1. ハプニング
《ネタバレ》 今回もシャマラン・マジックにはまってしまった。私の場合のマジックとは、「今度こそはおもしろいに違いない」と期待させて、やっぱり裏切られちゃう、というものですが。明らかにお話が破綻してるなぁと思うのは、もし、大量自殺の原因が植物なのだと判明したら、世界中で植物を焼き払うなり大混乱が起きるだろうし、いつまた植物の反乱が起きるか分からないとしたら、人々はパニックに陥ってそれこそ戦争すら引き起こしかねないでしょう。あれだけの人が(植物に)殺されているのに、ラストは「そうか。自然の突然変異だったんだ。収まって良かったね」で終わり。そりゃ普通の感覚からしてあり得んだろう。突然現れて、突然死んでしまうあの怖いおばあさんのストーリー上の必然性もよく分からないし、「つまらない」というのを超えて「脚本が破綻してる」と思うんですけど、どうですかね。 [映画館(字幕)] 3点(2008-08-09 07:59:21) |
2. トランスフォーマー
《ネタバレ》 まず最初に。最近流行の「おまけ映像」ありませんから。終わり方見てると、いかにも続編ありそうで、ラストにおまけ映像ありそうだったので、エンドロールが終わるまでずーっと座ってて、「な~んだ、ないのか」って席を立った人、私含めて数人いました。まあ、映像は凄いんですけどね。ストーリーがちょっと変で突っ込みどころ満載なのも他のレビュワーの皆さんのご指摘通り。ただ、私は「犠牲なくして勝利なし」(だっけ?)ってスローガンみたいに繰り返される台詞が気になりました。海兵隊がやたらかっこいいですしね。息も絶え絶えのブッシュさんへの応援メッセージなのか? なんてのは考えすぎか。子供が見る映画なのに。ミリタリー系が好きな方は別の意味で楽しめるかも。AC130ガンシップって凄まじい破壊力でした。F22も最近、よく映画に出るようになってきた。 [映画館(字幕)] 6点(2007-08-10 23:59:38) |
3. バベル
期待していたほどおもしろくない、という意見が多数派のようで、私もそれに一票。ところで、私はこの作品を見て、役所広司が日本を代表する役者に祭り上げられていくのにいよいよ違和感を感じるようになった。あの中途半端な長髪、何かこだわりがある…んでしょうかねえ。髪型のせいだけではないんでしょうが、何の役を演じても同じ人に見える。演技派のようでいて、役の幅がすごく狭い役者のように思えてきた。このままでは第2の田村正和になるんじゃあないかと。それはそれでいいのかもしれませんが。 [映画館(字幕)] 5点(2007-05-02 03:05:12) |
4. レディ・イン・ザ・ウォーター
《ネタバレ》 この作品、評価したい人の気持ちは分かる。分かるし、自分でも惜しい所を突かれた感じがしたんだけど、やっぱ結論としては『迷作』としか言いようがない。ポール・ジアマッティーが心の奥の方へ仕舞い込んだ家族への思いを口にして「救われる」場面はなかなか良かった。でも、心に傷を負った人間の再生の物語にしては、ハズシっぱなしのシャマラン流のギャグとか、どこで感動するんだかどこで笑うんだか、自分の中でギクシャクしっぱなしだった。監督が自ら準主役を務めるわ、ストーリーとは関係ないシニカルな役と台詞はわざわざ入れてるわ、何だろうなあこれ。突然、「ドン!」って大きな音がしたり、何かが視界に飛び込んできて驚かせる「シャマラン流」はしっかりそのまんまでしたが。 [映画館(字幕)] 4点(2006-10-15 03:19:22) |
5. カーズ
《ネタバレ》 自分の車でドライブして、「さ、帰るか」なんてうっかり車に話しかけたりしてる私としては、結構ツボにはまる部分がありました。イタリア人(車?)が靴屋で、F1好きってのもイメージのまんまなんだけど何だかナイス。スターレーサー(車?)のグルーピーの「ミア姉妹」って、マツダロードスター(ミアータ)ですよね。F1の帝王、シューマッハ(声は本人らしい)がフェラーリになって出てきたのも笑った。それでいて、ところどころでホロリとさせる部分もあり。アメリカ人にとって、歌になってるぐらいだから、ルート66って特別なものなんですよね。夢を追ったり挫折を繰り返しながら、みんなその道を通ってアメリカ大陸を行き来して、人生を歩んできたんでしょうね。日本でも地図から消えていく街がこれからいくつも出そう。人生も旅行もたまには回り道しないとね、と思わせてくれた。それと、エンドロール、最後の最後まで見た方がいいですよ。ちょこっと笑えます。 [映画館(字幕)] 6点(2006-07-05 10:56:35) |
