1. NANA
大河ドラマ篤姫で女優宮崎あおいを知った後に、初めて観た出演映画。いままで、宮崎 あおいの映画をいくつか観たが、NANAが一番の傑作だと思う。ストーリーも面白いし、 宮崎あおいのビビッドでジューシーな存在感と演技が最高。 [DVD(邦画)] 9点(2013-02-05 16:39:48)(良:1票) |
2. 沈まぬ太陽
《ネタバレ》 3時間半近くという異例の長時間上映を長いと思わせないほどのドラマ構成力の高さがある。 長大なドラマの時間経過を巧く処理していて、その構成は完璧としかいいようがない。開始しばらくすると123便が最後の離陸をして墜落直前までの機内シーン になるが、ここで一挙にこの映画の世界に吸い込まれてしまった。主人公演じる渡辺謙の熱演と同時に、主人公の別人格とも言える行天を演じた三浦友和の演技も良かった。 東大法学部を出ていて、選択によってはエリートコースを歩めるのに 敢えて違う選択をする生き方を肯定的に捉えられるかどうかは観る人によって様々だろう。しかし、誰もが 主人公的な選択、行天のような選択にするかを迷いながら 生きているのではないだろうか。主人公は、家族を犠牲にしている一面はあるが、 最終的に妻子との絆を失っていないことで救われている。様々な圧力や障害が ある中、この映画の製作や上映に係わったすべての人の勇気に対して10点を付けたい。 [映画館(邦画)] 10点(2009-11-04 01:51:12) |
3. ハンサム★スーツ
《ネタバレ》 主人公がハンサムスーツで永久ハンサムになる最後はあり得ないので、元に戻リ ブスでも性格が良く気が合う女とめでたしめでたしになるのか、 それとも最初に好きになった可愛い子の方とめでたしめでたしになるのかと予想したり、どっちもイマイチだなとか思いながら観ていた。両方を満たしたオチだったのは 一本取られた感じ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-09-19 21:08:50) |
4. 20世紀少年 -最終章- ぼくらの旗
論評に値しない超駄作。時間の無駄、お金の無駄。 映画館で見る価値0。レンタルも無駄。 [映画館(邦画)] 1点(2009-09-19 20:50:33)(良:1票) |
5. 劔岳 点の記
《ネタバレ》 ドラマとしてのみ評価したら2点くらい。その2点も、史実と原作の力によるものでこの映画の力によるものは皆無。プラス1点は、風景に、さらにプラス1点は、風景と同じようにドラマと無関係に存在するだけで惹きつけられる宮崎あおいに。 つまり、この映画は、史実、原作、山岳風景、宮崎あおいを除けば、0点の超駄作。 はっきり言って、映画とかドラマとかいえるレベルに達していない。 出ている役者は巧い人が多いが、とにかく脚本がとんでもなく酷いので努力が 空回りしていて同情してしまう。軍の無理な命令、山岳会との競争がドラマの中心なのだが、それが際立つためには、剣岳山頂アタックが如何に困難かを示さないといけないが、とにかく歩き回って登頂ルートがないと言っているだけで、剣岳のどこを歩いて どこで断念しているのかさっぱりわからない。 空撮や、地図を示しながらのルート説明、あるいはナレーションなどによって観ている人にわからせる配慮がまったくないので、単に歩き回って、時間切れまじかに突然成功したようにしか見えない。 キーになる行者の言葉や、雪崩に巻き込まれる事故も、ラストの成功に突然繋がった ような気がする。雪崩によって遭難しかけたが、実は、その危険と思われる雪渓にこそ 登頂成功のカギがあるという筋も、うまく展開されていないので、成功しても唐突に見えた。ダメ脚本では、どんなに映像や演技がよくてもダメ映画にしかならないことを見事に表わしている作品。 [映画館(邦画)] 4点(2009-07-02 23:03:14)(良:2票) |
6. きみに読む物語
《ネタバレ》 アメリカの脚本術を記したホームページに取り上げられていたことをきっかけに観た。 脚本の構成の概念にミッドポイントというのがあり、それはその名のとおりほぼ中間地点にあるターニングポイントのことを言い、この作品もそれが当てはまるというもの。 この作品では、そこである秘密が明らかになる。 それが明らかになることで、過去の ラブストーリーの結末、そして、現在の老いた男女の結末がらせん階段のようにからまりながら、ラストに向かって展開していく。ドラマとは何か? ラブストーリー とは何か?ということを究極まで突き詰めた傑作だと思う。なぜドラマや映画をおもしろいと思うのかといえば、そこに何らかのミステリーやサスペンスが含まれているからであり、それはラブストーリーも然りである。ラブストーリーは、恋愛そのものが サスペンスであり、その決着はミステリーだから続きが観たくなる。この作品は、 それが もうひとひねりされていることで、ラブストーリーを超えたドラマの面白さを味わえる。 [DVD(字幕)] 10点(2008-12-31 22:44:21) |
