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1.  紀元前百万年 《ネタバレ》 
リバイバルらしき題名の映画に便乗してこの映画までDVDが出たようですね。科学的にも政治的にも正しくないとか言うのも戦前の映画だから野暮と言うものですが恐竜と現代人に近い人種が共存しているところは公開当時でも目が点になったものです。ボスとの親子喧嘩(エテ公なら当然でしょうが)から群れを追われた若者が王女を得て帰ると言うディズニー童話の世界みたいな話と言えば身も蓋もないけれど、そこに特撮の要素を入れた実験作みたいなものでしょうか。ゴジラとか各種の恐竜もの映画よりも現実感はあるにしても熊やサーベル虎とかもっと時代が近い材料ならそれほど悪評もなかったでしょうに。
[映画館(字幕)] 5点(2009-12-17 17:25:44)
2.  壮烈第七騎兵隊
この映画は確か大戦後の講和条約の時期まで日本では公開されませんでした。理由は米国騎兵隊の全滅と言う内容だったからです。反対する大尉の意見を退けて強引な突撃を行うのが彼の美学だったのかも知れないけれどそれにつき合わされる部下はたまりませんね。史実では先住民部隊は米国人から習った風習として死体の鼻や性器を切り取っていたらしい。どこでも異民族の出会いは不幸な結果になりがちのようです。カスターは南軍では若くして将軍の地位を得ていたので辺境の部隊を率いていても将軍と呼ばれていたけれど実際は中佐です。先住民に対してはかなりに理解があったことが議会での証言などの記録にはあるようです。エロール・フリンとデ・ハビランドの組み合わせは同じく全滅した部隊を題材にした「進め竜騎兵」と言う史実を題材にした創作が少し前にあります。
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-14 23:18:22)
3.  テキサス決死隊(1949) 《ネタバレ》 
やっと登録されましたね。60年近く前に映画館で観てから久しぶりで衛星放送で観る機会がありました。当時は西部劇も上映が少なく、少年雑誌にもこの映画が紹介されていました。3人組の無法者(ローン、ジム、ワフー)が駅馬車強盗などで稼いでいたけれど、ひょんなことで畜産農家をめぐるトラブルに加勢することになり、叔父を殺されて孤児になった娘(ボブキャット・ラニー)につきまとわれて老人に養育に預けてからは、同業者に追われて金を預けていたリーダーとはぐれてしまう。それから2年が流れ、仕方なくジムとワフーは駅馬車強盗を企むがそれには屈強の護衛が同乗しており手が出ないうちに偶然にそれを狙うローンを見つける。彼が殺されることを恐れた二人はローンを捕らえることになり、それによってテキサス・レインジャーへの入隊を勧められる羽目に。ローンは脱獄しワフーからの情報で金目の輸送を襲うことでますます悪名を高くする。ジムはラニー達の苦情によるかつて農家を襲った悪徳の鑑定人キャリコを逮捕の命を受け、射殺・逮捕で賞賛されて正義感に目覚めるようになった。しかしローンとの友情と、今は農場主のレディに変身したラニーをめぐる関係は依然として続いており、強盗での反撃で負傷しラニーのところに逃げ込んだローンに手当てをしてやるのだった。ローンがレインジャーの給料を運ぶ駅馬車を襲ったとこから隊長はジムにローンの追跡を命ずるのであるが、ジムは友人との衝突を嫌ってそれを拒絶し、隊長はかつてジムがローンの仲間であったことを理由に彼を逮捕・投獄する。ワフーはジムを助けるとの口実でローンをおびき出そうとするが見破られて射殺される。獄中でワフーの事件を知ったジムは「ワフーのために」と隊長に願い出て出獄を許されローンを追う。ラニーの家でジムの追求を知ったローンは高飛びのために銀行に金を出しに行くが、察知したジムに先回りされて町中での対決となる。律儀にジムの取り分まで用意し、ラニーはジムに譲ることを決め、射撃には自信のあるローンだったが対決は意外な決着となる。ダンディなリーダーのローン、優男で真面目人間のジム、陽気で少し抜けたようなワフーの3人組の組み合わせとその友情や信頼、これに対するラニーの女心の微妙さなど意外と芸が細かい。制服もなく馬に乗れて銃が使えれば経歴を問わずに採用した時代の物語。 
[映画館(字幕)] 7点(2009-07-13 22:30:09)
4.  誰が為に鐘は鳴る 《ネタバレ》 
戦前のこの時代には女性が断髪にするのは大変なことで,フランスで連合国による解放後に占領ドイツ軍に協力的であったとみなされる女性に対して報復的に髪を切る一種のリンチが市民の間で行われたのは有名な話です。実際にこの種の住民を巻き込んだ内戦においては女性に対して髪だけでなく性的暴力やそれに伴う性病の感染など痛ましい話が多いのですが象徴的に(奇麗事ですが)髪で表現したのでしょう。戦後のヘプバーンや,もっと後の日本では森昌子などのアイドルによってもはや髪で象徴することは難しくなってきています。
[映画館(字幕)] 6点(2007-11-28 17:39:05)
5.  美女ありき 《ネタバレ》 
元外交官の加瀬俊一氏による同名の書があります。エマ・ハミルトンの話は欧州で伝説化していたでしょうから映画がどこまでが脚色しているかは判りませんが,ネルソンの友人たちの配慮でかなりの遺産を貰ったけれど派手好きで使い果たしてネルソンとの間の娘を連れてフランスに渡りナポレオンの没落時期に亡くなったそうです。冒頭の話はやりすぎの感もありますがストーリの展開よりビビアン・リーにあの老け役をやらせるアイディアは素晴らしい。名声が上がるとともにパーツを減らすブラックな展開とそれにより更に愛情を深めると言ういかにも映画向きの題材です。不倫は当時の上流社会では(離婚を害悪視していたこともあり)必要悪みたいに受け入れられ,庶民の価値観とは違っていたようですが,安酒場に隠れていたら士官連中が流れ込んできての展開は周囲状況を理解させるには十分でした。戦闘に際して(当時の海戦では敵船を捕獲してリサイクルが重要なので接舷して切り込みとなる)高級士官は目立たない服に着替えるところをわざとしなかったのは,家庭をめぐるトラブルから負傷して引退とかを期待したらしいけれど,広場の塔に祭りあげられるのは想定外だったでしょう。歴史ものでなく恋愛の映画としての企画でしょうがまとまりは良いのだと思います。時期的に多くの兵士が戦線に送り出されるときにこの種の「不倫」はかなり切実なものとして受け取られたのでしょうか?
