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1.  ウェルカム・トゥ・サラエボ 《ネタバレ》 
居酒屋でたらふく飲み食いした帰り道、御機嫌ついでに用もないのにコンビニを覗く。美味しそうなプリンを発見し、わくわくしながらレジにて購入。ふと目にはいった募金箱、飢餓に苦しむ人達を救済する為のものだという…、我に返る。楽しむ事は悪くない。しかし、深夜のコンビニで、ほろ酔い顔で新作プリンに有頂天の自分の浮つき具合に嫌気がさした。免罪とばかり、募金箱に小銭を入れる…、私の「善意」などこの程度のものです。「偽善」といわれて苦笑いも否めません。 マイケルは少女をイギリスに連れ帰ることに苦悩します。これが本当に正しいのかと。でもこの答えの正解、不正解を決められる人など居ないと思います。沢山の子供達が苦しんでいるのに何故あの少女だけを助けるのか?たった一人助けて満足か?でもマイケルは少女を連れ帰りました。少女と出会ったから。あの少女を選んだ訳ではなく、出会って人間として触れ合ったから。当然全員を助けたいけど現実的に出来る訳がない、マイケルは平凡な普通の人間なのだから。私はマイケルの決断を自己満足や偽善なんて言葉で汚したくないです。酔っ払いの小銭募金とは訳が違のだから。 通訳の青年役のゴラン・ヴィシュニックはクロアチア出身で、若くして徴兵され実際にあの戦争を戦ったそうです。撮影中、何度か自身の体験がフラッシュバックして映画なのか現実なのか混乱したこともあるとか…。ドラマ「ER」や他の映画では、東欧風味の濃い顔や大柄な体が災いしてか、少々浮き気味の感もありますが、この映画の熱演で見直しました。混乱を避け戦争をいなすようなその日暮らしのどこかあっけらかんとした青年が、通訳の仕事の中で出会った現実に憤り、半ば絶望気味に銃を取り戦争に加わって行く姿を、繊細に好演しています。 惨状のシーンは一部本物の映像が使われたそうですが、それが良かったかどうかはわかりません。だだ非常に衝撃的です。色々ある戦争映画の中でも何故か心に残り、度々思い出す作品です。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-28 23:18:51)
2.  いとこのビニー
ゆる~く抜けたニヤニヤ系のコメディーで、名作でも傑作でもありません。でもたまらなく大好きです。マリサ・トメイがキュート炸裂です。ど派手衣装で、うっとうしい程の理屈を立て板に水でまくしたてられても、マリサ・トメイなら許せちゃいます。というか、彼女じゃなかったら許せません。芸達者ジョー・ペシのお見事なすっころび方にも拍手。みんな真剣だからこそ笑えちゃう、行き過ぎない可笑しさがたまりません。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-28 14:38:30)
3.  奇人たちの晩餐会
まず「ピニョン」という名前の響きがずるい!「ピ」と「ニ」の間が少し濁り、続けて上げ気味に「ニョン」と仏語独特の発音で言われたら、それだけでこそばゆくて笑ってしまう。そしてあのルックス、撃沈!…ともかく、とてもシニカルな内容で、作り方によっては下品でうっとうしい物になりそうだけど、実に軽快に仕上がっていてフランス人のエスプリを見直しました。「馬鹿」の定義は国によって人によって様々だと思うけど、ピニョンは「心優しく感情豊かかつ思い込みが激しく暴走気味な天然」といったところでしょうか。ここまで来るともはやキュートで憎めません。やる事なす事ニヤニヤしっぱなしでストーリーが進み、ラストでは「優しき暴走天然馬鹿」が炸裂、参りました。馬鹿=×、利口=○でもなく、嘘=×、正直=○でもない、人間が「大人」としてスマートに生きる難しさや矛盾を、笑いで満たしたハイセンスな馬鹿映画です。 
[DVD(字幕)] 9点(2005-05-28 11:49:48)(良:1票)
4.  17歳のカルテ
A.ジョリーは良くも悪くもアクの強い女優だと思う。画面に現れるだけで周囲のバランスを崩しかねない程の存在感を感じる。時にはセクシー過ぎて、時にはエキセントリック過ぎて、ドラマにリアリティーを感じられなくなる女優なのだ。しかしこの映画ではリサという役柄自身のアクの強さと実にマッチしていた。一世一代の当り役だと思う。リサは、家庭、学校、社会、精神病院、どんな場所でも存在するだけで周囲のバランスを崩してしまう。それは反社会的と称され、それゆえ絶対的な孤独とカリスマ性が生まれてしまう。リサはA.ジョリーが演じたからこそリアルなのだろう。スザンナの目線で語られているけれど、リサの笑顔、暴言、苦悩、悲しみ全てが、他の入院患者たちにも映画を観ている我々にもカタルシスを与えている。楽しい内容では無いけれど、充実感の有る作品です。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-05-27 15:29:05)(良:1票)
