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プロフィール
コメント数 62
性別 男性
自己紹介 良いと思える映画につき、多くの人に関心を持ってもらえるようなレビューを投稿していきたい。ある時期から、「けなすことは安易である」と考え、印象が悪い映画はできるだけ投稿しないようにしている。感想の言語化が難しい映画も投稿していないので、投稿しない映画イコール低レベル、というわけではない。
最近はブログに映画評を少し書くようになり、こちらへの書込みが減っている。

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1.  グラディエーター
テレビで完全版をやっていたので観てみました。オリジナルを観ていないので、どの辺が完全なのかわかりませんでした。エンドロールがばっさりカットされているところからすると、不完全版なのではないかという疑惑があります。それにしてもリドリー・スコットは劇場公開後に違うバージョンを作るのが好きですね。さて内容ですが、戦闘シーンの迫力はなかなかのもの。それでいて、グロテスクなシーンは比較的上品な描き方をしています。コモドゥスの倒錯した愛情もよく表現されており、見ごたえはあります。ストーリーが陳腐なのは、時代劇だからしょうがないですね。時代劇では、登場人物が類型的に描かれがちなのですが、本作ではそれぞれキャラが立っていることを評価したいと思います。
[地上波(字幕)] 7点(2006-03-17 15:39:45)
2.  スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする 《ネタバレ》 
レイフ・ファインズの病んだ人ぶりが見事。スパイダーは、母親が父親を迎えに出かけたあの日から、両親が仲良くなってしまったことに耐えられなかったのだろう(真相は、ちょっと長めの夫婦喧嘩の仲直りをしたという程度だったと予想される)。それは、とりもなおさずスパイダーが母親の独占的な愛を失うことを意味するからだ。そこで、もともと精神病質のスパイダーは「現在の母親は以前の母親ではない」としてこの現実を合理化し、とうとう母親を殺害してしまったのである。殺害してしまえば、スパイダーにとって母の愛は永遠となる……という解釈を施してこの映画を鑑賞し終わった。その後にクローネンバーグのインタビューを見ると、スパイダーの病気は遺伝的要因によるもので、環境的要因は関係がない、というようなことを言っていた。なんてこった、病んでいるのはこんな解釈をしていたこっちじゃないか。もっとも、表現はそれがなさた瞬間から、その解釈は受け手に委ねられるのだから構わないだろう(と合理化してみる)。それはともかく、クローネンバーグにしては画面がきれいにまとまり過ぎな印象。
7点(2004-09-27 14:51:44)
3.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 
なぜミュージカルにする必要があったのか? と首をひねりながら観ていたが、終盤でその意義を見出した。死刑執行のシーンというのは、「デッド・マン・ウォーキング」の例を引くまでもなく、陰鬱なものになりがちであるのだが、本作品では監房から死刑台に至るまでの経過が明るくミュージカル化されているため、(監督がそれを意図したかどうかはともかく)陰鬱さが緩和されているのだ。これならば新しい発想といえる。この部分をメインにした45分くらいの映画であったならば、高得点を付けられた(かもしれない)。しかし、そんな短編映画では目に触れる機会もなかっただろう。全体的に評価しようとすると、ミュージカル部分が「面白い」「画期的」と思えるほど突き抜けたものではないし、まったく救いようの無いラストというわけでもないなど、中途半端な印象が残る。
6点(2004-08-27 11:14:04)
4.  ザ・セル 《ネタバレ》 
犯人への最初のダイブは、そこそこ面白い。あの調子で行っていればまだしも、だんだん創造性が貧困になっていくのは痛いなあ。映像技術的にはがんばっているのはわかるが、せっかくなのでもっと奇想を盛り込んで欲しかった(監督がリンチやクローネンバーグだったら……)。そもそも、精神世界というのはあんなにはっきりとしたものではなくて、物と物の境界があいまいで、もっと不定形なものなのではないかな。特に不満があるのは、クライマックスの舞台である、主人公キャサリンのインナースペースの描写。あれは平板すぎやしないか。精神病者の方が豊かな精神世界を持っているということなのかもしれないけど。とまあ文句ばかり並べてみたが、退屈することなく最後まで観ることができたので、及第点はつけられる。
