1. 虹をつかむ男(1996)
《ネタバレ》 満男がまた家出をするのか。就職していたはずなのにクビにでもなったのかな。口うるさい博とケンカをしてさくらが止めるのも聞かずに旅に出る。何回見たことか、相変わらず学習しない奴らだ。でも、なぜか妹が居る。そこは深く追求しない。行き先もワンパターンの南国の四国。そこで夢ばかり追いかける甘ちゃんな割にはガサツでイモっぽい男と、今回のマドンナで蛍子ちゃん似の美人と出会う。この八重子ちゃんは幸せ薄い女だ。病気の舅の看病がやっと終わったと思った途端に旦那に死に別れ、実家に戻ったものの、早く嫁に行けと兄が口うるさく攻め立てる。やがて、一人味方だった父が亡くなる。ここで八重子ちゃんを密かに愛するガサツなイモ男の活男に運が巡ってくるか、と思いきやさにあらず。見事に振られる。しかも、唐突に登場した何の取り柄もないダサいサラリーマンに、サッと持って行かれる。そんな活男がどうなろうが知ったこっちゃないと、満男は無事実家に戻り美味しいすき焼きを突っつくのであった。めでたしめでたし。あ、何だこれは夢か。ふあー、夢だったのか。今回はやたらと長い夢だったなぁ。さてと、バスはまだ来ないかな。 [DVD(邦画)] 8点(2018-08-12 10:48:50) |
2. ゲーム(1997)
《ネタバレ》 どなたかのレビューで、この監督の本領は「セブン」や「ゲーム」で発揮されているとされていたので、早速、鑑賞することに。冒頭の家族を撮影したフィルムの不気味さでその後の展開が暗示される。セブンにも劣らない壮絶な話が予想される。弟の勧めでゲームに引きずり込まれる主人公。案の定、なぞのゲームで生命の危機が続くことになる。一難さってまた一難。さすが、フィンチャー、芸が細かい。だが、私は途中から不思議な感覚を体験をする。たぶん、ここであの男が出てくるとか、こいつはゲームの仕掛け人かも、といった予感が的中してしまうのだ。まるでデジャブのようだ。物語が終盤に近づくにつれ、その予感は益々当たっていく。どうしたんだろう?ついに、屋上に上り、最大のクライマックスの時に、謎が解けた。あれー、これ観たことある。気づくの遅せーよ、自分。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-10 22:14:19) |
3. 菊次郎の夏
《ネタバレ》 確かに「バカヤロー」がやたら多い。口癖でもあり、照れ隠し的に使われるので、まねしたくなる衝動を抑えられなくなるじゃないか、バカヤロー。すみません、ついつられて。たけし監督の映画は、日本映画にありがちなしっとり感が無く、外国映画の乾いた感覚がする。外国で好評なのは、日本的なところが評価されているからなのではなく、彼らの感覚に近いからなのかもしれない。この作品でも正男役の少年は演技らしい演技をしないように見える。が、そこが監督の演出のねらいであるふしを感じる。日本的な親子関係の絆や感情の表現を避け、軍団のバカなギャグまで使い、淡々とした雰囲気の中に誰もが目にしている日常の風景のロードムービーにしてしまっている。だからこそ、最後の菊次郎と正男の心のふれあいには、無理の無い満たされた暖かさを感じてしまう。いかん、思い出したら、つい涙が出てきたじゃないか、バカヤロー。 [DVD(邦画)] 8点(2012-04-17 22:05:12)(良:2票) |
4. 耳をすませば(1995)
50過ぎのオヤジが日本酒のみながら見るような映画じゃないのは十分に認識していたんだが、なにせ、あんた「セージ君」「セージ君」と言われるたびに胸がドキドキしたりして、つい。 [地上波(邦画)] 7点(2008-02-23 10:52:17) |
5. グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
人生における教訓がかなりちりばめられているけど、押し付けがましくない分、上質な印象を与えてくれる。特に、いま日本で問題となってる「いじめ」に対する答えがストレートに表現されているのには驚いてしまった。ロビン・ウィリアムスが主人公マット・デイモンに対して何度も繰り返す「君は悪くない」という肯定の言葉こそが、答えそのもののような気がする。いじめられている生徒が、いじめる生徒、先生、そして両親からも自らの存在を否定するような言葉や態度しか示されていないことが問題なのではないのか。誰でもいいから、この先生のように力強く自分の人格を肯定してくれる人がいるなら、きっと立ち直っていけるはずだ。そこの新米の先生も心して励め! [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-01-16 00:21:18) |
6. ザ・ハリケーン(1999)