6. 迷い婚 -全ての迷える女性たちへ-
《ネタバレ》 ジェニファー・アニストンってたぶん清純派(?)の役が似合うはずなのに、そのイメージを変えたいのか何なのか、見た目と合わない何だかヘンな役どころが多い気がする。この映画も祖母と母親の両方と関係を持ったプレイボーイによろめいてしまうマリッジブルーの女性というちょっと際どい役どころ。ロブ・ライナーの割には最初の方はとっちらかったあらすじだなあ、と思っていたけど、後半でかなり持ち直した感じ。脇役だけどお父さんが良かった。シャーリー・マクレーンのおかしさは言わずもがな。コスナーは「今どきこんなベタな役どころはないだろ」みたいな男。しかし、昔の恋人の娘と関係持ちますかね。普通。ジェニファー・アニストンさんにはちゃんとその容姿に見合った、知的で聡明な女性の役をやってほしいなあ…。ロマンチックコメディで活躍できる女優としての旬の間に…。 [映画館(字幕)] 6点(2006-05-28 20:52:36) |
7. ダ・ヴィンチ・コード
《ネタバレ》 う~ん……。原作読んでないんですけど…。結構こぢんまりした話なんですね。予告編でモナ・リザのアップが何度も出るから「あの名画にどんな暗号が!」と思っていたけど、あまり関係ないんですね。で、不謹慎かもしれませんけど……「イエスの末裔が生きていた」「イエスキリストが人だと証明されると信者が解放される」?? 日本では約60年前に神様が「人」になったし、その神様は2600年ぐらい前から男系でずっと末裔が生きてるんですけど…。たまにテレビ出てるし…。別に日本人は崩壊も解放もされなかったような…解放したのはマッカーサーで…。もとい、映画に戻ると? キリスト? たかだか2000年ちょっとだろ? あかん、宗教観のない典型的日本人の私には難しい映画でした。 [映画館(字幕)] 6点(2006-05-21 22:40:17) |
8. ナイト・ウォッチ(2004)
《ネタバレ》 ちょっと事前にネットの情報などで期待値が上がりすぎました。SFXなどは思ったより地味。ストーリーのつながりが今ひとつ分からん部分もあり。しかし、しか~し! ハリウッドの見慣れたアクション、CG、「たぶんこうなるな」みたいな安直な展開とちょっと違う、微妙な心地よい違和感。何とも言えない湿り気の気持ちよさというか。3部作だそうなんで、これからどんどんスケールアップしていくのかな。昔、テレビで見て凄いインパクトがあった、教会に閉じこめられた若い牧師が魔法陣を描いて美女の悪魔?や魑魅魍魎の妖怪と闘うオカルト映画?(題名が思い出せない…)を思い出した。 [映画館(字幕)] 7点(2006-04-16 00:25:49) |
9. ウォーク・ザ・ライン/君につづく道
《ネタバレ》 人生を失敗しかけた奴にしか歌えない歌で人生に失敗した奴ら(囚人)がノリノリで合唱する場面はちょっとホロリ。音楽映画の良さって、「音楽が人に与える不思議な力」が描けてるかどうかがカギだと思う。奔放なようでいて、音楽以外はどこまでも自堕落で駄目な男キャッシュを支え続けるウィザースプーンの母性あふれる姿に少し癒される。最後はずっとうまく行かなかったお父さんとの仲直り。垂れ下がった糸でなかなか声が届かない糸電話は息子との関係を表しているのかな。ぶっきらぼうに糸電話で孫と話し続けるお父さんの姿が何だか優しい。悪役ターミネーターも渋いいい脇役になったなあ、などと思いました。 [映画館(字幕)] 8点(2006-04-16 00:15:11)(笑:1票) (良:2票) |
10. ブロークバック・マウンテン
