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1.  スパイダーマン2
決して嫌いじゃなかった前作に比べてもつまんなかった。一つ一つの場面があまりにも紋切り型で。悩めるヒーロー像とかもういいよ。だからなんなの?評価上げるべき論点か?・・・と蒸し暑くなってきた季節にイライラしちゃいました。
6点(2004-07-06 20:28:47)
2.  21グラム
見応えのある作品でした。時間軸の操作によって全てのシーンに集中力を強いられる。これがあれと繋がってってパズル的な面白さよりも、最初から塊をドカンとぶつけられて徐々に体内に染み込んでいくような快感。一歩間違えると嫌味な構成になっちゃうところだと思いますけど。あと神様を引き合いに出すところなんかも下手な人が撮るとドッチラケちゃうけど。この監督(まだ名前覚えられない)、『アモーレス・ペロス』でも凄いなぁとは思ってたけど天才だと思います。編集のリズムを感覚的にわかってる感じですよね。たまたまナオミ・ワッツ出てるから思い出したけどデヴィッド・リンチに近い。どうしたらそのシーンをここに持ってくるって発想が生まれるかわからないけど、完成してみるとそのシーンがそこになければいけないぐらいのリズムを作ってることに感心しちゃいます。ナオミ・ワッツが脱ぐ映画は傑作ってジンクスもできた(かな?)。
10点(2004-06-06 02:02:19)
3.  イン・ディス・ワールド
世界情勢を知るという意味では価値ある作品。ただしこの作品から心を揺さぶられるものがなかったのも正直なとこで、それは平和ボケの自分のせいかもしれないけど作品としての評価としては致し方ないと思います。パキスタン~ロンドンまでの道中よりも私と作品の距離の方が遠かった(?)。
6点(2004-05-30 00:44:04)
4.  月曜日に乾杯!
オタール・イオセリアーニ監督、初めて観ました。ヨーロッパでは出す作品がことごとく賞賛の嵐みたいですね。ストーリーは非常にシンプル。平凡な毎日から逃避してヴェニスに向かう中年男の話。それをことごとくセリフを排してまるでドキュメントのように情景を映すのみ。ただし映される映像が完璧なまでに配置されてるんですよ。長回しが多いんですけど。例えば朝起きて仕事に行くシーン。主人公が車に乗って出かけると同時刻に隣でも出かけるようにシンクロナイズされてて、それが後の伏線にもなってるし淡々と描きながらもリズム感あるし。なんて言ったらいいんだろう?徹底した構造美学を描くことによって逆に情感が湧いてくる・・・って言うか、デジタルの隙間のアナログ感覚・・・って言うか・・・・・うーん・・・説明できないや!!もう観てちょーだい。
9点(2004-05-23 04:20:55)(良:3票)
5.  レディ・キラーズ
「生涯の映画ベスト100」みたいな企画で『マダムと泥棒』が1位だったような気がします。私の母も『マダムと泥棒』が大好きで、私自身観たい観たいと思いつつまだ観てません。そんなわけでできたら『マダムと泥棒』を観てから『レディ・キラーズ』を観たかったとこなんですが、いかんせんコーエン兄弟ですからね。封切りと同時に観ちゃいましたよ。コーエン兄弟と言えばいまだ『バーバー』が素晴らしすぎて、ついついあれぐらいのレベルを期待しちゃうんですけど『ディボース・ショウ』はちょっと肩透かしだったしで今回はどうかなぁと思ってました。厳しく言えば『ディボース・ショウ』よりは面白かったって感じです。期待度が高すぎるってことなんでしょうけど。カラスが石造に止まるシーンから見下ろす(ゴミ山の)船とか猫がチョコチョコ出てくるとことか、いかにも昔の映画の粋な感じがそのまま使われていて、ちょっとクサいかなとも思ったけど未見の『マダムと泥棒』を想像するに人気の秘密もわかる気がしました。
8点(2004-05-23 04:07:33)
6.  ビッグ・フィッシュ 《ネタバレ》 
満点をつけようか迷いました。父親が語るファンタジーの世界も魅力的だけど、虚構と現実が結びつき始める中盤以降は文字通りリアリティーある描き方で一つ一つが素敵に輝き始める、そんな印象でした。サーカス小屋が出てきたからか或いはラストで出演者が揃って出てきたからか、どうしてもフェリーニを思い出します。特筆すべきはセリフの素晴らしさ。繰り出される言葉に心地よい陶酔感を覚え映像(名シーンのオン・パレード!!)が加味されることによって映画にしか描けないマジックを見せられたと感じました。蛇足ながらスティーブン・ブシェミが銀行で銃取り出した時は「ピンク!」と心の中で叫んじゃいましたよ。
9点(2004-05-17 00:29:54)
7.  ポロック 2人だけのアトリエ
