1. アラジン(1992)
大学生の時にディズニーアニメに凝って一人で観に行った。まわりは女子中高生ばかりだった。ジーニーは、それまでのディズニーと比べてキャラ自体の意外性が大きく、単に愉快である以上に刺激的で、一つ一つの台詞に大受けした。そういうとき、50%の確率で周りの女の子たちはシーンとしていた。先日、ようやくDVDが届いたので家内と鑑賞したが、相変わらず抱腹絶倒のおもしろさだった。妻は普通に楽しんでいたが、やや置いて行かれていた。多くの場面で笑えた僕の方が、ハイレベルな人間なのだと思っている。そしてあの曲にあの歌声、この映画の音楽にも、いつもながらアメリカ文化の底力を感じざるをえない。たまたま良い曲があって、映画を作った訳じゃなくて、アニメを作っている途中で曲を考えたのだというあたりに。 9点(2004-10-14 20:16:19) |
2. プライベート・ライアン
スピルバーグらしくイライラしない作りの、映画を観ながら考えたことも含めて作品であるといったタイプの一本だった。あのビーチだけで2500人が死んだとはいえ、連合軍は敵地に踏み込んだわけで、優位に立っている。だからこそ兄弟を失った兵隊を呼び戻すといったことが現実にも行われたわけだが、現場の人間にしてみれば恐ろしいプランだろう。冒頭の激しいシーンは、そのことを実感させる。ライアン一人を救うために危険を冒す、理不尽な感じ。誰でも自分の目先の命が大事だ。だけど、そもそも目先の人命が一番大事ならば、はじめから戦争をやっていない気がする。つまり一番大事なのは何かということが流動的になってしまった状態が、戦争というものなのかなと思った。たとえばナチが原爆を完成させてしまったら、アメリカにいる家族だって危ない。そういった身近な感情が集まって、たとえば戦争全体を動かしていたはずで、それは結局、ライアンを助ける行動にもつながりうる。兵士たちの心の動きは自然で、おかしいとは思わなかった。それに、見終わって納得がいったり純粋に感動に包まれたりしないことも、物足りないとは思わず、むしろフェアーだと思った。 9点(2004-10-14 19:21:04)(良:1票) |
3. 北の国から '84夏<TVM>
《ネタバレ》 パソコン欲しかったなぁ。川で友達のパンツ脱がしたりするシーンも、自分も子供だったから緊迫感があったな。同じ理由で純のフラフラしたキャラにも、当時は感情移入できた。最後のラーメン屋の、母親がいなくてファーストフードを食っている「サイン」と同じ侘しさとか、店がしまいになって鬱陶しそうにしてる感じの悪い女店員とか、もう俺自身のトラウマになってる気がする。というかまぁ自分の母親が入院したときの記憶とかと一緒になってる。そして、ラーメンのびてるだろうに泣きながら純が告白する場面の、あのカタルシス!…大人になった今の自分がどう観るのか、こわくて再見できない作品。 10点(2004-10-08 12:31:35) |
4. スパイダーマン2
《ネタバレ》 刺激的でした。アメリカの雑誌に、「一日かかったシーンでも、エモーショナルでなければ捨てる」のが監督の方針と書いてあった。今回は十分にその意図が伝わってきました。ビルの間を飛ぶシーンは最初のほう、モロCGくさいんだけど、後半の肝心なところはちゃんと押さえていた。マスクを脱いでる場面では顔が見えて、それが生きているのがサブウェイのシーンでした。ホントに体を張って電車を止めるのがこのシーンのいいところで、まるでカッコ良くない苦悶の表情が監督の狙いだったと思います。一方マスクをかぶっていても、悲しみに沈んでいるスパイダーマンの顔を狙ったショットは、ちゃんと悲しく見えました。もっとも美しかったのは電車の乗客たちが、感謝を込めてスパイダーマンを運ぶシーン。"He's ...just a kid!"正直、泣けました(ここでも)。思えば前作でも、橋の上からヒーローに加勢するおっさんたちがよかったのでした。結婚式から脱走したMJのシーンもよかった。これだって、前作でスパイダーマンとの逆さキスのあとに見せる笑顔が良かったのを思い出しました。主役もヒロインも、配役は前作から疑問があったのですが、今回は一応納得です。かたや前から光っていた編集長は今回も絶好調。僕は爆笑してましたが、隣で一人で観ていた男はクスリともしなかった。以上すべて、まぁ前作との違いは脚本の妙でしょうか。ピーターを苦しめるシチュエーションの出し方(おばさんのセリフは字幕がダメでしたが)大家の娘がチョコケーキを食べさせる場面、「雨に唄えば」が流れる凡人ピーターの場面などすべて。ここで視力まで元に戻ってしまったのは急で説明不足でしたが、これもやっぱり復活するシーンが生きていました。そういやメイおばさんは気付いてるはずですが、ハッキリしなかったですね。問題点としてハリーがスパイダーマンの居所はピーターに訊け、と教えてから、あわてて「ピーターを傷つけるな」と言ったセリフは字幕ではちゃんと表現されてませんでした。ピーターが腰を痛めたシーンは、役者が本当に腰が悪いことの楽屋オチですかね。そして最大の問題は、ドラマの最終回みたいだった今作の、次は、どうなるのか?下にかかれている通りですね。前作と共通していたCG部分の面白さ、クモの糸がどこにどうなって、彼がどう移動しているのか難しい、だけど脳に刺激的な絵。これだけでは、もはや満足できないから。 10点(2004-07-04 01:27:45) |