[DVD(字幕)] 6点(2007-10-01 11:59:14)
6.  サハラ戦車隊 《ネタバレ》 
戦後そんなに時間が経っていないころに観ました。タイロンパワー主演の「潜航決戦隊」とかと同列の戦意昂揚ものですが,女性が全く登場しない,いかにも男っぽい映画です。最初からポンコツ戦車を部品を集めて再生して砂漠を乗りきろうと言うかなり無理のある筋書きですが,途中で戦闘機に襲われると死んだ振りして銃撃したり,それでも敵の飛行士を捕虜にして呉越同舟でオアシスを求めての旅とかは面白いのですが,最後に敵軍の大部隊を前にしていかにも水が豊富なような芝居とかから話が飛躍しすぎて漫画的なのは仕方なかったのでしょう。
[映画館(字幕)] 6点(2007-09-07 23:48:46)
7.  仔鹿物語(1946) 《ネタバレ》 
これは多分最初に観た映画だったと思います。戦後に輸入された映画としては珍しい新作で,多くの外国映画は戦前から戦中のが多かった時代です。この当時は戦後の混乱がやっと少し収まってきた時期で,それでも東京とかの大都市では戦災孤児などがいくらでも見かけられ,地方都市でやっとまともな生活が始まっていました。家庭などで空き地で野菜を作った食料の足しにしたり油断していると盗まれるなどあって当時の日本人には自給生活ができる開拓民はむしろ羨むべき光景でもあったので,命の恩人の子供である子鹿でもあの状況では射殺するのが理性ある行動として受け止められていたはずです。子供の唯一の親友であった病弱の子が鹿の集団の行動の知識があって,尻尾の色での合図から子鹿には「フラッグ」の名前がいいと言い残して死んだことからその子鹿は親友の身代わりとして子供には離れがたいものだったことが判るし,それでも大人の理性としては殺すしかない(きっと肉は食用にだと思うけれど,そこまで記憶にないし,多分描かれてなかった)と判りきった筋なのですが,自然の美しさも背景にあり,鹿の成長が何度も試みて柵を飛び越すシーンで観客に成功を期待する複雑な感情を持たせるところも良くできています。でも,毒蛇ばかりでなくもっと危険な動物もいるだろう森に駆け込んだ少年の捜索とか省略されていたように記憶しています。いまさらビデオを借りても当時と状況が違うから共感は沸かないかもしれません。
[映画館(字幕)] 8点(2006-07-14 21:00:08)(良:1票)
8.  チャップリンの独裁者 《ネタバレ》 
風船遊びのシーンとかは素敵なんですが、椅子の高さ競争とかあたりでダレ始め、猿回しの男が去って行くシーンまでで終わらせればよかったのに壮士芝居の演説は見ていて情けないです。これじゃあ金正日あたりの映画とかと同じで、映画と言うメディアでの表現を泥靴で踏みにじっているに等しい。評価は演説シーンで大幅に減点。
5点(2003-11-14 11:21:32)
9.  頭上の敵機
この映画は劇場公開当時に見たあと、40年くらい経ってテレビで見ました。昭和40年代でしたかテレビでの連載ものになったときには、イメージが違いすぎて見る気もしませんでした。米国の第二次大戦参戦当時で、被害続出で戦果が上がらず士気が落ちっぱなしのB17爆撃隊のてこ入れに志願した司令官が陣頭指揮により建て直しを行うけれど最後には燃え尽き症状になってしまうまでを描いたものです。冒頭での任地での守衛の将官服を見てフリーパスさせそうな士気の弛みを、「将官服ならゲーリンクかも知れんぞ。」と言って咎めるところとか、臆病風に吹かれた部下に、ひどい命名の機に一番下手なクルーを付けて飛ばせることで叱咤激励する場面とか、自ら率いる編隊で、編隊の体形の維持を懸命に命令するあたりのシーンは記憶に残っています。ちなみに原題の「Twelve O'clock high」は正確には{Twelve O'clock」が方向(機首方向)、「high」は高位置を示すもので(このあたりは「メンフィス・ベル」とかでは良く訳されています)、編隊の前方に先回りして逆落としに指令機を狙うドイツ戦闘機の戦術に由来しているもので、邦題はその意味では明確な誤訳です。
8点(2003-11-08 01:18:14)
10.  第三の男
原作者がコメントしていますが、スイスの平和主義を皮肉った鳩時計のセリフはオーソン・ウェルズのアドリブだそうです。
9点(2003-08-04 00:58:19)
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