1. セブン
《ネタバレ》 湿り、澱(よど)み、臭いが、それこそ目に見えるような映像でした。伏線の張り方も非常に巧妙かつ繊細だと感じます。特にミルズの奥さんが相談する場面では「この街は嫌い」のセリフや、サマセットが過去、自分の彼女に堕胎させてしまった告白などは、冷静沈着なサマセット刑事がミルズの奥さんに完全に感情移入してしまい、ラストの段ボールの彼の衝撃的な演技にリアリティを持たせています。ジェイソンみたいに殺戮シーンは一度もなく、ましてや段ボールの中身は一度も見せず、そして語らず...。ある意味上品な演出であり、ここまで残酷な映画は始めてです。最後に残った二つの罪の「嫉妬」で段ボールの中身をミルズ刑事に連想させ、「憤怒」によって自らが犯人のシナリオを完結させなければならなくなったミルズ刑事の怒り、苦悩、慟哭が秀逸でした。結末は賛否両論のようですが、これしかないんじゃないかとも思います。徹底的に救われない映画ですが、なぜか心に残ります。 9点(2004-04-19 12:20:42) |
2. Shall we ダンス?(1995)
竹中直人のカツラに2点、とても上品なたま子先生に2点、見かけによらず器用な渡辺えり子に2点、指先にまで神経が行き届いた草刈民代のダンスに3点。でもちょっと冗長気味だった回想シーンに−2点。 7点(2004-01-24 05:43:32) |
3. ドラゴンハート
96年当時のCGとしては最高峰でしょう。しかもILM。笑ったり困った表情をしたりと俳優並の演技を、これ以前のフィル・ティペットのモンスターでも見たことがありませんでした。そのうち石原裕次郎や渥美清が全盛期の姿でスクリーンに甦れば、今のSFやモンスター映画もお粗末にみえるのでは?内容も結構楽しめました。サムライ魂を持った騎士とドラゴンの確執、友情、別れ...。いつのまにやらショーン・コネリーがドラゴンに変身したら、きっとドレイコになると思ってしまいました。 8点(2003-03-01 15:49:42) |
4. ディープ・インパクト(1998)
まずはコロンビアに搭乗してた7人に合掌。「アルマゲドン」はシャトル2機、並んで飛ばしたところでズッコケましたです。燃料満載なのにあぶないっす。「アルマゲドン」はCGがなければ成立しない映画。こちらはたとえCGがなくても成立するSFタッチのヒューマンドラマ。死を迎えることが確実となった時、人は人生の幕をどう閉じようとするのか?人類愛、家族愛とはなにか?この辺のアプローチは女性監督ならではでしょう。ビデオが出た時すぐに買いました。たまにティッシュ箱ごと小脇に抱えて見ております。 10点(2003-02-03 20:01:46) |
5. デーヴ
エイリアンからシガニー・ウィーバーの大フアン。この映画の当時は44才。ラストのあのキュートさはもう反則ワザ。確かに失業者をなくすなんてストーリーはどう考えてもナンセンスでしょう。でもいいんです。彼女の微笑みがあれば。友情出演(?)の俳優さんや議員さんも多数出演していて、なかなか力入ってます。ラストカットのSP再登場では「そう来たか~」てな感じ。強面の彼がエンドロール寸前、ニヤって笑うの、みんな気が付いた? 8点(2003-02-01 13:47:38) |
6. ファミリー・ゲーム/双子の天使
ディズニー映画ですからやっぱりハッピーエンドありきでしょう。期待を裏切らない予定調和で大団円。オリジナルの「二人のロッテ」を見てなくても、家族で純粋に楽しめると思います。二役こなしていたリンゼイ・ローハン、とってもキュートでした。あと注目して欲しいのは脇役陣の妙。オイラは泣き笑いでした。 8点(2003-02-01 12:33:12) |
7. シュリ
やせた芋を生でかじる、子供達は泥水を啜る、息絶えた子供の死肉を喰う...アムネスティやユニセフも見過ごせない現実が、北の将校の慟哭となったのでしょう。「キサマ達にオレ達の気持ちが解るかァァァ!(でしたっけ?)」私にはこうも聞こえました。「頼むから、もうオレ達を楽に死なせてくれ!」って。この映画はこのセリフが全てだと思っています。辛い、辛すぎる。彼らこそ最大の犠牲者なのに。 9点(2003-02-01 12:23:11) |