1. 花の降る午後
若い頃のある時期、宮本輝氏の小説に傾倒していた事があり(傑作小説「青が散る」読了がきっかけ)これも原作を読んだ後、興味本位で映画を観たという経緯。まあこの原作自体、サクサクと軽く読めるおハナシで、宮本輝にしてはイマイチと思ったが、映画はそれに輪をかけ何のインパクトも残らない出来でした。この頃は、もう完全に着々と演技派女優としての途を歩んでいた桜田淳子が頑張ってたなあ、っていう程度。「春の夢」「骸骨ビルの庭」、短編も宮本氏の小説はいいのが沢山あるんですよね。「真夏の犬」とか。僕は彼の小説の登場人物が発する正統?関西弁が大好きなんです。一度ドラマ化された「青が散る」も含め、真摯に宮本文学と対峙した映像化作品が観てみたいなあ・・・。 [ビデオ(邦画)] 4点(2024-11-19 21:59:45) |
2. プライベイトスクール
80年代前半日本で人気を誇っていた外国人女優、ソフィー・マルソー、ブルック・シールズ、ダイアン・レイン、そしてこのフィービー・ケイツ。他の3人に比べ、「グレムリン」ヒロイン以前の彼女は、かなりぞんざいな扱いをされていたような。でも黒髪でどこかアジアン的ルックスな彼女にはファンが多かった。映画公開前、卒業式のいでたちでスカートをまくっている宣伝スチールがファン雑誌で出回ってましたが、映画自体それ以上のインパクトも何もない、万事が緩めのハイティーンセックスコメディ。私はこのタイトルを聞くと、同年リリースされた、松田聖子「Canary」の「Private School」という曲を連想してしまいます。松本隆&松田聖子タッグのアルバム収録曲はシングルも含め、実に「映画的」な名曲が多かった。「瞳はダイアモンド」「マンハッタンでブレックファスト」「シェルブールは霧雨」「ピンクの豹」・・・。残念ながら映画「プライベイト・スクール」は、曲のイメージを超えるクオリティではなかったのが残念。 [地上波(吹替)] 3点(2024-11-08 08:42:32) |
3. 快盗ルビイ
真田広之の母親役を演じられた水野久美さんが、この母親をどのように演じたらよいかと和田監督に尋ねたところ、『北北西に進路を取れ』(59)の、ケイリー・グラントの母親役、ジェシー・ロイス・ランディスのキャラクターを参考にとアドバイスを受けたとの事。このエピソードが凄く好き。和田監督、ホントにヒッチコックが大好きなんだなあって。『泥棒成金』(56)でも、グレース・ケリーの母親役で、同じような茶目っ気のあるキャラクターでしたね。水野さん、監督の意図を見事に咀嚼された素敵な助演っぷりでした。デビュー作『麻雀放浪記』(9点)より、全体的にキレイキレイにちんまり纏り過ぎた感はあるけれど、これはこれで愉しい作品。 [映画館(字幕)] 7点(2024-11-04 08:19:31) |
4. ナチュラル
《ネタバレ》 「ロバート・レッドフォード」という役者の美点、素材の素晴らしさ、魅力の全てがナチュラルに引き出されている、数多い彼の主演作の中でも稀有な作品。この映画以降、彼じゃなくてはっていう役どころは少なくなっていった。その一点のみでは私が偏愛している「追憶」(10点)にも勝る。まだおっかなくなる以前の、グレン・クローズも良い。ラスト、夕陽を背に浴びてキャッチボールを見守る、彼女の立ち姿はまるで一幅の絵のよう。たったひとつの瑕、原作を読んだらわかるのかもしれないが、彼を狙撃する謎の女性の存在意義がイマイチ不明。ここが結構重要なポイントかと思われるのに。 [映画館(字幕)] 8点(2024-11-03 08:52:40) |
5. 遠雷(1981)