抽象画家ジャクソン・ポロックをエド・ハリス初監督&主演で描いた映画。『めぐりあう時間たち』でも素晴らしかったエド・ハリスがここにきてようやく開花した感じがして嬉しい。描かれるのはジャクソン・ポロックなる画家の半生。美術方面に疎いのでポロックって名前知らなかったんですけど、映画に登場する作品を見て「あぁ、これか」と思いました。絵具をキャンバスに垂らす抽象的な絵で不思議と暖かさが伝わる絵です。エド・ハリス自身この作品のためにペインティングの訓練をしたみたいで、映画内で実際に描かれる絵も相当にいいんじゃないですか?天才芸術家につきものの不安定な精神ゆえの崩壊まで実直さが伝わる映画でした。
8点(2004-05-10 21:36:42)
8.  ロスト・イン・トランスレーション
ビル・マーレーなくしてはありえないぐらいビル・マーレーのキャラクターが重要度を占める映画。ということで相当な部分(つーか全部)ビル・マーレーに助けてもらった映画ではあるが、それも含んでこの映画の淡々とした描写と溜めに溜め込んでラストでホロっとさせる展開は見事だと思います。日本の描き方が・・・って視点で言えば悪くなかったと思いますよ。途中スカーレット・ヨハンソンが京都へ赴くシチュイションは蛇足だったとは思いますが。
9点(2004-05-09 00:48:13)
9.  コールド マウンテン 《ネタバレ》 
冒頭いきなりプライベート・ライアン状態か?と思わせるぐらいの戦闘シーン(とは言ってもグロくはないが)。そこから少し時間を遡ってのエイダとインマンの出会いのシーン・・・これがまたジョン・ブック状態であくびが出そうなぐらいのどかで・・・。そしてしばらくはエイダとインマンそれぞれのサヴァイヴァル生活を描くも「だからなんなの?」ってぐらいにただ時間は過ぎて行きルビーが登場するあたりから少しテンポが良くなってくる。そんな前半部分からして嵐の前の静けさなんだろうなぁとは予感してたけど肝心のエイダとインマンの一途な愛に感情移入できないまま、ただひたすら強引なまでに「会いたい」ストーリーを進行させていくのだからちょっと辛かった。予備知識無しだったのでナタリー・ポートマンが出てきたときはビックリしたし、作品の雰囲気からしてまさか最後にニコール・キッドマンのヌードが拝めるとは思わなかったので少しは甘く採点してあげよう。あ、勿論ニコール・キッドマンのヌードが拝めますよってとこが嬉しい意味での「ネタバレ有」です。
8点(2004-05-02 02:22:12)
10.  キル・ビル Vol.2
Vol.1もそうだったけど点数とかになると難しいですね。ちなみにVol.1は9点ぐらいの感想でした。じゃあVol.2の方が2点分つまらないのかと突っ込まれると返す言葉ないですけど。多分2点の差は初めに見たかどうかということかもしれません。昨年Vol.1を観たとき結構衝撃受けたんですよ。こんな映画観た事ないって。そして他に比較すべき映画がないから時間内どれだけ楽しめたかの尺度でもって9点なんですけど、Vol.2は既に『キル・ビル』の息遣いというものを知ってしまってたから衝撃度はなかったです。デビッド・キャラダインを筆頭にセリフの妙味という意味ではこちらの方が上だとは思いますが、もっともっと整理してスッキリ爽快で且つ斬新性も兼ね備えた映画をタランティーノは作れるはずと勝手に期待して次を待ちます。
7点(2004-04-25 01:36:18)
11.  くたばれ!ハリウッド(2002)
パラマウント社の映画プロデューサー、ロバート・エヴァンズの自伝。『ゴッドファーザー』とか『ある愛の詩』などの映画で主に70年代を代表する映画プロデューサー。予想通りの展開でハリウッド・バビロン好きには面白いかもしれないが、映画制作の背景には興味なく映画は作品のみで語る向きにはどうでもいい話かもしれない。これを観たからといって特別ロバート・エヴァンズのことが好きになったわけでもないが、精神病院から脱走する逸話での自身製作の映画(『マラソンマン』や『チャイナタウン』など)を手際よくコラージュさせるところは面白かった。
7点(2004-04-19 01:31:15)
12.  ディボース・ショウ
つまらなくはなかったけどコーエン兄弟の巧みなプロットが裏目に出た感じがしました。一筋縄ではいかないよってことばかり力が入っちゃっててドラマに対する熱情が冷めちゃったみたい。すぐに印象忘れそうな映画。
7点(2004-04-17 19:11:27)
13.  殺人の追憶
下記のお二方共鋭い意見で面白く読ませていただきました。この映画を観る前の韓国映画に対する期待、『JSA』『ペパーミント・キャンディ』『魚と寝る女』等ほぼ全ての映画にガツンとやられた身としてはどうしても相当な期待を寄せてしまっていました。点数はこの期待に対する反動も含むとします。つまりガツンとまではこなかったけど悪くはない映画だという印象です。となるとどうしても欠点を挙げざるを得ない書き方になってしまいますが、最初から犯人探しに翻弄される刑事たちのドラマになることはわかっていたのだからもう少しポイントを絞って欲しかった。ソン・ガンホのユーモラスな面は活かされているのか活かされていないのか曖昧だったような気もします。現場検証で足型を見つけては耕耘機に踏み消されたり滑って転ぶ場所を「そこにハチミツでも塗ってあるのか?」には笑いましたけど。笑いに重点を置くというのではなく、重苦しくなる空気を緩和させる役目として活かされていたのか活かされていなかったのか?私自身も実はよくわかりません。ただそういう部分が曖昧な感じはしました。猟奇的なシーンとユーモアが繋がっていないような・・・。
