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 > TANTO さん
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プロフィール
コメント数 901
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 最近になってまた映画を観る習慣が出来ました。
前はほとんど観なかった邦画をたくさん観るようになり
新しい映画ライフが充実しています。

昔ほど数はこなせませんが
趣味と生活のバランスをうまく保ちながら
なるべくたくさんの映画を観て、
なるべく読み応えのあるレビューを続けていきたいと思います。

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1.  ゼニガタ 《ネタバレ》 
不死身の男・静香と、彼を弟に持つ居酒屋銭形の店主であり金貸しの富男の二人の話。「銭形」という名前からストーリーを作ったのであろうが、これがなかなか、面白い映画でした。20万は20万でも、働いて稼いだ20万、サラ金や闇金で借りた20万、誰かから盗んだ20万、弟を救うために母親に渡す20万。。。全部20万なのに、そこにある価値は変わってないのに、確かにそれぞれ全部形が異なってるなと思いました。わかっているはずのことなのに、改めてゼニの形というものを意識させられた気がしました。  OLの世界、と言うか女性の世界は男の私にはイマイチわかりませんが、ああいう集まりの中ではやはり身なりや社交の場でどれだけ見栄を張れるか、つまりお金を使うかが重要なんでしょうか。私には性別やお金の問題ではなく、そう言うグループに属してしまう本人の問題なのかなと思ってしまいましたが。ともあれそんな世界に住む珠さんは闇金で借金し、職場で窃盗を繰り返し、それがバレ、職を追われ、結果極道の女になってしまうことに。極道の磯ケ谷のお金の保管の仕方は正直おいおいと思いましたが。ただのマンションの一室の冷蔵庫に億のお金と拳銃置いておくとか、セキュリティガバガバ過ぎじゃないですか?珠でなくても、ある日空き巣に入られてそれら全部取られてもおかしくないし。あの管理の仕方はありえないなぁ。。。  とにかく世界観が見応えあります。独特な雰囲気の金貸しと、その不死身の弟と、そこにひょんなことから入ったボクサー崩れの若者。金貸しには彼なりの礼儀やルールがあって、それがかっこいい。不死身の弟は謎めいていて、一見ただのチンピラだけど彼の葛藤も見えたりしてしっかりキャラが立っている。それをある種客観的に見つめる元ボクサーの彼も大事な役回り。  極め付けはラストのエンディングテーマ。Tsukemenのvolcano、ハマってしまいました。最初から最後まで良い味を出してる映画でした。
[インターネット(邦画)] 8点(2023-03-23 05:02:08)
2.  図書館戦争 THE LAST MISSION 《ネタバレ》 
前作よりはラブコメ臭は控えめか。おかげで作品としてバランスが出たように思います。前作では主に良化委員会vs図書隊という構図だったのが、今回は図書隊の中にも図書隊のあり方に疑問を呈する者が出てくるという、さらにその背後には「未来企画」なる手塚の兄が関わる組織がいて、話は複雑さを増していきます。  まあどんな組織でも一枚岩なんて普通あり得なくて、どれだけ思想が浸透してそうに見える団体でも、末端まで100%完全に教育が行き届いている組織なんて存在しない。多かれ少なかれ、大なり小なり組織と外れた考え方やなんなら反対意見を持つ人も現れる。それは自然なこと。ただ、そういった考えを持つきっかけとなった「未来企画」がやはり描写が薄っぺらい。そうなるとその代表である松坂桃李さん演じる手塚兄もやはり薄っぺらくなってしまう。あれだけムキになってタスクフォース壊滅させようとしたのに、ラストで「無能な奴らを洗脳するのにも飽きた」っていやいや。。。ださっ。 原作は既読なのですがかなり前だったので、恥ずかしながら今回の映画のようなエピソードがあったかどうか覚えておりません。が、おそらく本の方では「未来企画」もそれなりに説得力を持つ組織だったのではないでしょうか。法務省vs文科省の構図にするために図書隊に武力放棄しろと言うのは聞いててあまり意味がわかりませんでした。やはり映画の尺の都合か、本の原作の映画化はどこかで無理が出てくるというか、内容を尺に収めきれない事情がどうしても気になってしまいます。  The Last Missionなので、もう次はないと思いますが、実際もう続編は別にいいですね。あれば見ますけど、くらいのもんです。