《ネタバレ》 「ATG製作邦画」といえば、私の中では真夜中の深夜放送で親に隠れこっそり観ていたエロ映画という印象。ニキビ面思春期時代の消し難き思い出。他にも「サード」や、ATGではないけど「もっとしなやかに、もっとしたたかに」とか。「ヒポクラテスたち」みたいな生真面目作品もあったはずなのに。当時、田舎の地方都市でただ漫然ノホホンと日々を過ごしていた中学生には、都会VS地方という構図がいまひとつ理解できない部分もあったけれど、ルックスからして土臭い永島敏行と石田えりの、演技以前「その辺歩いてそうなあんちゃんや姉ちゃん」的存在感に圧倒されました。あと忘れられないのは↓皆さん既に述べられてる若き日の石田嬢の例の件、プラス、アカペラで♪クック、クック、クック。クック~青い鳥~♪歌唱シーン。何故にここで桜田淳子?何故にここで「わたしの青い鳥」??カラオケがまだなかった時代、こんな風に時代的に少し前の流行歌を人前で披露するのがフツ―だったんかなあ・・・。アナクロ過ぎんか?「てんとう虫のサンバ」ならまだしも。今考えてもなんだか不思議。(追記)↓anemoneさんのレビューを改めて拝見し「青い鳥」には、実はそういう意図があったんだって瞠目。 [地上波(邦画)] 7点(2024-09-23 08:36:30) |
6. ラ・ブーム2
もちろんオリジナルがあってこその作品だけど、全体の雰囲気は全く損なわれる事がない安定感抜群の続編。よって採点は同じ。前作でも書いたけどこの頃のソフィーって、デビュー直後の広末とイメージダダ被り。お二人とも色々あったけど、2024年現在でも当時の面影は健在ですもんね。ここでの作品は未登録ですが、フランソワ・オゾン監督作品、ソフィーの最新主演映画をつい先日鑑賞しましたが、親しみやすい美貌は相変わらず、人生の苦み痛みを感じさせる演技力も備わった、素敵なパリジェンヌになっておりました。生まれて初めてドキドキで購入した映画雑誌『ロードショー』、ファン投票第一位男優がジャッキー・チェン、女優は『ラ・ブーム』公開直後のソフィー、んでもって表紙はそれはそれは美しかった『キャットピープル』ナスターシャ・キンスキ―、全てが懐かしい・・・。 [地上波(吹替)] 7点(2024-05-11 07:57:21) |
7. 生徒諸君!
庄司陽子の原作マンガは姉貴が持ってたんで途中まで熱心に読んでました。連ドラもアニメ化も欠かさず観てて、主題歌のワンフレーズ、今でもソラで歌えます。♪ハッピー、ナッキー、プリティ~、ハイ!はい!はーい、せいーと諸君ッ~♪と。原作ファンもそれなりに満足させ、KYON2ファンの期待をも裏切らない「アイドル映画」としては極めて優秀な出来栄え。が、それ以上でもそれ以下でもない。デビュー当時のまだ猫被ってた、断髪前のコイズミさんの方が好きだった私は少数派でした。 [映画館(邦画)] 6点(2024-05-09 22:37:18) |
8. ベティ・ブルー/愛と激情の日々
《ネタバレ》 当時10代のドーテー少年には刺戟が強すぎましたね、この映画。それまで深夜のテレビでやってるエロ映画の存在は知ってたけど(年忘れ「エマニエル夫人」大会とか「窓からローマが見える」とか)あくまであれはエロの為のエロであって、真の情愛を伴っての濃密な性愛行為の描写にはまだ巡り会っていなかった。こういう互いに傷つけ傷つけあいながらも成り立つ愛もあるんだって。フランス映画の、恋愛性愛徹底至上主義を認識したのもこの映画が最初。外壁ペンキ塗立て海辺のコテージの佇まい、ヒロインの厚めの唇を半開きにした亡き顔のショットなんかを、30年以上経った今でもはっきりと覚えているのは、おそらく自分の中でこういう「愛と激情の日々」的恋愛に、どこかで憧れを抱いていたからかもしれません。ついぞこの歳までこの手の中途半端に手を出したら火傷する的な、恋の対象に遭遇する事は叶いませんでしたが。・・・いや、でもまだ間に合うかなぁ・・・。 [映画館(字幕)] 9点(2024-01-11 08:21:09) |
9. ティーン・ウルフ
観ている間はそれなりに面白かったけれど、後には全く何も残らなかった映画。そういう意味では「ポリスアカデミー」とどっこいどっこい(←死語?)かも。地方都市じゃMy FAVORITE MOVIE NO.1「ファンダンゴ」(10点満点)とニ本立てだったのも分が悪かった。おそらく観客の大半は『「BTTF」に続いて全米興行成績1位2位独占!!』と派手に宣伝されていたこっちが目的だったはず。事実自分もそうだった。ルックスからして万人からの好感度抜群だった当時のマイケルが、スクリーンの中で縦横無尽に駆け回っていた事・・・、くらいしかホント記憶にない。ゴメンなさい。 [映画館(字幕)] 5点(2024-01-07 08:55:28) |
10. ミッドナイトクロス
