1. スターシップ・トゥルーパーズ3
《ネタバレ》 ただのB級ホラーに成り下がった「2」でしたが、今回は「1」のバーホーベンスタイルを踏襲。これぞスタトル!アイロニーたっぷりで爆笑物でした。待望のパワードスーツ・マローダーを最後まで引っ張る割にちょっとチープな感じはしましたけど、神様がどうのこうのっていうテーマに沿った登場演出がなされていて非常に笑えます。流石に1作目程のインパクトは無いですが、正統的な続編としてこれはこれで十分に楽しめました。 [映画館(字幕)] 8点(2008-07-24 21:29:27) |
2. ジェイン・オースティンの読書会
《ネタバレ》 オースティンは映画の「プライドと偏見」を見たくらいで、作家としてはほとんど知らない状態で観ました。終盤がご都合主義っぽく感じてしまいましたが、読書会という物珍しいテーマもあってか、新鮮で面白かったです。こういうの私も参加してみたいなって思っちゃいました。 [映画館(字幕)] 7点(2008-07-23 00:17:20) |
3. 靖国 YASUKUNI
《ネタバレ》 違う意味で面白すぎました。出てくる輩がとにかく自分の主張を叫ぶだけで、他人の話なんか一切聞きやしねぇ!聞く耳を持たないとはまさにこの事かと。「中国帰れ!中国帰れ!」「・・・日本人です」失礼ですけどギャグでやってるとしか思えませんでした。 [映画館(字幕)] 8点(2008-07-23 00:10:01)(良:3票) |
4. 譜めくりの女
《ネタバレ》 ドラマ性が希薄でチープなTVサスペンスを見てるようでした。おそらくはそちらよりも音楽面なんかの方をメインで楽しむべき作品なんでしょうけど、もう少しお話のほうにも力を入れていただかないと、何とも評価はしにくいです。 [映画館(字幕)] 3点(2008-07-22 23:55:14) |
5. 地上5センチの恋心
《ネタバレ》 おフランスのエスプリムービーですね。作家の方のテーマは「主人公は僕だった」と似たような感じで目新しさは無かったですが、あくまで主婦オデットの方がメインでしょうし、あまり小難しい事は考えずに素直にコメディーとして楽しむならそれなりには楽しいかな。 [映画館(字幕)] 5点(2008-07-22 23:50:53) |
6. ジェリーフィッシュ(2007)
《ネタバレ》 うん、みんな寂しいんだよ。それぞれ互いに繋がりを求めているはずなのに、なかなか上手くいかない。何故でしょうね?世の中って不思議です。そんな人たちのアンサンブル。でもそんな人達が手を取り合えばきっと希望の光は見えてくる。波間を漂うクラゲ達に、あなたは一人じゃないよって言ってあげたくなる、やさしい作品。 [映画館(字幕)] 9点(2008-07-22 23:42:40) |
7. ノーカントリー
《ネタバレ》 偶然の積み重ねか、はたまた運命のいたずらか、人生なんてコインの裏か表かで左右されるようなちっぽけで不確定なものでしかないんだよ、というのがシガーの哲学であり、その不条理を自ら受け入れている人。それが正しいとか正しくないってのは問題ではありません。他の人たちはそんな世の中の無常に抗い、足掻き、知ってか知らずか、それに抵抗を試みる人達でもあるのでしょう。 見終わった直後は、あれ?これって世の中に対する絶望?もう世の中は暗黒に染まっちゃってて、年寄りはグチ言いながら引退するしか無いんだよって言ってるように思えたのですが、こうして思い返してみると、要所要所に微かな希望もあったんじゃないかと思います。 [映画館(字幕)] 7点(2008-06-13 22:47:25) |
8. ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