6点(2004-08-02 14:15:39)(良:2票)
5.  BLOOD THE LAST VAMPIRE
小説に例えれば、文体が革新的だが話の内容が陳腐な作品といったところ。しかし、文体が革新的であり、かつ、それが読み手の感受性を刺激するというのは、文学においてはかなりウエイトの高い評価対象である。本作品も、映像分野でこれと似たような位置付けをすべき作品であると思う。それでも話の内容について少し考えてしまう。小夜がオリジナルのヴァンパイアだとすれば、「鬼」はヴァンパイアと人との間に産まれた鬼子なのだろうかなどと。ともあれ、アニメに抵抗のない人なら一見の価値あり。
7点(2004-07-30 12:32:57)(良:2票)
6.  スパイ・ゲーム(2001)
ビショップは、スパイとしては精神的に不安定すぎるのではないか? という疑問もあるものの、まずまずの出来だと思います。ネイサンがビショップを救おうとするのは、ビショップの行動が自分の責任であると感じたためです。回想シーンは、そのいきさつを説明するものになっています。また、この映画はネイサンが「とんち」を繰り出してCIAの同僚たちを煙に巻くところが見所なのであって、その辺がスパイ・ゲームなわけです。バハマの衛星写真の使われ方が分かったところで「くすっ」とも笑えない人には向いていません。あと、映画でちょっとでも複雑な話になるとついていけないという人は観ない方がいいでしょう。
7点(2004-07-27 17:00:23)
7.  バースデイ・ガール
ほのぼのとしたハートフル・コメディ。どこまでも生真面目な主人公の言動が微笑ましい。いじけて体育座りをしているところなんか、かわいいよね。最後にスカッとした爽快感があれば傑作との評価をしても良かったけど、なぜだか軽やかに飛翔していかないんだな、これが。逃避行に入った後のお話運びがのったりしているせいだろうか。あと、ヴァンサン・カッセルみたいなアクの強い俳優を出してこなくても、もう少しロシア人っぽい俳優さんはいたろうに。でも、筋立ても雰囲気もなかなかいい映画だと思う。
7点(2004-06-29 12:46:42)
8.  マトリックス レボリューションズ 《ネタバレ》 
ああ、終わってしまった。本作品もそれなりに面白かったけど、やはり想像力を刺激し続けてくれた1作2作に比べるとやや落ちる。最後はオラクルの仕掛けたトロイの木馬型ウィルスが発動したのか。そうだとすると、ネオがジーザス・クライストよろしく磔になって命を投げ出す必要はなかったような気もするが。 とはいえ、もともと「マトリックス」が「攻殻機動隊」からの強い影響の下に製作されたことを考え合わせると、ネオの「磔刑」は人間と機械との和解(「攻殻機動隊」では結婚)を表現したものと考えるのが妥当なのだろう。オラクルは(草薙素子に結婚を迫ったプログラムと同様に)機械の世界にも不確定性が必要と確信しており、オラクルの作成したスミス退治プログラムにとっては、人間であるネオが必要だったのだと考えられなくはない。ネオは、結局、機械の世界で動く駒で終わり、システムの外には出られなかったわけだ。何かと不満はあるけど、何と言っても「マスター=スレイブ型のランドメイト」を実写で見せてくれた点には満足。
7点(2004-06-08 13:35:59)
9.  ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer
監督は、謎解きとアクションをやりたかったとみえる。TVシリーズは観てなかったけど、謎解き部分は「トリック」に通じるところがあり、違和感なく楽しめた。終盤は「あさくら」の何たるかを知らない自分には、わかりにくかった。映画「エヴァンゲリオン」を想起させる部分も含め、特に深い意味はないのだろう。映像的には面白いところもあり、お金を取ってみせるレベルには達していると思ったが、そう判断しない人も多いようで。 なお、下記に「うる星2」に言及したレビューがあったが、映画「ビューティフル・ドリーマー」には、永遠に覚めない夢の中で遊ぶという含意もあったように思う。
6点(2004-05-28 16:54:21)
10.  マルホランド・ドライブ