[インターネット(邦画)] 6点(2023-03-15 08:02:18)
3.  図書館戦争 《ネタバレ》 
原作はだいぶ前に既読です。本当にだいぶ前なので記憶も少し曖昧ですが、思い出しながら鑑賞することに。原作も結構ラブコメ感のある作品だったと記憶してますが、そういったテイストはそのまま継承しているようです。ただなんと言うか、私の他の作品のレビューでも書いたような気がしますが、私はどうやら榮倉奈々さんが少し苦手なようです。特にビジュアルが好きなわけでもない、なんなら演技も嘘っぽく感じる。今回のようにラブコメ要素を出す映画なら余計に演技下手に見えてしまって。。。それに引っ張られて岡田准一さんまで下手に見えてしまって、なんだかいたたまれなくなりました。個人的な好みの問題なのですがね。  散々ラブコメとか書きましたがテーマは結構真面目。表現の自由を守るために不当な検閲からあらゆる図書を守る図書隊の話。自分たちが有害と認めた図書を検閲・廃棄する良化委員会との戦いを描いたものが『図書館戦争』。 原作を読んでる時にはあまり思わなかったのですが、いざ映像で見ると、有害図書を検閲するために人を殺生することも厭わないなんて、結構異常な世界ですね。そんなリスクのある図書館や本屋、そりゃ儲からんし行かないでしょう。いきなり銃をぶっ放されるリスクを犯して図書館に行く人なんてそうそういないでしょうね。  やはり映像で見た時に、本を守るために人命をかけるって、いささか大袈裟だなあと感じてしまって、そこからはあまりストーリーに入りきれなかったです。銃撃戦が見たいわけではないんだけどねえ。逆に言えば、映画では図書隊の意義を強く表現できてなかったように思います。ラブコメや王子様より、先にそちらを重視して欲しかったと感じました。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-03-14 07:36:10)
4.  予告犯 《ネタバレ》 
原作は知りません。なんだか新聞紙を被った人が出てくるマンガがあることは知ってますが、その程度の知識です。中身については今回初めて触れました。ああ、こういう内容だったんですね。  結論から言うと、戸田恵梨香さん演じる吉野刑事はまったく要らなかったな。公安だとか言ってちょっと出てきて雰囲気出しただけで結果ほとんどストーリーに絡まなかった田中圭さんも同様。彼らなんのために出てきたの?吉野が昔いじめられていたと言う描写はなんのため?結局彼女もシンブンシの思想に共感したということか。映画を字面どおり捉えたら、踊らされるためだけに出てきたのか。結局四人の思想犯、ある種愉快犯のシンブンシに好きなようにやられ、ラスト何故か吉野刑事は「踊らされてやろうじゃないの」と満面の笑み。あれがまだ、渋々踊らされた、って感じならまだ理解できたんですけど。終始彼らに振り回されいいようにやられ、結局彼らを逮捕もできず、笑ってられるなんて意味不明。共感なんて一ミリも湧かないわ。  シンブンシ達にはまだ共感できる面もあるが、本当にヒョロの骨を親に渡したいだけであれば、吉野刑事も言っていたようにわざわざあんな劇場型犯罪を犯す必要はない。でも実際ネットなんてこんなもんだろうな。画面の向こうで集団自殺が起きたとしても、あんなふうにアホみたいな書き込みするやつはたくさんいて、そいつらが彼らを神とか崇めて。。。くだらないと思います。 私も別にネットそのものが悪いとは思ってなく、作中に出てきた小日向さん演じる政治家の設楽木議員が提案した、ネットユーザーの実名化なんて、私はいいと思うんですが。これに反対するやつは後ろ暗いことばかりネットでしてる人たちでしょう。ぜひ実際の社会でも提案して欲しいものです。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-03-06 15:08:04)
5.  詩季織々 《ネタバレ》 
三本のショートストーリーの中では、「陽だまりの朝食」が一番好きだったかな。食べ物系って個人的に好きです。食べたくなるから(笑)逆に言うと、食べたくなるようにうまく見せてくれた作品だったと思います。  全て中国が舞台。という割には、あまり外国感はありません。名前が中国的なくらいはあとはほぼ日本の造り。顔の造形も、同じアジアなので当然ですが、人の考え方も。実際の生活の中だと、同じ地域の同じ顔の作りの人たちだけど、文化や考え方は結構違うのかなあとか思ってたので。なんとなく内容が日本的で、実際中国であんなふうに思ったりなるのかなあと疑問に思いながらの鑑賞でした。知らないので、憶測であり勝手な違和感ですけどね。  それにしてもビーフンは美味しそうだった!おばあちゃの思い出のビーフンも、学生の時の思い出のビーフンも、どちらも食べたい。いっそ自分で作ろうかな。そう思うほどに。時が経ち、人も変わり、ビーフンも変わる。好きだったお店も急に無くなっていたりする。そう言った人生の切なさのようなものを見ることができました。  他のエピソードも似たり寄ったりという感じですが、最後のエピソードもけっこう切なかったですね。カセットテープレターのやり取りなんて、憧れます。 全体的にとても感情に訴えかけてきて、とても面白かったと思います。それぞれのエピソードも綺麗にまとまっていて、楽しめました。