7. 手紙(2006)
《ネタバレ》 ドラマなのだからリアリティがどうのというつもりはないが、主人公やその妻となる人物のキャラに魅力を感じない。手紙、刑務所、殺人者の親族というドラマを生み出す 道具立てが機械的に使われすぎていて、主人公が犯罪者である兄への心情を 拒絶から受容へと変化させる契機が唐突のように思えたし、きっとこういう結末になりそうだと思ったような結末に唐突になだれ込んだように感じられる。 それと、「差別」っていう語句の使い方や解釈に違和感があったのもマイナス。 差別っていうのは、実害を想定する防衛本能ではなく、自分より低いところに他者を 位置づけることで自分の価値を維持しようとする行為で、人種差別とかが典型。 殺人者の弟だから危険だと防衛本能が働くから差別は当然というのは全くナンセンスで、殺人者の弟が酷い目に合うことで、自分はそんな奴に比べればずっとましと思える 安心感を得ようとしているだけ。 ところが、この映画ではエリカ様を妻にしてしまった時点で、ぜんぜん主人公に同情も共感もできないわけで差別もヘチマもない。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-04-18 02:06:24) |
8. ALWAYS 三丁目の夕日
《ネタバレ》 日本アカデミー賞では、主演女優賞以外の演技賞を総なめしたようだが この映画では、本当は特に主演といえるほどの役柄はないのではないだろうか? 子役の位置づけも重要だし、複数のエピソードが織り成す人情話であって どのエピソードがメインかは見方によって異なる。私的には、この映画 の骨格になっているエピソードは、六子の集団就職と、母親への誤解を解かれて の帰省だと思ってるので、主演女優は掘北真希だと考える。汽車に乗って上野駅 に到着して、東京を初めて目にしてその象徴が建設中の東京タワー。 そして、ラストシーンは、六子の帰省と夕日に浮かぶ完成した東京タワーを見上 げる人々。東京に住む人は何代か遡れば、多くが東北方面か上信越北陸方面から の上京者であり、いまでこそ、東京駅がすべての発着点だが、当時の上野駅は、 故郷と東京を結ぶ特別に意味のあるノスタルジックな駅だった。 私自身は、東京の出身だが、親の出身が上信越方面なので、何度も帰省に同行し たことがある。やはり、新幹線ができる前の上野駅は、東京駅とはまったく違っ た雰囲気があった。上野駅から帰省した経験を持つ人にとっては、 この映画は最初のシーンで一挙に昔のあの時にタイムトラベルしてしまうに違いない。 脚本、VFX、音楽、キャスティング、演技などなど、すべてが見事に結びついて、 昭和のファンタジーを完成させていた。ラスト近くで、竜之介が淳之介に、 いずれヒロミさんのカレーを食べれるようになるとか言っていたような気がする が、これは続編があることの暗示なのだろうか? [映画館(字幕)] 10点(2006-03-28 19:11:57) |
9. スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
私にとっては、映画とは何か?と言う問の答えがSWなので、 当然に、最高点である。 20世紀FOXのファンファーレ、そしてメインテーマとともにお馴染みのオプニ ングタイトル。これだけで、夢と冒険の世界に一挙に導いてくれるような映画は SW以外にはない。20世紀FOXのファンファーレまでもが、SWの始まりを告 げているように聞こえる。オープニングの音楽、タイトル、導入シーンまでの絶 妙な取合せとそのタイミングは、神がかり的ですらある。さらに言えば、 ラストシーンから、エンドクレジットまでの流れについても、音楽を中心に オープニングと同様にいつも印象的である。すべてのエピソードに共通した流れ ではあるが、特に、EP3のラストシーンで、双子に託された希望を暗示するかのような2つの太陽とともに旧3部作に流れた複数のメロディが織り込まれながら演奏され、エ ンドクレジットヘつながった時は、何と言えない感動を覚えた。旧3部作への橋 渡しと、新たな希望への暗示が見事に表現されていた。 キャラクター等にそれぞれテーマ曲を与えるワーグナーのような手法に是非は あるようだが、少なくともSWにおいては、それはこの映画の最大の成功要因だ と思う。 時代を超えて、SWがなおも魅力を失わないのは、ジョンウイリアムズの音楽があったからだと思う。映像の世界は、30年の間に様代わりの進歩があったが、21世紀になった今でも、SWのメインテーマは、あれ以外にはありえない。そして、約30年の時間を超えて、旧3部作と新3部作は、ジョンウイリアムズの音楽によって繋がり、壮大なサーガが完結した。 [映画館(字幕)] 10点(2005-07-19 13:08:29) |
10. オペレッタ狸御殿