5.  シックス・センス 《ネタバレ》 
色彩が美しく、とても丁寧にドラマを描いていて、マルコムとコールのやりとりに引き込まれ「よかったねー」と思った矢先に「あの」ラスト。鳥肌が立ちました。そのどんでん返しも悲劇的な物ではなく、悲しいけれど優しい結末(ネタバレとはいえ、これ以上は書かないようにしますわ)。シャマラン、ヤルな~。
[DVD(字幕)] 8点(2005-05-26 16:31:16)
6.  ボーン・コレクター 《ネタバレ》 
ちりばめられた謎を、リンカーン・ライムの膨大な知識と驚異の記憶力と天才的な推理力が、いとも簡単に解きあかしてしまう。猟奇的な殺人方法や犯人からの謎めいたメッセージの設定も、蓋をあければ古い小説「ボーン・コレクター」の模倣で、犯人の背景を示唆するわけでもない。で、肝心の犯人は「お前、誰?」。連続殺人の理由は最後に自らベラベラと説明し、小説「ボーン・コレクター」を引用した必然性も無し。推理サスペンスの醍醐味ゼロ…。こんな犯人設定なら、看護士セルマが犯人でもイイじゃん。リンカーンが死を望んでる間は、発作の度に命を救い、アメリアの出現で生きる希望を見い出したところでコロシテヤル~、みたいな。医療機器のエンジニアよりコワイじゃん(笑)。デンゼル・ワシントンの熱演が空しい限りです。
[地上波(吹替)] 5点(2005-05-26 15:48:27)
7.  グリーンマイル 《ネタバレ》 
出来過ぎたお涙頂戴のストーリーだとは思いますが、何度見ても涙してしまいます…。私は「マウスタウン」のくだりが大好きです。あまりにも陳腐でバカバカしい、でも優しさに溢れた「嘘」。普通の人間はジョン・コフィーのように病気を癒す力は持ち合わせていないけれど「優しさ」でほんの少しだけだけど、人を癒す事が出来る。力の大小はあっても、誰だって癒しの力は持っているのだと思う。「嘘」は、動物全てに与えられた保身の為の能力(擬態、死んだふりなど…)だけど、誰かを癒す為の「優しい嘘」をつけるのは人間だけなんですよね。ジョン・コフィーが被害者の親族から憎まれたまま処刑されてしまうのは、あまりにも残酷でいたたまれないし、克明な処刑シーンをくり返すのも悪趣味ですが、幻のマウスタウンの人気者、Mrジングルスに免じて7点です。
[地上波(吹替)] 7点(2005-05-22 00:47:00)(良:1票)
8.  ギルバート・グレイプ 《ネタバレ》 
とても重い内容を役者陣の演技力でとても爽やかに作り上げている感じ。ディカプリオもジョニー・ディップも御見事。母親の遺体を家ごと火葬するシーンは、家族愛を映画的な表現で見せていて圧巻でしたが、家族の再出発=母親の死みたいなストーリーは残念だった。
7点(2003-11-18 11:03:20)
9.  裸のランチ
最初に観たのは10年近く前になります。当時、新し物好きだった私が「タブーを映像化した…」とかいう宣伝文句につられて鑑賞。…気色悪いは、意味わからないはで、「話題作観たぞ-」という満足感しか得られませんでした(涙)。歳月は流れ、最近見直してみたら、あら、意外と面白い。歳を重ねた余裕なのか、無理してまで理解しようと思わなくなったせいなのか…。「妄想」として観ると、なかなか興味深いです。ドラッグ経験は無いですが、話の展開の意味不明さはまさしく「夢」そのものと言った感じです。クローネンバーグ作品ならではの絶望感、空虚感に、とりとめのない精神的放浪感…、観た後1時間程、憂鬱気分を味わえます。 
7点(2003-11-06 10:47:53)
10.  愛という名の疑惑
恐らく深夜のTV放映でなければ観る事のない映画なのですが…。皆さんがおっしゃる通りヒッチコックを(かなり)意識した演出が目立ちます。っていうか、それしか印象に残らない。豪華キャストなのに。
5点(2003-11-06 09:16:48)
11.  真実の行方
これって、辻褄合ってる?…合ってないよねぇ。エドワード・ノートンの演技に面喰らって、すっかりどんでん返しされた気分になって、うっかり8点とか付けちゃいそうだったよ。むきー!辻褄合ってないサスペンスなんてダメじゃ~~~ん!