脚本に何のひねりもなくてもいい映画は撮れる、ってことですね。映画は差別と暴力にあふれ、多くの人びとが貧しい一昔前のアメリカ南部で出会ったゲイのカップルを淡々と描写するだけ。もしもこれが不倫の男女カップルだったら、映画になりようもないどこにでもある話。だけど、その一種キワモノ的なテーマで普遍的な「一組の出会い」を淡々と描くことで「人を愛するとはどういうことなのか」と考えずにいられない。言ってしまえば、最初に禁じ手というか反則を使っているようなもの。それが映画の価値を落とすものではないと思うけど、大衆芸術たる映画の手法としては万人受けするものではなくなる結果を招いたのでは…。アメリカではヒットしたそうですけど、ここ、日本ではアカデミー取ったのに客席はがらがら。テレビ放映も難しそうな気がするなあ…。そんな風に考える自分も偏見にとらわれているのだろうか。 [映画館(字幕)] 8点(2006-04-09 22:46:37) |
11. アイス・プリンセス
トリノ五輪開催中はずーっと貸し出し中だったので気になっていた。ディズニーだからどうせ漫画チックな適当な脚本だろうと思っていたら、親の子離れ、子の親離れがうまくテーマにはまっている意外にまともな映画だった。ジョーン・キューザックのシリアス演技と顔のシワ丸見せで熱演するキム・キャトラルの演技派女優2人がうまく締めてる感じがした。主役のミシェル・トラクテンバーグはいわゆる「美人顔」でなくて、メグ・ライアン系のファニーフェイス。今後のロマコメでの活躍に期待。しっかし、アメリカ人てスケート好きなんですな。こりゃ層が厚いわけだ、と納得。日本の政治家の偉いさんも荒川さんの金メダルをお祝いするついでに国内のお寒い青少年スポーツの状況を何とかした方がいいのではないかなあ。 [DVD(字幕)] 6点(2006-04-09 14:14:21) |
12. イーオン・フラックス(2005)
やっぱり皆さん点数低いですね。アメリカでも大コケしたんですよね。冒頭にロゴも出ていたし、監督さん、やっぱりMTV出身なのかなあ。「絵面」はハッ!とするような斬新さがあるような気はするんですよ。でも、それが物語感というか、主人公たちの世界観とかに立ち入っていけてないから、何だかアニメの絵が切り替わるような「薄っぺらさ」を感じてしまう。武器とかいろんな小道具はなかなかユニークでおもしろく、とにかく抜群のプロポーションを生かしたセロンの立ち姿とか蜘蛛歩き(何だかエロい!)とか、「動き」や「構図」はめっちゃ格好いいんですよね。だから残念。ただ、格闘シーンのガールアクションとしてはマトリックスのトリニティやX-MENのミスティークの方がかっこよかったかも。あと、セロンの動きとか背景とかに「攻殻機動隊」の影響を感じた。彼女ならそのまんまで草薙少佐の役をやれそう。 [映画館(字幕)] 4点(2006-03-13 00:46:54) |
13. 力道山
《ネタバレ》 主役の韓国人俳優の鬼神の演技、30キロ増の肉体改造、迫真の試合シーン(吹き替えなし)に脱帽。惜しいのは、やはり在日朝鮮人にしては日本語のイントネーションが変だったことぐらいか。シャープ兄弟との死闘の場面には胸が詰まった。自分を差別した日本人のために憎いアメリカ人と闘っている。もしかしたら、その時、力道山本人の頭の中には金儲けのことしかなかったかもしれない。だけど、どこにも帰る場所のない孤独な男が、自分を蔑み、差別した人々の歓声を背に鬼の形相で空手チョップを振るう痛々しい姿に涙が出た。日本がまだ貧しく、世界に向かってまだ背中を丸めていた時代、確かに力道山は勇気をくれたのだろう。私はぎりぎり大木金太郎を子供の頃にテレビで見た世代だけど、隣の席やその隣の席、または後ろの席の60-70歳ぐらいの男性は涙をぬぐおうともせずにスクリーンに見入っていた。かつて応援した同郷のヒーローに思いを重ねたのかもしれないし、遠い国から来た子供の頃のヒーローを懐かしがったのかもしれない。 [映画館(字幕)] 9点(2006-03-12 02:04:23)(良:2票) |
14. ホテル・ルワンダ