7点(2004-04-04 00:43:54)
14.  インファナル・アフェア
当然『フェイス/オフ』を思い出したりしますけど、この突飛なアイディアはいかにも香港って感じ。ヘタすればストーリー展開が難しくなって何がなんだかわかんなくなりそうな設定を、非常にわかりやすくしてあるところは凄いですよね。最初のタイトルが出るまでにパッパッパと二人の置かれた状況を見せて、「う~む・・・これだけで物語についていけるかなぁ」と不安だったんですけど、ストーリーの進行と同時に二人の立場を確認させてくれたり。そしてまたそれが説明的な野暮ったさとかじゃなくて「いちいち確認するかのように二人の立場を描く」ことによって哀感まで漂わせてたり。アンディ・ラウとトニー・レオンの妖気、タダモノじゃないですよね。私、男ですけど少しトキメキましたよ。
9点(2004-03-02 00:02:01)
15.  トーク・トゥ・ハー
前衛的な舞踏をはじめ隅々まで気品溢れる映画。一作ごとにペドロ・アルモドバルって味が出てきますね。一筋縄ではいかないって味わいが。この作品もどうやって良さを伝えようか迷ってるけど、結局はそういう気品さとかかなぁと思ってます。異形の愛の形ではあるけれど心に響くものがあるし、わざとキモいストーカーを描きながらも観ているうちに彼の心の襞まで伝わる仕組みになっているのはお見事。小道具として髪留めが出てくるよりも、刑務所に入ったペニグノの代わりにマルコが部屋を借りるシーンで亡き母の存在を思い出させてさりげなく揺さぶる手法とか。結構巧みだと思いますよ。それからカエターノ・ヴェローゾの客演も実は大きいと思います。乱痴気騒ぎがラテンの血と思ってたら大間違い。激しくも優雅さを備えたラテンの血。スペイン~ブラジル~アルゼンチン~キューバと監督が意図したもの。誇りを感じます。
9点(2004-02-29 05:21:37)
16.  NARC ナーク 《ネタバレ》 
レイ・リオッタが出演してるというだけで「なんかあるな?」と思わせるキャスティングが冴えてます。良い人なのか悪い人なのか疑わせるキャラとしてはこの人を置いて他にいない?弱冠ネタバレですけど、『不法侵入』のレイ・リオッタ警察官が『トレーニング・デイ』の麻薬捜査官の世界に足を踏み入れたらこんな感じかなっていう予想はついてました。今回は最後の最後でいつもの汚名挽回・・・ってのは言いすぎかな?だってこのままだと「脳ミソの人」で終わっちゃいそうな気もしたので・・・メデタシメデタシ?
8点(2004-02-15 01:04:18)
17.  みんなのうた
ちょっと点数的には甘いかもしれませんが、凄く気に入ったというか肌合いが良かった作品です。ドキュメンタリーかと思わせておいて「ヤラセ」の映画。モキュメンタリーと言うらしいです。カメラに向かって得々とインタビューに応える出演者たちのどこかトボケた風情が可笑しくってずっとクスクスしてました。モンティ・パイソンに感覚は近いかな。演出されたものとわかって楽しんでいたら、いつのまにかその「ヤラセ」演出に涙するシーンまであって諸手を挙げて降参です。この監督どっかで聞いたことあるな、どっかで観たことあるなと思って調べたら「ドッグ・ショウ」の監督だったんですね。しかも出演者のほとんどが同じだったなんて。
9点(2004-02-06 01:16:54)
18.  フル・フロンタル
ソダーバーグのうぬぼれ映画。中身ゼロのクセにもったいぶった撮り方が怒りすら感じさせる。これ読んでる人でソダーバーグに連絡取れる方がいらっしゃいましたら「金返せ」と伝えてください。
0点(2004-01-25 05:13:40)
19.  人生は、時々晴れ
暗いっちゃあ暗いけど、沸々と感動できる映画だと思います。原題のAll Or Nothingってのが観終わった後に気になったりして。「崩れかけた関係を取り戻すには愛が必要」っていうのがテーマだとは思うけど、妻は「肥満は大敵」と捉えたようで焦ってました。
8点(2004-01-18 02:35:39)
20.  ミスティック・リバー
ショーン・ペンということになるんだろうなぁ、やっぱ。でもね、この演技がイイとかスゴイってことが頭のどこかに引っかかってる限りは、娘さんが死んでも感動できないヒネクレた逆説も存在しちゃってる・・・のは私だけかな?「娘を殺されて半狂乱の」ショーン・ペンの演技を頭ン中で評価してる私が常にあったりして。と言いつつもそれなりには面白かったけど。
7点(2004-01-11 02:35:49)
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