1. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
相性の悪いキューブリック作品の中では比較的分かり易い作品である。 全般を通して、強烈なブラックユーモアで包まれている。 うーん、この点数、ちょっと甘いかな? 7点(2004-06-14 01:03:11) |
2. 長靴をはいた猫(1969)
笑いあり感動ありの冒険活劇。私にとっては、冒険アニメの原点のような作品だ。そして、最も好きなアニメ作品であるかもしれない。もっとも好きな場面は手に汗握るクライマックスの塔での追いかけっこだが、魔王がいろいろと変身するシーンも笑えて良い。 数作シリーズ化されたが、やはり最初の本作が一番よくできていて面白い。「ペロ」は東映アニメの看板になったし。 9点(2004-06-11 00:46:17) |
3. 太陽がいっぱい
《ネタバレ》 緻密に計画を練り、用意周到に準備を重ね、完全犯罪を目論む青年。 これ以上無いであろう完璧な犯罪計画を遂行し、全てを手に入れた時、たった一つの偶然が彼の計画を既に台無しにしてしまっていたのだ。 その時、全てをやり遂げた達成感に満ち溢れている青年に対して、太陽はまぶしいほどサンサンと照り付けていた。 もうすぐ絶望感を味わう事を未だ知らない青年に対して…。 名作である。 特に、名作たるゆえんはその終わり方にある。 9点(2004-05-04 19:34:44) |
4. Z
役者としてのイヴ・モンタンが好きだったのもあって、最初にこの作品を深夜放送で見たときから、最も好きな作品になったと言ってもいいかもしれない。 ①事件が起こるまで。②事件が起こって調査に乗り出すまで。③調査開始からクライマックスまで。 と、大別して3つに分けることができるのだが、後半以降、特に③辺りから、アドレナリンが最大限に分泌される。 常に冷静で、思想に囚われずに客観性を重視しながら聞き取り調査を進めていく検事が、ある段階に来て、思わず口を滑らせ、 記録担当係に再確認される辺り、ユーモアのセンスがキラリと光ると共に、心理描写としても非常にうまい。 そしてエンドロール間際の最後の語りは何度見ても鳥肌モノだ。 [地上波(吹替)] 10点(2003-12-21 19:30:53) |
5. 未知への飛行
長丁場な作品であるのと、モノクロである上に導入部が長いのでやや冗長な感じは否めない。 ただ、そこさえ絶え忍べば、後はひたすら手に汗握る展開を約束されている。 シナリオがかなり秀逸であるため、劇としてしっかりと見せて、観客をグイグイ引っ張って行く。 シドニー・ルメット監督のこのあたりの作り込みのテクニックは素晴らしく、 「12人の怒れる男」同様の真価をここでも発揮している。 その確かな演劇の上に築かれているクライマックスは、尚ショッキングであるが、 何よりもホワイトハウスとクレムリンのホットラインによるやりとりの緊迫感は他に類を見ない。 通訳を介してのやりとりであるが故に、状況の進退が微妙なニュアンスで変転するという緊張感に張り詰めている。 私的にはこの作品は「12人の怒れる男」より上だ。 「博士の異常な愛情・・・」と同時期に製作公開され、テーマが似通ったせいか、 日本劇場未公開であるが、私はキューブリックのそれよりも、こちらの方が好きだ。 [DVD(字幕)] 10点(2003-12-06 14:19:12)(良:2票) |