[インターネット(邦画)] 8点(2023-02-18 07:55:48)
6.  映画 深夜食堂 《ネタバレ》 
ああもう、この雰囲気がすでに良い。映画としても楽しめるし、実際にこんな食堂に通いたいという思いも抱く、素敵な映画です。  大きく3つのパートに分かれます。「ナポリタン編」と「とろろご飯編」、そして「カレーライス編」。個人的には「とろろご飯編」が一番好きかな。ホームレスのように街をさまよう女の子の人生や人柄に触れ、とてもあったかい気持ちになれる。食い逃げをするまでの展開、謝罪とともに押しかけそのまま深夜食堂に雇われる展開、かつての恋人との決別・周囲に認められ雇い口を見つけるまでの展開。そして最後、以前食い逃げをしたとろろご飯をマスターに頼む展開・・・。しっかり土鍋で炊かれたご飯にとろろをかけていただく。最高の食事だな。涙が出るわけでもない、とんでもない事件が起きるわけでもない、でもこのとろろご飯のように心にじーん、、、と染みる、いい話でした。 「ナポリタン編」はたまこに引っかかったはじめちゃんに感情移入してしまって、なんか見ていられなかったな。いや見ましたけどね。  寡聞にして存じ上げず、小林薫さんという俳優を知りませんでした。たぶん何かの映画やドラマでお目にかかったことはあるんでしょうが、名前と顔を一致させたのは今回が初めて。でもこの『深夜食堂』のマスターをするために俳優になったのかなってくらい似合っていました。一ミリも文句のつけどころのないキャスティングです。 原作やドラマバージョンもほとんど知らず鑑賞しましたが、全く問題なく楽しめた。ゆったりとした夜の飲み屋の雰囲気を味わいたくなったら、是非。
[インターネット(邦画)] 8点(2023-02-03 22:07:26)
7.  劇場版シティーハンター 〈新宿プライベート・アイズ〉 《ネタバレ》 
『シティーハンター』で何度も検索してもこのページにたどり着けなかったのに、「プライベート」で検索したら見つかった。なぜ??  というどーでもいいエピソードはさておき、普通に面白かったです。ただ、他の方のレビューを見るに、自分もやはり作品の懐かしさにとりつかれた評価になってるのかなという印象を遅まきながら受けました。Get Wildにテンションが上がってしまうのはもはや抵抗不能。もう私のような世代なら無条件に取り込まれてしまうでしょう。 ですが舞台は2019年ということで、さすがに登場するストーリーはデバイスが今現在のものにアップデート。冒頭に出てくるデジタル掲示板なんか、もし実際街にあればなんだか宝探しするような感覚で色々探してみたくなりますね。誰かと誰かをつなぐ秘密の掲示板見たいに使う人も出てくるだろうなあ、それこそXYZのように。それ以上に犯罪とか怪しいことに使われるでしょうけど(笑) ドローン兵器っていうのも今っぽいのですが、同時に文字通り血も涙もない殺戮兵器が、現実の世の中で出来ていることに恐怖も覚えます。オートの機械に人を殺させる、っていうのが決して作り物の話ではなくて、現実に存在してるものなんだと思ったら気持ちいいものではありませんね。じゃあ人同士の殺人ならいいのかって、そういうことでもないんですけど。  個人的に、ショートヘアの女性がそれほど好きではないため、シティーハンターは好きでも槙村香はまったくヒロインとして見れませんでした。声もなんだかガサガサだし。本人が言うように、がさつ女子の代表、みたいな感じで私はそのまま受け取っていて、この作品の御国のように恋に落ちたりする展開がなんとも私には理解不能でした。それならヒロインの亜衣ちゃんやキャッツアイのお姉さん達(こちらもショートの妹は除く)のほうがよっぽどヒロインとしてふさわしい。個人の見解です。あしからず。
[インターネット(邦画)] 6点(2023-01-31 13:39:21)
8.  不能犯 《ネタバレ》 