5. デイ・アフター・トゥモロー
《ネタバレ》 アクション映画好きにとってはニューヨークで何が起ころうと驚かなくなってきた昨今ですが、SFXはますます磨きがかかって圧倒的でした。しかし私はエメリッヒ大好きですけれども、ID4と比べると面白さは控えめになってしまいました。なにしろ相手が異常気象なもので、次にどうなるのか誰にも確実ではない。だいたい主人公だけは全体の成り行きを承知しているのが王道ですよね。この映画では結局のところ運の良かった人間が生き延びるだけですし、主人公の行動の意味はよくわかるけど気象学者である必要がないし人類のためではないし、その息子も好きな女を守るだけ。そのためアメリカのほかはどうなってるのかなぁと思ってしまう。話の方向性が拡散してしまってます。それに閉じ込もっている図書館は、空間が広すぎてパニック感が弱い(税法の本を燃やすネタは笑えたけど、あとは…)。スコットランドの研究所のサバイバルを見たかった気もします。キャスティングの弱さも見逃せない。心を入れ替える副大統領くらいはもうちょっと… 8点(2004-06-05 23:55:08) |
6. 恋するための3つのルール
タイトルが悪いっていうのは指摘のとおりですが、問題は日本人には、これをコメディなお芝居として普通に楽しめないがゆえに、ラブストーリーとして売るしかないつうことかと思いました。一般論ですが字幕が頼りのうちは、簡単に「つまらん」と言ってはいけない気がします。うちの嫁さんはロマンスが足りないということで不満顔でしたが、自分はかなり笑えました。結婚式のヒュー・グラントのスピーチもよかった。もちろんジェームズ・カーンもいいです 7点(2004-03-07 02:18:25) |
7. アルマゲドン(1998)
《ネタバレ》 公開当時、ほぼ無重力のはずの宇宙空間なのに涙が落ちるのはおかしい云々と、しきりに細部が突っ込まれていました。僕自身は、いろいろなものが盛り込まれたハリウッド映画なのに、この物足りない感じは何なのだろうと不思議でした。その物足りなさこそが実は、細部にツッコミを入れたくなる原因になってると思われる…この映画と、たとえばあの豪華客船が上下ひっくり返る映画との違いは何なのか?…それは結局リアルな感じにつながる「キャラクターの魅力」でしょうかね。 6点(2004-02-09 21:26:38) |
8. ノッティングヒルの恋人
家内に勧められて観ましたが、ジュリア・ロバーツのうまさ、ヒューグラントの目つきにしびれました。主役のスターが書店主に恋をする心の動きが今ひとつ描かれてないような気もしますが、メイキングでロバーツが語っているように二人はユーモアのセンスが一致したのかもしれないですね。そういえば出だしからナンセンスな会話が続出していたけど、英語の会話に込められた微妙なウィットが、僕にはよくわからなかったのかも。 8点(2004-02-08 01:32:15) |
9. 9デイズ
嫁さんはよかったと言ってたので7点。しかし出だしから主役に明らかに問題があるなぁと思いました。ホプキンスとの対比を考慮に入れても、もうちょっと思慮深そうでもいいと思う…調べてみると高名なコメディアンのようで。うんキャスティングの理由はわかった。でもこれがウィル・スミスだったらなぁ… 7点(2004-01-27 19:28:42) |
10. GODZILLA ゴジラ(1998)
水の中に逃げるゴジラがかわいそうでほとんど泣けた。やさしい生物学者のマシュー・ブレデリックはハマっていた。わざわざ1点を入れにくる「オリジナルのゴジラを知ってます派」が多いんですね。この平均点は。 8点(2004-01-23 20:04:52) |
11. ショーシャンクの空に
《ネタバレ》 よくできた映画かと思うけど、同じ監督の「グリーン・マイル」と同じで、小説の映画化以上のものではない感じがしました。ストーリーのアラもそのまま…主人公が幸せを得る方法として、どうしても納得いかないです。単なる穴掘り。 その後のコメントを観ていて気づいたのですが、高評価している方がよく「希望を持って生きること」の大切さ、を感じたようです。そして僕も同じように感じたんですが、ただそこで期待した解決が「自分で脱獄すること」ではなかったのだと思います。何か神秘的なほどの偶然で釈放されるに至るとか、を期待してました。 7点(2004-01-07 11:10:06) |