアンソニー・クインもどうかと思う…)。そういったことも含めて、製作年度の所為ではなく、とても古臭い印象の作品でした。ところで映画の最後(頭だったかな?)、撮影に協力した美術館への謝辞が出るんですけど、本作で使われたゴッホの作品は全て本物だったってことですかね…。ということで、5点献上。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2006-04-22 00:02:13)
6.  禁じられた遊び(1952)
最近、何十年か振りでちゃんと鑑賞した。もちろんストーリーは知ってたし、名作という認識もありましたけど、ここまで完成された映画だったのかと改めて驚いた。そして泣いた。この映画の凄さは、反戦や命の尊さを声高に叫ぶのではなく、ユーモラスな物語で真正面から「死の身近さ」を描いてること(+ブリジット・フォッセーの神懸り的演技)だと思う。現在は死というものが日常からかけ離れ、何か特別なことの様に感じますけど、生きとし生ける物は必ず死に、況してや戦時下に於いては死こそ日常。これだけ死が日常に氾濫する中では、それを遊びの道具とすることも幼い子供にとっては当然の成り行き。これはTVゲームの中で殺人しまくるのとは全く次元の違う、死のリアルさを知ってる子供の「ゲーム」です、10点献上。
[地上波(吹替)] 10点(2006-04-09 00:01:06)
7.  キング・ソロモン(1950)
映画の冒頭(最後だったかな?)、撮影に協力したアフリカ各国への謝辞が出るんですけど、正に「国」を挙げての協力体制がこのロケを可能にしたんだなぁと納得。雄大なアフリカの風景を捉えた総天然色が美しく、撮影の安全性と動物保護の観点から、現在では到底撮影不可能だと思われる危険なシーンが満載。この迫力は「ジュマンジ」なんかの比じゃありません。CG映画では味わえないスリルを存分に満喫できます。この作品では、大して活躍しないアラン・クォーターメインもデボラ・カーの美貌も脇役。「本物」を捉えた映像こそが主役です。冒険映画かくあるべし、7点献上。
[地上波(字幕)] 7点(2005-12-17 00:01:15)
8.  七つの大罪(1952)
(少し長くなっちゃいました) フランスとイタリアの名匠達が「セブン」でも有名な七つの大罪をテーマに、硬軟長短織り交ぜて描く7話構成のオムニバス映画。「強欲と怒り」はオーソドックスな教訓話。映画演出の教科書的テクニックが満載で、イザ・ミランダのキレた演技も見所。「怠惰」は現代社会を風刺したチープでモダンな特撮コメディ。凄く楽しい作品です。「肉欲」は捲り上がるスカートとショッキングな展開で、ファースト・カットから観客の肉欲を刺激してくる。その割にオチが弱いかな。「ねたみ」はサイコな心理劇。日常生活から来る漠然とした不満がテーマになってます。「大食」は単純なショート・コント。カルロ・リムのウィットを楽しめます。「高慢」は没落貴族のプライドを描く。とにかくフランソワーズ・ロゼーとルイ・セニエの演技が見もので、この中では一番好きな作品です。そして、エピローグ的に映画を締め括るのが「第八の罪」。ジェラール・フィリップの軽妙な語りと共に、観客を映画に巻き込む鮮やかな幕切れ。最近のオムニバスが当たり外れのある小粒の点心セットなら、こちらは三ツ星のフルコース。前菜からデザートまで美味を満喫できますヨ、9点献上。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-11-26 00:01:04)
9.  私は死にたくない
冤罪が怖いと言うより、その冤罪をもたらす「心証」の恐ろしさを感じた。バーバラ・グレアムは終始一貫「悪女」を気取って、その姿勢を崩さない(少なくとも前半は)。たぶん性格と、一般社会への反感と、「自分はやっていない」という自信から来ているのだと思いますが、それが全て裏目へ出て、取り返しのつかない結末へと至る。彼女の直情的で軽率な言動自体にも非がありますが、「いかにもやってそう」と「やっている」では天と地ほどの差がある。これは現在でも変わらぬ問題です。それにしてもロバート・ワイズって人は、色んなジャンルの作品を残してたんですね、6点献上。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2005-11-11 00:01:28)
10.  独立愚連隊