漫画は既読です。暇なときに読む程度のものとしてはまあまあ楽しかったんですが、いざ実写の映画になって実際の社会と照らし合わせてみるとけっこう無理がありますね。  まず不能犯。法律で裁けないようなマインドコントロールができるやつって、どんだけ法律ベースに作られた能力なんだよと。まるで、「こういう法律だからそれに合わせてこういう能力作りました」って感じで、これも漫画ならそこまで気にならなかったのが、実写映画だとやたら気になる。 そしてそんなマインドコントロールに対してやたらと説明口調で語り出す心理学部卒の新人警官百々瀬。あれも、彼の演技が下手なのか、それともそんな説明が実写にそぐわないのか、とにかく不自然だった。  最後に宇相吹。 「僕を止めたいならあなたが私を殺すしかない」 なんで???おまえがマインドコントロールやめればいいだけじゃん。やめたいのにやめれないみたいに言うなよ。しょーもな。 、、、って思ってしまいました(汗)  これらぜーんぶ、漫画と同じシナリオで、何度も言うように漫画ならそこまで深く思わなかったんですけどね。松坂桃李さんの宇相吹はピッタリだったし、新人の下手な演技以外は他の方も見てて面白かったのに、ストーリーが実写に合いませんでした。。。
[インターネット(邦画)] 4点(2023-01-27 20:09:17)
9.  白ゆき姫殺人事件 《ネタバレ》 
最近こんな「〜殺人事件」というシンプルなタイトルの映画や小説をとんと見てなかったので、ある意味新鮮な気持ちで鑑賞できました。観る前はもっとこう、何人もの容疑者がいて誰が真犯人なんだろうって感じで進むストーリーかなって思ってたんですが、少し違いましたね。  話の展開は今っぽく、Twitterで色々呟くTV局契約社員の赤星が一応主役のような立ち位置。他人のプライベートとか個人情報を平気でつぶやき、案の定破滅する。赤星だからRED STARとか、安直すぎるだろ。本筋とは全然関係ないが、綾野剛さんってこういう役あんまり似合わないな。 あとは、やはりSNSとか報道ってやっぱり安っぽいなあと感じます。当事者でもない人たちが上っ面だけで事件やその関係者を語るのは見ていてとても醜い。さらにいわばつくりものである映画のそれは、リアリティすら薄く滑稽ですらある。自分は特に、ワイドショーとかその中で語るコメンテーターとかはひと通りどうでもいい存在と思ってるので、そんな人たちにいいように踊らされてる人たちも信じられない。よくほとんど知りもしない人の事を悪辣に語れるもんだ。  もっとミステリ要素の強い作品なら好きだったかもしれません。あくまで個人の好き嫌いの範疇での評価なので、あしからず。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-01-23 23:43:27)
10.  いなくなれ、群青 《ネタバレ》 
舞台は人口2000人程度という階段島。何らかの理由でその島に集められた人たちが生活している。人口2000人というわりには学校のひとつのクラスにけっこう人数いるなあとか思ってみたり。2000人の内訳はほとんど学生とか若者なのかなあとか思ってみたり。最後まで見て、どういう人たちが島に集められるのかがわかるとそんな気がしてきました。  「自分が捨てた自分の居場所=階段島」という設定は面白かったと思います。ただ、例えば自分のすごく暴力的な面を捨てたような人がいたとしたら、あんな平和な島にはならないはずで、みんながみんなあんなに穏やかな面だけを捨てて島に来たのかという点は不自然と思いました。また魔女の家への階段についても、その程度の規模の島なら見える範囲でも標高なんてしれてるし、てっぺんが見えないような階段なんて物理的にあるのかという点もとても疑問。なのに島の住人たちの間で「絶対に頂上につけない階段」なんて都市伝説のように語り継がれている点も同様に不自然と感じました。実際カメラでも上まで延々と続く階段の画は見せられなかったようで。別に「島」ということにこだわらなくても良かったのかなとか思いました。  七草は悲観的な自分、真辺はまっすぐな自分、佐々岡は怠惰な自分、委員長はいい子ちゃんである自分、豊川さんは困難から逃げ出す自分、、、などがそれぞれ島に捨てた「自分」なのかな?そしてそれを乗り越えたり解決してしまうと島から出ることになるという。 少しストーリーには詩的な部分があり、良くも悪くも婉曲的な話の展開や流れには個人的には少しまどろっこしさを覚えました。もっとストレートに言えばいいのに、行動すればいいのに、と。そういう意味では真辺や佐々岡の行動には共感させられました。七草の真辺に対する、群青の空に存在する見えない星のような距離感で離れていたいという気持ちは一ミリも理解できませんでした。ましてや『いなくなれ、群青』だなんて口が裂けても言えない。島に捨てた人格の一面だったとしてもひねくれすぎていると思いましたが、そう思うのは私だけなのかな。 佐々岡や委員長、堀さんなど、あの島で新たに恋愛をしたり人を好きになってしまって、またはぜんぜん違う事情でうまくいかなくて、また捨てたい自分ができてしまった人たちはどうなるんでしょうか。 それが作品の魅力なのでしょうが、少し謎が多いままというか、ヴェールがたくさんかかったまま話が進んで終わってしまったという感じで、消化不良感がある作品でした。嫌いではないです。