この映画はそう単純ではない。しかし、内容の分析については、ネットで検索すればいくらでも見つかる。そこで整合にして緻密な解釈を発見し、本作が細部まで作り込まれていることに気付いて感心したが、逆に理解してしまったことで、この作品への評価が下がってしまった(それでも8点)。やはり、いくつかの手品のタネのように、わかってしまうと面白くないことがある。人生はそう単純ではないものだ。もっとも、もう一度見てみればまた印象が変わるかもしれない。繰り返し見る気が起こらないという方は、奇矯な言動や性的倒錯が生み出す「濃さ」に辟易してしまったのだろう。10年以上前、映画「ツイン・ピークス」を見た時、私も同じように感じたと思う。しかし、年を経て色々なことを見聞し、体験していくうちに、多少の刺激では動じなくなった。今後、本作を繰り返し観ることになるとすれば、それは自分が鈍感になったからというわけだ。鈍感であるからこそ、物語の奥深くに向けて鋭敏になれる。人生はそう単純ではないものだ。
8点(2004-05-20 13:29:25)
11.  スズメバチ
敵に甘いところがなく、プロフェッショナルな非合法軍隊に徹しているところが良い。ありがちなアクション映画のように悪者がたらたらともったいぶって進撃を遅らせているのではなく、この映画では最終の銃撃戦が遅れるにはそれなりの必然性がある。何も考えないで見れば「それなり」の映画であろうが、画面から自然に感じられる緊張感をもってこの映画に臨めば、登場人物の成長と警備員(元消防士)の奮闘ぶりに感動できる。その意味ではアクション映画には珍しいタイプ。あれれ? と思うシーンが全くないとは言わないけど。 蛇足ながら、この他のナディア・ファレスの出演している映画を見たい方は、「クリムゾン・リバー」などいかがだろうか。
7点(2004-04-27 16:19:49)
12.  15ミニッツ
この映画は、TVメディア批評のみならず、主要登場人物の一人が映画監督気取りであることからもわかるように、映画というメディアの批評でもあろうとしているようだ。このように考えると、他の多くの映画と同じようにいかにも頭の悪い悪役が登場するにもかかわらず、悪事が一定程度まで達成されてしまうこと、さらにはこの映画自体のパロディのような場面が登場することも、批評性の現れではないかという読みも可能である。前者はアクション・ヒーロー映画へのアンチ・テーゼと解釈できるし、後者に関していえば、パロディは対象への批評の上で成り立つ表現である。そして、TVや映画などといったメディアを通して社会を観察する「大衆の視線」にもかなり意識的だ。メディア・スターのナルシシズムは随所に描かれるし、今やその視線により善悪の基準となった大衆は、この映画では悪役に加担する共犯である。こうした批評性を内包しつつも、デ・ニーロ主演のクライム・アクションというエンタテインメントの衣をかぶせることによって、社会批評的メッセージを広く伝達しようとした意欲作といえるだろう。しかし、「みんなのシネマレビュー」での評価の低さを見れば、このメッセージの伝達には失敗したという他はない(ついでに言えば、エンタテインメントとしては当然失敗である)。私にとっては結構興味深い映画であったけれども。ちなみに、既に誰かが指摘していることだとは思うが、タイトルは、“in the future everybody will be famous for 15 minutes”(将来、誰もが15分間だけは有名になることができる時代が来るであろう)というアンディ・ウォーホルのそれ自体メディア批評的な箴言に由来している。
7点(2004-03-03 16:57:07)
13.  マトリックス リローデッド 《ネタバレ》 
1作目を凌駕するできばえ。完結編が持ち越しになった点にはあざとい商業主義を感じるが,結果的にはシリーズの楽しみが増加したように思う(エヴァンゲリオンの時のように)。 本作では私怨を晴らすために行動していたように見えるスミス(すでにエージェントではない)が,予告編を見る限り,実は重要な役割を果たすことになるようである。ここから察するに,次作ではスミスというシステムのバグを利用してネオがシステムの外に出るのではないだろうか。システム内部にいる限り,システムによって決定づけられた行動しかできないのであれば,第3の道をひらくためにはシステムの外に出るしかない。その手段としてスミスを利用する,と考えるわけである。しかし,レボリューションズでは,この発想を遙かに超える作品を観させてもらえることを期待する。 モーフィアスよりも重要な役柄の人物が登場する割に,ローレンス・フッシュバーンよりも存在感のある役者が登場していないことが,この映画の欠点であろう。特に,アーキテクチャーの「口先だけの男」的な軽さはいただけない。これは演出の問題かもしれないが。 最後に。ベインにはスミスのプログラムが憑依しているという明白な事実にすら気づかずにぼんやりと鑑賞している観客には観る価値のない映画であろう。この映画で本シリーズの表面的な(単に話題作だからという理由で映画館に蝟集する)ファンが一掃され,レボリューションズを快適に鑑賞できることを願う。
9点(2003-10-31 10:45:16)