戦争映画と言うよりは、【ロンメル元帥】(略名)さんが書かれてる通り完全に西部劇。ウエスタンの日本への翻案としては、日活の無国籍アクションよりも遥かに方向性が正しく、現在観ても全く古びた感じはしません(逆に日活アクションの古臭いこと古臭いこと…)。岡本喜八のダイナミックな演出は破天荒な登場人物達をイキイキと描いており、特に「渋い脇役」位の認識でしかなかった佐藤允と中谷一郎が、腹に一物があっても決してそれを表に出さず、且つ思い切り肝が据わってて凄くカッコ良い! 私としては愚連隊全員に、狡猾に生き延びて欲しかったですけどね、6点献上。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2005-09-24 00:03:54)
11.  明治天皇と日露大戦争
日露戦争の発端から日本海海戦の大勝利までを、あからさまに日本側の視点だけで気持ち良く描いた戦争超大作。新東宝が社運を賭けた戦場シーンは、満州進軍、旅順港封鎖、二〇三高地の攻防、日本海海戦等と、特撮と大規模ロケと無数のエキストラを駆使して圧巻の一言。また、どこまで本当なのかは知りませんが、登場人物達も嵐寛寿郎演じる明治天皇を始め、全員がとてつもない人格者ばかりとなってます。現在からは考えられないほど右寄りな内容が奏功してか、本作は大ヒット、この後いくつかの「明治天皇シリーズ」が作られたそうです。私はこれを東京MXテレビで観たんですけど、こんな映画を堂々とゴールデン・タイムに放送できるのは、日本広しと言えども石原慎太郎のお膝元くらいでしょう…、6点献上。
[地上波(字幕)] 6点(2005-09-24 00:03:28)
12.  或る剣豪の生涯
フランスの戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」を日本の戦国時代に置き換えた異色恋愛時代劇。「シラノ~」は「愛しのロクサーヌ」しか知らない上、その記憶もかすれ気味なので、私には何処をどう変えたのか詳しいことは判りませんが、基本ストーリーはほぼ同じようです。で、前半はラヴ・コメディ時代劇といった風情でとっても新鮮。文武に長けた大鼻侍の三船敏郎はお馴染みの豪胆な演技で、「文」の方に長けてる様に見えないのはご愛嬌か。負けん気だけは人一倍の美剣士を演じた宝田明はホントにハンサム。二人が思いを寄せる司葉子も「銀幕スター」の名に恥じぬ可憐さ。もう少し司葉子と宝田明の内面に演出を寄っていれば、終盤の悲劇性も増して名作になってたと思うので、私的には惜しい仕上がりでした、6点献上。
6点(2005-02-26 00:06:39)
13.  日本誕生
総天然色、シネマスコープ、オールスター・キャストに加え、大規模オープンセットと渾身の特撮技術で神話時代の日本を再現した、東宝製作1,000本記念、3時間超の超大作映画。日本武尊の物語と伊弉諾尊と伊弉冉尊が遣わされた所から始まる「日本誕生」の物語が壮大なスケールで展開する。私的な見所は、何故か少し喜劇寄りに人選されたオールスターが演じる八百万の神々と香川京子演ずる美夜受姫の美しさ、そして何と言ってもクライマックス。押し寄せる溶岩と津波、そして地割れの描写は大迫力(溶岩に一人一人「燃えながら」呑まれる芸の細かい表現は圧巻)。「十戒」に影響されたと言うより、かなり対抗意識を燃やして作られてる様に感じましたが、面白さで言えばこっちの方が断然上でした、7点献上。
7点(2005-02-26 00:06:11)
14.  日蓮と蒙古大襲来
突然自らの宗派の創始を思い立った日蓮が、数々の迫害を受けながらも鉄の信念で日蓮宗を広めていくという話。宗教家と言うよりは聞き分けの無い武道家といった風情の長谷川一夫演ずる日蓮が、気張って説法を説くだけの中盤までは結構退屈ですけど、大映が社運を賭けたという蒙古襲来シーンの、水平線を埋め尽くす蒙古の艦船と上陸した軍勢は「トロイ」に勝るとも劣らないスペクタクル(これは言い過ぎか…)。現在では当たり前のお題目「南無妙法蓮華経」が、邪教の呪文の様に扱われるのも新鮮でした。欧米では聖書ものや聖人ものが比較的ポピュラーなジャンルとなってますが、名目上仏教国である我が国では宗教絡みの映画は珍しい。偶にはこんな珍品に触れてみるのも良いかもしれませんヨ、5点献上。
5点(2005-02-26 00:05:48)(良:1票)
15.  刑事(1959)