[インターネット(邦画)] 6点(2023-01-20 15:15:15)
11.  悪の教典 《ネタバレ》 
小説も、マンガも、何度も既読です。原作の貴志祐介さんは好きな作家であるし、そしてこの『悪の教典』も何度読んでも面白いストーリーです。今となっては有名なストーリーなのでサプライズも何もありませんが、これが世に出た当初のセンセーショナルさと言ったらすごかった。人当たりも何もかも完璧な英語教師の裏の顔。。。生徒を把握するための手段や優しさ、器を持っていて、それでいて欲望に対しては突き抜けていて欲しいものは必ず手にしようとする貪欲さ・狡猾さ。どの方面にも突出しているが故に通常の枠には収まらない、そんなクレイジー教師をまざまざと見せつけられました。クレイジーですが魅力的。蓮見聖司というキャラクターが刻まれて瞬間です。  と原作を激賞したくなるのですが、映画のほうは、やはり映画あるあると言うか、その枠で収めようとして色々カットしてしまっていたり、奇抜な演出になってしまっていたりと言うところが原作からの目線だとどうしても気になります。なぜか柴原が山田孝之さんでなんだか格好良くなっていたり、修学旅行のくだりがまるっとなくなっていたりしたところも残念でしたね。クラス40人の生徒のそれぞれの特徴やキャラクターも際立つようにしてほしかった。結局最後、誰が誰だかわからんような殺し方で終わったのはやはり『悪の教典』としては致命傷かな。生徒一人ひとりに個性など顔が見えるつくりだったから面白かったのに、あんなふうに「その他大勢」感で大量殺戮してしまったらこの作品の良いところをスポイルしてしまっている、と感じました。残念。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-12-17 00:41:45)(良:1票)
12.  映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ 《ネタバレ》 
なんだか芥川賞に出す小説を読まされているような感覚だ。文学的内容に映像と音を乗せた、といった感じか。そして自分はそういった話が苦手であるからして。。。 まず、話をどこかに持っていきたいとか結論を求めたりする話ではないんですね。作りがそうなので、ドキドキや爽快感のようなものはほぼ皆無です。そういうのを求める人は観ない方がいいかと思います。人間観察が好きな人なら好きな映画かもしれません。ちなみに私は違いますが。  しかし考えさせられることはあって、 「愛は血の味がする。愛はこれまでたくさんの人を殺してきたから。」 このセリフは考えさせられた、確かにそうかもしれない、と。戦争もそうだし殺人も誰かが誰かを愛するが故の結果かもしれない。お金を愛するが故かもしれないし自分を愛しているからかもしれない。そう考えると、確かに愛はかなり多くの命を奪ってきているのかもなぁと思わされた。主演の女性は世の中のカップルに対してとても否定的な見解を持っていて、だから愛なんてくだらない、と言い続けます。恋愛の仕方なんて誰も教えないのに、人は勝手に恋愛する。確かに。  ですが、物語に散りばめられたピースは決して私の中で繋がることはなかった。肉体労働で日銭を稼ぐ四人のそれぞれの世界観、人生観。隣の部屋で騒音被害に苦しむ男性。ストリートミュージシャンの女性、、、。それぞれ何を伝えたかったのかなぁ。私にはよくわかりませんでした。わかる方、教えてください。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-12-15 20:00:38)
13.  ナラタージュ 《ネタバレ》 
この葉山という先生の行動がよくわからない。工藤の言うとおり思わせぶりな態度ばかり取り、いざ相手がその気になったら「そんなつもりはない。」 卒業式にいきなりキス、そこから約二年放置。その後急に電話で部活へ呼び出す。体調を悪くした一人暮らしの女子大生の家にいきなり出向き、手作りのお粥を食べさせてあげて、「そんなつもりはない。」はさすがに笑えるレベルでありえない。 私にはわからないが100歩譲って本人たちにしかわからない感覚というものもあるだろう。そういうことは私にもある。ただ映画として描くならせめて観ている側に伝わるような配慮や工夫が欲しかったというのが正直な感想。  また、ひとつひとつの出来事があまりに唐突で展開に感情が追いつけないことがしばしば。葉山の妻がいきなり放火するとか、演劇部の子が飛び降り自殺を図って、原因は誰かに襲われていたとか。突然出てくるキャリーケースの変質者とか。演劇部の子を襲った男ってあのキャリーケースのやつなのかなとか思ったけどその辺の説明も何もないし。消化不良感がすごい映画だった。  だったので、小野くんのエピソードとか映画館のくだりとか、ひと通りどうでもいい。そんなことより、ってことが多すぎて。キャスト頼りの映画って感じでした。