14.  バニラ・スカイ
音楽的センスは良い。しかし,映像的センスの面では,原作の方が好み。お話も原作より分かり易くなっている反面,ラストについては救護員の説明以外の解釈の余地を狭めており,やはり原作の方が良いように思う。それに何といっても,オリジナリティの点では減点せざるを得ない。もう少しヒネりようがあったのではないか。それには目をつぶるとしても,なぜペネロペ・クルスまで同じなのか。これ単体でみれば,そんなに悪い映画ではないけどね。
4点(2003-08-11 10:56:05)
15.  YAMAKASI ヤマカシ
公開当時,有楽町の映画館にまで観に行ってがっかりした記憶がある。ベッソンらしさは,特殊部隊の突入シーンくらいですかね。まあ,ベッソンが監督してるわけではないけど。多くの方がおっしゃっているように,スタント無しのアクションが見せ場である。が,それでも挽回できないお話作りは,いかがなものかと。
2点(2003-08-11 09:46:17)
16.  踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
悪くはないです。オープニングシーンは、映画館で観た方が楽しめるでしょう。このシーンは、無意味なようでちゃんと伏線になってます。あと、エンタテインメントに徹している姿勢は買えますね。ちゃんとお金もかけてます。しかし、話がマンネリ化しており、新キャラでもその埋め合わせはできてません。「警察組織の矛盾」だけで、ここまで引っ張るのは難しいでしょう。そこで「監視と盗聴による捜査」を持ち出したのでしょうが、そのおぞましさの描写が中途半端でした。また、袴田課長(小野武彦)の影が薄かったのは、個人的には非常に残念。
6点(2003-08-05 10:09:10)
17.  アザーズ
どうも私には、ゴシックホラーというジャンルが肌に合わないみたいです。伝統的な表現で描写される幽霊には、何も感じません。最後の視点の転換があまりにも鮮やかだったので、「月下の恋」よりは高い点数を付けたいと思います。
4点(2003-08-01 21:07:43)
18.  Avalon アヴァロン
マトリックスをDVDで観る前に、これを映画館で観たせいか、映像面での衝撃度はこちらの方が上でした。一般には、逆の評価なんですね。分析すると、映画内世界は(1)映画内現実、(2)ゲーム「アヴァロン」のフィールド、(3)class-realの3層から成っています。ストーリーを簡単にいえば、「世界1から世界2を通して世界3に至る」というもの。映画の描写では、世界1も非現実であることがほのめかされていますが、世界3も、存在するためには大量のデータを必要とするシミュレーション領域とされています(世界3=マトリックス?)。確かに、class-realは仮想世界であることが判明するのですが、世界3がそれまでの世界1及び世界2とは異なり、あまりに鮮やかに描写されているため、世界3=現実界(real-field)のように思えます。ここからは、現実界もプログラムされたものに過ぎないかもしれない、というイメージが得られます(ビューティフルドリーマー?)。それを作者が意図したかどうかは分かりませんが。で、結局のところ、ラストなんかはよく分からなかったのですが、メタフィクションっぽい物語構造と、迫力ある戦闘シーンに圧倒されました。しかし、実は、この映画で一番スゴイのは、川井憲次の音楽ですよね。未だに、アヴァロンで使われた楽曲をTVで聴かない日は無いんじゃないかっていうくらい、広く使われてます。
8点(2003-06-18 22:19:42)(良:3票)
19.  ジェヴォーダンの獣
この物語には、いくつか運命の皮肉が含まれてますね。人々のためを思って獣退治をした若侯爵はあんなことになるし、マニに至っては見ての通り。アクションシーンはなくても成り立つ物語であっただけに、もう少しフロンサックが強い理由を明らかにする必要があったという意見には賛成です。ただ、フロンサックはマニより強かったわけじゃなくて、マニが優しすぎたんでしょう。 蛇足:マリアンヌはそこそこ可愛かったと思うのですが・・・
7点(2003-06-06 22:30:10)
20.  ウォーターボーイズ
矢口監督には評価が甘くなってしまうんだよなあ。ゆくゆくは、アメリカあたりでヒットするようなコメディを撮って欲しい。応援料込みです、はい。伊勢崎町ブルースのシーンは、劇場中が爆笑。水平跳び蹴りシーンもウケた。DVD特典ディスクの「チェリーズ☆エンジェル」も面白いよ。
9点(2003-05-01 21:36:01)
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