《ネタバレ》 彼は「狂人」でも「怪物」でもない。絶対的な勝者は憎々しげに叫ぶ、所詮この世は弱肉強食、自分の力のみで頂点に上り詰めたんだから誰にも文句は言わせないよ?だって資本主義ってこういうものでしょ?神様なんてインチキなものは助けてくれないんだよ、と。 嫌な奴ですね。でもそれが現実って奴かも?こんな世の中に誰がしたんだ?なんとも憤りを感じてしまいますが、そこがこの作品の面白味じゃないかと思ったり。 [映画館(字幕)] 9点(2008-06-13 22:29:13) |
9. ハーフェズ ペルシャの詩
《ネタバレ》 勉強不足なもので、詩人ハーフェズについての事は全くわかりません。 その立場上、愛する人を心から消し去らなければならなくなっても、心の中に浮かぶのはその人の事ばかり。忘れたくとも忘れられずに苦悶する主人公の姿はなんとも痛々しい。 例えコーランであっても、人が人を愛する心を否定する事などできないのだ!要約するとそんな感じでしょうか? まさしく詩的で漠然とした感じの作品ながら、メガネのエピソードとかちょっと面白味のある部分も。 民族衣装に身を包んだ麻生久美子は美しかったです。 [映画館(字幕)] 6点(2008-06-13 21:34:15) |
10. さよなら。いつかわかること
戦地から届いた突然の訃報。残された家族は・・・とまあ、設定的にはややありがちな部類の話ではありますが、一つ一つの細かな演出が秀逸で、思った以上に沢山のものが詰まった作品でした。 こういった作品で言うような事では無いですが、二人の娘がとっても可愛いかったです。そしてジョン・キューザック演じるお父さんもある意味かわいいというか、とことん不器用な人で、ああ男ってこういうもんだよなってその人柄に共感させられてしまいました。 [映画館(字幕)] 8点(2008-06-13 21:14:01) |
11. サルバドールの朝
《ネタバレ》 悲惨な現実を描いた実話物ではありますが、主人公のサルバドールが若さ故の暴走っぽい感じで色々やっちゃってるので、ちょっと感情移入とかはしにくいです。遺族の納得しきれない気持ちや、世の中の不条理なんかはわからなくは無いのですが・・・。いかにもな感動物でも無ければ、ドキュメンタリー風でもないし、もしかしたらこれは切ない青春映画的なアプローチで撮ったものなのかな?なんて風にも思いました。 [映画館(字幕)] 6点(2008-05-19 23:10:03) |
12. グッバイ、レーニン!
《ネタバレ》 否定するのは簡単です。過去にしがみつき、変わってしまったものを認めぬのではなくそこにどう折り合いをつけ、どう受け入れ、どう変化していくのか、そういったものがこの作品に描かれていたんじゃないかと。そして、そんな一人の少年の心の成長を包み込むものは・・・。 とっても素敵な作品だと思います。 [映画館(字幕)] 9点(2008-05-19 22:56:47) |
13. 山桜
《ネタバレ》 山形人なので一足お先に観賞。藤沢周平原作物、毎回割と似た感じの設定、話なのもあって正直そろそろ飽きてきたかな~感があったのですが、今回は語らずに読ませる演出に徹底していたのもあって、ぐっと引き込まれました。最後は田中麗奈と一緒に私も号泣。東!お前男だ!って言いたくなるくらいの手塚弥一郎の心意気が身に沁みます。その後二人がいかなる道を歩むのか、なんてのも観た人が各々勝手に想像すべきものなのでしょうね。 [映画館(邦画)] 8点(2008-05-15 00:11:54)(良:1票) |
14. ぜんぶ、フィデルのせい
《ネタバレ》 舞台背景がちょっと複雑なものの、基本的にはアンナの視点からブレないのが良かった。世界の変革を求める大人達。そんな中で子供のアンナは心の内をちょっとだけ変化させる。革命って意外とこんなものなのかもしれませんね。単純に大人の姿は滑稽だって批判するのではなく、そんな対比が何気に個性的で面白い作品になってたんじゃないかと。 [映画館(字幕)] 7点(2008-05-03 17:48:04) |