[インターネット(邦画)] 3点(2022-12-04 10:27:15)
14.  ペンギン・ハイウェイ 《ネタバレ》 
いわく、ペンギンが海から陸に上がるときに使う決まったルートを「ペンギンハイウェイ」と呼ぶそうです。そんなペンギンとそれを研究する少年、そしてペンギンと少年に深く関わるお姉さんにまつわる話。  いろんな考え方の参考になるなーと思ったのは、「父の問題の解き方三原則」  一、問題を分けて小さくする 一、問題を見る角度を変える 一、似ている問題を探す  これは、自分が何かの問題に直面したりしっかり向き合って考えたいときなどに活用したい。  結局「海」とは何だったのか。この映画は二回も鑑賞したのだがいまだにうまく飲み込めていない。お姉さんはペンギンを作って「海」を壊せるが、そうするとお姉さんも消えてしまう。壊せるがそのために消えたくない、そうした相反した気持ちがペンギンの敵ジャバウォックとしても現れてしまう。そんなお姉さんの心の葛藤が垣間見える。が、そこまでお姉さんについて考えさせられる割に彼女の描写はそんなになく、アオヤマ君視点で物語は展開する。その中でお姉さんやペンギン、「海」が出てくるが、個人的にはもっとお姉さん視点、「海」視点の話の展開も見たかった。なぜならそれらこそこの物語の中心だから。アオヤマ君はどちらかというと第三者的傍観者であり、その視点から得られるものは表面的なものな気がどうしてもしてしまって、なんだか勿体無い気分になった。その視点はそれはそれでいいんですけどね。自分なりに考察はするのだが、すぐ答えを知りたがるのは現代人の悪い癖か。  そんなことばかり考えていると、『ペンギンハイウェイ』というタイトルにどこまでの力があるんだろうということも疑問に思えてきた。興味深いタイトルだが、物語そのものとはそこまでリンクしていないような気がする。月並みだが、『海とペンギンと年上の君』とかでも良かったのでは。年上の女性に対するアオヤマくんやハマモトさんの反応は何だかリアルで心をくすぐられた。  アオヤマ君のような小学生が実際にいれば完全に変人扱いされるだろうが、それだけに、彼のノートにはとても興味を惹かれる。純粋に子ども視点からの疑問に対して、しかし的確に細かく整理されたノート。時に正確に、時に主観も交えながら緻密に書かれるそれは大人の研究ノートよりも開いてみたい気にさせる。いや、大人の研究ノートとか見たことはないですが。こんな子と、一度自分も実際に話してみたいものだ。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-11-21 23:56:59)
15.  天気の子 《ネタバレ》 
余談ですが、直前まで『秋刀魚の味』という1962年製作の古い映画を観ていたので、改めて映像や文化の違いに驚かされます。  かなり有名な映画で老若男女問わず観られる内容、そして物議を醸しそうなそのストーリーに様々な意見があることはとりあえず脇におきます。その上で、良かった。  私は穂高と同じく愛する人のためなら天気なんてどうなってもいいと思う側の人間ですが、一方で自分が何の関係もない第三者であれば、人一人の犠牲で済むなら雨を止ませて欲しいと思う人間でもあります。そしてそれは多分穂高も同じだろう。彼も、自分と陽菜の世界さえ守られれば他はどうでもいいという人間なので。同じ人間でも立場によって取る手段が変わってくる。そういうもんだ、そう思った。  ラスト、元々世界なんて狂ってるんだから穂高のせいじゃないと須賀さんに励まされるも、陽菜の祈る姿を見て、やはり世界を変えたのは自分たちだ、確かに自分たちのしたことによって今の自分たちがあるんだと確認した穂高。 そう思いたい気持ちもわかるが、私なら須賀さん理論に乗っかるなぁ。天気なんてどうしようもないものの責任なんて取りたくない。  話題作だからというわけではないが、数回見直したこの映画。今回で少し、整理できた気がします。
[インターネット(邦画)] 9点(2022-11-13 13:19:57)
16.  エンディングノート 《ネタバレ》 