《ネタバレ》 公開当時「後味悪すぎ」と、批評等でやたらと連呼されていたので、一体観た後、どんな暗鬱な気分になるんだろうと覚悟して「月曜ロードショー」にて観た記憶があります。後味自体はやいやい云われてるほど悪くなかったけれど、すんでのところでヒロインを救えなかった、ヒーローたるトラボルタの体型が明らかに崩れ始めていた事のほうが、少々哀しかったかなあ・・・と。「グリース」の頃の、パッキパキダンサー体型だったら、敏捷に易々と立ち回って大団円のハッピーエンドだったろうに。次作「ステインアライブ」でスタローンに叱咤されダイエットに無事成功したのはまた別のハナシ。 [地上波(吹替)] 6点(2023-08-27 22:36:59) |
11. パリ警視J
僕が住んでた地方都市では、高尚っぽいイメージがあるフランス映画がロードショーされることなど滅多になかった為、ちょいとオトナになった気分で封切時観に行きました。トリュフォー監督の遺作「日曜日が待ち遠しい!」との二本立て。この時点でアラン・ドロン氏の名前は知ってたけど、ベルモント氏の事は全く存じ上げず。榊原郁恵さんが「アル・パシーノ+アランドロン≦あなた」?とかいう曲歌ってたし。観慣れたアメリカ映画のアクション映画とは、少々肌合いが異なる展開だと思った記憶が。特に可もなく不可もない出来。高尚でも何でもなかった。超イケメンというわけじゃない、色黒のお洒落で粋なオッサンが身体張ってとにかく頑張ってるなあと。後々この御仁が名高いジャン・ポール・ベルモント氏だと知り、へえぇ~とそれなりに納得。 [映画館(字幕)] 6点(2023-08-22 16:50:28) |
12. 評決
《ネタバレ》 ラストシーンの秀逸さゆえ、他の凡百の法廷映画とは一線を画す作品になっていますね。欲を言えば、敵役J・メイスンとガップリ四つに組んだ丁々発止的攻防が、法廷内でもっと大掛かりに繰り広げられるのかと思いきや、意外にあっさり片が付いてしまったのが少々惜しまれる。メイスン自身、彼らしい演技のしどころがなく困っているようなもったいない役どころ。うーん・・・、でも「ハスラー2」なんかより、こっちでアカデミー賞獲得した方が、ニューマン自身も絶対嬉しかっただろうに・・・。「熱いトタン屋根」「ハスラー」「暴力脱獄」あたりの、ギラついてた若かりし頃はともかく、銀髪のオッサンになってもこんなカッコいいオーラを放ってたスターって、なかなかいるもんじゃない。 [DVD(字幕)] 8点(2023-08-13 21:41:06) |
13. スター・トレック3/ミスター・スポックを探せ!
一見さんお断り映画、自分の中じゃナンバーワン。地方の映画館じゃ「インディジョーンズ・魔宮の伝説」(8点)との二本立て。両方とも人気シリーズの続編、前作は未見状態での鑑賞。どちらもタイトルだけは馴染みがあったので高一の夏休みにワクワクしながら映画館へ。鑑賞後のインディとの温度差というか、落差がホント物凄かったです。テンポもかったるくて眠気倍増。忘れられない二本立て興行時代の懐かしき思ひ出。 [映画館(字幕)] 2点(2023-08-05 07:25:18) |
14. 将軍 SHOGUN<TVM>(1980)
先日急逝された島田陽子さん、この頃ホントお綺麗でした。この作品に出演して『国際派女優』なんて持ち上げられた事が、結果的に彼女の女優人生において吉だったのかどうか、もちろんご当人にしか解らない事。でもこの作品以降、出演料が高騰して起用しずらくなったのか、他の理由があったのか知る由もないが、映画でもドラマでもお見掛けする機会がグッと減ったのは事実。初代犬神家野々宮珠世、大河「黄金の日々」での細川ガラシャ役で、まるでお人形さんみたいなこの方の美貌に子供心に憧憬を抱いていた自分としては、何だか色々もったいなかったなあと、つい思ってしまうわけで。このテレビ映画、確かリアルタイムで観ました。前評判もやたら凄くって、お茶の間で家族揃って観た記憶があります。世間的にもちょっとした「ショーグンブーム」、劇場公開版は「これは東洋の風と共に去りぬだ!」と、大々的に宣伝されてました。劇場公開短縮バージョンももちろん初放映時に観たけれど、細部の違いまでは分からず。小学校高学年でも理解し易い、いわゆる波乱万丈ストーリー、颯爽とした青い眼の異人さんリチャード・チェンバレン、対する世界のミフネも貫録的に場を浚う存在感。やけに音楽が印象に残ると思ってたら、モーリス・ジャールが担当してたんですね。レビューしてたら45年ぶりに再見したくなってきたなぁ・・・。思ひ出補正含めこの点数。 [地上波(邦画)] 7点(2022-09-08 23:08:45) |