15. 君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956
《ネタバレ》 保身の為に情報を流すチームメイトとか、コーチが選手にかける思い。叔父さんと母親の考え方の違い、幼い弟の感じ方。とにかく色々なものが詰まってて、一つ一つの描写、それぞれの立場や思想の違い、そういったものの描写が上手いです。この人は今どう思ってるのか?例えばそれが主人公にしても、状況的に仕方なかったとはいえ、自らの手で人を殺めてしまった瞬間の表情とか、決して言葉に頼る事無く、観客に読ませ、考えさせる演出がバツグンに上手い。ラストもそうですけど、これこそが映画ってものでしょう。愛を説こうとした神父さんなんかも、若干滑稽に映るかもしれないけど、多分それが彼なりの生き方だったんだろうし、誰がそれを笑えるものか。私が映画に求めるものがギッシリ詰まってました。 [映画館(字幕)] 10点(2008-05-03 17:43:59)(良:1票) |
16. ヒトラーの贋札
名誉の死を選ぶのか、業を背負ってでも生き伸びる道を選ぶのか?果たしてそこに正しい答えなどあるのだろうか?ナチスそのものはまた別として、各登場人物それぞれ誰が正しくて誰が間違ってるなんて、きっと誰にも決められない。いつ終わるともしれない、見えない明日の為にギリギリの駆け引き、ギリギリの綱渡りを繰り返していく。 何より彼の葛藤や、語らずともわかる心理的変化が抜群に上手いです。物凄い緊張感でスクリーンに引き込まれました。こういう作品に対して「面白い」なんていう言葉は不適切なのかもしれないですけど、とにかく面白かったです。 [映画館(字幕)] 9点(2008-05-03 17:38:37)(良:1票) |
17. やわらかい手
愛する孫の為に汚い仕事をしてまでっていう単純な感動物なんかじゃなくて、風俗とかそっち方面で考えられる色々な要素だとか、さえないおばちゃんが人生の輝きを取り戻していく様だとか、多面的な要素が上手く描かれててとっても面白かったです。自分で納得して、自分が誇りを持っているなら他人がとやかく言おうとそんなものは関係無い。そんな主張がとっても気持ち良いです。 [映画館(字幕)] 8点(2008-05-03 17:30:47) |
18. ゾンビーノ
ゾンビがただのモンスターではなく、あからさまにメタファーとして描かれてあるので、その点でロメロの意志を正確に受け継いでいる作品ではないかと。同ジャンルの「ショーンオブデッド」なんかはそこが物足りなかったので、私はこっちの方が好きかな。でもその分完全な風刺映画になっちゃってるので、単純なバカ映画としての面白味が足りないと感じるかも。 [映画館(字幕)] 8点(2008-05-03 17:21:13) |
19. ダーウィン・アワード
ただ「おオバカ人間大集合」みたいな物かと思ってたら、きちんとストーリー性のあるドラマでした。物事には全て理論があるんだ!バカだってきっと分析すればその理由が見えてくるはず、と個人的に私自身が非常に理屈っぽい人間なので、主人公のバロウズがとても他人には思えませんでした。でも脈絡の無さがおオバカってものなんでしょうね。 [映画館(字幕)] 8点(2008-05-03 17:14:35) |
20. その名にちなんで
親と子どちらにの気持ちも上手く描かれている所に感心しました。名前うんぬんだけでなく、親子二代に渡る家族のドラマとしても秀逸ですし、カルチャー的な部分でのアイデンティティや、普通の青春物として見ても十分だし、インドの文化的な所もまた面白味。 でもこれ、実際に親になった経験がある人の方が感じる部分の大きい作品なんだろうな~と、経験の無い私はちょっと悔しい。私自身がもっと歳重ねてから見たい作品かも。 [映画館(字幕)] 8点(2008-05-03 17:01:31) |