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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  羊たちの沈黙 《ネタバレ》 
人肉食いという嗜好と知性的な言動により、レクター博士の言い知れぬ不気味さと魅力がこの映画での最大の収穫。自分の世界を極め、堂々と生きている人物像は常に魅力的ではあるが、異常者にそれをあてはめた視点は画期的。鋭い洞察力と紳士的な振る舞いの印象が、無表情での警察官殺害シーンでより強い狂気を感じさせた。
10点(2004-01-21 09:10:37)
2.  ダークマン 《ネタバレ》 
物語序盤は、全てを失った男の悲惨な描写が過剰に悲劇的で引き込まれる。顔や痛覚といった自己認識をする要素が無い主人公が、科学者としての理性を頼りに失ったものを取り戻そうと奔走する展開は理解できる。後半の復讐に憑りつかれた主人公の行動は現実的ではない印象。しかし、顔を失う事は人間を邪悪にするという台詞で納得させられた。
8点(2004-01-21 06:54:07)
3.  セブン
7つの大罪に即した連続殺人という事で、その殺人の方法に興味が向くので飽きさせない。その一方で、現代社会の退廃ぶりがいかに深刻かが語られ、見世物的な殺人事件に相反して作品に適度な重みが加えられてゆく。都会に絶望して田舎暮らしを決意している老刑事と、殺人犯であるジョン・ドゥーの全ての人間が罪人であるという見解が紙一重で一致しているのも面白い。今でこそ常套手段であるフィンチャーのダークな映像も公開当時は強烈な印象を感じさせた。
10点(2004-01-17 05:36:35)(良:1票)
4.  ストレイト・ストーリー
いわゆるいい映画。大きな感動や驚きなどはないが、ひとの良さそうな老人の旅を少し感傷的な気持ちで観る事ができる。ただしリンチ作品として見た場合、今回のリンチは映像作家というより、単に監督という仕事をこなしただけという気がしてしまう。
6点(2004-01-17 04:40:25)
5.  ロスト・ハイウェイ 《ネタバレ》 
不本意な現実。妄想で作り上げた新たな記憶。再び破滅に向かう妄想。物語を時間軸通り、明瞭な見せ方で表現すれば、溺愛していた妻の裏切りに合う男の現実逃避という大筋になるのだろう。しかし、現実と妄想の境界線を微妙にぼかし、時間軸を巧妙に置き換える事で映画という媒体を使ったパズルという類稀なジャンルが確立されている。無論、過激な人物や恐怖感をあおるエピソードなどで物語の趣も十分に用意されている。だが、この映画の楽しみ方はやはり、巧妙に配された断片を組み立て、霧が晴れるような感覚を味わうものだろう。
8点(2004-01-17 04:05:15)(良:1票)
6.  ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間 《ネタバレ》 
10代の女性の堕落と死を悲劇的に描いた点は単体として作れば成功したかも知れない。TVシリーズの売りでもあったユーモアが排除され、クーパー捜査官の出番の少なさから物足りなさを感じてしまう。しかし、序盤のリンチ特有のキャラクターや酒場で音楽にかき消させられる台詞を字幕で補足したり、奇妙な味わいもある。ロッジのシーンが再び見れるだけでもTVシリーズ、リンチファンとしては無視はできない。
6点(2004-01-17 03:45:31)
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