確かに猛烈に重い…。昔見たオリバー・ストーンの「サルバドル」を思い出した。低予算らしいけど、ニック・ノルティ、ホアキン・フェニックスやジャン・レノら主役以外にもいい俳優が結構出ていて、安っぽさもない。劇中、報道カメラマン役のホアキンが女性2人に聞く。「あなたは何族?」確かにそうだ。私の目から見てもどっちが何族だか分からない。あんな不毛そうなアフリカの土地を何十年にもわたって100万人だかも殺し合いながら奪い合う意味がさっぱり分からない。だが、海外に行くと、私も「中国人か?」とか「韓国人か?」とか、あるいは「日本人か?」と聞かれる。欧米人には区別など無理だろう。そりゃそうだ。でも、私たちも何百年もいがみ合っている。つくづく人とは複雑な生き物だ。イラクじゃ私たちから見たら同じにしか見えない顔をした人々が今現在、宗教ではなく「宗派」の違いでリアルタイムで殺し合いを演じている。何だか救いようのない気分になる。この映画、日本で公開されるまでに署名活動なんかがあったそうで。映画見た後でネットで知った。郊外のミニシアターは満席に次ぐ満席。久しぶりに「映画を見た」という満足感を感じた。映画を見せてくれた人に感謝。この映画を見たいと思った人が大勢いることに少しほっとした気持ちになった。 [映画館(字幕)] 8点(2006-02-28 21:37:22)(良:1票) |
15. ナイト・オブ・ザ・スカイ
ダッソー社のプロモーションビデオみたいだ。戦闘機好きなら見て損はないでしょう。いろいろ突っ込みたいところはあるし、あらすじも最後の方がごちゃごちゃしてこなれていないけど、さすが実写は違う、と「ステルス」あたりのCG空中戦シーンと比べると感じる。金属の塊がジェットエンジンの推力である一定の慣性を持って空気の中を移動する(つまりそれを飛行というのだろうが)、という実感は素人目にも違いがすぐ分かる。CGはやっぱり「絵」がひらひらと飛んでいるようだけに見える。だけど…映画としてはただそれだけかもしれない。もっとも、原作は漫画らしいので、そう思えば気軽に楽しめるかもしれない。まあ、いくら迫力があると言ってもちょっと飛行シーンが冗長だったかな。 [映画館(字幕)] 6点(2006-02-19 21:04:26) |
16. ヒトラー 最期の12日間
《ネタバレ》 室内劇のような作りを想像していたら、激しい戦闘シーンもそれなりにあり、ちゃんとした「戦争映画」でもあった。劇中、見ている者はヒトラーの周囲の人物に「何故そんなヒステリックな小男に死ぬまでついていくのだ?」「何故新しいドイツを夢見ないのだ?」と何度も疑問を投げかけるだろう。親衛隊の若者からゲッベルスら政府参謀までが、明らかに精神に変調を来たしているヒトラーに盲目的につき従っていく。考えてみると、独裁者は生まれ持って独裁者になるのではない。独裁者は人々が創り上げるものなんですね。ヒトラーの素顔は秘書の女性にさえ細やかな心遣いを見せる柔和な中年男。一方で、そのどこにでもいる中年男が何百万人の人間を虐殺し、民族浄化を本気で実行させる。悪魔のような独裁者は私やあなたの隣にもいるかもしれないし、それを創り出す私たちの中にも存在すると実感できた。ヒトラーは人々を映す大きな鏡だったのかもしれない。ラストのユンゲのインタビューのように、「目を見開いていなければ」それに気が付かない。そしていつかはゲッベルス婦人のようにわが子を自分の手で殺していくような愚を犯すことになる。あの死人のような無表情の悲しさ。胸が締め付けられるように辛く、そして恐ろしかった。イスラエルはヒトラーを美化していると反発したようですが、第3者として見ると、人間の愚かな性質や戦争の馬鹿らしさをこれほどに描ききっている戦争映画は少ないと思う。 [DVD(字幕)] 9点(2006-02-04 21:17:33)(良:3票) |
17. スパングリッシュ 太陽の国から来たママのこと
涙がだだ~っと出る感動作らしいと聞いていたんだけど、ちょっと違っていた感じです。映画の中の裕福な白人夫婦(アダム・サンドラーとティア・レオーニ)はヒスパニック系の使用人にも人として平等に接しようとし、子供の教育問題にまで手を差し伸べようとする。しかし、それは実は裕福であるがゆえに満たされない自分の中の何かを埋めようする妻の偽善であったり、不仲の妻との間で愛情に飢えた夫の下心の裏返しであったりする。善良で進歩的な白人夫婦と高潔な(そして美人の)ヒスパニック系シングルママの心温まる交流が描かれ、口当たりの良いホームドラマのようでいて、そうしたアメリカの裕福な白人の偽善性や豊かさの中で満たされない飢餓感のようなものも毒味として盛り込まれている。アメリカでは結構ヒットしたそうですけど、「そうだよ。俺たちは貧しいけれど心まで貧しいわけじゃない」というメッセージにたぶん「下流社会」の少なからぬ人々が共感したのかな。 [映画館(字幕)] 6点(2006-01-26 17:59:26) |
