1. パラダイスの夕暮れ
《ネタバレ》 ラスト、駆け落ちする直前の、洋服屋さんでのふたりのやりとりが完璧です。ささやかな笑いとともに、この作品が完璧なラブストーリーになる瞬間です。序盤、デートの途中で、主人公が「理屈をこねる贅沢なんか俺には無い」などと吐き捨てる台詞もグッと来ます。知性とユーモア、深い絶望とほのかな希望、初期作品にして既にアキ・カウリスマキのエッセンスがぎっしり詰まった名作です。 [DVD(字幕)] 10点(2008-10-21 14:37:04) |
2. 読書する女
《ネタバレ》 私は小説を先に読んだのですが、映画の方も色彩豊かな画面が印象的な、とても洒落た感じの作品で好感を持ちました。場面の中に赤とか青とか、常に鮮やかな色のモノが配置されていて、監督の強烈なこだわりを感じました。皆さん書いておられるように全体的に描写が官能的でどきどきしますし、ところどころ散りばめられたユーモアも楽しいです。私がもっとも印象的だったのは車椅子の少年に朗読を聞かせる場面です。少年は朗読を聞きながらずっとマリーの脚を注視している、マリーも脚を見られていることを意識して徐々に服の裾を上げて脚を露わにしていく・・・・・・見ている/見られているという緊張感がエロティックで印象的でした。原作でもこの場面は非常に官能的に描かれています。あと、マリーの服装や佇まいが素敵にお洒落なのもいいですね。 8点(2004-11-12 19:44:48) |
3. 真夜中の虹
マッティ・ペロンパーが面白いです。登場場面からいきなりぶっ飛んでいます。カウリスマキ作品の中では印象薄めな感じを抱いたんですが、ペロンパーが面白いので良しとしましょう。 8点(2004-01-25 16:58:54) |
4. カラマリ・ユニオン
《ネタバレ》 全体的に意味不明ですが、展開のテンポはいいですし、ギャグは冴えていて笑えます。カウリスマキ作品でおなじみのメンツの役者たちの佇まいが格好いい。とりわけ、スタンド・バイ・ミーを演奏する場面がステキです。 8点(2004-01-25 16:56:27) |
5. 八月の鯨
人生が愛しくなるような作品です。生きたくなりました。リンゼイ・アンダーソンという人は小津安二郎が好きらしいですね。影響を感じさせるような雰囲気もあったような気がします。とにかくいい作品です。 10点(2004-01-25 10:55:20) |
6. レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ
《ネタバレ》 とても格好いい映画です。詩情に溢れています。ちりばめられた冗談も笑えます。監獄に閉じ込められたメンバーたちが空き缶などでカンカンとリズムを刻み続ける場面が良かった。散髪屋のオッサンがギターを弾き語る場面も実にしみます。とっつきやすいので、アキ・カウリスマキ入門にも最適。 [映画館(字幕)] 10点(2004-01-24 12:13:32) |