1. 2001年宇宙の旅
宇宙ってのは、こういうふわふわ感というか、かすみやくすみの中にあるような気もした。ワルツ、あるいは無音の。 モノリス以降の終盤部はやはり理解できなかった。理解できなくてもよいのかもしれないが、それにしては長かった。 あれをずっと観ている間、観客は何を考えるのだろう。あの長い時間のうちに、観客が観るのは、おそらく映画ではない。もわーっとしたかすみのようなイメージの中で、意識は、過去や、未来や、かたちのあるもの、かたちのないもの、生きているもの、死んでいるもの、まだ生まれてさえいないもの、あらゆる個人的かつ普遍的な対象へ注がれていくのではないか。 その果てしない意識の旅を、宇宙の旅と呼ぶのだろうか? かの偉大だと称えられる監督は、そんな旅を現に体感させるところまで計算しつくしてこの作品を生み出したのだろうか? 映画としてはあまり好きでない。 命よりも長い旅に酔ってしまったからかもしれない。 5点(2003-12-01 16:48:30)(良:1票) |