有名人でもなんでもない、一般のサラリーマンのおじさんの闘病記=エンディングノート。映画というよりドキュメントのような作りで、なので盛り上がらせようとか逆に静かにさせようとかいう演出のようなものはほとんどありません。がんになったお父さんのエンディングノートをその娘である次女が読み上げ、映像は次女が撮影したものを流して…という内容。仕事を定年退職した男が、その直後にがんを発症し、それにどう向き合っていくかを描いています。  自分は死に向き合ったことはまだありません。ので、この方の心情は測りかねますが、淡々と自分の死後のことを整理していくその様は、すでに覚悟を決めた人間の強さなのかと思いました。自分があと何をすべきか、残された人たちのために何を整理すべきか、何を残すか。とても落ち着いた向き合い方でした。演出のない映画だと書きましたが、この方の立ち居振る舞いは映画に出てくる俳優のように凛としたものでした。それまでの自分の人生を振り返り、反省すべきことを反省し、良かったことを良かったと認め、自らを整理する。すごいことだと思いましてが、でも逆に、死に直面した人間とは皆こういうふうになるのかと興味を持った面もあります。自分も何かのきっかけで自分の死を見た時、このようになれるのだろうか。  エンディングノートの内容を聞かれてひとこと、 「死ぬ前に教えるバカがあるか」 これは笑えました。 私もエンディングノートを作るかは分かりませんが、家族のための整理、さらに自分の人生の整理のため、似たようなことをしようか、そう思った作品でした。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-11-06 23:50:18)
17.  ロスト・バケーション 《ネタバレ》 
2時間オーバーの映画見るほどの時間とそれに伴う体力が無かったので、完全に上映時間の短さだけで選んだ映画。ある意味気楽に鑑賞できました。   内容もかつてからあるタイプのシチュエーションシャークパニック。もはや伝統芸。でもなんで、サメやゾンビなどのある種のカテゴリーは時代に関わらず人を引きつけるんでしょうね。ワンジャンルとして確立されているサメという素材について、少し、考えてしまいました。そしてなぜ日本にはサメ映画はないんだろう。   さて内容はというと、上述したような伝統的サメ映画。突然現れたサメに襲われ、とっさに近くの岩礁に避難し、その岩礁で様々なあーだこーだが起き、最終的にサメを退治する、と。ほんともう、お家芸。短い映画だけど、襲われた女性が医療学校に行ってて応急処置できる、とか荷物パクられるくだりとか、ちょこちょこ芸が細かい。GoProはなんで最初あそこまでムキになって拾おうとしたのかわからなかったですが、なるほど、そういう使い方ね。   しかしラスト、母の思い出の場所とは言え、あんなことがあった場所にまた行ってサーフィンするとか、正気の沙汰じゃないなとは思いました。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-11-06 12:07:18)
18.  あん 《ネタバレ》 
 見終わって、感想を考えるんだがなかなか適切な言葉が思い浮かばない。静かだが鮮烈な印象を残す映画だった。特に印象に残ったのはふたつ、どちらも徳江さんのシーンだが、まずはその手紙の一節; 「この世にあるものはすべて言葉を持っていると私は信じています」 ひたすら小豆の声を聴きあんを作る徳江さんの自然観に溢れるひとこと。隔離病棟に置かれた、という故もあるのだろうか、人も含め、あらゆる事象と関わりを持とうとし、そしてそれらを優しく慈しむ。全てが慈愛の時間だった。 あとは千太郎が施設を訪ねて出された塩昆布について、「これ、どうやって作るんですか」に対する徳江さんの、 「教えなーい」 は笑った。あんな無邪気で、爛漫で、意地悪で、愛らしいシーンがあるだろうか。笑えるのに泣けてくる、心からそう感じる一幕だった。   私は「らい病」というものにほとんど知識がありません。そのためどら春のオーナーや世間の人の排斥感は正直ピンとこない。でもそれでいいと思っている。いや勉強しろよ、というまこと正論なツッコミが聞こえてきそうですが、実際自分の身の回りでそういうケースがあって必要と感じたら学ぶ、でいいのかなと思っている。私はそれほど交友関係もないですが、誰かと人間関係を築く場合は基本的に自己責任だと考えている。その人がどこに住んでようがどんな見た目だろうが、その人が好きなら好きで、嫌いなら嫌い。それだけだ。その理由に病気や身体的特徴を述べたことはない。ましてや介護のようにその人の生活全般に関わらなければならないような関係ならまだわかるが。この映画のように「らい病だから」で避けられる感覚がピンとこないのはそのためだろう。こういう「ピンとこない」という感覚を私は大事にしたいと思う。無知ゆえなのかもしれませんが。それごと受け入れたい。