5点(2003-11-06 09:08:03)
12.  悪魔のような女(1996)
途中、あれこれと謎が深まって行く割には、ハラハラしない。きっと最終的にゾっとするようなドンデン返しがあるに違い無いと思ったら、あったりまえに終わっちゃった感じ。意味ありげに登場するキャシー・ベイツも何だかよく解らないし、も~、凄い消化不良!!!
4点(2003-11-02 15:27:09)(良:1票)
13.  JM
「パパ~、新しいドレスをありがとう~、あはははは♪」とはしゃぐ娘のビデオを愛し気に見つめる北野武…。でもね、娘が着ている、赤の無地に白衿のそれは「襦袢」と言って「着物」じゃなくてですね、何つうか、着物の下着みたいなもんなんですがぁ…。ハリウッド映画でこういう所突っ込むのは、もはや、不粋というものでしょうか…。
5点(2003-11-02 14:20:47)
14.  処刑人
処刑人兄弟(?)がストイックでスタイリッシュ。ピーコート、ロザリオ、ライトグレーのローブ、全部おしゃれに見えた。作品自体はなんとも中途半端。神の声に従って悪人退治してるって時点でイッちゃってるんだから、変に辻褄合わせやら言い訳やらしないほうがいいのにな~。ラストのインタビューなんてホントに蛇足!デフォーは面白いけど「竹中直人」みたいにならないでほしいな。
6点(2003-10-22 18:53:29)
15.  グラン・マスクの男
この神父、デカイ男だよっ!ジャン・レノがめちゃめちゃはまってました。作り込みの無い淡々とした流れが、かえって素朴さを感じさせてイイ。プロレスシーンとかユルユルなんだけど、この映画では突っ込みたくないな~。ダサくても、泥臭くても、心にしみる作品です。
9点(2003-10-15 20:17:27)
16.  デスペラード
なんつうか、ここまで来ると映画と言う名の面白映像だよ(笑)。作り手がウヒャウヒャ大笑いしながら仕事してそう。最後に登場する無敵の友人二人(?)の武器のバカバカしさは感動すら覚える。でも人殺し過ぎだから点数は低め。血生臭い。
5点(2003-10-01 17:22:28)
17.  ユージュアル・サスペクツ
初めて観た時は、衝撃のラストに愕然。速効巻き戻してもう一回見直して「あぁ、なんてこった…」。この映画ほど、ドンデン返しされる喜びを感じられる作品も少ないでしょう。深読みしてラストの衝撃を体験出来なかった友達が可哀想になりました。この映画を観て以来「サスペンス映画は下手に深読みしない」が私のル-ル(笑)。深読みしなくてもラストがわかっちゃう映画は問題外ってことで…。
9点(2003-09-10 23:04:19)
18.  セブン
見せ方巧いですね~。しっかり釘付けです。ケビン・スペイシーはこの映画で初めて見たのですが、いや~も~「何なんだよ!この俳優は!」って衝撃でした。内容はアメリカ人にとっては洒落にならないものだったそうですが、無宗教感覚の日本人にはうってつけのサスペンスになってしまうのが何だか複雑。
7点(2003-09-10 22:49:47)
19.  誘拐(1997)
最後に人気の無い所で、追う者と犯人が(涙しながら)回想映像を交えて犯行のタネ明かしをするのは、TVの2時間ドラマだけで結構です。これはもはや、サスペンスの様式美なのか?
3点(2003-09-04 08:40:21)
20.  スモーク(1995)
タバコは体に悪いです。自分だけで無く、他人にまで迷惑かけちゃいます。うん、わかってるさ、わかってるけど言わせてっ!喫煙って何て言うか「特別な呼吸」なんです。仕事の手を休め、指先のタバコに小さな火を灯し、煙りと共にゆるい会話を深く吸い込み、吐き出す。この映画は全編「特別な呼吸」で綴られていて、とてもゆるやか。冴えない人物達のとるに足らない日常の中のちょっとした出来事ってだけなのに、どうしてこんなに引き込まれるんだろう。
8点(2003-09-04 08:27:40)
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