NHKハイビジョン特集でチャン・ツィイーのロングインタビューをやっていたのを きっかけで観た。番組の中で、この映画のメイキングシーンが取り上げられてい た。メイキングシーンは、ブルーバックでの特撮用のシーンだったので、 合成してどういう画面になるかという興味から完成作品を観てみたくなったわけ である。ハイビジョンの鮮明さに堪える美人女優チャン・ツィイーにも興味があっ たわけではあるが。 この映画、狸と人の禁断の悲恋を歌と踊りを交えながらコメディータッチで描い た 奇想天外な昔話であるが、ストーリーだけでなく映像も奇想天外である。 ふつう、特撮、CG合成は、実写では難しい背景や人の動きをリアルにみせるため に使うわけだが、この作品では、むしろ逆に、背景をいかにも虚構であるかのよ うにデフォルメするために使われている。そのため、映画というより演劇っぽい つくりになっている。 出演もチャン・ツィイー、薬師丸ひろこ、 由紀さおり、CGで美空ひばり、パパイヤ鈴木などと奇想天外な組み合わせ。 彼らの歌だけでも十分楽しめる娯楽作品。 なお、「オペレッタ」とは、「オペラにはセリフはなく歌ばかり。オペレッタは歌・芝居・踊りから三位一体となった音楽劇。」だそうだ。 参考 http://www.operettahouse.com/study%20about%20operetta.html [映画館(字幕)] 7点(2005-06-04 14:48:15) |
11. “アイデンティティー”
まったく予見や知識無しにDVDで観た。アガサクリスティの「そして誰もいなくなった」 に代表されるような定番の隔絶空間での殺人劇なのだが・・・。観て損はない出来だと思う。 7点(2004-10-03 01:12:00) |
12. ゲロッパ!
シベリア超特急と同じように、評論家(元監督?)は監督しちゃダメダメ。 俳優の演技力や芸だけしか取り柄が無い作品。ツマラン。 3点(2004-09-21 02:45:04) |
13. 黄泉がえり
題名と宣伝コピーで「死国」を連想してしまい、観るのを 躊躇した。でも、評判がよさそうなので、もしかしてと思い、一応みてみた。やっぱり、「死国」の九州版じゃないの?これ。 「死国」よりは、かなりまし。特に、題名が。 3点(2004-05-04 02:43:02) |
14. スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
あるアメリカ人が、SW好きの子供に、アメリカ軍って帝国軍なの? と聞かれて返答に窮したそうな。 あのナチス・ヒットラーも、歴史的にもっとも民主的と言われた ワイマール共和制から生まれた。 スターウォーズは、一見単純なアドベンチャー・アクションものに見えて、実は、なぜ善なるものや純粋なものが、暗黒面に落ちるのか という難しいテーマを扱った歴史人間ドラマでもある。 または、政治劇とも言えるだろう。 エピソード1とエピソード2は、そういうドラマの一部であって、 前作を含めたすべての集大成は、エピソード3になるはずである。 その集大成には、壮絶な決闘シーンの連続も含まれるわけだが、 その点では相当に期待できる予感がする。壮大なドラマのエンドとして成功裡に終わるのか、それとも観るに耐えない支離滅裂な破綻状態で終わるのかわからないが、その行末も興味深い。 10点(2004-03-22 03:39:13)(良:2票) |
15. クロスファイア(2000)
あんまり期待しないで、レンタルビデオで観たら、予想とはまったく違って、感動してしまった。予想では、荒唐無稽の超能力SF のヒロインに矢田亜希子が出ているだけの映画、というようなものだった。実際は、引き込まれるストーリー展開とよくできた SFXの中で、悲劇のヒロイン矢田亜希子の美しさ、可愛いさとオーラが光りまくる傑作作品だった。 9点(2004-03-19 21:07:43) |
16. なごり雪
フォークソングのヒット曲「なごり雪」(伊勢正三 作詞・作曲・唄)をモチー フに、28年前のノスタルジックな風情を残す町「臼杵」を舞台に繰り広げられる 切ないラブストーリー。大林監督の生み出す独特な映像の美しさと唄のモチーフ、 がうまくミックスされ、忘れかけていた日本的良さを呼び起こしてくれる。 あまり実績が無いと目される美少女女優たちを配しながら、その表情を叙情的な 風景に 違和感なく溶け込まして映像にする大林マジックがすばらしい。 28年前のヒロインをみごとに演じる須藤温子さんの演技力も光る。 興行的にはあまり期待ができない企画でありながら、あえて挑戦的に失われたも のへの回帰を追求する大林監督にエールをおくりたい。 9点(2004-01-17 22:08:33)(良:2票) |
17. スパイ・ゾルゲ
これなら、「その時歴史が動いた」やドキュメンタリーの方が 数段まし。 本木の配役も最低の選択だし、その他の俳優も酷い。脚本も酷いし、特に映像的にもひきつけるものが無い。 歴史や命を賭けた実在の人物の重さや迫力が全く伝わらない凡作。 同時期の歴史物である岡本喜八監督「日本の一番長い日」の出来に比較するとあまりにもつまらな過ぎ。 3点(2004-01-11 23:04:03) |