15. 麻雀放浪記
麻雀を知らなくても楽しめるけど、知っていれば、よりもっと深く楽しめるという映画。和田誠さんという方は、自分がそもそも映画好きになった上では欠かせない大いなる指針となった恩ある方。映画に関する書籍で、人生で一番最初に購入したのは「ロードショー」とかのファン雑誌を除けば、和田氏と山田宏一氏の対談集「たかが映画じゃないか」(文庫本版)。ああ、こういう風な映画の観方もあるんだと、両氏の嫌みのない映画通っぶりにひたすら感心しきりで。昔の映画を積極的に観るようになったのも、和田さんの影響。イラストレーターがご本業だと知ったのはずっと後。奥様が平野レミさんだと知ったのは、実はお亡くなりになってからでした・・・。監督二作目も三作目もそれなりには楽しめたけれど、このデビュー作が一番映画作品的には面白かった。片山まさゆき氏の初心者用麻雀本を授業中に廻し読みしてたバカ学生時代に戻りたい。このコロナ禍がひと段落ついたら、当時の雀悪友連中に声かけて卓囲みたいと思います。麻雀って(フリー除く)少しだけよそよそしい知り合い同士をトモダチに格上げする、一番手っ取り早いコミュニケーション方法だったんですよね、当時は。 [ビデオ(邦画)] 9点(2021-05-26 20:49:32) |
16. 北の国から '83冬<TVM>
僕にとって、田中邦衛さんという役者はこの「北の国から」での黒板五郎。有名な「青大将役」の「若大将」シリーズは未見。映画で観た田中さんというと「八つ墓村」で殺される落武者役とか、「私をスキーに連れてって」での話の分かる上司役が脇で印象に残ってるくらい。それほどに「北の国から」でのこの黒板五郎っていうのは、自分の中で役者田中邦衛とほぼ一体化したイメージ。この「83冬」は、他のシリーズ同様、リアルタイムで確かに観たはず。雪子おばさんと純が猛吹雪の中、自動車に閉じ込められるエピソードってこの回じゃなかったかなあ・・・。もしかしたら連ドラの時のエピソードとごっちゃになってるかも。「84夏」のレビューした時は、中畑のおじさん、地井武男さんが亡くなられた時でした。そして今回・・・なんかめちゃくちゃ淋しいなあ・・・。どうにもこうにもやりきれない気持ちです。 今夜9時からシリーズ中の最高傑作「初恋」が地上波放映される由。おそらくこれを観るのも25年ぶりくらい。僕の初恋、れいちゃんとの久々の再会を楽しみにしつつ、酒でも飲みつつ、じっくり田中さんの追悼をするつもりです。ラストの泥のついた一万円札シーン&故古尾谷雅人さんのサプライズ登場シーンで、昔と変わらず泣かせて頂きます。あ、あのシーン、頭ん中で想像したらもう泣けてきた・・・。田中さん、僕は「83冬」が放映されていた頃の、あなたのご年齢を、若干越えてしまいました。あの頃、テレビの田中さん観ながら、子供心にこの人、もっさりしたオッサンだなあ・・・、って失礼ながら思っていたものですが。まさかあの頃のあなたより、自分が歳上になる時が来るとは。そしていまや純も蛍もきっとれいちゃんも、アラフィフ同年代になっているはず。時代は確実に動いているんですね・・・。ご冥福、心よりお祈り致します。 [地上波(邦画)] 7点(2021-04-03 15:37:40)(良:2票) |
17. 卒業白書