哀愁を帯びたアリダ・ケッリの歌声に乗せて描かれる、とある殺人事件の顛末。主題歌「死ぬほど愛して」や当時のハードボイルド調ポスター等から連想される内容とは違って、事件はありふれた強盗殺人、その捜査は淡々と行われ、登場人物の多くは少しコミカルな雰囲気でさえある。印象としては「はぐれ刑事純情派」系の刑事ドラマといった感じでしょうか。従って映画の見所は事件そのものよりも、捜査で訪れる町々のイタリア庶民の生活描写と、劇中一人だけ飛び切り美しいクラウディア・カルディナーレ。という訳で、“amore, amore, amore, amore mio”と口ずさみつつ6点献上。
6点(2005-01-11 01:09:38)
16.  鉄道員(1956)
一般的な鉄道員一家の、それぞれの生活の機微を真摯に描いた名作ホームドラマ。酒好きだけど、仕事熱心で陽気で、でも頑固な父親。貧しさをやりくりし、家族全員に優しい母親。只今自分探し真っ最中のフラフラした長男。昔気質の厳格さに嫌気が差している長女。そして、家族全員のことが心から大好きな幼い弟。多くの方が指摘されてる様に、ここには日本のホームドラマに通じる多くのものがあります。ま、今現在、この日本に一般的な家庭ってものがあるのかさえ怪しいので、今の人が観てどう感じるかは判りませんけど…。それでも観て損は無いと思います、7点献上。
7点(2005-01-11 01:09:19)(良:1票)
17.  狩人の夜 《ネタバレ》 
そんなに面白いですか、これ? 中盤まではサスペンス映画らしい雰囲気だし、ロバート・ミッチャムのキャラクター設定と川底で揺れる死体の描写には感心しましたけど、後半はグダグダじゃないですか。あれだけ周囲を欺くのが得意だった男が、急に正面突破を図ろうとする馬鹿に変身。撃たれた後も捕まるまで納屋でじっとしてるって、どーゆーこと? ラストにしたって巧いエンディングが思いつかなくて、リリアン・ギッシュに説教臭いことを語らせて無理矢理締めてる様にしか見えません。有名な“LOVE”と“HATE”の刺青のインパクトも消え失せました、3点献上。
3点(2004-12-15 00:17:03)(良:1票)
18.  トロイのヘレン
もちろん基本ストーリーは「トロイ」と同じですけど、本作の主人公はパリス。彼とヘレンの出会い、深まる禁断の愛、強大な敵国の后を奪い取ったことへの国中の批判等、「トロイ」では描かれなかったことが過不足なく描かれていきます。大艦隊・大軍勢の映像、城壁攻め合戦シーン等も、半世紀後の作品に全く負けてません。もちろん当時CG等ある筈が無く、ほとんどがセットとエキストラ。これは見応えがあります。しかし、本作で最も見応えのあるものは、ロッサナ・ポデスタ嬢の飛び抜けた美貌。彼女のヘレンは、パリスじゃなくたって連れて帰りたくなるってもんです、6点献上。
6点(2004-11-26 00:13:30)
19.  武器よさらば(1957)
これも「誰が為に鐘は鳴る」同様、反戦映画ではなく、美男美女スターによる往年のハリウッド製大作メロドラマ。しかも驚いたことに、2時間半の本作の大部分のシーンは、ロック・ハドソン(32歳の彼は惚れ惚れする程のルックスです)とジェニファー・ジョーンズ(恥ずかしながら「タワーリング・インフェルノ」以外で初めて見ました。ハリウッド・ビューティと言うよりはキュートな雰囲気ですネ)がベタベタしてるだけ。特に脱走してからが長い…。これによってラストの悲劇を際立たせようとしたのかもしれませんけど、私には逆効果としか思えませんでした。そんな訳で悪しからず、5点献上。
5点(2004-11-26 00:10:03)
20.  宇宙人東京に現わる
宇宙人のビジュアルだけは超有名な日本初のカラーSF映画(だそうですが、私はすっかりモノクロだとばかり思ってました)。星に一つ目だけのシュールな宇宙人のデザインは、確かにインパクト重視の岡本太郎らしいですけど、子供にもデザイン出来る様な気も…(汗)。で、話の内容ですが、これまたすっかり侵略物だと思ってたら、さにあらず、「地球の静止する日」と「妖星ゴラス」を足した様なストーリー。全体としてはSFパニック物といった感じでしょうか。宇宙人が美意識に関する皮肉を語ったり(?)する場面もあり、話自体のシュールさからも大映の伝統を感じられました、5点献上。
5点(2004-11-09 00:08:00)
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