18. 男たちの大和 YAMATO
《ネタバレ》 以前に見た戦争系邦画のような政治的メッセージの濃い作品を予想していたが、そういう色を感じさせず、万人に受け入れられるという点で成功している。何人かの方が挙げている「プライベート・ライアン」のような作品だ。ある人は戦争で果敢に国のために散った人々に思いをはせればいいし、子供のような少年たちが一瞬で肉片になってしまう戦争の無惨さに目を向けるのもいい。主人公と思われる反町隆史と中村獅童が下士官で、しかも炊事兵と機関砲手という地味な役回りなのもいい。反町隆史が脱出しながらも仲間を助けるために海にとって返す場面や、言葉だけで死の覚悟を語る少年兵を前に悲しそうに視線をそらす演技も良かった。最後のシーンで、国を守るということにおいて、命を捨てた者も、生き残って真面目に働いて世の中に尽くした者も、その価値は等価なのだ、と思わせてくれる。戦闘シーンは最近の邦画では出色の出来ではないだろうか。主人公が撃たれて息も絶え絶えになりながら最期の台詞をかっこよく言ってから死ぬ場面はない。撃たれれば、一瞬のうちに人は肉塊になる。それを踏み越え、歯を食いしばって生き残ってきたことも立派に国に尽くしたことなのだ、と仲代達矢の顔が語る。映画館は高齢者から若者で満員。英霊がいるという神社に年1回参拝する今の首相は、地道に働いて国を支えてきた中高年サラリーマンや高齢者を医療費負担や増税で締め上げていますけど、戦後の日本を支えてきたのは何もあの世の人だけじゃない。父親はとっくに年金暮らしだけど、少し労りたい気分になった。 [映画館(字幕)] 7点(2006-01-02 23:17:40) |
19. ハリー・ポッターと炎のゴブレット
《ネタバレ》 原作読んでいないからなんでしょうが、ストーリーがブツ切れで、だらだら長い割には印象に残らない作品でした。今回の話は要約すれば、闇の帝王(だっけ?)を復活させる儀式に必要なハリー本人をおびき出すためにあの大会を利用したということなんですかね。何だかえらい回りくどいなと。それに、そんな危機から脱出する場面もえらいあっさりしてるし。派手なCGやら特撮で見ているその場その場は退屈はしないんでしょうが、原作を読んでいない普通の映画ファンにはごちゃごちゃした細かい話の羅列に感じてしまう。前作もそうだったけど、毎回大ヒットするのは「ず~っと続きで見てきてるし、何となく惰性で見に行ってしまう」人も多いからなんじゃないかなあと思ってしまいました。それと、敵やらキャラクターがどんどんインフレ化して、少年ジャンプの世界に陥りつつありますね。 [映画館(字幕)] 5点(2005-12-30 12:19:09)(良:1票) |
20. ディック&ジェーン 復讐は最高!
《ネタバレ》 う~ん…。「ブルース・オールマイティー」でも感じたんですけど、ジム・キャリーの大げさな演技がどうしても鼻につく。なんつうか、「過剰」というか、「画面がやかましい」というか。こりゃもう趣味の問題でしょうね。たまたまお客さんが少なかったせいでしょうが、私が見た劇場ではクスリとも笑い声がしませんでした…。一方、ティア・レオーニって「天使のくれた時間」でもそうだったけど、健気で陽気だけどちょっと抜けてるかわいい奥さんの役がぴったり。実際に美人女優だけど、性格美人って役どころでハリウッドのポジションを得ているのかな。化粧品のモニターやって、顔を腫らしながら寝ている顔を見て、ジム・キャリーが「今でもきれいだよ」というシーンは少し良かった。もうちょっとギャグが控えめだったら、良い脚本だし、ハートウォーミングで良質なコメディになったような気もするんですけど…。 [映画館(字幕)] 5点(2005-12-26 00:41:51) |