「個人教授」「続・個人教授」「卒業生」「卒業試験」「個人授業」「課外授業」「続・課外授業」・・・、モチロン、全て観てるわけではないですが、タイトルからして中高生男子の妄想を逞しくさせる映画が当時はホント、ゴールデン洋画劇場や深夜の映画劇場とかでしれっとフツーに放映されてました。ある意味詐欺的な日本語タイトルと粗筋だけ見れば、この映画もその系譜に乗っ取った、いわゆる年上の魅力的なおねいさんにうぶな童貞君が手ほどきを受ける・・・みたいなイメージ。事実、地方では「ダーティハリー4」(5点)と同時上映で、一体どっちを目的で観に来たのかわからない同年代でいっぱいでした。でも当時から作品選択に長けていた賢いトム君の事、コッポラ監督「アウトサイダー」続編のオファーを蹴ってまで、鶏口牛後の精神で挑んだ作品だけあって、上記の作品群とは一線を画す映画になってました。映画自体の出来はともかくとして。それにしても、最初に書いたタイトルの映画や「グローイングアップ」シリーズ「ポーキーズ」シリーズはじめ、この手の映画って、ホント公開されなくなりましたね、色んな動画やらが手軽に観られるようになって、もうその必要もなくなったのかな?「妄想を逞しくする」事こそ、思春期には重要な事だと自分は思うんですが。 [映画館(字幕)] 5点(2021-02-28 09:10:19)(笑:1票) |
18. ポリスアカデミー
中学や高校生の時に観た映画の評価はどうしても甘くなります!!地方じゃ、イーストウッドの異様に暗いアクション映画「タイトロープ」(4点)と同時上映。どうしたって、まだ成長途上なガキにとっちゃこっちの方がメイン料理。何しろ「MR BOO!」シリーズがテレビ放映されるのを楽しみにしていたような頃ですからねえ・・・。毎月購読していた「ロードショー」で、ある批評家の方がこの映画の短評で「差別はいけないが、区別はしないといけない」みたいな意味の事を書かれていて、鑑賞後、なるほどなあ・・・と感心した記憶があります。「ロードショー」の発売日毎月勇んで本屋さんに駆けていった事とか、新作二本立て目当てに、学割前売り券を買い友達と映画館までダッシュしてた頃が、僕が一番正しく映画ファンとして機能充実してた時期だったと思います。これ、果たして今観て面白いと思えるのかどうかは・・・あんまり考えたくない。 [映画館(字幕)] 8点(2021-02-26 15:17:36) |
19. コットンクラブ
僕が映画ファンになった1982年頃は、コッポラ監督作品といえばスピルバーグ監督とともに、公開される作品自体がひとつのブランド商品的な扱いをされていました。製作者として名前を連ねてるだけなのに「スピルバーグ作品」って冠を与えられたり。『アウトサイダー』(7点)、公開初日に映画館に行きました。悪くなかった。原作通りのイメージで、それを凌駕するような作品でもなかったけれど。当時でもコッポラ監督にしては「小品」という評価。僕はコッポラ監督のリキが入った大作を映画館の大画面でどうしても観たかった。地方都市じゃ『ワン・フロム・ザ・ハート』『ランブルフィッシュ』は公開されず。そして待ちに待った久々のコッポラ監督の超大作一本立て(地方の映画館は二本立てが基本)大公開という触れ込み、大人気のギア&ダイアン・レインの初共演作。これも公開初日に勇んで映画館へ行った記憶が。・・・でも不思議な事に、内容は華やかで派手なドンパチも、弾けるようなタップダンスシーンも、ロマンスも含まれた盛り沢山の贅沢なオハナシだった筈なのに、それにしては描写に深みがなく総花的でちっとも後に残らない映画でした。今考えると、80年代前半って、この監督のスランプ時期にあたってたのかなあ、と。映画って観る前に期待しすぎると、その反動が大きくなるって事を僕はこの映画で学びました。そして映画に限らず、何事も期待しすぎない方が、物事上手く回っていくのかなあ、と。 [映画館(字幕)] 5点(2021-02-23 08:57:48) |
20. 青春かけおち篇
全編にわたって、躁状態のごとく舞台風な誇張コメディ演技をスクリ-ン所狭しと披露する風間&大竹の主役ご両人。つかこうへい氏原作って事で、狙いはわかるけど、デフォルメしすぎのオーバーな舞台演技をスクリーンでずっと見せられ、途中からもう辟易してしまった記憶が。ちょうど同じ時期くらいに公開されていた根岸吉太郎監督「永遠の1/2」、こちらにも大竹しのぶが出演していてごく自然体での演技により好感を持ったのをよく覚えています。芸域が広い女優さんだなあと感心しつつも、この映画を観て以来、彼女のこっち方向のコメディ演技に関しては、ちと僕は若干拒否反応を起こすようになり。 [映画館(邦画)] 5点(2018-11-02 23:38:45) |