《ネタバレ》 けっこう良い話だ、というか辛い話でもある。ボブ・ディランの歌は確かに聴いたことがあるし、無実のボクサーを救えというメッセージに共感を覚えた記憶はある。ただ、作品を観る限りでは、スーパースターのセンセーショナルな歌とはいえ、地道な事実の積み重ねと粘り強い活動にはかなわないんだな。主人公の閉ざされた心が、カナダ人たちにより少しづつ開かれていく課程は良く表現されていたが、やはり、なぜ彼らがそこまでするのかが今ひとつ伝わらなかった。ロッド・スタイガーの迫力にはさすがの悪刑事も平伏すしかないな。あのでかい顔と体が、さしずめ葵の紋所になったみたいだ。 [DVD(字幕)] 8点(2006-04-30 22:49:33) |
7. シザーハンズ
ティム・バートン監督の代表作です。毒とメルヘンと愛が織り交ぜられて、独特の世界が展開されていきます。突拍子もない設定も、何でってしつこく追究しなければ、違和感なく入り込めます。人間社会の縮図を描き、純粋な心の美しさみたいな部分なんかは良く表現されてますね。クリスマスの時期にはいいんだろうな。切なくて、でも、暖かい気分にさせられます。 [DVD(字幕)] 8点(2006-04-01 07:06:07) |
8. フォレスト・ガンプ/一期一会
一種のおとぎ話といえばそれまでなんだが、なかなか製作者はこだわりまくっている。アメリカの現代史を通じて描かれるのは、第1に、正直者がばかを見てはいけないという良心的な訴えのようだ。自己顕示欲や富と名声へのこだわりだけでは、決して成功はしない。無欲と相手へのいたわりが大事であり、それが成功の秘訣にもなる。しかし、だからといって本人が幸せかというと、そこはどうかなと疑問も示している。第2に、人生とは筋書きのないドラマのようなものというもの。自分の意思とは関係なく色んなものに影響や制約を受けるし、それを予想はできない。人との出会いと別れも同じだ。結局、人間とは偶然と社会に翻弄されるものだと、風にまう羽が示している。誰にでも思い当たる節はあるはずだ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-03-07 23:32:12)(良:1票) |
9. ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク
恐竜の容姿や動きは、本物見た人がいないから、誰もこれが正しいものだといえないんですけど、たぶん前作やこの作品のものが正統派恐竜になっていくんだろうな。夜の場面が多いってことは、Tレっクスが夜行性だからなのか。恐竜好きにはたまらない一作だが、映画としては前作に及ばない。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-04 14:38:27) |
10. 海の上のピアニスト
ピアノは楽器の中でも特別な存在だ。習い事をするならピアノだし、音楽家でまず思い浮かぶのはピアニスト。我が家でもご多分に漏れず同じ事をやっている。ミステリアスな物語進行と美しい映像に音楽が加わり、引き込まれていったが、この展開で万人が納得する結末は難しいだろう。ジュゼッペ・トルナトーレはかなり悩んだに違いない。そして彼は5年間練りに練り、一つの素晴らしい結末を考え出した。映画の公開から5年も経過しているので、映像ではなく実演してもらおうと考えたのだろう。彼は演技者を指導し、実際に結末を演じてもらったのだ。そう、それが英国の海岸で発見された謎のピアノマンだったのだ。(たぶん違う。) [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-25 18:30:17)(笑:3票) |
11. ペイバック
「いくら欲しいんだ?」「お、俺の7万ドル。」「それだけか?いくらでもいいぞ。」「な、7万ドル。」「わかった。じゃあ、10万払うから命だけは助けてくれ。10万でいいか?」「な、7万ドル。」「・・・あそう。じゃあ、渡すから数えろよ。1万、2万、3万、4万、今、いくらだ?」「・・・な・・4万ドル。あぶねえ。」みたいな感じ。 [地上波(吹替)] 7点(2005-10-31 18:15:59) |
12. レ・ミゼラブル(1998)
《ネタバレ》 ジャベールは執拗にバルジャンを追跡するが、個人的な感情に偏った異常さはあるものの、法による正義を実現するためでもある。一方のバルジャンは罪を犯し、仮釈放の身で逃亡するが、改心して人々に尽くし、誰からも信頼され、その信頼に応え正義を実現していく。観る者は、何とか逃亡が成功してほしいと思うが、けして、法の裁きがどうでもいいという訳でもない。本来の正義はどちらにあるのだろうか。理屈や法律を追究すれば、人間味のない、恐ろしい社会になってしまいそうだが、感情や人情に流される社会は、これまた、秩序のない、権利や義務がごまかされる社会になってしまう。最後に自由を得た主人公の安堵の表情がまぶしく映る。ジャベールがこだわった正義が無常にも敗北した瞬間だ。いつの世も、正義が勝つとは限らないが、勝ち残った者が正義になっていく。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-10-23 01:07:10) |