[インターネット(邦画)] 9点(2022-10-17 22:34:51)(良:1票)
19.  追憶(2017) 《ネタバレ》 
 正統派な刑事サスペンスでした。短めの映画でしたが、その中でしっかり表現したいことが表現されていて過不足なく作られていたと感じました。   ネグレクトなど事情のある子どもを引き取って育てていた涼子とその引き取られた子どもである篤、悟、啓太たちの話。涼子に言い寄っていたヤクザの男を子どもたちが殺し、そこからなんとも言えない見えない重しを背負って彼らは生活を送ることになる。  起こるのは殺人事件で、映画なら珍しくもなんともない出来事なのだがその背景に過去の殺人や借金、さらには悟と会ってお金を貸した啓太の婚約者がかつて自分たちを育ててくれていた涼子さんの娘であることなどが事態をより複雑にする。それぞれの守りたい人のため彼らの口はどんどん固くなっていくのだった。『追憶』のタイトル通り過去にまつわる何かに追い立てられる人たちを描いた映画だった。   現実は人なんてだいたいもっと薄情で、昔は深い繋がりがあっても時間の経過とともにどんどんそれは希薄になり、大事な何かも失われていくものだ。この映画では忌まわしい記憶をずっと拭えなかったわけだが、ずっと忘れられないくらいの光輝く記憶を持ちたいと、逆に思った。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-10-05 18:39:43)
20.  神様のカルテ 《ネタバレ》 
 そういえば私には、医者なんて素晴らしい肩書きの友人なんていませんが、彼ら医師から見てこの映画ってどう映ってるんでしょうか。綺麗事ばっかり言って、と映るのか、いやいややはりこの映画のように人に寄り添うことを第一にしないと、と映るのか。外科、内科、麻酔科、救急、はたまた医局の医師、そうでない医師、山村などの過疎地域に勤める医師など、色んな立場の医師の感想を聞いてみたいと思いました。   主役の栗原医師の極端な二面生活が描かれていました。私生活ではまるで明治時代のような旅館とそこに住むこれまた古風な友人たち。一方職場では医師として医療機器やPHSなどの現代機器に囲まれ日々職務に追われる生活。医師としての現代生活の葛藤を、我が家で弁舌な友人たちや妻と共にたっぷり思案にふける。奇妙ではありますが、なんとも彩りのある暮らしだなと感じました。   結局、患者、というか人とはたっぷり時間を共有してお互いを知ったり思い合ったり理解することが必要なんですね。私は大学病院が冷酷だとも、作中の本庄病院のようなところのほうが大学病院よりも優れているとも思いません。要は患者やその家族が何を求めるのかでどちらに行くか変わってくるだけの話だと思います。例えば私は病院は基本的に嫌いですし、この信濃病院のように怪我や病気だけ見て効率的にパッと直してくれる大病院はむしろ歓迎ですが、病院自体に行き場を求めたりそこに存在理由を見出すような人には本庄病院のようなところがいいのでしょう。もちろん、それで良いのかって色々賛否もありそうですけど、それはそれで議論したい人や考えを巡らせたい人はたっぷりやっていただければ良いと思います。   同じような理由で、大病院で研究に身を捧げるかはたまた田舎の病院でひたすら患者と共に生きていくか、その選択を迫られる栗原医師。私の仕事も、一生現場で生きるか管理職としての道を考えるかみたいな選択肢がたまに提示されることがありますが、絶対現場がいいと思っています。全然内容は違いますが、自分の境遇と重ねて見ることができました。まあ自分はそんな選択肢すら提示されませんが(笑)でも一生現場で悩みながらも楽しく好きなことをして過ごしたいと映画を観て思えました。   あまりキャストに感想を書かないタイプなのですが、出られていた中で池脇千鶴さんは、患者に医師に同僚に、それぞれに配慮ができるしっかり者の主任でありとても輝いていました。失礼ながら、あんなに可愛い顔をしながら主任という役がしっかりはまっていて、人間的な魅力を感じました。良かったです。   原作未読です。映画は『2』があることを先ほど知りました。続編があるつもりで見てなかったので、しばらくこの余韻は寝かせることにします。また気が向けばいずれ。。。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-10-04 01:48:32)
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