13. スピード(1994)
息をつかせぬハラハラ感がすごい。次から次へと難題また難題。壊した車は何台?(沈黙)犯人のすさまじい執念と才能を竜巻追跡研究に向けてればハリケーン被害も防げたかも。世の中上手くいかない。 [地上波(吹替)] 8点(2005-10-15 13:44:53) |
14. メッセージ・イン・ア・ボトル
妻の死を超えられず、無気力に意味もなく生きている息子を何とか立ち直させようとする父親。愛により傷ついた者は愛によって癒されるとばかりに、励まし、尻をたたき、時には優しく見守る。息子の事を思っての行動なんだが、多少は自分のためでもあるんだろうな。親子の関係は切っても切れないから、子の幸せは親の喜びともなる。そう考えると、これから父親はどう生きていくのだろう。老い先短いとはいえ、息子に先立たれた父親はあまりに悲劇だ。ポール・ニューマンの円熟した演技が堪能できる名作。映像もきれいだ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-10-15 11:21:07) |
15. 初恋のきた道
邦題は良いセンスしています。回想がカラーで現実が白黒というのも成功しています。中国北部の寒村の設定でも、貧困や悲壮感を感じさせず、純粋な恋愛と人々の心の豊かさを強調しているのが成功の要因でしょうね。文革のエピソードもサラリと触れる程度にして、その代わり豊な自然はまぶしいくらいに美しく撮っている。学校を建てている時の昼食時、テーブルに並べられた食事を男達が取っていくシーンの撮り方なんかもいいですねえ。懐かしさを感じるのは、昔の日本にも通じるところがあるからだろうなあ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-10-10 16:30:18) |
16. スネーク・アイズ(1998)
冒頭の長回しはすごい。話が核心に迫るところの、カメラの揺れと気を持たせるじらし、そして部屋の壁を移動する空間の使いかたは、デ・パルマ節満載。ゲイリー・シニーズが出てきたところで、悪役決定と思わせるリスクをあえて犯すか。最後の何でそうなるか解らないままのアッサリ感も若干不満。まあ、ニコラスの演技が補っているので、けっこう完成度は高い感じがする。って、思ったら、評価低い。そう言われると有り得ない話かなあ。あの女一人で会社の不正を暴き、しかも、直接国防長官にメールって、どうかなあ。で、どっちなんだよ。やっぱり良かった。 [地上波(吹替)] 8点(2005-10-01 00:22:52) |
17. トゥルー・クライム(1999)
社会派サスペンスという感じだけど、どっちかと言うと、世間からつまはじきされてる個性的新聞記者の正義への執着物語です。こういう役柄は、ポール・ニューマンのような役者がピッタリなんだけどな。イーストウッドは歳の割りには肉体派のイメージで、いつ、上司をぶん殴るのか、という期待を抱かせます。家庭からも会社からも見放されているのに、悲壮感を感じさせない。泣き言も現実味がない。でも、全体的に雰囲気は伝わってきたし、終わり方は、イーストウッドの美学が感じられて良かった。 [DVD(字幕)] 8点(2005-06-19 12:56:32)(良:1票) |
18. ボーン・コレクター
え?酷評が多い。そんなに悪いかなあ。動けない警察の教官に手足となり活躍する美女。あのレクターとクラリスを彷彿させる設定。生い立ちが不幸なことなんかも似てるし。次々と起こる殺人に、犯人の不気味な挑戦は、名作「セブン」をもキチンと研究している。間抜けな上司が雰囲気を壊していたのは気になるが、それでも、緊張感も感じられて、けっこう良かったよ、犯人が判るまでは。 [地上波(吹替)] 7点(2005-05-16 23:01:33) |
19. サイダーハウス・ルール
自分の境遇や運命を受け入れるか、それを打破するべく挑戦するか。時として悩むことなのだが、男と女の違いと、自分が生まれるまでの状況は、どうしようもないルールなんだろうな。人生がスタートして、その後は自分の意思で切り開いていくしかないんだが、社会におけるルールを無視することもできない。うそは使いようによっては役に立つし、いつかは打ち明けるべきものというものでもない。孤児院の子供達の姿に感動した。 8点(2005-03-12 17:34:17)(良:1票) |
20. クライング・ゲーム
裏切られた印象だけど、心地よい感じは受けた。政治的な主義主張もそうだが、人間的な好みも変えられない。自分が生きていく上で、何に基準を置くかだよね。それにまっしぐらではないけど、何が大切かを考えたら、とりあえず優先順位が一番のものはある。いいと思うよ、色んな人生があって。 7点(2005-02-04 22:19:40) |